

東京弁護士会所属。
破産するということは社会的な信用や財産を失うと恐れている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、早期的に適切な手段で破産を行えば、多くの場合、少ないダメージで済みます。
経営が悪化している状況の中で、交渉ごとを本人でまとめようとすることは非常に大変です。
誰にも相談できないと思わずに弁護士に破産手続きを依頼することで、心身の負担を減らすことができます。
一日でもはやく立ち直るためにも、お気軽に弁護士にご相談ください。

経営者にとって、銀行から担保権を行使され、工場やオフィスを失う状況は恐ろしいでしょう。
しかし、会社更生法[注1]は絶望的な状況下でも、自分と事業を再建するための有力な選択肢となりえます。
会社更生法第1条[注1]は、利害関係者の意見を調整し、社会的に価値ある事業の維持更生を目的としています。
民事再生では担保権が実行され、事業継続を断念せざるを得ない場合も珍しくありません。
本記事では、民事再生では救えない状況をいかに打破するか、その具体的な指針を解説します。
Contents
1952年に制定された会社更生法[注1]は、株式会社に特化した非常に強力な再建手段です。
会社更生法第2条[注1]が定める通り、株式会社の維持更生を目的とした制度です。
民事再生との決定的な違いは、裁判所が選任する管財人が経営を主導する点にあります。
2026年現在の倒産手続IT化により、弁護士が迅速に電子申立てを行えるようになったため、事業価値の毀損を最小限に抑えられます。
コンサルでは踏み込めない裁判所の強制力を行使できるのは、弁護士の職能に他なりません。
経営に行き詰まってしまった企業が再生を目指すときに、会社更生法[注1]の適用を受けるか、民事再生法の適用を受けるか、2つの方法があります。
2つの方法を比較してみましょう。
| 項目 | 民事再生 | 会社更生 |
|---|---|---|
| 対象 | 法人・個人ともに可能 | 株式会社のみ |
| 経営者の継続 | 経営者がそのまま経営できる | 基本的に全員退任 |
| 管財人の選任 | 基本的に必要なし(例外あり) | 管財人が選任され、経営権・処分権を持つ |
| 権利変更の対象 | 再生債権(無担保・優先権なし) | 更生債権、更生担保権、株主の権利 |
| 担保権の扱い | 別除権として手続外で行使可能 | 担保権として手続内に強制的に組み込み |
| 株主の扱い | 原則、株主の権利は維持される。 | 100%減資が前提。既存の株主は権利を失う。 |
| 租税の扱い | 再生手続に関係なく、随時返済 | 再生手続に関係なく、随時返済 |
| 計画の成立 | 再生債権者の決議+裁判所の認可 | 更生債権者、更生担保債権者、株主+裁判所の認可 |
民事再生法第53条[注2]は、担保権を別除権として位置づけ、担保権者が再生手続の枠外で自由に権利を行使できます。
銀行が抵当権を持つ資産は、再生手続中であっても競売にかけられる恐れがあります。
裁判所による中止命令などの対抗策はあるものの、あくまで例外的な措置です。
一方、会社更生法第2条第10項[注1]は、担保権を更生担保権として手続内に強制的に取り込みます。
手続開始と同時に担保権の実行は禁止・中止され、更生計画の認可後も競売は認められません。
さらに、更生計画において被担保債権を減額や、弁済期間の長期化も可能です。
この違いが、銀行融資に多額の担保を差し入れている企業にとって、会社更生法を選択する最大のメリットです。
会社更生法[注1]が適用されるには、次の要件を満たす必要があります。
会社更生法17条[注1]が適用される要件は、支払不能または債務超過に陥っている状態です。
支払不能とは、債務の弁済期が到来しても弁済できない状態をさし、債務超過は資産総額が負債総額を下回る状態をいいます。
負債が1,000万円や1億円規模に膨らんでいても、事業価値が残っている段階であれば再建の余地があります。
破産に至る前に、早期の相談が最善の選択となります。
今借金を返してしまうと、手元にお金がなくなってしまい、事業を継続できない場合に会社更生法[注1]が適用されます。
会社更生法[注1]が適用されると、債権者・株主・経営陣・従業員など全ステークホルダーの個別の権利行使は原則として禁止されます。
会社更生では事業継続のために、整理解雇が避けられない場合があります。
しかし、退職金の支払いが困難な場合でも、厚生労働省の未払賃金立替払制度を活用すれば、国が未払額の8割を立て替えてくれます[注3]。
