記事の要約
- 相続税申告は、税理士に依頼せず自分で行うこともできる
- 税理士が必要かは「申告そのものが必要か」「財産を自分で判断・評価できるか」「期限までに申告を終えられるか」の3点で判断する
- 土地・非上場株式・名義預金など、判断や評価が難しい財産がある場合は税理士への相談を検討する
「相続に税理士は必要なのだろうか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
税理士に依頼すると数十万円の費用がかかることもあるため、そもそも自分の相続で申告が必要なのか分からない段階では、依頼すべきか判断するのも難しいでしょう。
結論からいうと、相続税申告に税理士への依頼は必須ではなく、自分で申告することもできます。
ただし、預貯金を中心とした相続と、土地や非上場株式などを含む相続とでは、申告の難易度が大きく異なります。
この記事では、税理士がいなくても進めやすいケースと、依頼した方がよいケースの分かれ目を整理します。読み終えたときに、ご自身がどちらに当てはまるのか判断できるように解説していきます。
目次
結論|相続税申告に税理士は必須ではないが、依頼した方がよいケースもある
相続税の申告は、必ず税理士に依頼しなければならないわけではありません。相続人が自分で申告書を作成し、税務署へ提出することもできます。
一方、相続人に代わって申告書を作成したり、具体的な税務相談をしたりすることは、税理士の業務です。
実際には、相続税申告の多くに税理士が関与しています。財務省の「令和6事務年度 国税庁実績評価書」によると、税理士関与割合は86.5%で、相続税申告の10件のうち9件近くに税理士が関与しています。
税理士が必要かを決める3つのポイント
税理士に依頼するか迷ったときは、次の3つを順番に確認すると判断しやすくなります。
| ポイント | 確認すること |
|---|---|
| ① 相続税申告そのものが必要か | 正味の遺産額が基礎控除額を超えるか |
| ② 自分で判断・評価できるか | 土地・非上場株式の評価や名義預金の判定など、難しい論点がないか |
| ③ 自分で期限内に申告できるか | 必要な知識と時間があり、申告期限までに手続きを終えられるか |
正味の遺産額が基礎控除額以下であれば、相続税申告は必要ありません。
申告が必要でも、財産が預貯金や上場株式を中心としており、財産評価や遺産分割に難しい論点がなければ、自分で申告できる可能性があります。
一方、財産の判断・評価が難しい場合や、期限内に申告を終えられるか不安がある場合は、税理士への相談を検討するとよいでしょう。
相続税申告が不要でも相続手続きは必要
相続税申告が不要だからといって、相続について何もしなくてよいわけではありません。
状況によっては、次のような手続きが必要です。
| 手続き | 主な期限 | 主な窓口・専門家 |
|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内 | 家庭裁判所・弁護士・司法書士 |
| 準確定申告(必要な場合) | 相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内 | 税務署・税理士 |
| 相続登記 | 相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内 | 法務局・司法書士 |
| 預貯金の解約・名義変更 | 法律上の一律の期限なし | 金融機関 |
特に不動産の相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
相続税申告が不要と分かった場合でも、自分に残っている相続手続きがないか確認しておきましょう。
相続では、手続きの内容によって税理士・司法書士・弁護士など相談すべき専門家が異なります。どこに相談すればよいか迷っている方は、以下の記事も参考にしてください。
まず確認|相続税申告そのものが必要か
基礎控除額は3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
相続税には、基礎控除額という非課税の枠があります。正味の遺産額がこの枠に収まっていれば、相続税はかからず、申告も必要ありません。
計算式は次のとおりです。
相続税の基礎控除額
| 法定相続人の数 | 相続税の基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
| 5人 | 6,000万円 |
たとえば、父が亡くなり、母と子ども2人が相続人になる場合、基礎控除額は4,800万円です。正味の遺産額が4,800万円以下であれば、相続税申告は必要ありません。
ただし、正味の遺産額は預貯金だけで判断するものではありません。不動産、有価証券、死亡保険金なども確認し、非課税財産や債務、一定の葬式費用を反映するほか、相続時精算課税による贈与財産や加算対象となる生前贈与も確認します。
国税庁によると、令和6年分の相続税の課税割合は10.4%で、亡くなった方のおよそ10人に1人が課税対象となっています。東京国税局管内では16.2%まで上がるため、特に地価の高い都市部に不動産を所有している場合は、早めに確認しておくとよいでしょう。
基礎控除額ギリギリの場合はどうする?
