この記事でわかること
- 終活で注目されるエンディングノートの内容がわかる
- エンディングノートが遺言の代わりになるのか理解できる
- エンディングノートと遺言書のメリット・デメリットがかわかる
今回は近年ブームとなっている「終活」の話題をお届けします。
「終活」とは文字どおり人生の終焉に向けた活動ですが、決して店じまいのようなイメージではなく、限られた時間の中で自分らしく生きるための活動です。
相続とも関連深い終活ですが、ポイントになるのが遺言書との違い。
どれだけの財産があり、自分が死んだ後にどうしてほしいかなどを記録するため、エンディングノートには遺言の機能もあるように思えます。
しかしエンディングノートと遺言書には明確な違いがあり、理解しないまま作成してしまうと遺族を困惑させる羽目にもなりかねません。
さっそくエンディングノートの特徴や法的効力を解説しますので、双方を上手に使って円満な相続を実現させましょう。
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目次
終活で注目|エンディングノートとは
エンディングノートには自分史、または備忘録のような機能があり、人生の振り返りや家族への想いなどを記録できます。
持病やかかりつけの病院名、延命治療や埋葬方法の希望など、記録する項目は様々ですが、残された家族が困らないような内容にしておくとよいでしょう。
各種パスワードや保険契約の内容、預貯金口座の情報も記録できるため、財産リストを作成する際にも役立ちます。
エンディングノートは様式にも決まりがないため、書店などで市販されているものや、パソコンで自作したものを使っても構いません。
記録できる項目やデザインなど、自分の好きなものを選ぶとよいでしょう。
エンディングノートは遺言書の代わりになる?法的効力について
記入内容に制限はないため、エンディングノートに「現金は○○へあげる」と書いても問題ありませんが、法的効力は一切ないため遺言書の代わりにはなりません。
エンディングノートには強制力もなく、あくまでも要望に過ぎないと理解しておきましょう。
一方、遺言書は民法に規定された法律文書であり、要件を満たせば法的効力が発生します。
法的に有効な遺言であれば、相続人は原則として遺言内容に従わなければなりません。
ただし、どちらも遺族に発見されなければ意味がなく、また遺族側も双方の違いを理解していなければトラブルのもとになりかねません。
エンディングノートと遺言書の違いは、家族同士で理解を深めておく必要があるでしょう。
具体的に何を書く?エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートに強制力はありませんが、法律の規制も受けないためかなり自由な内容を書くことができます。
しかし自由度が高いと何を書くべきか迷いがちになり、遺言書との使い分けも考えておきたいところです。
また、遺言書は一定要件を満たさないと無効になってしまうため、遺言書の種類や作成方法も理解しておくとよいでしょう。
それぞれの役割や記載内容を解説しますので、エンディングノートや遺言書の作成を予定している方は参考にしてください。
エンディングノートに書くべき内容
家族への想いは言葉で伝えられないこともあるため、エンディングノートに残しておくとよいでしょう。
遺言を補完する役割もあるので、次のような項目があれば家族も助かります。
- ご自身の情報:本籍地や趣味、好きな食べ物など
- パスワードなどの情報:パソコンやスマホで使うIDやパスワード
- 医療や介護の希望:主治医や服用中の薬、施設への入所や延命治療の希望
- 葬儀や埋葬の希望:葬儀のスタイルや規模、希望の埋葬方法など
- ペットの世話:好物やかかりやすい病気など
- 財産リスト:預貯金口座や不動産、有価証券などの情報
- 連絡先:友人、知人などの連絡先
- 家族へのメッセージ:感謝の気持ちなど遺言を補完する内容
財産情報が曖昧だと誤解を招く恐れがあるので、不動産や預貯金口座の情報はなるべく詳しく書くようにしてください。
遺言書の種類と書くべき内容
遺言書には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、以下のような内容を記しておきます。
- 相続分の指定(例:長男に2/3など割合の指定)
- 遺産の分割方法の指定(例:長男に自宅、長女に預貯金など特定財産の指定)
- 遺言執行者の指定
- 祭祀承継者の指定(例:長男などの親族)
- 相続人の廃除
- 非嫡出子の認知
- 相続財産の処分
財産の配分に偏りが出る場合、遺言に付言事項を添えて、なぜこのような遺言になったのかを残しておくこともできます。
エンディングノートの内容とも共通するので、上手に併用するとよいでしょう。
エンディングノートと遺言書のメリット・デメリット
共通した目的もありますが、エンディングノートと遺言書は別物であり、それぞれメリットやデメリットも違います。
作成を予定している方は次の違いに注意し、上手に使い分けられるようにしてください。
遺言書は記載内容に条件あり
法改正により財産目録はパソコン作成でも認められますが、遺言書は自筆が条件です。
他にも自筆による日付や氏名が必要であり、条件を満たしていない場合は法的効力が発生しません。
より確実な遺言書を残す場合は、公証人によって作成される公正証書遺言を選択するとよいでしょう。
エンディングノートにはまったく制限がないので、思いのまま自由に書くことができます。
エンディングノートと遺言書の開封タイミング
それぞれ開封タイミングに違いがあり、エンディングノートは基本的にいつでも開封、または閲覧できます。
中には家族にエンディングノートの所在を教え、いつでも閲覧できるようにしている方もおられます。
市販のエンディングノートには保護シールもあるので、パスワードなどの重要情報は相続発生時まで隠しておくこともできます。
一方、公正証書遺言以外の遺言書は家庭裁判所の検認が必要なので、発見してもすぐには開封できません。
検認前に開封すると、5万円以下の過料が発生する場合もあるので要注意です。
亡くなった方がどのようなメッセージを残したか、非常に気になるところですが、すぐに確認できないところが遺言書のデメリットといえるでしょう。
作成コストが安いのはエンディングノート
市販のエンディングノートは数百円から数千円前後の価格帯であり、高いものでも5,000円程度ですが、自分で作成すればほぼ無料です。
遺言書の場合、自筆証書遺言はほぼ無料で作成できますが、公正証書遺言にすると公証人に支払う費用が発生し、数千円~数万円のコストになります。
ただし、公正証書遺言は法律の専門家である公証人とともに作成するため、内容にミスのない確実な遺言書になります。
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まとめ
終活の一環としてエンディングノートは注目されており、現在はインターネット上で作成できるクラウド型のサービスも登場しています。
人生を振り返りながら作成し、写真なども挿入できるので楽しい作業ですが、いざという時の備忘録や、家族への要望にしかなりません。
遺産の配分は遺言で指定するしかありませんが、問題は有効な遺言書を作成できるかどうかです。
何度も書き直しはできますが、生涯に一度きりの文書ですし開封されるのは本人が亡くなった後です。
作成に不安がある場合は専門家に相談し、確実な遺言書を残すようにしておきましょう。
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