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最終更新日:2024/5/1

相続税の障害者控除とは?適用できる要件や控除額の計算方法を解説

古尾谷 裕昭

この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

ベンチャーサポート相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、横浜、千葉、大宮、名古屋、大阪、神戸など全国の主要都市22拠点にオフィス展開し、年間2,200件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。 業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【ベンチャーサポート相続税理士法人】

相続税の障害者控除について 適用要件・控除額を税理士が解説 2019版

相続税の障害者控除とは、障害がある相続人が遺産を相続した場合に相続税が軽減される特例措置です。
「被相続人(亡くなった方)」が障害者であっても控除はありません。

障害者控除は税額控除で直接、相続税から差し引くことができ、かつ控除額も大きくなるケースも多いです。
また、障害者である相続人の相続税額から控除額を差し引きれなかった金額が生じた場合には、その差し引きできなかった金額を他の相続人の相続税額から差し引くこともできます。

さらに、平成27年度の改正で控除額が増えたこともあり、相続人に障害者がいる場合において納付する相続税が大幅に減額されることも少なくありません。

本記事では障害者控除額の計算方法、障害者控除を受けるための要件、申告時の注意点について解説していきます。

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相続税の障害者控除とは

相続税の障害者控除とは、障害がある相続人が遺産を相続した場合に相続税が軽減される特例措置です。
また、障害がある人の親、兄弟などの相続人とも控除額を分け合うことができます。

「被相続人(亡くなった方)」が障害者であっても控除はありません。

この相続税の障害者控除を受けるためには5つの要件を満たす必要があります。

相続税の障害者控除を受けるための5つの要件

障害者控除の適用には、以下の5つの要件があります。

財産を取得した法定相続人であること

障害者控除の適用は法定相続人のみと決まっています。
遺言等により法定相続人ではない障害者に遺贈することになったとしても、障害者控除の適用にはなりません。

法定相続人とは?

財産を取得した時点で日本国内に住所があること

相続や遺贈により財産を取得した時点で、日本国内に住所がある人が対象になります海外に住所がある相続人は適用対象外になります。

しかし、外国に居住していても下記の2点に当てはまる人は適用対象となります。

  • 日本国籍を有している
  • 故人もしくは相続人のいずれかが、相続開始前5年以内に日本国内に住所を有していたことがある

※ただし、平成29年3月31日以前に相続が開始している場合には、「相続や遺贈で財産を取得した時点で日本国内に住所がある人」のみが対象となります。

相続または遺贈によって財産を取得すること

相続財産を取得しなければ、その人には相続税は発生せず、障害者控除も使うことはできません。

障害者である相続人が財産を少しでも取得していないと、扶養義務者と控除額を分け合う場合においても障害者控除が適用できなくなってしまいますので注意してください。

そのため、障害者である相続人は1円でも良いので何らかの相続財産を取得することをお勧めします。

なお、障害者である相続人に相続税額が発生しなくても問題はありません。

85歳未満であること

85歳以上の場合は計算上、控除額が0円になります。

財産を取得する相続人が税法上の障害者であること

障害者控除を適用するには相続人が税法で定めるところの障害者であることが必要です。

税法では相続税の障害者控除になる障害者の要件を定めており、その中の要件に該当しなければ税法上の控除対象となる障害者にはなりません。

相続税の障害者控除は、「一般障害者」と「特別障害者」の2種類に分かれ、それぞれで控除額も変わりますので、下記で詳しく説明します。

「一般障害者」と「特別障害者」の違い

相続税の障害者控除は、「一般障害者」と「特別障害者」の2種類に分かれます。特別障害の方が重度の障害となり、控除額も大きくなります。

一般障害者及び特別障害者の詳細な障害者要件は以下のとおりとなっています。

一般障害者 特別障害者
身体障害者手帳 身体障害者等級が3~6級 身体障害者等級が1~2級
精神障害者保健福祉手帳 2~3級 1級
療育手帳 ※ 3~4度またはB,C 1~2度またはA
戦傷者手帳 戦傷者手帳第4~第6項症該当者 第1~第3項症該当者
・原爆症認定を受けている方
・成年被後見人の方
・6か月以上寝たきりで介護が必要な方

