この記事でわかること
- 火葬許可証と埋葬許可証との違い
- 火葬許可申請書の提出から、火葬・納骨までの流れ
- 火葬許可証を失くしてしまったときの対応
「火葬許可証」は、火葬を行うために必要な公的書類です。
火葬場への提出はもちろん、火葬後の埋葬・納骨でも、火葬許可証は重要な役割を果たします。
この記事では、火葬許可証の申請方法や埋葬許可証との違い、再発行が必要になったときの対応まで、火葬までの流れも含め丁寧に解説します。
目次
火葬許可証とは
火葬許可証(死体埋火葬許可証)とは、亡くなった人の火葬を許可する書類です。
火葬許可証は、火葬場に提出する大切な書類です。また、火葬許可証がないと、そもそも火葬ができません。
火葬の手配も、葬儀社が代行してくれることが多い
多くの葬儀社では、死亡届の提出と併せて、火葬許可証の発行申請も代行してくれます。
また、火葬許可申請書には「埋葬または火葬の場所」を記入する必要がありますので、事前に火葬場を予約しておく必要があります。
葬儀社は、火葬場の空き状況や休業日などを把握しており、スムーズに火葬の手配も行ってくれます。
ただし、葬儀プランによっては、火葬に関する代行サービスが含まれていない場合もありますので、念のために確認しておくとよいでしょう。
火葬許可証の発行申請に期限はある?
火葬許可証の発行申請に、法律上の期限はありません。
しかし、実務上は死亡届と同様に「死亡の事実を知った日から7日以内」に手続きをすることが多いです。
一般的に、火葬許可書の発行申請は、死亡届と同時に行います。
死亡届は「死亡の事実を知った日から7日以内」に提出する必要があります※1。
そのため、火葬許可申請の手続きも7日以内に行うことになるのです。
なお、故人が亡くなってから24時間経過しないと、火葬はできません※2。
- ※1
- 故人が海外で亡くなった場合、死亡届の提出期限は「死亡の事実を知った日から3カ月以内」に延長されます。
- ※2
- 例外として、法律で定められている感染症で亡くなった場合は、感染症蔓延防止のため、死後24時間以内の火葬が認められています。
火葬許可証と「埋葬許可証」との違い
埋葬許可証とは、納骨や埋葬をするときに必要な書類です。
火葬を終えた後に返却される、火葬許可証に「火葬執行済」であることを示す押印がされた書類が「埋葬許可証」になります。
つまり、火葬許可証と埋葬許可証は同じ書式の書類ですが、火葬済の印が押されることで、納骨や埋葬に使える「埋葬許可証」としての効力を持ちます。
また、押印済の火葬許可証は、火葬が行われたことを証明する「火葬証明書」にもなります。
火葬許可証の発行申請から火葬・埋葬までの流れ
ここからは、火葬許可証の発行申請から埋葬までの、おおまかな流れを紹介します。
①「火葬許可申請書」市区町村役場に提出する
一般的には、死亡届を提出する市区町村役場に、「火葬許可申請書(死体埋火葬許可申請書)」を提出します。
火葬許可申請書を、ホームページから書式をダウンロードできる市区町村もあります。
なお、火葬許可申請書が不要な市区町村もあります。その場合は、下記、②の項目からお読みください。
火葬許可申請書には、亡くなった人の本籍地や現住所のほか、火葬場の情報を記入します。
死亡届やその後の相続手続きでも、故人の本籍地は知っておく必要がありますので、「本籍地が記載された住民票」を取得しておくとよいです。
死体埋火葬許可申請書記入例
引用元 川崎市
②「火葬許可証」を受け取る
火葬許可申請書の内容に不備がなければ「火葬許可証」が交付されます。
火葬許可証は、火葬当日まで紛失しないように保管しておきます。
葬儀社に火葬許可証の発行申請を依頼した場合は、葬儀社が火葬の日まで預かっていることもあります。
土葬を行う場合の書類
多くの自治体では「火葬許可申請書」と「埋葬許可申請書」が一体化された様式となっています。
土葬の場合は、「埋葬許可申請書」として、市区町村役場に提出します。
提出書類に不備がなければ、「埋葬許可証」が発行されます。
③火葬場に火葬許可証を提出する
火葬許可証は、火葬当日に火葬場の管理事務所や窓口に提出します。
火葬許可証がないと、火葬ができません。必ず、忘れずに持っていきましょう。
④「火葬済の印」が押された火葬許可証を受け取る
火葬が終わると、火葬許可証に「火葬執行済の証明印」が押され、遺族に返却されます。
証明印付きの火葬許可証は、「埋葬許可証」として納骨の際に使用します。埋葬許可証がないと、納骨・埋葬ができませんので、大切に保管しておきましょう。
⑤納骨・埋葬を行う
一般的には、四十九日の法要後、納骨・埋葬をします。
④の項目でも触れたとおり、納骨・埋葬の際には、「火葬証明印付きの火葬許可証」=埋葬許可証が必要です。
「火葬後から四十九日法要までの間」に行いたい手続き
もし、故人が年金受給者だった場合は、年金受給停止の手続きを早めに行いましょう。
年金受給停止の手続きは期限がとても短いため、忘れないよう注意が必要です。
火葬・葬儀後は、法要の準備もありますが、公共料金の解約なども済ませておくとよいです。
また、故人の財産(相続財産)の洗い出しを行い、遺産分割協議の準備も進めます。
相続手続き全体の流れについては、以下の記事をご参照ください。
火葬許可証は再発行できる?
