この記事でわかること
- 相続税の支払いをする際に使用する納付書の入手方法がわかる
- 相続税の納付書の書き方を知ることができる
- 相続税を納税する際の4つの方法の違いがわかる
相続が発生し多くの遺産を相続した場合、多額の相続税を納税しなければならない場合があります。
相続税を納税する際には、どのように納付したらいいのでしょうか。
確定申告をしている人は、毎年税務署から納付書が送られてくると思いますが、相続税もそのような取扱いがあるのでしょうか。
また納付書を使わず、金融機関の窓口に行かなくても納付できる方法についてもご紹介します。
目次
相続税の納付書の入手方法
相続税を納税する際には、一般的に納付書を使って金融機関の窓口で納税する人が多いと思います。
そこで疑問に思うのは、納付書はどのようにして入手するのかということです。
相続税を計算し税額が発生する場合に、納付書で相続税を納付するのであれば、納付書は税務署で入手しなければなりません。
税務署で発行される納付書には、税目や税務署名、さらに納税者名を記載した状態で発行してもらうことができます。
ただし、相続税の納付書は、納税者の名前をかなり特殊な形で記載しなければなりません。
そのため、税目と所轄税務署名だけを伝えて、税務署で発行してもらいましょう。
また、金融機関の窓口にも納付書が用意されています。
ただし、税目や税務署名などの記載がされていないと考えられるほか、枚数が十分にないこともあります。
そのため、税務署で発行してもらう方が確実といえるでしょう。
確定申告をしている人の場合、税金が発生しても納付書が送られてくるため、納付書を入手するのに困ることはありません。
しかし、相続税は突然発生するものであり、前もって納付書を入手しておくことができません。
また、税務署は相続税の申告前に相続税が発生したかどうかを把握できないため、納付書を自動的に送ってくれることもありません。
そのため、相続税の支払いの段階で、どのように相続税を納付すべきか迷ってしまうこともあるのです。
相続税が発生しそうな場合には、あらかじめ相続人の人数分の納付書を入手しておきましょう。
余分にもらっておけば、書き損じがあった場合でも再度もらいに行く必要はありませんし、税務署もそのように対応してくれます。
相続税の納付書の書き方
相続税の納付書を記載する際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
特に、納税者名や納期限などの記載方法はかなり特殊であることから、注意が必要です。
相続税納付書の記載例
国税庁のホームページで、相続税の納付書の記載方法を調べてみても、納付書の写真も載っていません。
そこで、納付書の記載例をご紹介しつつ、その記載上の注意点を解説していきます。
まずは納付書の記載例をご覧ください。
税務署で納付する税金の多くが、この納付書を使って納税します。
確定申告で所得税の納税をしたことがある方は、見たことがあるとお思いかもしれませんが、実際、納付書の形式は同じです。
ただ、記載上の注意点がいくつかありますので、そのポイントを順番にご紹介していきます。
①年度
納付する日の属する年度を記載します。
4月1日から翌年3月31日までが1つの年度となります。
例えば、令和4年6月に納付するのであれば、この年度は令和4年度となるのです。
税務署で納付書を入手する場合には、この年度に数字が入力されています。
②税目番号
税金の種類によって定められた税目番号を記載します。
相続税の場合は「050」と記載するものとされています。
税務署で税目を伝えて納付書を発行してもらっているのであれば、改めて記載する必要はありません。
③税務署名
相続税の納付書の場合、納税者(相続人)ではなく被相続人の住んでいた場所により管轄の税務署が定められます。
そのため、相続人の住所に関係なく、同一の相続においてはすべて同一の税務署名が記載されることとなります。
税務署に税務署名を伝えてあれば入力されていますが、そうでない場合は自分で税務署名と税務署番号を記載しなければなりません。
④税目
税目番号に対応した税目を記載します。
こちらもすでに入力された状態で税務署からもらうことができます。
⑤本税
相続税の計算を行った結果、求められた相続税額を記載します。
本税に記載した金額を、一番下の合計額の欄にも記載しましょう。
⑥住所
相続税の納付書で、最もわかりにくい記載箇所の1つです。
実際に相続税を納付するのは相続人ですが、相続税の申告書は被相続人の住所地の税務署に提出します。
そのことが後から見てもわかるように、被相続人の住所地と相続人の住所地を二段書きすることとされているのです。
また、電話番号は相続人の電話番号を記載します。
⑦氏名
氏名の欄にも、被相続人と相続人の両方を二段書きすることとされています。