※ 療育手帳は交付する自治体によって「愛護手帳」「愛の手帳」「みどりの手帳」など名称が違う場合があります。

また、6か月以上寝たきりで介護が必要な方の場合、介護保険において要介護認定を受けている場合でも、税制において障害者控除を受けるには別途「障害者控除認定書」の提出が必要です。 「障害者控除対象者認定書」は市町村長等から交付されます。住所のある市区町村の役所にお問い合わせください。

所得税や住民税などで障害者控除を受けている方は相続税でも同じ障害者要件を満たしていることになります。

障害者控除の判定時期

障害者控除は相続開始時、つまり被相続人が亡くなった時に障害者であったということが条件となります。

基本的には障害者手帳を持っていれば障害者であったことを証明できます。
また、障害者手帳の交付を受けたのが被相続人が亡くなったあとであったとしても、診断書の記載内容から被相続人が亡くなった時点でも障害者手帳の記載と同程度の障害があったと判断される場合には相続税の障害者控除を利用することができます。

申告書を提出した時点で障害者手帳の交付を受けているか、交付の申請中である必要があります。

相続税の障害者控除の控除額

障害者控除の額は「一般障害者」であるか「特別障害者」であるかで変わります。

相続人の現年齢から満85歳までの年数分、1年につき一般障害者は10万円、特別障害者は20万円をを控除することができます。

一般障害者 控除額:1年あたり10万円

特別障害者 控除額:1年あたり20万円

計算式は下記のとおりです。

計算式

一般障害者の場合

(85歳 - 相続した年齢) × 10万円 = 控除額

計算式

特別障害者の場合

(85歳 - 相続した年齢) × 20万円 = 控除額

※相続開始時点で一年未満の期間がある場合は、切り上げて1年と計算し、納税者が有利となります。

例えば、障害のある41歳6か月の相続人が相続した場合の控除額は以下のようになります。

計算式

一般障害者の場合

(85歳 - 42(6か月は1年として計算)) × 10万円 = 430万円

特別障害者の場合

(85歳 - 42(6か月は1年として計算)) × 20万円 = 860万円

計算例:障害者である35歳の長男が被相続人である父の遺産1億円を承継した例

最初に障害者控除額を計算します。

計算式

一般障害者の場合

(85歳 - 35歳) × 10万円 = 500万円

計算式

特別障害者の場合

(85歳 - 35歳) × 20万円 = 1,000万円

長男が一般障害者の場合は障害者控除額は500万円、長男が特別障害者の場合は障害者控除額は1,000万円となります。

次に課税遺産総額を計算します。遺産1億円から基礎控除3,600万円を差し引きます。

計算式

1億円 – 3,600万円 = 6,400万円

課税遺産総額は6,400万円になります。

遺産6,400万円にかかる相続税の税率は30%です。税率30%をかけて相続税額を求めます。

計算式

6,400万円 × 30% = 1,920万円

相続税率が30%の場合は控除額が700万円となっていますのでこれを差し引きます。

計算式

1,920万円 – 控除額700万円 = 1,220万円

相続税額は1,220万円となります。

この相続税額から障害者控除を差し引いたものが実際に支払う相続税額となります。

計算式

一般障害者の場合

1,220万円 – 500万円 = 720万円

計算式

特別障害者の場合

1,220万円 – 1,000万円 = 220万円

長男が一般障害者の場合は支払う相続税額は720万円、長男が特別障害者の場合は220万円となります。

相続税の障害者控除を申告する時の注意点

税務署提出時の添付書類

相続額が基礎控除以内に納まり、相続税申告をしない場合、障害者控除についての特別な手続きは必要ありません。

相続税申告を行う場合、障害者控除は相続税申告書提出時に第6表に計算箇所があります。第6表を作成した上で、税務署へ相続税申告を行う際には、税務署に対して税法上の障害者であることの要件を満たしていることを証明するための書類を添付する必要があります。

