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自己破産すると破産管財人に郵便物が転送される!いつからいつまで?

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

この記事でわかること

  • 自己破産時に破産管財人に郵便物が転送される理由
  • 郵便物の転送期間や、転送される郵便物の範囲
  • 転送された郵便物はいつ返されるのか

自己破産は、破産法に基づいて行う厳格な手続きです。
借金の返済を免除してもらえる一方、日常生活に及ぼす影響も小さくはありません。
債務者が影響を受けるもののひとつとして、郵便物の取り扱いが挙げられます。

「プライベートな内容を確認されてしまうのではないか」
「オンラインショッピングで購入した荷物も逐一チェックされるのか」
自己破産を検討している方の中には、このように郵便物の転送に関する疑問を抱えている方も多いでしょう。

ここでは、破産管財人に郵便物が転送されるケースやその理由、転送期間、対象範囲などをわかりやすく解説します。
自己破産を検討しているものの、郵便物の取り扱いに不安を抱えている方は参考にしてみてください。

自己破産すると破産管財人に郵便物が転送される

自己破産をすると、破産管財人に郵便物が転送されます。

破産管財人とは、債務者の財産の調査や管理を担当する弁護士のことです。
通常、破産手続開始決定時に裁判所が破産管財人を選任します。

破産管財人は、債務者宛の郵便物を転送して受け取り、中身を確認することができます。
郵便物の転送は、破産管財人の業務に必要だと裁判所が認めた場合に実施され、原則として債務者側は郵便物の転送を拒否できません。

自己破産時の郵便物の取り扱いについては、破産法81条1項、ならびに82条1項に規定されています。

引用
第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。
第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。

引用:破産法|e-Gov法令検索

上記からわかるように、郵便物の受け取りと開封が認められているのは破産管財人のみです。
破産管財人以外の第三者に、郵便物が見られてしまうことはありません。
つまり、郵便物の転送が行われるのは、破産管財人が選任される事件に限られます

ここでは、自己破産時に破産管財人の選任が必要なケース、郵便物が転送される理由について解説します。

破産管財人が選任されるのは一部のみ

自己破産時には、破産管財人に郵便物が転送されます。
ただし、すべての事件で破産管財人が選任されるわけではありません

自己破産の事件は、債務者の属性や保有資産額などによって、次の3つに分けられます。

  • 管財事件
  • 少額管財事件
  • 同時廃止事件

このうち、管財事件と少額管財事件では破産管財人が選任されます。
一方、同時廃止事件では破産管財人が選任されることなく、破産手続きを終えることになります。

どの事件に該当するかは、申立て時の申告内容をもとに裁判所が判断します。
ここでは、3つの事件と破産管財人の関係について解説します。

管財事件の場合

管財事件とは、債務者が保有する財産を処分して債権者に配分する手続きを要する事件です。
債務者が一定額以上の財産を保有している場合には、管財事件として扱われます。

管財事件では、裁判所が破産管財人を選任します。
破産管財人は債務者の財産の調査・管理を行い、一定額以上の財産を処分してお金に換え、その利益を債権者に配分します。

このため、郵便物についても破産管財人に転送されるのが原則です。

少額管財事件の場合

少額管財事件とは、管財事件の中でも債務額が比較的少額である事件を指します。
管財事件よりも破産管財人の業務が少なくなるため、手続きにかかる手間と費用を抑えられます。
弁護士が代理人として申し立てることで利用できます。

少額管財事件でも、通常の管財事件と同様に、破産管財人を選任します。
このため、原則として郵便物の転送も行われます

同時廃止事件の場合

同時廃止事件とは、債務者が処分できる財産を保有していない場合に、財産を処分することなく、破産手続きを終える事件のことです。
以下のような基準のすべてを満たす場合には、同時廃止事件に振り分けられる可能性が高いといえます。

この基準は、以下のようになっています。

  • 債務者の保有する現金が33万円未満
  • 資産が20万円未満であること
  • 免責不許可事由に該当しないこと

同時廃止事件では、財産の処分が必要ないため、破産管財人は選任されません。
したがって、郵便物が転送されることもありません。

郵便物が破産管財人に転送される理由

そもそも、なぜ郵便物は破産管財人に転送されるのでしょうか。
主な理由は、債務や財産の申告漏れを防ぐことです。

郵便物には、債権者からの督促状やクレジットカードの利用明細、口座の引き落とし通知などが含まれています。
破産管財人は郵便物の中身を見て、債務者の申告内容に間違いがないかを確認していきます。

