この記事でわかること
- 相続税申告に強い税理士の選び方
- 相続税申告を税理士に依頼するメリット
- 相続税申告を自分で行うリスク
相続税申告は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告と納付を行わなければなりません。
しかしながら、自分で申告をしようとすると相当な負担がかかるうえ、相続税の計算に間違いがあると税務調査により追徴課税される恐れもあります。
相続税申告の手間やミスをなくすには、税金の専門家である税理士に相続税申告を依頼するのがおすすめです。
この記事では、相続税に強い税理士の選び方、税理士に依頼するメリットについて解説します。
目次
税理士報酬の相場とは?相続税申告で知るべきこと
動画の要約相続税申告の税理士費用や選び方のポイントを解説する動画です。費用は遺産総額の0.5%から1%が相場です。税理士選びは専門性や料金の明確性、他者との連携が重要です。専門家に依頼すると税金節約と税務調査リスク軽減が可能です。最後に無料相談の案内もあります。
相続税申告は相続専門の税理士に依頼するのが最適
相続が発生したら、すぐに税理士の無料相談を受けるのがおすすめです。
その理由は、相続税の申告・納付期限が相続開始を知った日の翌日から10カ月以内という短期間のうちに、「相続人の確定」「財産や債務の洗い出し」「誰が何を相続するか」を決めなくてはならないからです。
相続財産や法定相続人を確定させるためには、書類収集などに多くの手間がかかります。
さらに遺産分割が決まるまで何カ月もかかってしまうことも少なくなく、相続税の申告・納税を期限内に行うためにも相続専門の税理士にまずは相談をするのがよいでしょう。
相続税の申告書作成も至難のわざ
相続税の申告書作成は複雑で難解です。相続税では各財産の相続税評価額を計算する必要があり、特に不動産や株式の評価は難解です。
また、相続税には様々な特例も設けられておりますが、特例を適用するための要件判定も間違いやすい論点が多くあります。
まずは相続専門の税理士に無料相談を依頼して、相続税がかかるか、かかる場合は何から始めるのかを相談するといいでしょう。
全ての税理士が相続に詳しいとは限らない
実はすべての税理士が相続税に詳しいわけではなく、むしろ相続税を苦手とする税理士は多いです。
相続税額の計算には、相続財産の価値の評価が不可欠です。財産を所得時の時価で評価する相続税において、不動産や株式など時価が一定でない財産の価値を評価しなければならないケースもあるため、税理士にも高い専門知識と経験が求められます。
しかしながら、税理士の資格を取るのに相続税法の学習は必須ではありません。たとえ税理士資格を持っているとしても、相続税法に精通しているとは限らないのです。
令和4年度の日本全国の一年間の相続税申告件数は約15万件(※1)、対して全国の税理士登録者数は約8万人(※2)です。税理士一人当たりの申告平均で計算すると年間に1件か2件程度しか、税理士は相続税申告をしていないことになります。
そのうえ、大手の税理士法人に相続税申告の案件が多く集まりやすい傾向にあるため、相続税申告の経験がない税理士も多くいます。
- ※1
- 参考 国税庁│令和4年分相続税の申告事績の概要
- ※2
- 参考 国税庁│税理士制度
専門事務所に相続税申告に関するノウハウが集まる傾向
前述のように相続税申告の経験に乏しい税理士が少なくない一方、相続税だけを扱う相続税専門の税理士事務所もあります。
通常であれば相続税申告の案件を扱うのは稀ですが、専門事務所では相続税に専門特化している分、相続税申告に関する案件がより集まりやすいと言えます。
数多くの相続税申告を経験しているということは、申告件数の少ない税理士事務所と比べ、相続税のノウハウが蓄積されていると言えます。
相続税に強い税理士の選び方
相続税に強い税理士を選ぶには、以下のような選び方を押さえておきましょう。
- 相続税専門で実績の豊富な税理士を選ぶ
- 税務調査対策に力を入れている税理士を選ぶ
- 弁護士など他の専門家と連携している税理士を選ぶ
中でも相続税専門かつ実績の豊富な税理士を選ぶことは、スムーズな相続税申告へと繋がる大切な要素と言えます。
実績を判断するうえで基準となる要素も詳しく説明しているため、ぜひ参考にしてください。
相続税専門で実績の豊富な税理士を選ぶ