必要添付書類:障害者手帳のコピーもしくはその他該当する障害者であることを証明できる書類

過去に障害者控除の適用を受けたことがある場合

障害者控枠は何度も同じ金額で受けることができるわけではありません。過去の相続で控除を受けている場合には、控除額が少なくなります。
以下の計算方法で算出した金額の少ない方が障害者控除の適用額になります。

例えば、1回の相続が35歳の時にあり、障害者控除額が500万円で、相続税額が300万円で控除額が200万円残ったとします。
その後2回目の相続が53歳の時に発生した場合には、障害者控除額は350万円ですが、障害者控除額は200万円となります。

計算式

一般障害者の場合

(85歳 - 今回の相続開始年齢) × 10万円 = 控除額

または

(85歳 - 最初の控除を受けた年齢) × 10万円 - 控除の合計

どちらか少ない方の金額

計算式

特別障害者の場合

(85歳 - 今回の相続開始年齢) × 20万円 = 控除額

または

(85歳 - 最初の控除を受けた年齢) × 20万円 - 控除の合計

どちらか少ない方の金額

計算例

1回目の相続(相続開始時の相続人の年齢35歳)

障害者控除額(一般障害者) (85歳-35歳)×10万円=500万円
相続税額 300万円(相続税額)-500万円(障害者控除額)
= -200万円
残った控除額 200万円

2回目の相続(相続開始時の相続人の年齢53歳)

障害者控除額(一般障害者) (85歳-53歳)×10万円=320万円
1回目の相続で残った控除額 200万円
2回目の相続における障害者控除額 200万円(200万円<320万円)

控除枠を使い切れない際には、障害者ではない他の相続人の相続税も軽減される

障害者本人の相続税よりも控除額が大きく障害者控除が余ってしまった場合には他の扶養義務者(※)の相続人の相続税から控除することが可能です。

※扶養義務者とは、実際に扶養をしているか否かは通常関係なく、戸籍上で配偶者、祖父母・父母・子・孫及び兄弟姉妹、3親等内の親族で家庭裁判所が扶養義務を負わせた者をいいます。

計算例

長男Aと次男Bの相続税額が600万円だった場合

長男Aの障害者控除額

(85歳 ― 38歳) × 20万円 = 940万円

長男Aの相続税額

600万円 - 940万円 =△340万円 → 相続税0円

長男Aの相続税額から差し引けなかった340万円の控除額を次男Bの相続税額から差し引くことが出来ます。

次男Bの相続税額

600万円 - 340万円 = 260万円

障害者控除を適用して、相続人全員の相続税が0円になった場合の申告要否

障害者控除の税額控除を適用した場合に相続税がゼロになる場合には相続税の申告は必要ありません。

※未成年者控除、相次相続控除も同様です。
相続税法27条の「相続税の申告書」について規定されており、これらの特例適用で税額が発生しない場合には相続税申告は不要と述べられています。

修正申告、期限後申告、更正の請求時での障害者控除の適用について

障害者控除には当初申告要件がありませんので、修正申告、期限後申告、更正の請求であっても適用が可能です。

財産が未分割の場合の障害者控除の適用について

配偶者の税額軽減のような遺産分割要件はありませんので、未分割申告時に障害者控除の適用は可能です。

相続放棄をしている場合の障害者控除の適用について

障害者控除の要件には「法定相続人であること」が含まれていますが、この法定相続人の中には元々相続人であり相続放棄により民法上の相続人に該当しなくなった者も含まれます。 よって、相続放棄をしたとしても障害者控除の適用は可能です。
しかし、相続放棄をして一切の財産を取得していない場合には障害者控除の適用はできません。
つまり、死亡保険金等の受取人固有の財産であるみなし相続財産を取得して相続放棄をした人が障害者控除の適用対象となります。

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