最終更新日:2022/12/16
IT業界の起業準備は何をすべき?成功のコツやビジネスモデルも紹介
ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori
この記事でわかること
- IT業界で起業する場合にどのような準備をすべきか知ることができる
- IT業界で起業する際に成功させるためのコツを知ることができる
- IT業界で起業した成功例やビジネスモデルから学ぶことができる
起業しようとする人の中には、IT業界に挑戦しようと考えている人も多くいるでしょう。
IT業界で起業しようとする場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。
準備をしっかりとしておくことで、起業を成功につなげる可能性を高めることができます。
実際に、どのようなビジネスモデルがあるのか、その実例もふまえて解説していきます。
目次
IT業界の起業準備ですべきこと5つ
起業にあたって重要になるのは、しっかりとした準備をすることです。
ただ、何もかもすべてを準備しておけるわけではないので、特に重要なことに絞って進めるといいでしょう。
IT業界で起業しようとしている人は、具体的にどのような準備をするといいのでしょうか。
事業計画を立てる
起業する際には、どのような事業内容で売上を計上して収益を得ていくのか、その筋道を考えておく必要があります。
様々なことを幅広く行うことは限られた人材の中ではできないため、注力する分野を決めておかなければなりません。
また、具体的なターゲットを意識して、どのようなサービスや商品を提供していくのか、考える必要があります。
起業して始めた事業は、すぐに収益化することができなくても、3年後に大きな収益を生み出すかもしれません。
また逆に、起業してすぐに売上に貢献する商品であったとしても、その恩恵が長く続かない商品もあるでしょう。
数年後を見据えて事業計画を立てておき、どのような形で事業を行うのか、その具体的な手順を考えていきましょう。
事業に必要な場所や人材を探す
事業を始めるにあたって、どこでその事業を始めるかというのは大きな問題となります。
IT業界で起業する場合、パソコンやソフト上アさえあればいい場合もあり、自宅で開業する人も多くいます。
また逆に、自宅では作業しにくいと考え、初めから事業用の事務所を借りる人もいます。
ここで大事なのは、事業を運営するのに支障のない環境を作り出すことです。
自宅兼事務所とすれば、経費は最小限に抑えることができる一方で、スペースは十分ではないというデメリットがあります。
また、公私の区別がつけにくく、かえって仕事に集中できないという人もいるかもしれません。
その一方で、事務所を借りると固定費が増えてしまい、その負担は決して小さくないでしょう。
どちらを選択するかは業種や自宅の所在地にもよるため、場所についてはよく考える必要があります。
また、起業前の準備段階で、従業員などの人材を探し始めることができます。
人材の確保は事業の拡大には欠かせませんが、特にIT業界で起業する場合は、スキルを持った人材が必要となります。
様々な人に会って情報を集めつつ、自社の広告宣伝を行っておきましょう。
開業資金や運転資金を計算しておく
起業する際に真っ先に必要になるのは、開業資金です。
開業にあたって会社の備品を購入し、事務所を借りる際には、まとまったお金が必要となります。
起業したら融資を受ければいいと思っている方がいるかもしれませんが、起業直後に融資を受けるのは簡単ではありません。
そのため、起業する前にどれくらいの資金が必要になるのか、確認しておく必要があるでしょう。
この段階で計算しておく金額には、開業資金の他に運転資金も含めなければなりません。
事業を始めても、すぐに売上が発生するわけではないため、現金の収入が得られることは少ないからです。
売上が安定して計上され、現金収入を得られるようになるまで数か月かかることもあるため、その間の運転資金を計算しておきます。
法人の登記や設立届などを行う
起業してすぐに、法人を設立する方もいるでしょう。
こうした方々は、個人事業で開業した後に法人化すると、二度手間になってしまうと考えます。
起業にあたって法人を設立すると、事業の開始と法人の設立を同時に行わなければなりません。
そこで、事業を本格的に開始する前に、法人の設立に関する手続きを進めておきましょう。
法人の設立を行う際には、必要事項を決めて定款を作成した上で、法務局で登記を行う必要があります。
また、登記が終了したら、完成した登記簿謄本を添付して、税務署に設立届を提出しましょう。
ここまで行っておけば、事業開始後に法人設立に関する様々な手続きを行う必要はありません。
名刺やホームページを準備する
名刺やホームページは、会社の存在を多くの人に知ってもらう大事なツールです。
事業を本格的に開始していない状態では、名刺やホームページが会社の存在を証明するものともなります。
会社が設立されてすぐに名刺やホームページがあると、営業活動もしやすくなるため、早めの準備が欠かせません。