被相続人と相続人のいずれかがわかるよう、必ず被相続人、あるいは相続人と明記したうえで氏名を記載しましょう。
⑧納期等の区分
相続税の場合、納期等の区分に記載するのは、相続税の納期限ではなく相続が発生した日となります。
つまり、ここに記載された日から10か月が相続税の申告・納付の期限となるのです。
相続税の納期限を記載すると勘違いしやすいため、間違えないようにしましょう。
⑨申告区分
申告区分の欄には、4.確定申告に丸をつけます。
相続税の納付方法は4種類
相続税の納付方法には、納付書を使った納税以外にもいくつかの方法があります。
ここでは納付書を使った方法に加えて、それ以外の方法についてもご紹介していきます。
金融機関で納付する
もっとも確実でわかりやすい納付方法です。
納付書さえ準備しておけば、全国のどの金融機関からも相続税の納税をすることができます。
銀行、信用金庫、郵便局、農協などあらゆる金融機関が窓口となりますが、ATMからは納付できないことに注意しましょう。
税務署の窓口で納付する
税務署の窓口で、納付書を使って納付することができます。
税務署で納付するメリットは、窓口で納付書の記載方法を確認できること、そして金融機関より受付時間が長いことです。
ただし、被相続人の管轄の税務署に限られるため、全国どこでもいいというわけではない点に注意が必要です。
クレジットカードで納付する
国税庁ホームページの「国税クレジットカードお支払いサイト」を利用すると、クレジットカードで税金を納付できます。
相続人本人名義のクレジットカードを利用すれば、24時間関係なくいつでも相続税を納付できます。
また納付書を用意する必要はないため、税務署に出向く必要はありません。
しかし、納税額に応じた手数料が発生し、納税額が大きくなるとかなりの負担になってしまいます。
納税額の上限が1,000万円未満となっている点にも、注意が必要です。
コンビニエンスストアで納付する
相続税額が30万円以下と少額の場合には、コンビニエンスストアで税金を納付することができます。
コンビニエンスストアであれば24時間365日いつでも納付できるというメリットがあります。
ただし、コンビニエンスストアで納付するには、あらかじめ税務署でバーコード付きの納付書を発行してもらう必要があります。
そのため、実際にコンビニエンスストアで納付することにメリットがあるのは、限定的といえるでしょう。
相続税の納付書を作成するときの注意点
最後に、相続税の納付書を作成する際の注意点をご紹介します。
相続税の納付は、ほかの税目と比較しても独特な面があるため、間違えないように注意しましょう。
納付書を書き損じた場合の対応
納付書を書き損じた場合、一番良いのは新しい納付書に書き直すことです。
ただし、税額以外の住所や氏名、税目などの項目については、二重線で訂正したものであっても使うことができます。
税務署に再度もらいに行く時間がない場合は、二重線での訂正で対応することができます。
一方、税額を訂正したものについては、わずかな金額の訂正であっても金融機関では受理されません。
そして、税額を書き間違えてしまうことは、実際によくあることなのです。
そのため、あらかじめ余分に納付書をもらっておく必要があるのです。
納付書は相続人の人数分準備する
相続税の納付は、相続人が相続した財産の金額に応じて行うものとされています。
1人あたりの相続税額がわずかであり、まとめて誰かが納付できるような場合でも、納付書は相続人の人数分作成しなければなりません。
1枚の納付書に相続税の合計金額を記載し、まとめて納付してしまうことのないようにしましょう。
相続税の負担は各相続人が行う
納付書は人数分作成しても、実際の納税を誰かがまとめて行うことがあるかもしれません。
しかし、このような納税の方法も望ましくありません。
相続税額は相続人ごとに発生するものであるため、その税額をほかの人が負担したとなれば、贈与税の対象となってしまいます。
税額が110万円以下であれば、すぐに相続税が発生することはないかもしれません。
しかし、ほかに贈与を行っていないかといった点にも注意しないと、贈与税の申告漏れを指摘されるおそれがあるのです。
また、相続税額が110万円を超えている場合には、ほかの人の税額を納付した時点で贈与税が発生します。
贈与税に関する指摘を受けることのないよう、必ず相続した人が自身の納付書で納付するようにしましょう。
まとめ
相続税の税額は、遺産の金額によっては大変大きな金額になってしまいます。
そのため、どのような方法で納付するのか頭を悩ませる人も多いことでしょう。
一般的に税務署に納付する税金は、税務署で入手した納付書を使って納付することとなります。
ただ、クレジットカードによる納付も利用できるため、平日の昼間に動けない人は検討してみるといいでしょう。
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