制度の活用により、従業員の当面の生活を守りつつ、経営者は法的整理に専念できるでしょう。
雇用維持と整理のバランスが難しく、罪悪感を抱く経営者は少なくありません。
しかし、公的制度を正しく案内し、破産を回避して事業を残す道の選択が、従業員に対する誠実な責任の取り方といえます。
会社更生法[注1]が適用されると、既存の株主は権利を失います。
よって、株式の価値はなくなります。
会社更生法[注1]を適用すると次のメリットがあります。
会社更生手続きでは、弁護士への依頼によって数億円規模の担保権行使を一時凍結し、更生計画に基づく計画的弁済への切り替えが可能です。
さらに100%減資により旧株主の影響を排除しクリーンな経営体制にしたうえでスポンサーを迎え入れられる点は、大きなメリットといえます。
事業を次世代につなぐためには、この法的枠組みの活用が最善の経営判断となり得ます。
一方で、次のようなデメリットもあるため、注意が必要です。
経営権は管財人に移るため、経営者は会社の意思決定に関われなくなります。
しかし、経営者個人が債務の責任を清算し、クリーンな再スタートを切るためのプロセスでもあります。
また、予納金は数千万円から数億円規模に達する場合があるため、早期に弁護士へ相談し資金確保の見通しを立てるようにしましょう。
リスクを正確に把握したうえでの判断が、最善の結果につながります。

会社更生法[注1]が向いている企業の特徴は以下の通りです。
大規模な株式会社が会社更生手続を申し立てる場合、裁判所に納める予納金は数千万円から数億円に及ぶ場合があります。
手元資金が底をついた段階では、費用が捻出できず手続き自体が困難です。
事業価値と十分なキャッシュが残っている段階での弁護士への相談が、自分の会社と従業員を守る最初の一手といえます。
銀行が担保権を行使すれば、オフィスや工場、設備などは失われます。
任意交渉が行き詰まった段階では、当事者間の合意による解決は現実的ではありません。
会社更生手続による裁判所の強制力を活用すれば、担保権行使を法的に凍結し、事業資産を守りながら再建計画を進められます。

会社更生法[注1]の手続きの流れについてご紹介します。
まずは、裁判所に会社更生手続きの開始を申し立て、事前に裁判所との打ち合わせをします。
裁判所が申し立てを認めると、裁判所から保全管理人が選任されます。
保全管理人が選任される理由は、会社が債務を勝手に返済しないためです。
会社更生手続き開始の申し立てをし、保全管理人が選任された後、裁判所は会社更生手続きの開始決定を出します。
関係人集会などを通じ、どこからいくらのお金を借りているのか、債権調査をしたのち、更生管財人が更生計画案を作成します。
更生計画案に盛り込まれる内容は、債権者などの利害関係者の権利がどうなるのか、債権にはどのような条件がつくのかなどです。
更生管財人が作成した更生計画案を裁判所に提出し、関係人集会で決議されます。
関係人集会で可決された更生計画案は、裁判所から認可決定が出ます。
発行した更生計画案の元、会社の再建を進めて行きます。
会社更生手続きが終了するタイミングは、会社の債務の弁済が終わる、もしくは終わりそうだと裁判所が判断したときです。
一方で、裁判所によって更生手続きの終了が認められない場合にも、会社更生手続きとしては終わりますが、そのまま破産手続きへと進んでいきます。
JALは、経営再建のために会社更生法[注1]の適用を申請しました。
企業再生支援機構が支援を決定し、利害関係者との調整は事前に進めてありました。
利害関係者調整を事前に進めておく方法を、「事前調整型」もしくは「プレパッケージ」と呼びます。
資本注入や人員削減などを行い、さらに政府も協力しJALは再生しました。
JALはテロ、感染症の流行(SARSやインフルエンザ)、リーマンショックなどの不測の事態があると、度々借入をし、経営を存続させてきました。
ただし、ライバルである全日空輸(ANA)はそこまでの経営不振に陥っていないため、JALの経営面に問題があったとも指摘されています。
民事再生ではなく、会社更生法[注1]の適用を選択した要因としては、債権者間の不公平感をなくすためと考えられています。
会社更生法[注1]の手続きに時間がかかるというデメリットは、債権者との調整とスポンサーを先に決めておき(プレパッケージ方式)解決しました。
また、再生手続きによって万が一にもJALの航空機が飛ばなくなると、日本国内外に多大な影響が出るため、極力影響が出ないように政府も配慮したようです。