自己破産時に郵便物が転送される期間

自己破産において、郵便物が転送される期間は、破産管財人が業務を行っている間に限られます。

具体的な開始のタイミングは、債務者が自己破産の申立てを行い、裁判所が破産手続開始決定をしてからです。
管財事件や少額管財事件であれば、ここで破産管財人が選任されるため、郵便物の転送が可能となります。

郵便物の転送は破産手続きの終了時まで続きます。
手続き期間は4カ月〜半年程度の場合が多いといえますが、事案によっては、手続き期間がさらに長くなる場合もあります。

自己破産時に転送される郵便物の対象範囲

前述したように、自己破産時には、債務者宛の郵便物が破産管財人に転送されます。
具体的な対象範囲は次の通りです。

転送の対象は郵便物に限られる

前述したように、郵便物の対象は郵便局から送られてくる手紙や書類、その他の信書に限られます。
信書とは、主に日本郵便が取り扱う請求書や契約書、証明書、ダイレクトメールを指します。

転送の対象には、宅配便などで送られてくる荷物は含まれません。
オンラインショッピングで購入した商品については、宅配業者が配達するものに限り、転送されないことになります。

なお、破産管財人には守秘義務があるため、プライベートな手紙を開封したとしても外に漏らすことはありません。

家族宛の郵便物は転送されない

転送の対象は「債務者宛」の郵便物のみです。
同じ住所に届けられる郵便物であっても、家族宛のものは対象になりません。
債務者以外の家族の財産は自己破産の対象にならず、郵便物を転送する必要がないためです。

自己破産時に転送された郵便物が返還される時期・方法

破産管財人の業務には郵便物の転送・確認が不可欠ですが、転送された郵便物はいずれ債務者の手元に返還されます。

とはいえ、破産手続きに直接関係のない手紙やハガキまで長期間確認できないとなると、債務者の日常生活に不都合が生じかねません。
そこで、破産手続き中であっても、破産管財人が確認した郵便物や手続きに関係のない郵便物については、返却を求めることができます。

ここでは、郵便物が返還される時期や方法について解説します。

郵便物の返還時期は破産管財人の裁量

郵便物の返還時期は、原則として破産管財人の裁量に委ねられています。
一定期間分の郵便物をまとめて返還するケースもあれば、こまめに返還してくれるケースもあります。

もし早めに郵便物を返還して欲しい事情がある場合には、直接破産管財人に申し出るか、代理の弁護士を通してお願いしてみるとよいでしょう。

郵便物の返還方法は主に3つ

郵便物の返還方法は「郵送」「直接受け取り」「代理人経由」の3つあります。
一般的には郵送の方法を取ることが多いですが、場合によっては返還方法の相談に乗ってくれることもあります。

破産管財人から郵送される

郵便物の返還を郵送で行う場合、破産管財人から債務者に宛てた郵送であることを示す文言が封筒に記されます
これは、返還された郵便物が再度破産管財人に転送されるのを防ぐためです。
ただし、同居家族に自己破産手続きを秘密にしている場合、封筒の文言によって発覚する恐れがあります。

破産管財人から直接受け取る

管財事件や少額管財事件では、定期的に破産管財人との面談が設定されることがあります。
破産管財人が所持する必要のない郵便物については、面談時に直接受け取ることが可能です。
直接受け取りの方法であれば、郵送費用がかからず、同居家族に知られる心配もなくなります。

代理人を経由して受け取る

弁護士を代理人として立てていれば、破産管財人から代理人宛に返還してもらう方法もあります。
この場合、代理人から債務者に郵送すると再び破産管財人に戻ってしまうため、代理人の事務所まで直接取りに行くことになります。

まとめ

自己破産は債務者の借金を免除する強力な手続きであるため、破産法に基づいて慎重に進めなければなりません。
郵便物の転送などの制約を受けるのも、裁判所が適切な判断をするために不可欠なためです。
特に債務者が一定額以上の財産を持っている場合には、不当な財産隠しや嘘の申告がないかをよく確認する必要があります。

自己破産を検討する前に、こうした制約を正確に把握しておくことで、スムーズに手続きを進められます。
自己破産に関する疑問や不安がある場合には、あらかじめ弁護士に相談して解消するようにしましょう。

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