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最終更新日:2024/9/19

親にいますぐ公正証書遺言を書いて欲しい方に伝える30の注意点

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。

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親にいますぐ公正証書遺言を書いて欲しい方に伝える30の注意点

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遺言書は本来、自分が亡くなった後の財産の分け方を自分で決めたい人だけが書くものですが「老いては子に従え」のことわざどおり、変化の激しい現代においては高齢の親よりも子のほうが経済的に正しく判断できるというケースは多いと思います。

遺言書については、親である本人が書きたいというご相談よりも「親が遺言書を残してくれれば家族全員が幸せになれるのでは?」とお子様側からご相談を頂く機会がとても増えており、そういった方の視点にたって公正証書遺言の注意点について30の項目にまとめてみました。

目次

【 親に遺言を書いてもらう心構え 】

1 財産は本人だけの所有物

「遺言書を書かせる」「遺言書を書いてもらう」というのは本来ありえない表現です。そもそも財産は稼いだ本人だけの所有物であって、たとえ配偶者や子供でも本人の意思なくその財産を費消することはできません。(財産分与などはここでは考えません)

稼いだ本人と表現しましたが、もちろん本人だけでなく親が築いた財産を本人が相続したようなケースもあります。しかし、相続によって親から本人が受け継いだのは、その親の意思にしたがって本人が受け取ることができたからです。

今ある財産を存命中に使い切ることも、亡くなったら全額寄付することも、家族に残すこともすべての決定権は本人次第という前提を知っておきましょう。

2 親族全員の利益を考える

遺産相続というと財産を持った親に自分だけが特別可愛がられて、他の兄弟よりもいかに多く財産を受け取るか? というドラマの展開を想像しがちですが、実際はそうではありません。

親族間の相続トラブルや高額すぎる相続税に備えて行う準備は、亡くなる親と残される子供の「親族全員」にとって精神的・経済的なメリットがたくさんあります。

まずは自分の希望を通すことよりも家族全員が一番得をする方法を知って、その中で自分の希望を親や兄弟に伝えていくのが正しい順序です。

3 公正証書遺言で避けられる相続トラブル事例1

自分は親と同居していて、2人兄妹の妹が別の場所に住んでいるような場合、遺言書がないまま相続を迎えてしまうと財産の分け方でトラブルになるケースがよくあります。

たとえば同居していた親の自宅不動産が2000万円、預金が1000万円あったとします。自分としては引っ越す予定もないので自宅不動産を自分が相続し、預金1000万円は妹がすべて相続すればよいと思っていました。

しかし、妹は相続割合の目安として民法で定められている「財産の2分の1」の相続を主張し預金1000万円とは別に、私に500万円の金銭を要求してきましたが、サラリーマンの自分にとって500万円の金銭出費は現実的に不可能です。

親が亡くなる前に、兄妹にそれぞれどの財産をいくら与えるかを公正証書遺言で定めていれば、兄妹の仲が悪くなるような事態は避けられたでしょう。

4 公正証書遺言で避けられる相続トラブル事例2

昔から仲の良い兄弟で、相続が起きてもトラブルになるわけがないと家族全員が思っていたような場合でも、相続トラブルが発生するケースはあります。

たとえば同居していた親の自宅不動産が2000万円、預金が1000万円あったとします。兄である自分が自宅不動産を相続し、弟が預金1000万円をすべて相続することで兄弟の話し合いがまとまりました。

しかし、弟がそのことを奥さんに報告すると、弟の奥さんは「あと500万円余分にもらう権利がある!」とその遺産分割に納得しませんでした。本来部外者である弟の奥さんですが、弟も家庭内の円満のためもあって再度兄と話し合うことになりました。

このケースでも、親が公正証書遺言で遺産分割を定めていればトラブルは起こらずに済んだでしょう。

5 公正証書遺言の誤解1

仲の良い家族に公正証書遺言は必要ない、というのは誤解です。

さきほどの相続トラブル事例で見たとおり、昔から仲の良い兄弟だったとしても兄弟それぞれが自分の家庭を守っていく立場になると、兄弟だけで解決できる問題ではなくなります。

それぞれの配偶者という他人の存在も含めて、残される家族全員が幸せにと願うすべての親が準備しておくべきもの。それが公正証書遺言なのです。

6 公正証書遺言の誤解2

うちは金持ちじゃないから公正証書遺言は必要ない、というのは誤解です。

裁判所の統計を見ても、財産が一番少ない1千万円未満の層の相続争いの件数がもっとも多く(全体の約3割)なっています。

7 公正証書遺言の誤解3

公正証書遺言を作るのはまだ早い、というのは誤解です。

突然の事故や病気でなくても、認知症を患ってしまうとそれ以降は遺言書を残すことができなくなります。

親が自分だけで決めるのか、家族を集めてみんなで話し合って決めるのか、いずれの選択肢で遺言を残すにしても、「親が若くて健康なあいだ」こそ正しい判断ができると思いませんか?

