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最終更新日:2023/3/7

受遺者(じゅいしゃ)

川﨑 公司 (弁護士)
この記事の執筆者弁護士 川﨑公司

弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(https://sozoku-lawyer.com/office/)所属弁護士。新潟県出身。

相続問題は複雑なケースが多く、状況を慎重にお聞きし、相続人様のご要望の実現、相続人様に合ったよりよい解決法をアドバイスさせていただくようにしています。

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受遺者(じゅいしゃ)とは、遺言によって財産を受け取る法定相続人以外の人のことです。相続人ではなく受遺者なので、法定相続人数としてカウントしないので注意が必要です。

受遺者とは?

相続では、配偶者・子供・両親といった法定相続人に対して遺産相続があります。

しかし、遺贈といって相続人以外に遺産を渡す場合もあります。遺贈によって遺産を受け取った人を「受遺者」と言います。

つまり、受遺者とは相続では遺産をもらった相続人ではない人です。

受遺者・受贈者・相続人の違い

受遺者と間違えやすいのが、受贈者・相続人という言葉だと思います。

「受遺者・受贈者・相続人ってどう違うの?」と思う人もいるかもしれません。

  • ・受遺者:遺贈された人(相続人以外)
  • ・受贈者:贈与された人
  • ・相続人:相続の権利を持っている人

受遺者・受贈者・相続人の違いについて紹介します。

受遺者

受遺者は、遺贈を受けた人です。

遺贈とは、遺言をもとに、法定相続人以外に遺産を相続させることです。

相続は、亡くなった人の配偶者・子供・両親などが法定相続人になります。

ただし遺言によって「親族ではなく、別の人・団体に財産を渡したい」というケースがあるかもしれません。

この場合に法定相続人ではないですが、相続財産を受け取る人がおり、そのような人を受遺者といいます。

遺贈は、亡くなった人が一方的に決められることで、受遺者は相続を断ることもできます。

受遺者が財産を相続した場合には、相続税・不動産取得税の支払いが発生する可能性もあります。

受贈者(じゅぞうしゃ)

受贈者とは、贈与を受けた人を意味します。

贈与には、生前贈与・死因贈与の2種類あります。

生前贈与とは、生きているうちに財産を贈与することです。

死因贈与とは、亡くなったときに財産を贈与することです。

贈与は遺贈と違って、贈与する側・受け取る側が契約をしています。そのため贈与する側が自分の要望を聞いてもらったりできるというメリットがあります。

ただし死因贈与、口約束でも成立するため、書面を残してないとトラブルに発展するかもしれません。

相続人

相続人とは、財産を相続する権利を持った人です。

一般的に亡くなった被相続人の、配偶者・子供・両親が相続人です。

相続人の範囲は法律で決められており、遺言で「家族には相続させない」と指定があったとしても、一定量の財産を相続する権利を持っています。

相続人は、相続放棄といって相続の権利を捨てることができます。相続ではプラスの財産だけなく、借金といったマイナスの財産も対象になるため、相続放棄するケースもあります。

受遺者の種類

受遺者には、特定受遺者と包括受遺者の二種類があります。
特定受遺者とは、亡くなった人が所有していた財産のうち、「A銀行B支店の普通預金口座番号○○○○を遺贈する」というように、財産の種類や所在地などを特定して遺贈を受けた人のことをいいます。
一方、包括受遺者とは、「自分の有する財産の半分を遺贈する」というように、個別の財産を特定せず、相続財産の全部または一定割合を遺贈された人をいいます。

相続税における取扱い

遺贈は、財産を保有していた人の一方的な意思表示により成立する反面、受遺者が財産の受け取りを拒否したい場合には、その権利を放棄することができます。また、実際に遺贈により財産を受けた受遺者には、贈与税ではなく相続税が課されます。

受遺者は相続税の支払いに注意しよう

受遺者として財産を相続すると、相続税の支払いが発生するかもしれません。

受遺者は法定相続人と違って、相続における非課税枠が用意されていません。

そのため、受遺者で相続を受けると、高い相続税を支払う可能性があります。

受遺者として相続がありそうなら、相続税の支払いに気をつけましょう。

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