正味の遺産額が基礎控除額をわずかに下回っている場合は、すぐに「相続税申告は不要」と判断せず、財産に漏れや評価の誤りがないかを確認しましょう。
特に確認したいのは、次のような財産です。
- 土地の相続税評価額
- 家族名義の預金
- 証券口座や投資信託
- 死亡保険金・死亡退職金(非課税限度額も確認)
- 相続時精算課税による贈与財産
- 相続税に加算する必要がある生前贈与
- 被相続人の口座から生前に引き出された預貯金の使途
一方で、借入金や未払金、一定の葬式費用など、正味の遺産額から差し引けるものが漏れていないかも確認します。
たとえば、基礎控除額が4,800万円で、概算した正味の遺産額が4,700万円だったとしても、土地を概算額で計算していたり、家族名義の預金を確認していなかったりすれば、最終的に基礎控除額を超える可能性があります。
基礎控除額との差が小さく、土地評価や名義預金、生前贈与などに未確認のものがある場合は、申告不要と決める前に税理士へ確認しておくとよいでしょう。
相続税が0円でも申告が必要なケース
相続税の計算結果が0円だからといって、必ずしも申告まで不要になるわけではありません。
基礎控除額以下で最初から申告が不要なケースと、特例を使った結果として税額が0円になるケースは、次のように異なります。

代表的なのが、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例です。これらは、適用した結果として納税額が0円になっても、特例を受けるために申告が必要です。
| 制度 | 概要 | 申告の要否 |
|---|---|---|
| 配偶者の税額軽減 | 配偶者が取得した財産について、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税を軽減 | 特例により税額が0円でも申告が必要 |
| 小規模宅地等の特例 | 一定の要件を満たす宅地等について、相続税評価額を最大80%減額 | 特例により税額が0円でも申告が必要 |
一方、死亡保険金の「500万円 × 法定相続人の数」という非課税限度額は、この制度を使うこと自体を理由に申告が必要になるわけではありません。
つまり、「相続税が0円 = 申告不要」とは限らないということです。
税理士がいなくても進めやすいケース・依頼した方がよいケース
税理士への依頼が必要かどうかは、遺産総額だけでなく、財産の種類や評価の難しさ、遺産分割の状況、申告期限までの進み具合によって変わります。
税理士がいなくても進めやすいケース
次の条件をおおむね満たしている場合は、自分で相続税申告を進めやすいケースといえます。
| 条件 | 具体的な状況 |
|---|---|
| 財産の種類が比較的少ない | 預貯金や上場株式が中心 |
| 財産評価に難しい論点がない | 土地がない、または評価条件が比較的単純 |
| 遺産分割がまとまっている | 相続人が確定し、財産の分け方に合意できている |
| 申告期限まで余裕がある | 財産調査・書類収集・申告書作成の時間を確保できる |
| 生前贈与などの複雑な論点がない | 相続税への加算や相続時精算課税について難しい判断が必要ない |
重要なのは、財産の数や遺産総額だけではなく、自分で財産の内容を把握し、評価の根拠を説明できるかです。
税理士に依頼した方がよいケース
次のいずれかに当てはまる場合は、税理士への相談を検討するとよいでしょう。
| 当てはまる状況 | 理由 |
|---|---|
| 基礎控除額を超えるか判断できない | 財産の洗い出しや評価が必要 |
| 評価が難しい土地がある | 形状・利用状況・権利関係などを反映する必要がある |
| 非上場株式がある | 株主の区分や会社規模などにより評価方法が異なる |
| 名義預金の可能性がある | 相続財産に含まれるかの判断が必要 |
| 生前贈与や相続時精算課税がある | 相続税へ加算する財産の確認が必要 |
| 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使う | 適用要件の確認が必要で、誰が財産を取得するかによって税額が変わることもある 適用要件の判断が必要 |
| 遺産分割がまとまっていない | 未分割で申告する場合の対応が必要 |
| 二次相続まで考えて分け方を決めたい | 将来の相続まで含めた税額比較が必要 |
| 申告期限が迫っている | 財産評価や申告書作成の時間を確保しにくい |
| 海外財産がある | 課税関係や評価、為替換算などの確認が必要 |
【判断フロー】自分がどちらに当てはまるか確認
税理士に依頼すべきか迷う場合は、次の図の3ステップで確認してみましょう。

