記事の要約
- 戸籍謄本には「発行してから、いつまで有効」というような、法律上の決まりはない
- ただし、実際の相続手続きでは「〇カ月以内に発行されたもの」という期限が定められていることがある
- このため、有効期限がもっとも短い手続きに合わせて取得するとよい
「相続税の申告」や「不動産の名義変更(相続登記)」をする際には、「戸籍謄本」が必要になります。
戸籍謄本に法的な有効期限はありませんが、提出先によっては「〇カ月以内に発行されたもの」といった期限が定められていることがあります。
相続手続きの主な提出先ごとの有効期限は、下表のとおりです。
| 窓口 | 相続手続き | 戸籍謄本の有効期限 |
|---|---|---|
| 金融機関 |
■ 預貯金の解約・払い戻し ■ 有価証券の名義変更 |
機関ごとに異なる |
| 家庭裁判所 |
■ 遺言書の検認 ■ 相続放棄 |
3カ月以内 |
| 運輸支局 | ■ 自動車の名義変更 | 期限なし |
| 法務局 | ■ 不動産の名義変更 | 期限なし |
| 税務署 | ■ 相続税の申告 | 期限なし※1 |
- ※1
- ただし、「相続開始(被相続人の死亡)から10日経過後」に発行されたもの
この記事では、相続手続きに使う「戸籍謄本」の有効期限について、わかりやすくお伝えします。
なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。ご不明・ご不安なことがある方は、下記からお気軽にご連絡ください。
目次
戸籍謄本に法的な「有効期限」はない

そもそも戸籍謄本には、「発行してから、いつまで有効」というような、法律上の決まりはありません。
戸籍謄本の書式には「年月日」が記載されていますが、これはあくまで「その日に役所で発行された」という事実を示しているだけです。

基本的には、何年前に発行されたものであっても、証明書としての効力は変わりません。
ただし、相続手続きに使う場合は「被相続人が亡くなった日より後」に取得したものである必要があります。
これは、生前に取得していた古い戸籍謄本では、「死亡した事実」が記載されておらず、法定相続人を確定できないからです。
この「亡くなった後に取得したものである」という前提のうえで、さらに提出先の窓口によっては「発行から〇カ月以内」という期限が定められています。
ここから先は、相続手続きで書類を提出する窓口ごとの、戸籍謄本の有効期限を見ていきます。
【窓口別】戸籍謄本の有効期限

相続手続きをする窓口ごとの「戸籍謄本の有効期限」は、下表のとおりです。
| 窓口 | 相続手続き | 戸籍謄本の有効期限 |
|---|---|---|
| 金融機関 |
■ 預貯金の解約・払い戻し ■ 有価証券(株式や投資信託)の名義変更 |
機関ごとに異なるが、「3カ月以内」または「6カ月以内」が多い |
| 家庭裁判所 |
■ 遺言書の検認 ■ 相続放棄 |
3カ月以内 |
| 運輸支局※1 | ■ 自動車の名義変更 | 期限なし |
| 法務局 | ■ 不動産の名義変更(相続登記) | 期限なし |
| 税務署 | ■ 相続税の申告 | 期限なし※2 |
- ※1
- 軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」で手続きを行うが、戸籍謄本の有効期限の扱いは同じ
- ※2
- ただし、「相続開始(被相続人の死亡)から10日経過後」に発行されたもの
窓口ごとの有効期限について、詳しく見ていきましょう。
金融機関(預貯金・有価証券の相続):3カ月以内など

銀行・証券会社などの金融機関で、「預貯金の解約・払い戻し」や「株式の名義変更」をする際は、発行から「3カ月以内」または「6カ月以内」の戸籍謄本を求められるのが一般的です。
ただし、なかには「1年以内でも可」や「有効期限の指定はなし」というケースもあり、金融機関によって対応は大きく異なります。
このため、実際の手続きに入る前に、金融機関のWebサイトや窓口に問い合わせて、有効期限を確認しておくことをおすすめします。
家庭裁判所(遺言書の検認・相続放棄など):3カ月以内

相続が発生すると、家庭裁判所では「遺言書の検認・相続放棄・遺産分割調停」といった手続きが必要となる可能性があります。
これらの手続きをする際には、発行から「3カ月以内」の戸籍謄本を求められます。
なお、同時に提出が必要になることがある、「除籍謄本」や「原戸籍」には有効期限はありません。
運輸支局(自動車の名義変更):期限なし

故人が所有していた自動車を相続する場合、運輸支局で名義変更の手続きが必要です。その際に提出する戸籍謄本に、有効期限は設定されていません。
なお、軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」で手続きを行いますが、その際に求められる戸籍謄本も同じ扱いです。
法務局(相続登記):有効期限なし

不動産の名義変更(相続登記)をする際、法務局に提出する戸籍謄本に、有効期限は設定されていません。
「被相続人が亡くなった日より後」に取得したものであれば、何年前のものであっても使用できます。
税務署(相続税の申告):有効期限なし

税務署で「相続税の申告」をする際、添付する戸籍謄本に「〇カ月以内」といった有効期限は設定されていません。
ただし、「被相続人が死亡した事実」と「相続人」を確定するため、「相続開始の日(亡くなった日)から10日を経過した日以降」に作成されたものである必要があります。
結局、戸籍謄本はいつ取得すべきか?

戸籍謄本は、有効期限がもっとも短い手続きに合わせて取得するようにしましょう。
特に、銀行の相続手続きでは「発行から3カ月以内」などの要件が設けられている場合があるため、その直前に取得すると、ほかの手続きでも使い回しやすくなります。
なお、多くの相続手続きでは、戸籍謄本の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を使えます。
法定相続情報一覧図は、「相続開始時点の相続関係」を一覧にした図で、法務局に提出して登記官の認証を受けたものです。
申出人は、その認証文を付した写しの交付を受けることができ、この「法定相続情報一覧図の写し」を、戸籍の束の代わりに各相続手続きに使用できます。
この「法定相続情報一覧図の写し」を提出する場合には、戸籍謄本ほど厳格な有効期限を求められないケースが多いです。
さらに、手続きのたびに分厚い戸籍謄本の束を持っていく必要もなくなるため、作成することを強くおすすめします。
「法定相続情報一覧図の写し」の取得方法は、下記の記事で詳しくお伝えしていますので、ぜひ併せてご覧ください。
戸籍謄本の有効期限に関するよくある質問
Q1:「発行から3カ月以内」とは、具体的にいつまで?
一般的には、「発行日の3カ月後の応答日(同じ日付の日)」までを有効期限とすることが多いです。
たとえば、4月1日に発行された戸籍謄本の場合は、7月1日までが有効期間となります。
応答日に窓口が閉まっているときは、その翌営業日まで認められるケースが多いですが、提出先によって対応が異なるため、余裕を持って提出しましょう。
Q2:古い戸籍謄本は、役所で新しいものと交換してもらえる?
古い戸籍謄本を、新しいものに交換してもらうことはできません。
新しい発行日付の戸籍謄本が必要な場合は、再び発行手数料を支払って、取得し直しましょう。
手続きが大変なら専門家への依頼も検討しましょう
相続手続きを進めるうえでは、提出する戸籍謄本に有効期限が定められていることがあります。
期限切れの戸籍謄本を出してしまうと、再提出を求められますので、事前によく確認してから手続きをしましょう。
なお、VSG相続税理士法人では、ご自身で相続手続きを進めるのが難しい方々のサポートをしております。
「相続税の申告」や「相続登記」など、幅広い手続きに対応しておりますので、当事務所のサービスにご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。初回の相談は、無料で承っております。