相続税に強い税理士の選び方のひとつは、相続税専門かつ相続税申告の実績が豊富な税理士を探すことです。
相談件数の多さや料金表の有無、相続に関する出版物や動画コンテンツの有無といった要素から、相続税に関する実績が豊富かどうかの目安となります。
実績の豊富さの目安となる要素をより詳しく紹介するため、税理士を探す際にぜひお役立てください。
相続に関する出版物や動画コンテンツがあるかどうか
相続に関する書籍を執筆していたり、YouTubeなどで相続税に関する情報を発信していたりすることも実績の豊富さの参考になります。
また、Youtube動画で税理士の人柄なども確認できるので、相談しやすい税理士かの判断材料にもなり得ます。
「コンテンツ内で相続税に関する具体的な内容が説明されているか」など、視聴前に確認したいポイントを整理すると良いでしょう。
相談件数の多さや料金表の有無を確認する
相続税専門の税理士事務所の多くは、自社のWebサイトに相続税申告の件数を記載しています。最低でも年間100件以上、できれば1,000件以上行っている相続専門の税理士事務所を目安に依頼をご検討ください。
また、事務所のホームページなどで料金表が明朗に掲載されているかどうかも判断材料です。税理士報酬は各事務所が自由に設定していますが、料金表として明確に打ち出している事務所も多くあります。
掲載されている料金表から「税理士報酬の基準や内訳が明瞭であるか否か」を判断することも税理士を選ぶ際のポイントと言えます。
税務署OBが事務所に在籍しているかもポイント
税務署OBが税理士事務所に在籍しているかどうかも、相続税専門の税理士を探す際の大きなポイントです。
元国税調査官をはじめとする税務署OBが税理士事務所に在籍している場合、税務調査目線での厳格な相続税申告書のチェックが期待できます。
経験を活かした模擬税務調査を行っている場合もあるため、税務署OBが在籍しているかどうかはチェック体制が整っているかを判断する目安になると言えます。
税務調査対策に力を入れている税理士を選ぶ
相続税に強い税理士を選ぶ際には、税務調査対策に力を入れているかどうかも確認しておきたいポイントです。
相続税申告後、相続財産の評価などが正確でないと疑われる場合、税務調査が入ります。
税務調査は、相続税申告した年の翌年や翌々年に行われることが多いです。実地調査のほか、電話・文書による簡易な調査などが行われ、申告に不備が見つかれば追徴課税されます。
書面添付制度の利用で税務調査の確率を下げられる
相続税に強い税理士の場合、「書面添付制度」を利用して、税務調査の確率を低くすることが可能です。書面添付をしておけば、税務調査の対象になっても、申告した法定相続人にいきなり税務署から連絡が来ることはありません。
代わりに申告を担当した税理士に意見陳述の機会「意見聴取」が与えられます。この意見聴取で税務署の調査官の疑問を解消できれば、税務調査が実施されないメリットがあります。
書面添付制度にはその他のメリットもある
意見聴取における質疑から調査通知前に修正申告を行った場合、自主申告扱いとなるため、本税や延滞税を納める必要はありますが、加算税はかかりません。
ほかにも、法定相続人が税務署から直接質問される可能性が低くなるメリットもあります。
実務に自信のある税理士は書面添付を積極的につける傾向にある
全ての税理士が書面添付を行うわけではありません。書面添付に真実と異なる内容を記載した場合、税理士は最長で2年間の業務停止処分を受けるリスク(※3)があるからです。
逆に、実務に自信のある税理士は積極的につける傾向にあります。
このように書面添付をつけられるかどうかは、相続税に強い税理士を選ぶ際のポイントになるため、対応しているかを税理士事務所に確認しましょう。
- ※3
- 参考 国税庁│税理士法違反行為
弁護士など他の専門家と連携している税理士を選ぶ
相続手続きでは、税理士の業務外となる、次のような法律手続きを並行して行うことがあります。
- 不動産登記(相続財産に不動産が含まれる場合)
- 相続放棄、限定承認
- 遺産分割調停や審判の申し立て
例えば、不動産登記がある場合は司法書士に依頼し、相続人同士で紛争がある場合は弁護士に依頼する必要があります。
いずれも自分で手続きすることも可能ですが、相続税申告と同様に時間と手間がかかります。専門知識がないと紛争がおきた場合に不利となる可能性もあるでしょう。
