この記事でわかること
- 税務署に相続税申告を相談するメリットとデメリット
- 税理士に相続税申告を相談するメリットとデメリット
- 税務署や税理士に相談するときの注意点
目次
相続税の申告義務が生じたとき、「自分で申告できるのではないか」と考える人は少なくないでしょう。書籍やインターネットで調べれば必要な情報を入手できるため、相続税の申告は税理士に頼まず自分で行うことも不可能ではありません。
しかし、相続税の申告を行うためには非常に多くの事項を検討しなければならず、それぞれの検討内容も難解なものが多いです。
そこで相続税の申告に関する相談先として挙げられるのが、税務署や専門家である税理士です。この記事では、相続税の申告に関する内容を税務署に相談する場合と税理士に相談する場合のメリットやデメリットについて解説します。
相続税の申告に関する相談先選びで、ぜひ参考にしてください。
税務署に無料相談する場合のメリット・デメリット
相続税のことに限らず、税金のことに関しては税務署に連絡すれば相談に乗ってもらうことができます。
ここからは、税務署に相続税の申告を相談した場合のメリット・デメリットを紹介します。
メリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説するため必見です。
税務署に相談するメリット
税務署はあくまでも相談先であって、相続税の申告手続きを代行してくれるわけではありません。
したがって、税務署に相談する場合は、自分で相続税の申告を行うことが前提となります。
税務署に相談するメリットはいくつかあるため、それぞれ詳しく紹介します。
無料で相談できる
相続税の申告について税務署に相談する方法には二つあります。電話で相談する方法と、職員との面談する方法があり、どちらも無料です。
これから相続税の申告の準備を始めようとする段階では、「どれくらいの費用がかかるのか」「どのように手続きを進めなければならないか」など、心配ごとが多いでしょう。
こうした相続税の申告に関する基本的な内容を税務署なら無料で相談できるため、この点は大きなメリットと言えます。
何度でも相談できる
電話相談や直接職員と面談するなどの形式を問わず、税務署では何度でも相談することができます。
そのため、初歩的な内容を聞いたり、必要書類などの詳しい内容を聞いたりなど、様々な疑問を相談するのがおすすめです。
初歩的な相談から始めて、本格的な相談についてもはっきりと答えてもらうことができます。
気軽に相談できる
相続税申告はやらなければならない事柄が多い上に手続きも複雑なため、相談する回数も多くなりがちです。
電話や窓口を問わず税務署では無料で相談できることから、相談回数が複数回になっても相談しやすいと言えます。
ただし、税務署の中には面談時間の確保を目的に、相談窓口の事前予約が必要なこともあります。飛び込みでの相談はできない場所もあるため、注意しましょう。
税務署に相談するデメリット
是非とも活用したい税務署の相談システムですが、デメリットと言える面もあります。
ここからは、税務署への相談のデメリットを解説します。
一般的な相談しかできない
税務署で相談できるのは、「制度の説明」「どんな資料が必要なのか」「申告書の記入方法」など、一般的な事項に限られます。
相談者それぞれの事項について具体的なアドバイスをもらうことはできません。
たとえば、「相続人間で遺産分割に争いがあるような場合にどのように対応すればいいのか」など、相続に関する踏み込んだ内容までは対応されないでしょう。
節税のアドバイスはもらえない
税務署では節税に関するアドバイスは一切してもらうことができません。
あくまでも税務署は正確な税金の申告や納税の後押しをする役割であり、相談への回答は基本的な内容に留まります。
ことさらに税額が高くなるように誘導されるわけでもありませんが、税務署では公平・中立な回答しか得られないと考えておきましょう。
夜間や休日には相談できない
税務署で相談を受け付けているのは、基本的には平日の日中のみです。夜間や、土日・祝日などの閉庁日には相談を受け付けていません。
電話での相談もできないケースが多いため、注意が必要です。
また、税務署によっては特定の日曜日に相談や申告書の受付を行う場合もありますが、混雑が予想されます。
電話での相談の場合は連休明けや月曜日は特に混みがちなため、国税庁サイトのタックスアンサーなどを活用するのもおすすめです。
税務署に無料相談するときの注意点
ここからは税務署に訪問して直接相談するときの注意点を紹介します。
対応まで時間がかかる場合もある
