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最終更新日:2022/11/18

準確定申告を確定申告書等作成コーナーで作成する方法・必要書類まとめ

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。

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準確定申告を確定申告書等作成コーナーで作成する方法・必要書類まとめ

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この記事でわかること

  • 準確定申告書を確定申告書等作成コーナーで作成する方法がわかる
  • 準確定申告書を作成する際の流れを知ることができる
  • 準確定申告書を作成する際に注意しなければならない点がわかる

亡くなった人がいると、その相続人が一緒に準確定申告を行わなければならない場合があります。

準確定申告の期限は、相続が発生してから4か月と短いため、様々な手続きの中で慌ただしく行うこととなります。

そこで、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを利用しようと考える方もいるでしょう。

ここでは、準確定申告を行う際の流れや注意点とあわせて、解説していきます。

準確定申告を作成コーナーで作成する流れ・必要書類

確定申告を行う際には、手書きで申告書を作成し、完成した書類を税務署に持ち込んで申告することができます。

また、確定申告ソフトを利用して申告書を作成し、完成した申告書のデータを電子申告することもでき、
アナログとデジタルのうち、申告者が得意な方法で申告できるようになっています。

手軽で費用をかけずに申告しようとする場合、国税庁ホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用することができます

準確定申告を行う場合も、この確定申告書等作成コーナーで申告書を作成することが可能です。

ただし、準確定申告書を確定申告書等作成コーナーで作成し、電子申告することはできません

しかし、まったく確定申告書等作成コーナーを利用できないわけでもありません。

パソコンで作業した方が間違いを訂正しやすいという利点がありますから、申告書をパソコンで作成することができると便利ですよね。

書面で提出することを前提として、確定申告書等作成コーナーを利用し、準確定申告書を作成する流れを確認していきます。

被相続人の情報を入力する

準確定申告書を作成するにあたって、まずは被相続人の情報を入力していきます

準確定申告書を提出するのは相続人ですが、誰の所得を計算しているかといえば亡くなった被相続人の所得です。

作成する申告書は被相続人についての計算であることから、被相続人の情報を入力しなければなりません。

被相続人の生年月日や、被相続人にどのような所得があるのかといった簡単な質問に答えて、次に進みます。

所得金額を入力する

被相続人にどのような所得が発生しているのか、その所得の区分ごとに金額を入力していきます

たとえば年金を受け取っている場合は雑所得(公的年金等)、給料や賞与を受け取っている場合は給与所得となります。

所得が発生している所得区分を選択すると、金額を入力する画面が開きます。

源泉徴収票を受け取る公的年金などの所得金額は、画面に源泉徴収票と同じような画面が出てきます。

その画面と実際の源泉徴収票を照らし合わせながら、金額を入力していきましょう。

この時、収入金額だけでなく源泉所得税額なども間違えないように入力していきます。

所得控除の項目を入力する

所得控除の項目には、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除など多くの項目があります。

これらに該当する支出がある場合、入力画面を選択し、必要な情報を入力していきます。

特に準確定申告を行う場合、医療費控除が発生することが多いため、忘れずに入力しましょう

医療費の発生した医療機関や薬局ごとにその金額を集計し、入力しなければなりません。

なお、被相続人が保険金や高額医療費、高額介護サービス費などを受け取っていることがあります。

これらの金額は、医療費を補てんするものであり、支払医療費から控除しなければならないため、注意しましょう。

この他、亡くなるまでに支払った社会保険料や生命保険料、地震保険料などがある場合、所得控除の対象となります。

これらも該当する項目に進み、支払金額を入力していきます。

納付または還付の税額を確認する

すべての所得と所得控除の金額が確定すると、税額が計算されます。

所得が発生している場合には、納付税額が計算されます。

また、源泉徴収税額や予定納税額がある場合には、納めすぎとなっている税額が還付されることがあります。

この税額が準確定申告後に納付し、あるいは還付される税額となります。

税額が還付される場合は、その税額と還付してもらう金融機関の口座を申告書に記載します

通常の確定申告の場合は、申告した人の名義の口座でなければ還付を受けることができません。

しかし、準確定申告の場合は、申告者は亡くなっていることから、相続人が還付税額を受け取ります。

申告書には、相続人代表の還付口座の情報を記載しておくこととなります。

申告書類を印刷する

作成した準確定申告書をPDFでダウンロードした後、印刷しておきます

印刷した申告書は「確定申告書」となっているため、手書きで第一表と第二表のタイトルに「準」を一文字加えます

また、申告書の他に添付書類台紙や医療費控除の明細書などの書類も、その申告内容に応じて印刷しておきます。

準確定申告書付表を作成する

準確定申告を行う場合、確定申告書とは別に付表を作成し、提出しなければなりません

準確定申告書付表は、確定申告書等作成コーナーでは作成できないため、国税庁ホームページからダウンロードして作成します。