他の専門家と連携していると手続きをスムーズに進められる
相続税申告で法律手続きが必要な場合に迅速に対応できるよう、司法書士や弁護士などと連携できる、または他の専門家が在籍している税理士法人などを選ぶのもおすすめです。
相続に関係する他の専門家も在籍している税理士法人を例にすると、相続に関する手続きの相談を一つの窓口で行うことができます。
ただし、注意すべき点として、連携を謡っている事務所でも実際には窓口が別という場合も多くあります。
この場合は、ただの紹介にすぎませんので、相談者にとって二度手間、三度手間ということになってしまいます。
ワンストップで相続税以外のことも相談できるかどうか
相続専門の税理士法人の中には、相続財産の保守・運用に関する相談、ファイナンシャルプランニング業務を提供しているところもあります。
金融商品の仲介、不動産売買、保険紹介のように、資産運用や資産防衛を念頭に置いた選択肢を提供してもらえるかもしれません。
相続した財産額次第では相続税対策や財産圧縮が有効なケースもあるため、金融商品仲介をはじめ保険、不動産などの専門家と連携できる相続専門の税理士法人を選ぶのもおすすめです。
二次相続対策などにも対応してもらえる税理士を選ぶ
たとえ数年以内に発生するわけではなくても、二次相続への対策は大事になってきます。
二次相続では活用できなくなる特例が複数あり、仮に一次相続で相続税を抑えても、二次相続で高額の相続税がかかるかもしれません。
したがって、税理士を探す際は、二次相続も視野に入れた提案をしてくれる税理士を優先的に選ぶと良いです。
相続税に強い税理士を見極める探し方のポイント
税理士を探す際に大切な要素と言えるのが、実際に税理士と面談を行うことです。税理士事務所の多くは無料相談を実施しています。
実際に会ってご自身の要望を税理士に伝えつつ、サービス内容や得意な分野、相談費用などを聞いてみましょう。
この際、以下のような要素を判断基準とすると、ご自身にとって相性の良い税理士を絞り込みやすくなるため、ぜひお試しください。
- 抱えている悩みをしっかりと汲み取ってもらえるか
- 相談時の応対が分かりやすいかどうか
- 連絡時の対応などがスピーディーかどうか
抱えている悩みをしっかりと汲み取ってもらえるか
税理士との面談時、ご自身が抱えている「相続に関する悩み」を汲み取ってもらえるかは重要な要素です。
「相続税申告の手続きの進め方」や「申告書の作成方法」「相続人の確定」「財産や債務の洗い出し」など、相続税申告では把握しなければならない事柄が多数あります。
その分、相続に関する多種多様な疑問や悩みが生じやすいため、ご自身の状況に沿った悩みの解決策を提示してもらえるかは見るべきポイントと言えます。
相談時の応対が分かりやすいかどうか
相談時の応対が分かりやすいかどうかも、相続税に強い税理士を見極めるポイントです。
相続税申告では、普段の生活では耳慣れない専門用語が少なくありません。相続は一生で携わる機会が多くない出来事なことから、はじめて経験する場合は混乱してしまいがちです。
そのため、「専門用語を噛み砕いて説明してくれた」「手続きの流れを丁寧に説明してもらえた」など、相談時の説明の分かりやすさをチェックすると良いでしょう。
また、いくら相続税に精通している税理士であっても、相談がしにくければ「なんだか悩みを伝えづらい」となりがちです。
相談時の応対や雰囲気から「話しやすい」「相談しやすい」と感じられるかどうかも大切な要素と言えます。
連絡時の対応などがスピーディーかどうか
税理士事務所にお問い合わせした際など、連絡時の対応の早さも税理士を選ぶ際の判断材料となり得ます。
相続税申告は申告・納付期限が決まっていることを踏まえると、相続税の申告手続きの進行には正確さだけでなく、スピード感も不可欠と言えます。
加えて、申告作業を進める際にもやり取りが複数発生することから、連絡時の対応が迅速かどうかは正式依頼時にスムーズな対応に繋がるかどうかの目安とできるでしょう。
相続税申告を税理士に依頼するメリット
相続税申告を税理士に依頼するメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
- 相続税の節税につながる
- 税務調査の確率を下げられる
- 相続手続きをスムーズに進められる
相続税申告を自分で行うことも可能ですが、手順が複雑かつ準備が大変なことからミスが起こりやすい面もあります。