判断する順番は、①相続税申告そのものが必要か、②判断・評価が難しい財産があるか、③期限内に自分で申告を終えられるかの3つです。
基礎控除額以下であれば相続税申告は不要です。一方、自分では判断・評価できない財産がある場合や、期限内に申告を終えるのが難しい場合は、税理士への相談を検討しましょう。
自分がどちらに当てはまるか分からない場合は、申告業務を依頼するか決める前に、申告の要否だけでも確認しておくとよいでしょう。
税理士が必要かの分かれ目となる財産評価
相続税申告の難易度を大きく左右するのが、財産の評価です。
相続税では、財産ごとに定められた方法で相続税評価額を計算します。
自分で評価しやすい財産・判断が難しい財産
相続財産には、比較的ご自身で確認しやすいものと、専門的な判断が必要なものがあります。まずは全体像を図で確認してみましょう。

さらに、主な財産の評価・確認方法を整理すると、次のようになります。
| 財産の種類 | 評価・判断のしやすさ | 主な評価・確認方法 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 比較的確認しやすい | 相続開始日の預入残高などを基に評価 |
| 上場株式 | 比較的確認しやすい | 死亡日の最終価格と、死亡月・前月・前々月の月平均額のうち最も低い金額を基に評価 |
| 死亡保険金 | 比較的確認しやすい | 受取額と非課税限度額を確認 |
| 一般的な自用家屋 | 比較的確認しやすい | 固定資産税評価額を基に評価 |
| 土地・貸している不動産 | 個別判断が必要 | 路線価・倍率、形状、利用状況などを反映 |
| 貸している土地・建物 | 個別判断が必要 | 借地権割合・借家権割合・賃貸割合などを反映 |
| 非上場株式 | 専門的な判断が必要 | 株主の区分や会社規模などに応じた方式で評価 |
| 名義預金 | 帰属の判断が必要 | 資金の出どころや管理状況などから実質的な所有者を判断 |
特に、土地・非上場株式・名義預金は、自分で申告するか税理士へ依頼するかを判断する際の重要なポイントになります。
土地・非上場株式・名義預金の評価が難しい理由
土地
土地は、路線価に面積を掛けるだけで評価できるとは限りません。
不整形地、間口が狭い土地、無道路地、がけ地、複数の道路に面した土地などでは、形状や接道状況に応じた補正が必要になる場合があります。
また、自宅として使っているか、第三者へ貸しているか、貸家が建っているかによっても評価方法が変わります。
そのため、土地が1カ所だけであっても、形状・利用状況・権利関係によっては評価が複雑になります。
非上場株式
非上場株式には、上場株式のような市場価格がありません。
株主の区分や会社規模などに応じて、類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式などを使い分けます。
単に「会社の純資産 ÷ 株式数」で評価できるわけではないため、専門的な判断が必要になりやすい財産です。
名義預金
名義預金は、「いくらで評価するか」よりも、そもそも誰の財産なのかを判断するところに難しさがあります。
たとえば、父が孫名義の口座へお金を入れていても、父自身が通帳や印鑑を管理し、孫が自由に使える状態ではなかった場合には、父の相続財産と判断される可能性があります。
口座名義だけではなく、
- 誰が資金を出したか
- 誰が通帳や印鑑を管理していたか
- 名義人が口座の存在を知っていたか
- 名義人が自由に預金を使えたか
- 生前に贈与が成立していたか
といった事実関係を確認する必要があります。
国税庁の申告要否判定コーナーを利用する際の注意点
国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」では、財産額などを入力すると、相続税申告のおおよその要否を確認できます。
ただし、このツールが財産評価そのものをすべて行ってくれるわけではありません。たとえば、路線価方式の土地について、形状などに応じた各種補正には対応していません。
そのため、土地・非上場株式・名義預金など、自分で評価や判断が難しい財産がある場合は、ツールへ入力する財産額そのものが正しいかを先に確認する必要があります。
申告要否判定コーナーは、申告が必要かを大まかに確認するための入口として利用するとよいでしょう。
税理士に依頼すると何をしてもらえるのか
相続税申告を税理士に依頼すると、申告書の作成だけでなく、財産評価や特例の適用判断、税務署への提出、申告後の問い合わせへの対応などを任せることができます。
ただし、税理士に依頼すれば相続人が何もしなくてよいわけではなく、財産や生前贈与に関する情報提供は必要です。