多くの企業が会社更生ではなく、民事再生を選んでいます。会社の状況によってもさまざまな理由がありますが、以下の理由で選ばれるケースが少なくありません。
それぞれの理由について見ていきましょう。
民事再生が選ばれる最大の理由は、経営陣が退陣せず主導権を持って再建を進められる点にあります。
自分の会社を自分の手で立て直せる点は、経営者にとって大きなメリットです。
しかし民事再生には致命的な弱点があります。
強硬な担保権者が存在する場合、担保権が手続外で行使され、工場や主要資産を失うリスクが残ります。
再建計画が担保権者の一存で頓挫し、結果として破産に追い込まれるケースも少なくありません。
担保権者との交渉が難航している場面では、裁判所の強制力で担保権を凍結できる会社更生法[注1]が、事業存続のための選択肢となります。
民事再生では、再建計画の成立に債権者集会での多数の賛成が必要です。
しかし利害関係が複雑に絡み合う場面では、一部の債権者が反対し続け計画が否決され、再建の道が閉ざされるリスクがあります。
スポンサー候補も債権者の合意の見通しが立たなければ撤退し、資金調達自体が頓挫します。
一方、会社更生手続では、債権者の種別ごとに更生計画案の多数決での強制決定が可能です。
全員の同意を必要とせず、裁判所の認可により計画を確定できるため、利害関係が複雑な大型案件ほど事業再建の確実性は高まります。
民事再生は会社更生に比べ、予納金や裁判所費用のコストを数百万円単位で抑えられ、申立てから認可までの期間も概ね半年~1年とスピーディーです。
しかし、コストを重視した結果、民事再生の弱点である担保権行使を止められず、事業の核を失っては本末転倒と言えます。
自分と会社を守るために、費用面だけでなく担保権者との関係性を最優先に検討しましょう。
VSG弁護士法人では、専門知見に基づき、経営実態に即した最適な再建手続を提案します。
| 民事再生 | 会社更生 | |
|---|---|---|
| コスト | 数百万円〜 | 数千万円〜 |
| スピード | 数カ月で計画認可 | 年単位の期間が必要 |
| 判断基準 | 銀行の協力が得られる | 担保権者が競売を強行 |
適切な指針を得るため、まずは弁護士へ相談してください。
会社更生法[注1]についてお悩みの場合は、早期に弁護士にご相談ください。
ここでは弁護士に相談するメリット、タイミング、弁護士の選び方について解説します。
会社の立て直しには一人で悩まず専門家を頼りましょう。
会社更生手続は、申立要件の判断から管財人との交渉、更生計画案の策定まで、極めて高度な法的専門知識が必要です。
弁護士に相談し、自社の状況を鑑みて会社更生と民事再生のどちらが適しているかを的確に見極めたうえでの選択が重要です。
また、複雑な書類作成・裁判所対応・債権者との調整といった手続き全般を任せられるため、経営者は事業継続と従業員の雇用維持に集中できます。
会社更生手続を検討する局面では、相談のタイミングが結果を左右します。
手元資金が底をつく前、すなわち予納金を確保できる段階での相談が不可欠です。
資金繰りが限界に達してからでは、数千万円から数億円に及ぶ予納金を捻出できず、手続き自体が選択肢から消えます。
また、銀行が担保権行使に動き始めた段階では、すでに交渉の余地が狭まっています。
事業価値と資産が残っている早期の段階で弁護士に相談し、会社更生・民事再生・任意整理など複数の選択肢を比較したうえで、自分の会社に最適な再建の道筋を描きましょう。
会社更生・民事再生を依頼する弁護士を選ぶ際は、以下の基準を目安にしてください。
VSG弁護士法人はこれらすべての基準を満たし、全国対応が可能です。
相談のデッドラインは「資金ショートの3カ月前」です。
その時点を過ぎると選択肢は急速に減ります。
自分の会社と事業を守るため、今すぐ電話での無料相談をご利用ください。
会社更生法[注1]は、事業と雇用を守るための法的に正当な再建手段です。
手続きの複雑さや費用への不安は当然ですが、だからこそ早期に専門家への相談が重要です。
VSG弁護士法人では、会社更生と民事再生のどちらが自分の会社の状況に適しているかを、わかりやすくご提案します。
現在の資金繰りの状況をそのままお話しいただくだけで構いません。
専門用語の知識は不要です。
まず電話で無料診断をしてください。
[注1]会社更生法/e-Gov
会社法
[注2]民事再生法/
民事再生法第53条
[注2]厚生労働省 未払賃金立替払制度