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最終更新日:2024/8/6

個人事業主が支払う税金が高いと感じたときにすべき節税テクニック8つ【法人化すべき所得の目安も解説】

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること

  • 個人事業主の節税方法がわかる
  • 個人事業主と法人との違いがわかる
  • 個人事業主が法人化すべき所得がわかる

確定申告の時期になると、個人事業主は支払う税金の多さにうんざりします。

そのため、少しでも税金を減らせる方法はないか、と考え、法人化について真剣に検討するのもこの時期であることが多いようです。

そこで、個人事業主が支払う税金が高いと感じたときにすべき節税テクニックや、法人化すべき所得の目安などについて簡単に解説します。

個人事業主が支払う税金

個人事業主が支払う税金には次のものがあります。

  • ・所得税
  • ・住民税
  • ・事業税
  • ・消費税
  • ・その他の税金

所得税

所得税とは、個人の所得に対して係る税金で、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得を合計し、所得控除を行った課税所得に税率を掛け、税額控除を行って計算します。

所得税は、確定申告書を作成し、必要書類と共に税務署に申告、納付するものです。

尚、平成25年(2013年)から令和19年(2037年)の分については、所得税額の2.1%を復興特別所得税として、所得税と併せて申告、納付します。

住民税

住民税とは、都道府県民税と区市町村民税の総称です。

所得税の確定申告書に基づき、住所地の自治体から計算済みの納付書が送付されるので、それに従って納付します(申告は不要)。

納税額は、各自治体によって定められた一定額の均等割と、所得に応じて計算された所得割を合算した額となります。

所得割の計算方法は、所得税と同様、前年の総所得額から所得控除を行った課税所得に税率を掛け、税額控除を行った額となります。

事業税

個人事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金を個人事業税といいます。

住民税同様、所得税の確定申告書に基づき、住所地の自治体から計算済みの納付書が送付されるので、それに従って納付します(申告は不要)。

現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

個人事業税の計算方法は、事業所得及び不動産所得に青色申告特別控除額を加え(青色申告特別控除の適用がないため)、事業主控除を行った額に税率を掛けた額となります。

事業主控除額は290万円あるため、事業所得と不動産所得の合計額が290万円を下回る場合は、納付の必要はないため、納付書は送付されません。

消費税

消費税とは、商品の販売やサービスの提供などの取引に対して課税される税金で、消費税と地方消費税の合計となっており、消費者が負担し、事業者が消費税の確定申告書により申告、納付します。

対象となる商品やサービスの種類によって、10%の標準税率、8%の軽減税率、非課税のものがあります。

尚、年間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は免税事業者となり、申告や納付の必要はありません。

その他の税金

その他、個人事業主が支払う税金には、従業員がいる場合は源泉所得税が、健康保険として国民健康保険料(税)があり、不動産や自動車などの資産を持っている場合は、固定資産税や自動車税などがあります。

法人が支払う税金

参考までに、法人が支払う税金についてもお伝えします。

基本的に、個人事業主の所得税、事業税が法人では法人税、法人事業税に代わる程度で、他は変わらず、次のようなものがあります。

  • ・法人税(地方法人税)
  • ・法人住民税(法人道府県民税・法人市町村民税、東京23区の場合のみ法人都民税)
  • ・法人事業税(特別法人事業税)
  • ・消費税
  • ・源泉所得税
  • ・固定資産税
  • ・自動車税 など

個人事業主ができる節税テクニック8つ

個人事業主ができる節税テクニックは、次の通り、全部で8つあります。

  • ・青色申告の承認を受ける
  • ・e-Taxで確定申告をする
  • ・小規模企業共済に加入する
  • ・個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する
  • ・経営セーフティ共済に加入する
  • ・決算前に経費をチェックする
  • ・固定資産を購入する
  • ・その他の経費を増やす

青色申告の承認を受ける

所得税の確定申告には、白色申告と青色申告があります。

記帳や申告が簡単な白色申告とは違い、青色申告には様々なメリットがあります。

まず、青色申告には青色申告特別控除として、10万円または55万円の控除が認められています。

また、家族を従業員として雇用している場合は経費になるほか、損失(赤字)を3年間繰り越せる、30万円未満の資産を一括償却できる、など節税につながるメリットが沢山あります。

青色申告の承認を受けるのは、税務署に所得税の青色申告承認申請書を提出するだけです。

e-Taxで確定申告をする

青色申告で確定申告を行う際に、紙の申告書を使用するのではなく、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーで申告書を作成してe-Taxで送信する場合は、65万円の青色申告特別控除が受けられます。

尚、e-Taxを利用するには、マイナンバーカードとカード読取対応のスマートフォン、またはICカードリーダライタが必要です。

ただし現在は、暫定的に税務署で発行されたID・パスワード方式の届出完了通知でもe-Taxが利用可能です(令和3年2月現在)。

その場合は、マイナンバーカードや読取対応のスマートフォン、ICカードリーダライタは不要です。

小規模企業共済に加入する

個人事業主には退職金がありません。

そのため、退職金の引当などで所得を控除することもできません。

しかし、小規模企業共済に加入することで、積み立てた掛金を退職金として利用できる制度があります。

月々の掛金は1,000円~70,000円まで500円単位で自由に設定や変更が可能で、確定申告の際には掛金の全額が所得控除できるため、高い節税効果があります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、自分で設定した掛金を拠出して積立て、自分で選んだ定期預金や保険商品、投資信託などの運用商品で運用し、老後運用益と共に受け取る私的年金の制度です。

