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「世帯に30万円」から「1人当たり10万円」に変更!特別定額給付金の変更点と申請方法

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、ビジネスの実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/

この記事でわかること

  • なぜ特別定額給付金は、「世帯に30万円」から「1人あたり10万円」に変更されたのか
  • 特別定額給付金の制度変更で何が変わったか
  • 特別定額給付金の申請方法

特別定額給付金は、当初、生活に困窮している世帯に30万円の支給という方針でした。

その後、国民の声、政治判断などにより、1人当たり10万円という形に変更になりました。

既に特別定額給付金の支給を受けた家庭も多いかと思いますが、なぜ当初の案から、現在の1人当たり10万円給付という決着になったのか、そして申請方法や申請上の注意点などについてまとめてみましょう。

特定の世帯に30万円から全国民1人当たり10万円に変更された

元々「特別定額給付金」は、「生活支援臨時給付金」という名目で、生活に困窮している世帯に対し、1世帯30万円を給付するという内容でした。

しかし、生活支援臨時給付金の受給条件に関しては、下記のような問題がありました。

  • 世帯の「世帯主の収入が減少し、一定水準以下になる」という要件があったため、世帯主以外が生活を支えている場合でも、あくまで世帯主の収入で判断されるところに、不公平感があった
  • 世帯主の収入の減少に関する基準が厳しかった

このような問題などから、「1人当たり10万円」という条件に変更されました。

生活支援臨時給付金の受給条件

当初の生活支援臨時給付金の受給権は、はじめは下記のように厳しい基準でした。
受給条件は、下記のア・イの両方を満たす必要がある

受給条件は、下記のア・イの両方を満たす必要がある

  • ア:世帯主の月収(今年2月~6月の任意の月)が、新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少していること
  • イ:単身世帯:10万円以下
    2人世帯(扶養家族1人):15万円以下
    3人世帯(扶養家族2人):20万円以下
    4人世帯(扶養家族3人):25万円以下
    以後、扶養家族が1人増える毎に5万円を加算

この条件ですと、元々収入の少ない家庭でない限りは、多くの家庭が受給対象外となります。

特に、首都圏ではかなり該当する人は限られるでしょう。

併せて、ウ・エの条件に両方とも該当する場合も受給対象になるということで、以下の条件が定められました。

  • ウ:世帯主の月間収入が2分の1以下になる
  • エ:単身世帯:20万円以下
    2人世帯(扶養家族1人):30万円以下
    3人世帯(扶養家族2人):40万円以下
    4人世帯(扶養家族3人):50万円以下
    以後、1人増えるごとに10万円を加算

こちらも厳しい基準であり、どちらかの条件を満たす世帯主というのは、かなり限られるのが現状でしょう。

  • 世帯主以外の働き手の収入が半分になった世帯にとっては、収入が半減しているという現実にもかかわらず、世帯主でないというだけで対象外になる。
  • 受給対象になる場合は30万円、受給対象にならない場合は0円となる、ゼロイチの仕組みで、不公平感があった。

という点から、これで良いのかという声が挙がりました。

与党の一部からも、「世帯主の所得を基準として受給者を制限する方法より、不公平感をなくす、1人に一律10万円にすべきではないか」という声が強くあり、結論として、「世帯毎に1人一律10万円の支給」という形になりました。

特別定額給付金とは


特別定額給付金の概要は下記の通りです。

  • 1人一律10万円
  • 原則世帯ごとに申込(ただし、DVなど特別な事情がある場合は、住民票のある役場で対応できたケースもある)
  • 基準日(令和2年4月27日時点)で住民基本台帳に記録されている(生存している)こと
    ※逆に言うと4月28日以降に亡くなった人は受給対象となり、4月28日以降に出生した子供は受給対象外となる
  • 郵送もしくはマイナンバーカードを用いてオンラインで申請する

ただ、実際に特別定額給付金事業が運用される中で、オンライン申請にかかるトラブルも多く発生し、複数の市区町村が、オンライン申請を締め切り、郵送での申請のみの受付に変更するという事例も出始めました。

オンライン申請の場合でも、オンラインで届いたデータを住民基本台帳のデータと紙で照合するというプロセスを取るため、紙よりオンライン申請の方が負担となってしまうという現象が生じたことや、オンラインでの二重申請や記載漏れ・間違いなどが多くあったことが原因といわれています。

変更された点について

特別定額給付金の変更された点を、表にしてみていきましょう。

当初の条件現在の条件
給付対象条件世帯主の所得が一定水準以下(証明書類が必要)一律全員
給付額1世帯30万円1人一律10万円(世帯毎)

上記の表にある通り、給付対象条件と給付額以外は大きな変更はありません。

ただし、給付条件をつけた場合ですと、審査の負担が必然的に大きくなりますし、対象者と非対象者の不公平感も出ますので、結局は一律10万円という形でよかったのかもしれません。

