この記事でわかること
- 相続発生後に入院給付金を受け取ると税金が発生することがわかる
- 被相続人が入院給付金の受取人だった場合に発生する税金がわかる
- 被相続人以外の人が入院給付金を受け取った場合の課税方式がわかる
亡くなった人がいて相続が発生すると、死亡保険金を受け取ることがあります。
また保険の内容によっては、死亡保険金以外に入院給付金を受け取ることもあります。
入院給付金を受け取ると、その入院給付金には税金がかかるのでしょうか。
受取人が誰かによって課税関係が変わるため、保険契約内容を見ながら確認していきましょう。
目次
入院給付金の受取人によって課税される税金が変わる
被相続人が亡くなる前に病院に入院していた、というケースは珍しくありません。
このような場合、生命保険に加入していると、入院していた期間に応じて入院給付金を受け取ることができます。
死亡保険金とは別に入院給付金が支給されると、その給付金に対して税金が課されることとなります。
ただ、入院給付金が支給された場合、誰が給付金を受け取るかによって課される税金が違うために注意が必要です。
また、入金給付金と死亡保険金に対する課税は種類が異なることから、混同しないようにしなければなりません。
被相続人が入院給付金の受取人だった場合
入院給付金を、被相続人が受け取ることとなっている場合があります。
この場合、入院給付金を亡くなった人が受け取る契約となっていますが、亡くなった人が実際に給付金を受け取ることはできません。
そこで、相続人の誰かが被相続人に代わって保険会社に請求し、給付金を受け取ることとなります。
なおこの場合、相続人はあくまでも亡くなった人ができない手続きを代わりに行うだけです。
入院給付金を受け取った相続人が、その受取人になるわけでもありません。
被相続人が受取人となっている場合、その入院給付金はもともと被相続人のものであるため、相続財産となるのです。
このため、相続税の課税対象となる金額に含まれます。
遅延利息が発生した場合は要注意
保険会社が、保険金や給付金を所定の日までに支払うことができず、遅延利息が発生する場合があります。
この場合、遅延利息を保険金や給付金と一緒に受け取ることとなります。
ただし、遅延利息が発生した場合、その遅延利息は保険金や給付金とは異なる取扱いとなるため、注意が必要です。
遅延利息が発生するのは、被相続人が亡くなった後の出来事であるため、遅延利息は相続財産には含まれません。
そのため、遅延利息に対して相続税が発生することもありません。
その代わり、遅延利息を受け取った人に対する雑所得となるため、確定申告しなければならない場合がありまです。
金額が少ないために確定申告義務が発生しない場合もありますが、確定申告義務がある場合は注意しなければなりません。
被相続人以外が入院給付金の受取人だった場合
保険契約上、入院給付金を受け取る人が被相続人以外の人になっている場合もあります。
この場合、被相続人が受取人となっているのとは違い、給付金は相続財産に含まれません。
そのため、入院給付金を受け取っても相続税が課されることはありません。
それでは、この場合どのような取り扱いとなるのでしょうか。
実はこの場合、支給される入院給付金は相続税だけでなく所得税の対象にもならないと考えられます。
所得税法には、身体の障害が発生した場合に支払われる給付金については、所得税が非課税になるとする考え方があります。
そのため、入院給付金の受取人が被保険者本人、その配偶者や直系血族、同一生計にある親族の場合は、所得税が課されません。
保険契約の内容によっては、死亡保険金と入院給付金を同時に受け取ることも考えられます。
このような場合には両者を明確に区分し、課税対象になるものとならないものを区別しなければなりません。
医療費控除を利用する際には注意
入院給付金に対して所得税が課されることはありませんが、確定申告で医療費控除を利用する際には注意が必要です。
通常、医療費控除の金額を計算する際には、病院などの医療機関に支払った金額が対象となります。
ただし、保険金や給付金などで医療費を補てんする金額については、支払医療費から控除しなければなりません。
そして、入院給付金の金額も、医療機関に支払った入院費用を補てんするものであるため、控除しなければならないものです。
給付金を受け取っても課税されることはないのですが、税金計算上は注意が必要です。
入院給付金の受取人を間違えやすいケース
保険契約の内容は、保険会社の作成する保険証券などに記載されています。
しかし、保険証券は読みにくく理解しづらい書類であるため、勘違いしてしまうケースがあるかもしれません。
そこで、入院給付金と死亡保険金の違いや、入院給付金の受取人の確認方法などのポイントをご紹介します。
死亡保険金と入院給付金の違い
保険契約を1つの生命保険会社とだけ行っている場合も多く、1つの会社から死亡保険金と入院給付金が支払われることがあります。
しかし、その内容を正しく理解していないと、その全部が死亡保険金であると勘違いしてしまう場合があり得ます。
そこで、死亡保険金と入院給付金との違いについて、確認しておきましょう。
死亡保険金とは、被相続人が死亡したために支払われる保険金のことです。
その特徴は、被保険者自身が受取人となることができない点です。
亡くなったことで保険金の支払いが確定するため、支払われる保険金は必ず被保険者以外の人が受け取ることになります。
一方、入院給付金は数ある生命保険契約の中でも、入院の事実にもとづいて支払われる保険金を指します。
入院した時に、「1日1万円」といった形で定められた給付金が支払われます。
被保険者が亡くなった場合だけでなく、無事に退院した場合にも支払われます。
また、給付金の受取人は被保険者自身とすることも、その家族とすることもできます。
このように、死亡保険金と入院給付金は明確な違いがあることから、混同しないようにしなければなりません。
同時に支払われた場合にも、保険会社からの書類を確認してどのような内容の支払いなのか確認する必要があります。
受取人が誰になっているのか間違えない
実際に入院給付金を受け取った場合、保険会社から発行された書類を受け取ります。
この書類に給付金の受取人が書かれているため、誰が受取人となっているかを確認しておきましょう。
この時、相続人が受取人となっていれば、課税対象になる金額はないと確認できるため、一安心と思うかもしれません。
しかし、相続人が受取人となっている場合でも、2つのパターンがあることに注意が必要です。
1つ目は、被相続人が亡くなる前から相続人が受取人となっている場合です。
この場合は、一切何の税金も発生しないこととなります。
一方で、受取人の欄に相続人の名前が書かれていても、ここには本来の受取人ではなく手続きした人の名前が書かれている場合もあります。
この場合、保険契約の受取人は別の人であり、被相続人が受取人となっているために相続税の対象になることが考えられます。
そのため、誰が保険契約上の受取人となっているのか、必ず保険証券で確認しなければなりません。
まとめ
被相続人が亡くなって相続が発生すると、相続人が様々な手続きをしなければなりません。
その中に保険会社への保険金の請求もあり、相続人が受け取りの手続きを行うこととなります。
しかし、入院給付金を受け取った場合には、その受取人が被相続人なのか相続人なのかによって、課税関係が大きく変わります。
必ず保険証券などを確認して、誰が給付金を受け取ることとなるのか、給付金が相続財産になるのか、調べておきましょう。
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