運用益が非課税で再投資可能な他、小規模企業共済同様、掛金の全額が所得控除できます。

経営セーフティ共済に加入する

経営セーフティ共済とは、取引先が倒産した際に、連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐために、無担保・無保証で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れできる共済制度です。

月々の掛金は5,000円~20万円まで自由に設定や変更が可能で、掛金の全額を必要経費として損金に算入できます。

決算前に経費をチェックする

節税対策は決算期が終了した後では行うことができません。

そのため、少なくとも決算終了1か月前(11月末頃)までに必要経費について再チェックを行い、帳簿への記載や算入の漏れがないか、家事費としているもので経費として計上できるものはないか、確認します。

また、自宅などで事業を運営している場合は、固定資産税や水道光熱費など、共用の経費を使用状況に応じて按分して、経費として計上するのを忘れないようにしましょう。

固定資産を購入する

すぐに大きな効果が出る訳ではありませんが、いずれ必ず使用するものであれば、固定資産を早めに購入するようにします。

固定資産は、その内容によって異なる耐用年数に応じた減価償却費を、経費として計上します。

その他の経費を増やす

その他にも、現預金が減ることにはなりますが、生命保険や介護医療保険、個人年金保険、地震保険への加入、チラシやホームページなどの広告宣伝費、修繕費や消耗品費など、さまざまな経費を増やすことでも節税は可能です。

個人事業主と法人の違い

個人事業主は、税金のことを考えるとき、法人化について検討することがありますが、まずは、個人事業主と法人の違いを知ることから始めるのがよいでしょう。

税金面の違い

前述した通り、個人事業主と法人とで、納付すべき税金の種類についてはそれほど違いはありません。

主な税金の種類を一覧にすると、次の通りになります。

個人事業主 法人 計算の対象
所得税 法人税 所得
個人住民税 法人住民税 所得
個人事業税 法人事業税 所得
消費税 消費税 商取引
源泉所得税 源泉所得税 給与等
固定資産税 固定資産税 資産
自動車税 自動車税 資産

会計処理の違い

会計処理については、異なる面が多くあります。

個人事業主 法人
報酬 なし(所得が報酬) 役員報酬・役員賞与
退職金 なし あり
社会保険 個人で支払 法人と従業員で折半
税率 累進課税 比例課税
交際費 制限なし 制限あり
繰越損失 3年(青色申告) 10年
決算期 12月31日 自由(変更可)
確定申告 2/16~3/15で一定 決算から2か月以内

その他の違い

その他、個人事業主と法人では、次のような違いがあります。

個人事業主 法人
設立費用 不要 約20万円~
資本金 不要 必要
登記 不要 必要
債務の責任 無限責任 有限責任
事業承継 不可 可能
経費の範囲 狭い 広い
社会的信用 小さい 大きい

個人事業主の税金が高いと感じたら法人化も検討すべき?

先程お伝えした節税テクニックについて、それらを試しても税金が高いと感じられる場合は、法人化を検討すべきです。

なぜなら、次の3つの面で法人化によるメリットが受けられるからです。

  • ・所得にかかる税金が安くなる
  • ・所得を下げる効果が大きい
  • ・法人自体の強度を高める

所得に係る税金が安くなる

法人化を行う最大のメリットは、売上が大きくなればなるほど、個人事業主より法人の方が、所得にかかる税金は安くなるということです。

所得税は累進課税で、次のように計算されます。

所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
1,950,000円以下 5% 0円
1,950,000円超3,300,000円以下 10% 97,500円
3,300,000円超6,950,000円以下 20% 427,500円
6,950,000円超9,000,000円以下 23% 636,000円
9,000,000円超18,000,000円以下 33% 1,536,000円
18,000,000円超40,000,000円以下 40% 2,796,000円
40,000,000円超 45% 4,796,000円

一方、法人税は比例課税で、税率は下記の通りです。

中小法人(資本金1億円以下)の法人税率

課税される所得金額 税率
8,000,000円以下の部分 15%
8,000,000円 超の部分 23.2%

例えば、年間所得が10,000,000円だったとすると、上記の表から、個人事業主の場合は所得税が、1,764,000円、法人税が1,664,000円となります(単純比較なので報酬面は考慮せず)。