特別定額給付金の申請方法

特別定額給付金の申請方法は、紙とオンラインの2種類の方法があります。

当初はオンライン申請が推奨されていましたが、トラブル多発により、現在は多くの自治体が紙での申請を推奨しています。

書面での申請の場合

既にほとんどの家庭には特別定額給付金の申込書面が届いてきていると思われます。

基本的には、市区町村役場より送付された書面に書いて返送すればよいのですが、一部注意点や知っておきたい点があります。

一つ目は、市区町村により様式は違うが、総務省が出しているひな形は、チェックボックスにチェックを入れると「給付辞退」となるということです。

癖でチェックボックスにレ点を入れてしまう人もいるかもしれませんが、書面の内容には注意しましょう。

二つ目は、帰省、長期出張などで郵便物を受け取れない場合は、住民票のある自治体へ連絡し、居所へ郵便物を転送してもらうことができるという点です。

事情があって申請書を受け取れていない場合は、自治体へ連絡するようにしましょう。

三つ目は、特別定額給付金の申請書は、世帯全員の氏名が印刷された状態で送付されるという点です。

一部では、特別定額給付金の書面を装って、世帯全員の氏名が印刷されていない書類を送りつけ、個人情報を詐取する事例もあるため、事前に世帯全員が印字されているか、送付先に不自然な点はないか確認をするようにしましょう(市区町村役場ではなく、別の地区の業者に委託しているケースもありますが、少しでも気になる点があれば市役所に確認しましょう)。

最後に、特別定額給付金の追加給付・二重給付などは当然なく、詐欺の手口として特別定額給付金の追加給付などが名目に利用される場合があるので、電話・メール・SNSで特別定額給付金の追加給付などを名目にした詐欺に遭わないように注意しましょう。

オンライン申請の場合

一部オンライン申請を取りやめた自治体や、郵送での申請を推奨している自治体も多くありますが、大半の自治体ではオンライン申請も受け付けています(なお、当然ですが書面申請とオンライン申請の二重申請はできません)。

オンライン申請は、マイナポータルにアクセスして行う仕組みとなっています。

また、マイナンバーカードを有しており、かつマイナンバーカード内に署名用電子証明書が存在し、有効期限内であることが条件です。

マイナンバーカードの署名の有無・有効期限以外の点でも、オンライン申請を行う場合は、下記の点に注意して下さい。

  • ・居住自治体が、オンライン申請に対応しているか確認する
    ※現在オンライン申請を取りやめている自治体も少なくないので、事前に確認しておきましょう。
  • ・電子署名用パスワードを一定回数以上間違えるとロックがかかるため、必ず申込時の用紙を見ながら、慎重に入力する
    ※ロック解除は市区町村の窓口で行う必要があるので注意しましょう。
  • 本人・家族の全員の氏名を略字ではなく戸籍に記載されたとおりに記入する
    ※例:斉藤→戸籍登録が齋藤であれば齋藤と入力
  • ・特別定額給付金の振込先口座の確認書類として、口座番号・カタカナ・氏名がわかる写真やインターネットバンキングの通帳画面を事前に用意しておく
  • ・スマートフォンで申請する場合は、スマートフォンが特別定額給付金の申請に対応しているかを確認しておく
  • 家族のマイナンバーカードでは申請できず、世帯主本人のマイナンバーカードが必要であることに注意する
  • ・マイナンバー通知カード(緑の薄いカード)では当然電子申請ができず、プラスチックのカードが必要である。

※意外とマイナンバー通知カードとマイナンバーカードを混同してしまう人がいます。

上記のように、注意点が多くありますので、特別定額給付金に関しては、郵送の形がスムーズに手続きできる可能性が高いといえるでしょう。

まとめ

特別定額給付金が開始・支給されるまでの一連の流れは、大きな課題を残しました。

当初の困窮世帯30万円給付が、急遽一律10万円給付となったり、申請に関し、自治体間で給付スピードの違いがあったり、制度の変更に加え、実務を担う窓口である地方自治体の混乱など、大きな課題を残しました。

また、今回のケースはマイナンバーカードを使ったオンライン申請初の大規模実例となりました。

しかし、マイナンバーカードの仕様やシステムによる市民・自治体の混乱も大きく、スムーズな申請の実現に関しては、課題を残す形となりました。

また、複数の自治体がオンライン申請の受付を停止し、紙での申請に一本化するなど、自治体の負担と申請の混乱が生じました。

一方で、特別定額給付金の給付そのものは、地域での消費喚起にも繋がっている側面は非常に大きいといえます。

今回の制度はオンライン申請・地方自治体の事務処理体制という面に対し、課題を多く残した反面、今後の手続きの改善がなされるきっかけとなることが望まれます。

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