図のとおり、相続人が資料や情報を提供し、その内容をもとに税理士が財産評価や申告書作成、税務署対応などを進めます。以下では、それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。
財産評価と特例の適用判断
税理士へ依頼する大きなメリットの一つは、財産を相続税のルールに沿って評価し、利用できる特例を確認してもらえることです。
特に土地や非上場株式は、評価方法によって相続税額が変わることがあります。また、誰がどの財産を取得するかによって、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例の適用結果、将来の二次相続の税額が変わる場合もあります。
ただし、税理士へ依頼すれば必ず相続税が安くなるわけではありません。
税理士へ依頼する主な価値は、財産の計上漏れや評価誤り、利用できる特例の見落としを防ぎやすくすることにあります。
相続税申告書の作成と税務署への提出
税理士へ依頼すると、財産評価や税額計算の結果をもとに、必要な申告書・付表・添付書類を作成してもらえます。
税務代理まで依頼している場合は、税理士に申告書の提出まで任せることもできます。
ただし、被相続人が利用していた金融機関や、生前贈与、家族名義の預金、海外財産など、税理士だけでは把握できない情報は相続人から伝える必要があります。
税務署からの問い合わせへの対応
税務代理を依頼していれば、申告後に税務署から問い合わせを受けた場合も、税理士に申告内容の説明や資料提出などを任せることができます。
ただし、税務調査では相続人本人への確認が必要になることもあります。また、税務調査への対応が当初の申告報酬に含まれているとは限らないため、契約時に確認しておきましょう。
書面添付制度の仕組みと効果
税理士が申告書を作成した場合には、書面添付制度を利用できることがあります。
書面添付制度とは、税理士が申告書を作成する際に、確認した資料や検討した内容などを記載した書面を申告書へ添付する制度です。
事前通知を伴う税務調査を行う場合には、原則として調査通知の前に税理士への意見聴取が行われます。そこで税務署の疑問点が解消すれば、実地調査に至らない場合もあります。
ただし、書面添付制度を利用すれば必ず税務調査を受けなくなるわけではありません。
書面添付に対応しているか、追加料金が必要かは税理士事務所によって異なります。
税理士費用の目安と報酬に含まれない費用
相続税申告の税理士報酬は、各税理士・税理士法人がそれぞれ設定しています。
税理士報酬は遺産総額の0.5~1.0%が一つの目安
相続税申告の税理士報酬は、遺産総額の0.5~1.0%程度が一つの目安です。
| 遺産総額 | 報酬の目安 |
|---|---|
| 5,000万円 | 25万円~50万円 |
| 1億円 | 50万円~100万円 |
| 2億円 | 100万円~200万円 |
ただし、これは公的に定められた料金相場ではありません。
実際の報酬は、土地の数、非上場株式の有無、相続人の人数、申告期限までの期間などによって変わります。料金を比較するときは、金額だけではなく、どこまでの業務が含まれているかを確認しましょう。
なお、相続税申告のために相続人が負担する税理士報酬は、相続税の債務控除の対象にはなりません。
加算報酬や別途費用が発生しやすい業務
料金体系は税理士事務所によって異なりますが、次のような費用が追加される場合があります。
| 内容の例 | |
|---|---|
| 加算報酬 | 土地評価、非上場株式評価、相続人の人数による加算、期限直前の依頼など |
| 実費 | 戸籍謄本や登記事項証明書の取得費、交通費など |
| 別途費用 | 税務調査対応、修正申告・更正の請求、司法書士へ依頼する相続登記など |
見積もりを比較するときは、「最終的にいくらかかるか」と「その金額でどこまで対応してもらえるか」をセットで確認することが大切です。
申告書の確認や土地評価だけを依頼する方法
相続税申告は、「すべて自分で行う」か「すべて税理士に任せる」かの二択とは限りません。
税理士事務所によっては、
- 申告要否の確認
- 土地・非上場株式の評価
- 特例の適用確認
- 自分で作成した申告書の確認
- 二次相続を含めた税額試算
など、部分的な依頼に対応している場合があります。
ただし、すべての税理士事務所が対応しているわけではありません。また、部分依頼では税理士が確認・責任を負う範囲も限定されます。
相談時に「この部分だけ依頼できますか」「どこまで確認してもらえますか」と確認しておきましょう。
自分で相続税申告をする場合の注意点
自分で申告すれば税理士報酬を抑えられますが、財産の調査・評価、書類収集、申告書作成まで自分で進める必要があります。