両方の税率を比較すれば明らかなように、所得が大きくなればなるほど、この差が広がり、法人化した方がメリットは大きくなります。

所得を下げる効果が大きい

さらに、法人化には、所得を下げる効果が大きくなる、次のようなメリットもあります。

これらは全て所得金額を抑制するため、支払うべき法人税等の額をさらに少なくさせる効果があります。

  • ・役員報酬が経費になる
  • ・損失の繰越期間が延びる
  • ・経費の範囲が広がる
  • ・決算期が自由に決められる

役員報酬が経費になる

個人事業主は、自分に対して給与を支払うことができません。

しかし、法人を設立することで役員報酬を支払うことができます。

役員報酬の額は自由ですが、期初から3か月を過ぎると変更できなくなります(ただしあまり高額な場合は不可)。

役員報酬は、事前確定届出給与に関する届出書を作成し、予め税務署に届け出ておくことで、給与だけでなく、賞与についても支給した全額を経費として計上することができます。

しかも、給与所得控除が使えますから、法人の所得を抑制して法人税等を下げるだけでなく、報酬を受け取った個人の所得税についてもメリットがあるということです。

損失の繰越期間が延びる

個人事業主は、青色申告を行うことで、事業で生じた損失(赤字)について、3年間の繰越期間がありますが、法人を設立した場合、この繰越期間が10年になります。

これにより、長期間にわたって損失の繰越ができることで、その後の利益分を削減できることになりますので、所得を抑制するのと同じ効果が長続きします。

経費の範囲が広がる

個人事業主に比べ、法人の経費の範囲は大きく広がります。

例えば出張等をした際に、個人事業主はかかった実費しか経費として認められていません。

しかし、法人の場合、出張手当として日当等を支給することができます。

節度を持った運用を行うことで、出張手当は非課税扱いになりますので、メリットは大きいです。

また、自宅を法人に売却して社宅としたり、賃貸物件を借り上げ社宅として法人契約したりすることでも、住居費用の一部を経費扱いにすることができます。

決算期が自由に決められる

決算期が自由に決められることも所得の抑制に関係します。

法人の役員報酬は自由に決めることができますが、変更できるのはその期が始まってから3か月以内です。

売上に決まった季節変動要素などがある場合、売上の多い時期を期初とすることで、その期全体の売上が予想しやすく、それに連動した役員報酬を決めやすくなるからです。

こうして、赤字にならない範囲で、役員報酬をできるだけ多めに設定することで、所得を低く抑えることができますので、決算期が自由に決められる(しかも変更も可能)ことがメリットとなります。

法人自体の強度を高める

また、法人化することで、事業体である法人自体の強度を高める、次のようなメリットがあります。

  • ・有限責任になる
  • ・出資を受けることができる
  • ・事業承継ができる
  • ・社会的な信用が増す

有限責任になる

個人事業主は、事業を行う上で生じた債務について無限の責任を負わなければいけませんが、法人の場合は、その債務について出資した金額(資本金)以上の責任を負う必要はありません。

これを有限責任といいます。

ただし、金融機関から融資などを受ける際は、社長自身に連帯保証が求められることがありますので、その場合は、無限責任になります。

出資を受けることができる

法人化を行う場合、法人の所有と経営は分離することができるため、出資者は社長本人である必要はありません。

財務状況が厳しいときや、事業を大きく拡大したいときなどには、融資ではなく、第三者の個人や法人から出資を受けて資金調達を行うことができます。

事業承継ができる

個人事業は、その名の通り個人の事業なので、事業主が死亡するなど事業の継続ができない場合は、どんなに順調な事業であっても、廃業するしかありません。

しかし、法人の場合は、事業承継を行うことができますので、永続的に発展させることが可能です。

社会的な信用が増す

また、法人化によって社会的な信用が増すこともメリットです。

全ての取引が法人契約となり、相手に安心感を与えることで締結が容易になったり、融資などを受けられやすくなったりします。

法人化を検討すべき個人事業主の所得

それでは、個人事業主が法人化を検討した方がよい所得の分岐点はどこにあるのでしょうか?

先程お伝えした、所得税と法人税の表から単純比較して、およそ800万円あたりがその分岐点ではないか、とよく言われます。

しかし、これは報酬の部分を全く計算に入れていません。

個人事業主の所得は、そのまま報酬となって所得税の対象になりますが、法人で給与として受け取った場合は、その額に応じた給与所得控除が受けられるからです。

ただし、法人の場合は、事業税や地方法人税、住民税などの合計が、個人事業主に比べて高めになりますから、所得がおよそ600万円以上あれば、報酬をきちんと貰うことで、法人化の方がメリットは出るでしょう。

事業の所得が600万円で、法人化した場合の報酬を480万円とした場合を計算してみます。

内 容 個人事業主 法人設立
課税所得 6,000,000円 1,200,000円
報 酬 (所得に含む) 4,800,000円
所得税 772,500円 252,500円
法人税 180,000円
合計(税) 772,500円 432,500円

実際には、法人設立当初の段階で報酬を決めるのは難しいですが、この程度の所得が常にあるようであれば、十分法人化を検討すべきです。

まとめ

ここまで、個人事業主が行うべき節税テクニックや法人化すべき所得などについて解説してきました。

現在、個人事業主としてある程度の所得が常にある場合は、さまざまな節税策を行うのと同時に、法人化の検討を行う必要があることがわかっていただけたら幸いです。

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