税務署は無料で相続の相談ができますが、対応してくれるまでの時間がかかるケースもあります。
なぜなら職員は相続相談以外の仕事もあり、他の業務で忙しい場合もあるからです。
特に毎年1~3月は確定申告の対応をしており、かなり忙しい時期になります。
1~3月は通常よりも相談に時間がかかる可能性が高いため、なるべく時期を外しておきましょう。
窓口で相談するなら事前予約をしておく
税務署で相続相談をするなら、事前予約をしておきましょう。
税務署によっては相談受付には事前予約が必須な場合もあるため、前もって税務署に電話して、相談内容・日程を伝えると安心です。
また、「なにもわからないからゼロから相談する」のではなく、ある程度自分で調べておくのも有効です。わからない箇所をピンポイントで聞いた方が時間もかかりません。
具体的な契約内容や金額などが明確にわかる資料・書類を準備しておけば、相談もスムーズに進みます。
税理士に相談するメリット・デメリット
税務署での相談には無料できるなどのメリットがある一方、紹介したようにデメリットと言える面もあります。
では、税理士に相談する場合はどうなのでしょうか。
同じようにメリット・デメリットを紹介します。
税理士に相談するメリット
まずは、相続税申告を税理士に相談するメリットを紹介します。
税理士への相談を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
どんな問題にでも答えてもらえる
税理士に相談すれば、税務に関することなら細かい事柄に関しても答えてもらえます。
相続税の申告でも相談者それぞれの抱えているケースに応じて、「こうした方が良いですよ」というアドバイスをもらえます。
税務署では、相続税申告の基本的な内容に対して公平・中立な回答をもらえるのみで、あとは自分で考える必要があります。
それに対して税理士の場合は、相談者の相続における具体的な問題にも踏み込んで、どうすればいいのかを導いてもらえるわけです。
一連の手続を丸ごと代行してもらえる
相続税の申告は手続きの流れが複雑かつ、必要な情報や書類が複数あります。
相続に携わる機会は誰しも一生に一度か二度のため、実際に相続税の申告が必要になった際、戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。
仮に相続税の申告について何もわからなくても、必要な料金を税理士に支払えば、一連の手続きを丸ごと代行してもらうよう依頼することが可能です。
ただし、税理士によって、資料の収集も含めてすべてを代行してくれる税理士もいれば、資料の収集は依頼者本人が行い、税理士は申告手続きを代行するだけという場合もあります。
相談する税理士がどこまでを代行してもらえるのかについては、よく確認する必要があります。代行してもらう作業が増えれば増えるほど費用もかさむため、費用との兼ね合いでどこまで代行してもらうのかを検討することも必要になるでしょう。
節税が期待できる
税理士に相談すれば、節税できるポイントや方法をいろいろ教えてもらうことができます。この点は、税務署での相談にはない大きなメリットです。
特に相続税の節税対策は多岐にわたり、要件に当てはまれば適用できる特例や控除がいくつかあります。
こうした特例や控除には申請時に書類の提出が必要な場合もあるため、税理士への相談は手続きへの後押しという面でも効果的です。中でも相続税に詳しい税理士に相談することができれば、大きな節税効果が期待できるでしょう。
税理士に相談するデメリット
相続税の申告を税理士に相談することには大きなメリットもありますが、デメリットと言える面もあります。
ここからは、そのような税理士への相談でのデメリットを紹介します。
費用がかかる
税理士に相談するには、ある程度の費用を準備しておく必要があります。
初回時の無料相談を受け付けている税理士は少なくありませんが、相談料がかかる場合もあります。
相談料は一律に決まっているわけではありませんが、30分で5,000円程度がひとつの目安です。
相続税の申告を依頼する場合の費用は、税理士によって異なるうえに、相談者の状況に応じて変化します。
相場の目安としては、遺産総額の0.5%~1.0%の間が報酬額となる傾向にあります。遺産総額が5,000万円であれば税理士報酬は25~50万円程度、遺産総額が1億円であれば50~100万円程度ということになります。
争いごとの解決などは依頼できない
相続争いなどの争いごとがある場合は、税理士はその争いごとに関与することはできません。また、不動産などの名義を変更する登記手続きも、税理士は行えないため注意してください。