IT業界での起業を成功させるコツ
IT業界で起業する時に、何をするとその成功の可能性を上げることができるでしょうか。
起業を成功させるコツをご紹介していきます。
事業が成功するまでの資金を準備する
開業資金や運転資金を計算しておく必要があることは、先に説明しました。
ただ、この資金の額を計算して確認しておくだけでは意味がありません。
少しでも楽に事業を始めることができるよう、その資金を準備しておくようにしましょう。
開業資金や運転資金を準備することは、決して簡単なことではありません。
しかし、時間をかけること、そして強い意思と目標を持てば不可能ではないでしょう。
なお、開業資金や運転資金を補助金や助成金、あるいは融資により確保することを前提とするのはお勧めできません。
補助金や助成金には予算の上限がある他、条件が厳しいものもあり、必ず利用できるものではないからです。
また、起業したばかりの個人や法人は、融資を受けることが難しく、受けたとしても少額にとどまることがあるためです。
これらを利用できなくても事業が滞ることのないよう、十分な資金を準備しておきましょう。
どこにニーズがあるか市場調査をする
IT業界で起業するといっても、その中には多くの業種があり、様々な事業を行っている会社や事業者がいます。
漠然とIT関係での起業を目標としても、何をするかが決まらなければ、事業化にまで至らない結果となってしまいます。
そこで、具体的に何をするITの会社になるのか、あるいは事業者になるのかを決めておく必要があります。
何をするかを決める際に大切なのは、どこにニーズがあるのかを知ることです。
そのためには、市場調査が欠かせません。
これまでにIT関係の会社ではどのような事業が行われており、どこに隠れたニーズがあるのかを調査しましょう。
その中から、自身が事業化できると判断したものにすべての資源を集中して、事業化に向けて進むこととなります。
ビジネスパートナーを見つける
IT業界ですでに活躍している会社や事業者が大勢います。
また、起業にあたって様々なアドバイスをくれる人や、優れたIT関係のスキルを持つ人と出会うこともあるでしょう。
起業する際には、一人の力ですべてを行うことはできません。
様々な分野で能力を持つ人との出会いを大切にし、ビジネスパートナーとして発展的な関係を築いていきましょう。
また、将来的には一緒にビジネスを進める関係になる可能性もあるので、出会いを大切にしていきましょう。
IT業界での起業の成功例・ビジネスモデル
IT業界では、具体的にどのようなビジネスモデルがこれまで生まれてきたのでしょうか。
これまでの例を参考にすることもできますし、新たなビジネスモデルを生み出すこともできます。
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、ITに関する知識や経験を活かし、顧客に対して助言・アドバイスを行う事業です。
これまでも、多くの人がITコンサルタントとして独立し、活躍しています。
ITコンサルタントは、開業資金が比較的少なくて済み、収益率も高くなる傾向にあります。
一方で、継続的な顧客の獲得は簡単ではなく、競争も激しい分野となっています。
経営に関する知識も必要とされるため、将来的には資格を取得することも考えておくといいでしょう。
コンテンツ提供サイトの運営
ショッピングサイトを開設することは、ある程度のスキルがある人であれば難しいことではありません。
IT関係のショッピングということで、テンプレートやデジタルコンテンツを販売するサイトを開設し運営する事業が考えられます。
一般的な物販とは異なり、在庫を抱える商売ではないため、在庫リスクがないのは大きな魅力と言えます。
一方で、より深い知識がなければライバルに対抗できず、常に新しいものを生み出すアイデアも不可欠です。
Webサービスの提供
IT関係の技術は日進月歩です。
そのため、常に最新の情報をチェックしながら、その技術を提供する事業を行うことができます。
たとえば、サイトやブログの開設、ソフトウェアの開発、ライティングや動画の作成など、その事業には様々な種類があります。
自身のスキルがある程度のレベルにあるのであれば、時間をかけずに起業することができます。
どのように顧客を獲得するのかが大きなカギとなりますが、最初はクラウドソーシングを利用するもの選択肢となります。
その後、事業が軌道に乗った時には、自社サイトのみで仕事を獲得できるようになり、収益率はより高くなるはずです。
まとめ
IT関係で起業しようと考えている人は、現在IT関係の仕事に従事しているか、一定のスキルを持っている人がほとんどでしょう。
このような人は、起業すればすぐに仕事が獲得できると考えているかもしれませんが、現実には数多くのライバルが存在します。
そこで、どこにニーズが隠れているのか、そしてそのニーズをどのように掘り起こすことができるのかが重要です。
また、起業すれば終わりではなく、その後事業を継続していけることがポイントとなります。
資金や人材、そして自身の事業に対する動機などが欠かせないため、綿密な準備をしておきましょう。