準確定申告書付表には被相続人の他、すべての相続人の氏名や住所なども記載しなければなりません。

また、還付税額がある場合には、相続人ごとの受取金額や、金融機関の口座の情報も記載します。

相続人が大勢いる場合でも、原則すべての相続人が1枚の付表に記載しなければなりません

遠方に住む相続人がいる場合や、遺産分割で揉めた場合は、付表の作成にも時間がかかってしまいます。

期限内に付表を提出できるように、早めに準備に取り掛かるようにしましょう。

添付書類をコピーする

準確定申告を行う際に、申告書に添付しなければならない書類があります。

申告内容にかかわらず必ず添付しなければならないのが、相続人のマイナンバーに関する書類と、本人確認書類です

マイナンバーカードを保有している人は、その両面をコピーして用意しておきます。

保有していない場合は、マイナンバー通知カードと運転免許証のコピーを準備します。

給与所得がある場合や公的年金がある場合は、源泉徴収票を確定申告書に添付しなければなりません。

源泉徴収票を添付書類台紙に貼りつけ、申告書と一緒に提出します。

医療費控除の適用を受ける場合は、医療費控除の明細書を添付しなければなりません。

ただし、医療機関から交付された領収書を提出する必要はなく、手元で保管しておくこととされています。

この他にも、所得控除や税額控除などの適用を受ける場合は、添付しなければならない書類があります。

申告内容を確認し、国税庁のホームページで添付しなければならない書類として公表されているものがないか、確認しましょう。

被相続人の所轄税務署に郵送もしくは提出する

準確定申告書と付表、添付書類を準備したら、その申告書をセットして税務署に提出します

提出する税務署は、相続人の住所には関係なく、被相続人の最後の住所地を所轄する税務署となるので間違えないようにしましょう。

なお、被相続人の住所地が遠方にある場合は、申告書類を持参・提出することが難しいため郵送しましょう。

この時、提出用の申告書とは別に控用の申告書を作成し、税務署宛の封筒に同封します。

返信用の封筒もあわせて送れば、控用の申告書に税務署の受付印を押してもらい、返信してもらうことができます。

いつ提出したのか、あるいはどのような内容の申告をしたのか、税務署から問い合わせを受けることもあります。

トラブルを防ぐため、控用の申告書類と返信用の封筒もあわせて郵送するようにしましょう。

準確定申告を作成するときの注意点

準確定申告を作成するときの注意点

準確定申告書を作成する時は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

準確定申告ならではの注意点もあることから、必ず確認しておきましょう。

電子申告する場合は要注意

電子申告により、準確定申告を行うこともできます。

電子申告を行うと、添付書類の提出が省略され、提出や郵送の手間がないことから、納税者にとっては大きなメリットがあります。

ただし、準確定申告の電子申告を行う場合は、注意点があります。

それは、確定申告書等作成コーナーで作成した準確定申告書を、電子申告することはできない点です。

準確定申告を電子申告するには、e-Taxソフトを利用しなければなりません。

国税庁ホームページからe-Taxソフトをダウンロードすることができるため、作成方法に注意しましょう。

申告期限は亡くなってから4か月

亡くなった人に関する税金の手続きとして、相続税の申告があります。

相続税の申告期限は、亡くなった日の翌日から10か月以内とされています。

余裕があるようにも思えますが、他の相続手続きを行うとあっという間に期限を迎えてしまいます。

ただ、準確定申告の申告期限は、これよりさらに短くなっています。

亡くなった日の翌日から4か月が期限となっており、これまでに申告と納税を済ませなければなりません。

相続税の申告期限と混同して、4か月を経過してしまわないよう、注意しなければなりません。

振替納税は適用されない

準確定申告の計算を行う場合、所得が発生して納税が発生することがあります。

この場合、相続人がそれぞれの相続分に応じた所得税を納付しなければなりません。

ところで、被相続人に事業所得や不動産所得がある場合、毎年所得税の納税を口座振替で行っている場合があります。

所得税の納税を口座振替で行うことを振替納税といい、納付書を金融機関の窓口に持っていく必要はなくなります。

また、納税を忘れてしまうこともないため、毎年納税が発生する事業者などには広く利用されています。

しかし準確定申告を行う場合、振替納税を利用することはできません

相続人がそれぞれ納付書を使って納税しなければならないので、余裕をもって申告書の作成を行いましょう。

準確定申告書の提出義務がない場合もある

準確定申告は、亡くなったすべての人がしなければならないわけではありません。

亡くなった年の1月1日以降に所得が発生し、税額を納付しなければならない場合に、準確定申告しなければなりません。

一方、準確定申告しなくてもいい場合もあります。

所得が発生していない場合、あるいは所得が発生しても納税額が発生していない場合は、準確定申告する必要はありません。

なお、税金が還付される場合は、本来の期限である亡くなってから4か月経過後に申告しても問題ありません。

相続手続きが落ち着いてから、準確定申告書の作成に取り掛かっても、不利益を受けることはないので安心してください。

まとめ

準確定申告の作成方法は、国税庁のホームページを見てもわからない方が多いでしょう。

準確定申告書を、確定申告書等作成コーナーで完璧に作成することはできません。

しかし、作成方法の注意点さえ押さえておけば、確定申告書等作成コーナーで準確定申告書を作成することができます

ただし、確定申告書等作成コーナーで作成した準確定申告書を、電子申告することはできません。

この点を間違えることのないよう、注意して準確定申告書を作成しましょう。

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