相続争いについては弁護士、不動産登記については司法書士に依頼して解決する必要があります。
ただし、相続専門の税理士事務所などは、その点も踏まえてひとつの窓口で連携して、グループの弁護士や司法書士に一括で依頼を受けてくれるところもあるため、そういった事務所を探すのもひとつの方法です。
相続に詳しい税理士ではないことも
相続や会計など税理士の業務範囲は多岐にわたるため、中には相続分野にあまり詳しくない税理士もいます。
法人税の確定申告や記帳代行、個人事業主の確定申告、事業承継など、税理士ごとに得意とする分野は異なります。
そのため、相続に関する相談を税理士に行う場合は、相続専門の税理士を選ぶのがおすすめです。専門性の高さからスムーズな申告手続きだけでなく、節税対策の面でも確かなサポートを期待できます。
税理士に相談するときの注意点
メリットが大きいと言える税理士への相談ですが、相続に詳しい税理士を探す際に手間がかかりがちな面もあります。
相続税の申告に詳しいかどうかは、実績を見て判断するのが効果的です。実績を公開している税理士事務所のホームページをいくつか比較しながら自分に合いそうな事務所を選ぶと良いです。
ホームページで比較した後、候補の税理士事務所が無料相談を行っているなら、実際に面談するのも手です。より具体的な相談を無料で行える場合もあるので、会うことでよりニーズに合う税理士を見つけられるでしょう。
また、税理士に相談するのはできるだけ早めが良いです。
相続税の申告と納税には相続開始から10カ月以内に申告・納税しなければならないというタイムリミットがありますから、遅くとも相続開始から半年までには相談した方が良いでしょう。
税務署・税理士のどちらに相談するべきか
紹介した内容に目を通した人の中で、「税務署・税理士のどちらに相談した方がいいのか?」と思う人もいるのではないでしょうか。
ここからは、パターン別におすすめの相談先を紹介します。
簡単な相続相談・相続税がかからない人は税務署
「相続の簡単な相談がしたい・相続税がかからないことが確定している」という人は税務署がおすすめです。
税務署での相続相談の対応範囲は基本的な相続知識までで、節税方法などの内容は教えてくれません。
また相続税がかかるのは全体の10%程度といわれており、そもそも相続税がかからないケースもあります。
相続税の基礎控除の目安は3,600万円になり、相続財産が3,600万円未満であれば、相続税が発生しません。
自分たちの相続で相続税が発生しないことが明確なら、税務署に相談しても問題ないでしょう。
節税したいなら税理士
「相続税を払わなければいけない」という人は、税理士への相談がおすすめです。
相続税の申告は手順が複雑かつ必要な情報が数多くあります。そのうえ、申告書類に不備があると、修正するタイミング次第で追徴課税が課される可能性もあるのです。
そのため、相続税が発生する場合は、相続専門の税理士に相談すると良いです。
また、前述したように、相続税には節税に繋がる特例や控除がいくつかあります。相続に精通している税理士に相談すれば、節税へのバックアップも行ってもらえるでしょう。
悩んだら税理士への無料相談がおすすめ
「税務署・税理士にどちらに相談していいかわからない」という人は、税理士の無料相談を利用してみましょう。
初回相談は無料という税理士はここ数年でかなり増えています。
無料相談の利用時に自分の相続内容を相談してみて、その答え・見積もり金額などを聞いてから依頼するかどうか判断できます。
無料相談を利用したうえで依頼したくないと思えば、契約書にサインする前にキャンセルすれば問題ありません。
電話などで気軽に利用できるため、まずは無料相談を活用してみましょう。
税務署と税理士のメリットなどを把握して相続税の相談先を決めよう
相続税の申告を税務署に相談するのも、税理士に相談するのも、どちらにもメリットとデメリットがあります。
この記事の内容を参考に、ぜひあなたのニーズにあった相談先を選択してください。
また、相続税申告の相談先に迷ったときは、相続専門税理士の無料相談を利用するのもおすすめです。
基本的な内容から専門的な事柄も質問可能なため、その後の相続手続きへの目安となることでしょう。
相続専門税理士の無料相談をご利用ください
ご家族の相続は突然起こり、何から手をつけていいか分からない方がほとんどです。相続税についてはとくに複雑で、どう進めればいいのか? 税務署に目をつけられてしまうのか? 疑問や不安が山ほど出てくると思います。
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