もし火葬許可証を失くしてしまっても、再発行は可能です。
以下の2パターンから、火葬許可証を紛失したときの対応を確認しましょう。
- (1)火葬前に、火葬許可証を紛失した場合
- (2)火葬後に、証明印が押された火葬許可証を紛失した場合
(1)火葬前に、火葬許可証を紛失した場合
まずは、葬儀社が火葬許可証を預かっていないか確認しましょう。
それでも見つからない場合は、死亡届を提出した市区町村役場へ、再発行の申請をします。
なお、再発行には所定の手数料がかかる場合があります。
(2)火葬後に、証明印が押された火葬許可証を紛失した場合
まずは、骨壺が入っている箱を確認しましょう。
「押印済の火葬許可証」は、骨壺を納めた箱に同梱されていることが多いです。
また、焼骨を寺院等へ仮置きした際に、押印済の火葬許可証を預けている場合もあります。
しかし、何らかの事情で遺骨を長く手元に置いている間に、火葬許可証を失くしてしまうこともあるでしょう。
どうしても見つからない場合は、死亡届を提出した市区町村役場へ、火葬許可証の再交付申請をします。
ただし、多くの自治体では、火葬許可証の保管期限を5年間と定めています。
火葬許可証の発行から5年を経過している場合には、火葬を行った火葬場で「火葬証明書(火葬を行った事実を証明する書類)」を取得します。
なお、公営の火葬場では火葬記録(火葬台帳)を30年程度保存していることが多く、30年未満であれば証明書の発行が可能です。
火葬許可証の再発行の申請ができるのは、原則として死亡届の届出人です。
届出人が死亡している場合は、届出人の配偶者や直系親族(親、子、孫等)や、祭祀承継者が申請できます。
必要な書類は、市区町村によって異なりますので、事前に確認しましょう。
- 所定の「火葬許可証再発行申請書」
- 申請者の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 火葬場が発行した「火葬証明書」※1
- 亡くなった人の死亡の記載がある戸籍謄本※2
- 委任状※3
- ※1
- 死亡から5年以上経過している場合
- ※2
- 故人の本籍地の役場へ申請する場合は不要なこともある
- ※3
- 代行業者など、死亡届の申請者・直系親族・祭祀継承者以外の人が申請する場合
書類の発行には、役場のほか火葬場でも、所定の手数料がかかる場合があります。
また、火葬日時の確認等のため、火葬証明書の交付に日数がかかる場合があります。
「死体火葬許可証再交付願い」の記載例
引用元 千葉県我孫子市
火葬は「亡くなってすぐに行う手続き」の1つ
故人が亡くなってから火葬までの期間は非常に短く、1週間以内に執り行われることがほとんどです。
火葬が終わったあとも、四十九日法要や納骨、そして遺産関連の手続きで遺族は忙しくなります。
近年は、前もって終末期医療の意思表示をしておく「リビング・ウィル」や、生前のうちから死後の準備を進める「終活」「エンディングプラン」という考えも広まりつつあります。
中でも「相続」は、期限が設けられている手続きが多いため、生前から対策を検討される方も多いです。
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