最終更新日:2019/11/29
経営者は身に着けるべき!企業を成長させるためのPDCAサイクル
経営者が身に着けるべき「PDCAサイクル」をご存じでしょうか。
PDCAサイクルとは経営マネジメント手法のひとつで、企業を成長させるために欠かせないものです。
今回はこのPDCAサイクルについて、詳しくご説明します。
PDCAサイクルを導入している会社でも、実は正しく運用できていないケースが少なくありません。
すでに知っているという方も、ちゃんと運用できているかぜひ一緒にチェックしていきましょう。
PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは経営マネジメント手法のひとつで、日本では1990年代の後半頃から導入されはじめました。
次の4段階からなり、計画から改善までを1つのサイクルとして行います。
・Plan(計画)
↓
・Do(実行)
↓
・Check(評価)
↓
・Act(改善)
それぞれの頭文字をとって「PDCA」、そしてこの4段階をくるくると繰り返すため「サイクル」というわけです。
PDCAサイクルのよいところ
PDCAサイクルを行うことで、失敗を繰り返しにくくなります。
計画をたてて実行しただけでは、成功か失敗という単純な結果だけしか残りません。
しかし評価と改善の段階を備えることで、どうして失敗したのかや、もっと大きな成功をおさめるにはどうしたらいいのかを検証することができます。
PDCAサイクルが高い精度でまわりはじめると、事業の精度も上がり、会社の成長スピードもアップします。
正しいPDCAサイクルを繰り返すことで、経営目標が明確になり、改善を重ねていくことができるのです。
PDCAサイクルの正しい運用の仕方
単純にみえるPDCAサイクルですが、実は正しく運用するのは結構難しいです。
PDCAサイクルに入る前に、まずは目標を明確にしておかなくてはいけません。
明確が定まっていないと、各段階の方向性がバラバラで正しいPDCAサイクルになりません。
たとえば、ある商品の売上金額が上がったが利益は下がってしまったため、PDCAサイクルを実施するとします。
そのとき、目標を「売上金額のさらなる向上」とするのか「利益を上げる」とするのかによって、各段階の方向性が異なってきます。
「売上金額のさらなる向上」とするならば販路の拡大計画などがスタートになりますが、「利益を上げる」なら経費の削減計画などをたてることになるのです。
明確な目標をたてたら、次は各段階の基本をしっかりとおさえてPDCAサイクルを行っていきます。
PDCAサイクルのP=「Plan(計画)」
PDCAサイクルのP=「Plan(計画)」は、販路の拡大や経費の削減、投資計画や人材育成計画などすべての計画が対象です。
効果的なプランにするコツは「具体的に計画をたてること」です。
期日や担当者、チーム責任者や顧客リストなど、できるかぎり具体的で詳細な計画を練りましょう。
PDCAサイクルのD=「Do(実行)」
計画をたてただけでは、小学校の夏休みの宿題計画と同じです。
実行しなくては意味がありません。
できるだけ間をおかずに、すぐに実行にうつしましょう。
Doの段階で大切なのは、あとで評価がしやすいように実行内容の記録を残しておくことです。
記憶が新しいうちに、現場で感じた感想や課題などをメモ書きしておくのがおすすめです。
PDCAサイクルのC=「Check(評価)」
計画をすべて実行し終わったら、評価の段階にうつります。
評価はPDCAサイクルの中でもっとも重要で、できるかぎり詳細に検証しなくてはいけません。
- ・計画どおりに実行できたか
- ・どのような結果がでたか
- ・計画の目標を達成できたか
- ・良かった点、悪かった点などの客観的な分析
- ・実行してみてどう感じたかなどの主観的な分析
- ・どうしてこのような結果になったのかの要因分析
この6項目は最低限詳しく評価しましょう。
この評価の段階は、個人的な責任追及の場ではないということを理解しておくのが大切です。
失敗したという事実そのものより、どうして失敗したのかを客観的に洗い出しましょう。
客観的な数値など正確な情報を基に分析し、要因を把握することも重要です。
PDCAサイクルのA=「Act(改善)」
最後に、先ほどの評価と検証をうけて改善点を洗い出します。
この改善の段階は次につなげるために不可欠で、改善こそPDCAサイクルを実施する理由ともいえます。
評価での分析結果をみながら、悪かった点を改善する方法はないかを考えましょう。
修正・中止などの改善策を次回のPlan(計画)に落とし込めるよう、具体的に検討することが大切です。
逆に良かった点については、さらに良くする方法はないか、今後も継続していくためにはどうしたらいいかを考えます。
PDCAサイクルでやりがちな失敗
PDCAサイクルは効果的な経営マネジメント手法ですが、最初の何回かは効果を実感しにくいかもしれません。
そのためすぐにPDCAサイクルをやめてしまうケースがありますが、これはもったいないです。
PDCAサイクルは継続していくことで改善点が積み上がり、効果も大きくなります。
ぜひ3回以上はやってみてください。
PDCAサイクルを3回やっても効果がイマイチなときは、正しいPDCAサイクルを実施できているかを確かめてみましょう。
正しく運用できていないPDCAサイクルは効果半減です。
客観的な評価ができているか、改善点を実行できているかなどを検証してください。
まとめ
PDCAサイクルとは経営マネジメント手法のひとつで、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の4段階を繰り返して事業の改善を図ります。
PDCAサイクルは正しく運用することが大切なので、それぞれの段階で基本を正確におさえましょう。