正確な申告に繋がるのはもちろんのこと、相続税の節税を踏まえた対策もできる点は、相続税申告を税理士に依頼するメリットです。
相続税の節税につながる
税理士に依頼するメリットは、相続税の節税につながることです。自分で相続税申告を行うと、特例や税額控除を知らないことで、本来抑えられたはずの税金を納めることになるかもしれません。
たとえ、税務署に相談したとしても、税金の優遇制度を利用するための遺産分割方法などを詳細には教えてもらえず、教えてもらえるのは申告手続きなどの相談内容に限られます。
一方、相続税申告を税理士に依頼すれば、特例や税額控除のほか、二次相続で高額な相続税がかからないようにする対策なども検討してもらえます。
相続税専門の税理士の腕の見せ所は「土地評価」
相続税に精通している税理士は、相続税を抑えるために土地の相続税評価が最も安くなる評価を行っていきます。
相続財産の中でも、土地は評価額が高くなってしまうことの多い財産です。土地は「小規模宅地等の特例」を適用できれば、土地の評価額を最大80%下げられます。
また、この特例以外でも、土地の評価額が下がるケースがあります。
例えば、「形状が不整形の土地」、「傾斜のある土地」、「私道のある土地」、「人に貸している土地」、「騒音がある土地」など、土地の状況によって評価額を減額できる要素を見つけて、土地の評価を行っていきます。
土地の評価は相続専門の税理士の腕の見せ所なのです。
税務調査の確率を下げられる
税理士に依頼するメリットには、税務調査の確率を下げられることも挙げられます。
自分で相続税申告を行った場合、申告内容や計算に間違いがあっても気づけないため、税務調査の可能性が高くなります。
しかし、相続税申告を税理士に依頼すれば、申告内容や計算の間違いを防げるだけでなく、申告内容を保証する書面添付制度を利用して、税務調査の可能性を下げることが可能です。
相続手続きをスムーズに進められる
相続税申告は準備の大変さもさることながら、相続税の申告書の作成も専門家以外が行うのは非常に困難です。
国税庁のWebサイト「相続税の申告書の記載例」(※4)のように、さまざまな項目の金額を記載する必要があります。
例えば、自宅のある土地(宅地)は小規模宅地等の特例の適用を受けるため、所定の手順で計算した価額を相続税申告書に記載しなければなりません。
このように相続税申告の準備や、申告書の作成にかかる膨大な時間を短縮できるのが、相続税申告を税理士に依頼する大きなメリットといえます。
相続税の申告書の記載例
引用元 「相続税の申告書の記載例」
相続税申告を税理士に依頼した場合の報酬
税理士事務所によって相続税申告の報酬は異なりますが、報酬相場は遺産総額の0.5~1%といわれています。
そのため、相続財産、土地や相続人の数が多ければ多いほど、相続税申告を依頼する際の税理士報酬は高くなる傾向にあります。
税理士事務所の多くは、相続税申告の報酬を遺産総額にもとづいた基本報酬の他に、相続人の数などの要素に応じて変動する加算報酬に分けて定めています。
基本報酬以外に、相続税申告期限が迫っている場合や、特殊なケース、別途の申告などにおいては報酬が加算されるケースもあるため注意しましょう。
報酬基準が明確でない場合もあるため注意が必要
報酬基準が明確に定められた料金表がなく、個別見積の事務所もあるため注意が必要です。税理士を探す際は、事前にホームページで料金表の有無やその内容を確認しましょう。
相続税申告は相続税専門の税理士に依頼しよう
相続税申告では、期限内に正確な申告書を提出し、納税することが大切です。そのためには、相続税に強い税理士に依頼する必要があります。
税理士を選ぶ際には、相続税申告の実績や報酬を参考に検討しましょう。また、相続税申告が終わるまで、税理士と何度もやりとりすることになるため、「この税理士や事務所を選んでよかった」と思えるように、ご家族の視点でしっかりと税理士を選んでください。
相続税専門のベンチャーサポート相続税理士法人では、親身でわかりやすい説明を心がけ、無料相談を実施しています。また、税理士だけでなく弁護士、司法書士、行政書士も在籍しているためワンストップで相談することが可能です。初めて相続税の申告を行う方もお気軽にご相談ください。
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