自力申告で避けるべき5つの対応
自分で申告するときに、特に注意したいのは次の5つです。
- 1.申告期限を過ぎてから動き出す
- 相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
期限後申告になると、無申告加算税や延滞税が生じる場合があります。 - 2.遺産の分け方が決まるまで何もしない
- 遺産分割がまとまらなくても、相続税の申告期限は延びません。
未分割のまま申告する場合、将来、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を利用する予定であれば、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付しておくことが重要です。一定の要件を満たして期限内に分割すれば、後から特例を適用できる場合があります。 - 3.家族名義の預金を確認せず、相続財産から外す
- 子どもや孫名義の口座でも、資金を出した人や管理状況などによっては、被相続人の相続財産と判断される可能性があります。
口座名義だけで判断せず、資金の出どころや管理状況まで確認しましょう。 - 4.土地を固定資産税評価額のまま申告する
- 家屋は原則として固定資産税評価額を基に評価しますが、土地は路線価方式または倍率方式で評価します。
路線価方式では路線価に土地の形状等に応じた補正を反映し、倍率方式では固定資産税評価額に国税局長が定めた倍率を掛けて評価します。したがって、固定資産税評価額だけをそのまま土地の相続税評価額と決めつけないようにしましょう。 - 5.特例で相続税が0円なら申告も不要と判断する
- 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用した結果、納税額が0円になる場合でも、特例の適用を受けるためには相続税申告が必要になります。
申告後に誤りが判明した場合の修正手続き
申告後に誤りが分かった場合は、内容に応じて手続きが異なります。
| 状況 | 主な手続き |
|---|---|
| 本来より相続税を少なく申告していた | 修正申告 |
| 本来より相続税を多く申告していた | 更正の請求 |
| 申告期限前に誤りへ気づいた | 正しい内容の申告書を改めて提出 |
一般的な計算誤りなどによる更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内です。
未分割で申告した後に遺産分割が成立し、税額が減る場合には、分割があったことを知った日の翌日から4カ月以内に更正の請求を行います。
途中から税理士への依頼に切り替える判断基準
自分で申告を始めた後でも、途中から税理士へ依頼できます。
次のような場合は、早めに相談を検討しましょう。
- 財産の洗い出しが終わらない
- 土地の評価方法が分からない
- 名義預金か判断できない口座がある
- 生前贈与や特例の扱いが分からない
- 遺産分割がまとまらない
- 申告期限が迫っても申告書作成が進んでいない
期限が近づくと、税理士事務所によっては追加料金が発生したり、依頼を受けられなかったりすることがあります。
「難しい」と感じた時点で、早めに相談するのがおすすめです。
相続と税理士に関するよくある質問
相続で税理士への依頼を検討するときによくある疑問をまとめました。
Q.途中まで自分で作成してから税理士に依頼できますか?
すでに集めた戸籍や残高証明書、不動産関係の資料なども引き継げます。
ただし、税理士は財産の漏れや評価方法を改めて確認するため、途中まで自分で進めたからといって、必ずしも報酬が大幅に安くなるとは限りません。
期限間近だと特急料金が加算されることがあります。
Q.いつまでに税理士を探せば申告期限に間に合いますか?
Q.銀行の無料相談では相続税額まで相談できますか?
Q.税理士に依頼すれば税務調査を受けなくなりますか?
まとめ|判断に迷ったら申告の要否だけでも早めに確認
相続税申告は自分で行うこともできますが、税理士が必要かどうかは、「申告そのものが必要か」「財産を自分で判断・評価できるか」「期限までに申告を終えられるか」の3点で判断します。
特に、土地・非上場株式・名義預金など、自分では判断が難しい財産がある場合は、税理士への相談を検討しましょう。
VSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けています。
「そもそも相続税申告が必要なのか」「自分で申告できるケースなのか」という段階でもご相談いただけますので、判断に迷われた場合は、申告の要否だけでも早めにご確認ください。