【 早急な遺言の必要性 】

8 公正証書遺言を「いつか」書く日は訪れない

遺言書の作成を開始するのに最適な日は「今日」です。相談にお越しになったお客様で、「いつか遺言書を書きます」と言って実際に書いた人は一人もいません。それほど遺言書というのは書くタイミングが掴みづらいものなのです。

「はやく遺言を書こう!」と親に促すのではなく、預金残高や株式数を調べるために金融機関に行く、戸籍を取りに区役所に行く、段取りを進めるために専門家に無料相談の予約を取るなど、はじめの一歩となる具体的な行動をお子様の側からリードしてあげてみてはどうでしょうか。

9 公正証書遺言が親族の仲を守る

たとえ遺言書が残されていたとしても、遺産分割の割合が兄妹のどちらか一方に偏っていれば家族の仲は悪くなってしまうのではないか? と心配されるかも知れません。

しかし、親が兄妹の分割割合に大きな差をつける場合はそれなりに正当な考えがあるはずで、その考えすら理解し合えない家族は、おそらく生前から信頼関係が築けていないものと思われます。

仮に親の考え違いや偏愛からくる納得できない内容だったとしても、遺言書が残されている一番の効果は「財産を存命中に使い切ることも、全額寄付することも、家族に残すこともすべての決定権は本人次第」という大前提を家族全員に認識させてくれることにあります。

このため遺言書の存在は遺産分割を実行する面においてだけでなく、家族の心理面へも多大な好影響をおよぼします。

遺言書がなければ、亡くなった人の財産は相続人全員の所有物という前提から話し合いが始まるため「自分の取り分をいかに多くするか?」という争いに発展してしまうのです。

10 認知症になってから公正証書遺言は残せない

遺言書は書こう書こうと思っていてもタイミングを逃し続けてしまうものです。そのため親が認知症と診断されて初めて、財産管理や遺産分割を真剣に考えだして専門家に相談に来られる方が後を断ちません。

しかし、認知症が一定以上進行してしまうと遺言は残せません。お金を払って公正証書遺言を残そうと思ってもそれもできません。認知症対策として知られる成年後見制度や家族信託もすべては事前対策なので実施できません。とにかく健康なうちに相続のことを真剣に考えるべきなのです

認知症と一言でいっても進行度合いにより大きな差がありますので、発症することがすぐに「意思能力がない」ということではありません。軽度なうちであれば有効な遺言書を残せる可能性はあります。

11 公正証書遺言は一朝一夕では作れない

親が遺言書を残そうと思ったら、もしくは子供がぜひ親に遺言書を残してもらいたいと思ったら「その日すぐに作成することが一番のタイミング」とは言いましたが、きっちりした遺言書はたった一日で準備もなしに作れるようなものではありません。

財産の調査に始まり、公証役場や証人2名の日程調整などの段取りが必要になりますので、まず具体的なはじめの一歩に取りかかることが重要です。

お薦めは専門家に連絡して無料相談の日時を決めることですが、どうしても専門家を頼りたくない場合は、預金残高や株式数を調べるために金融機関に行くなど「財産調査」からはじめるのがよいでしょう。

12 公正証書遺言は介護にも好影響

相続トラブルでよくあるのが「あれだけ親の介護で面倒を見たのに、自分たちが財産をその分多くもらえないのは納得いかない」という心情です。親の介護をほうっておいた兄妹が遺産分割のときだけ顔をだしてきて、法定の取り分を主張することに腹が立つというのは理解できる話です。

法改正も介護への貢献を金銭的に評価しようという流れになってきてはいるもののまだまだ完璧な法整備は程遠いのが現状です。

しかしこの状況は、数年以上先の法整備を待つ必要はなく、介護される側である親が一筆書くだけで解決します。親が感謝の気持ちを遺産分割の形で遺言書に残してあげれば、兄妹の争いはなくなります。

さらに遺言の大きな効果として、死後の相続争いの火種を無くすだけでなく、生前の介護行為にも影響することです。介護の見返りとして十分な相続が受けられることが分かれば、介護する側は惜しみなく介護を手伝えるでしょう。

【 遺言内容の注意点 】

13 公正証書遺言は「遺留分」に注意

遺言書作成時にもっとも注意しなければならないのは「遺留分(いりゅうぶん)」です。遺留分とは法定相続人に守られた相続権のことで、遺言の内容がどんなものだったとしても一定の相続割合の分だけは相続する権利を主張できるのです。

その主張のことを遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)と言い、自分の権利を侵害して財産を得た者に対して交渉することから始まり、最悪の場合は裁判での決着となります。

せっかく法律にしたがって有効な遺言を残したはずが、別の法律争いの火種になってしまっては意味がないので、遺言を残すときは遺留分を侵害しないように注意して作成しなければなりません。

14 公正証書遺言は財産の下調べが重要

遺言は誰ににどれだけの財産を分配するか? ということを決めるために作成するものです。もし大きな財産の把握もれがあった場合、その財産は結局、相続人同士の話し合いで分配を決めることになりますので、親の意思が反映されないことになります。

今、どんな種類の財産があり、それぞれの残額や金銭評価額がいくらなのか? できるだけ正確に下調べして、財産の全容を把握したうえでなければ、思い通りの遺言は残せないでしょう。

15 公正証書遺言に書くべきではない内容

遺言には付言事項(ふげんじこう)と言って、本来の遺産分割の内容とは別に家族への想いなどを記載することが認められています。

しかし遺言書は遺書ではありません。家族へのポジティブなメッセージを少し残す程度なら良いですが、間違っても他の家族を責めるようなネガティブな想いを付言事項で残すことは控えましょう。

遺言書は遺産分割を決めるために残すもの。家族一人ひとりへの想いを長文で伝えたい場合は手紙や遺書を別に用意すると良いでしょう。

16 公正証書遺言は第三者の遺言執行者を定めよう

遺言者が亡くなった後、遺言の内容どおりに金融機関の預金解約手続きや不動産の名義変更手続きを実際に進める人を遺言執行者といい、遺言書で定めることができます。

遺言執行者を定めないこともできますし、家族の誰かを遺言執行者にすることもできますが、お薦めは第三者の専門家に指定することです。なぜなら、遺言書があるということは法定の相続割合よりも少ない遺産しかもらえない家族が存在するからです。

遺産分割の面からすると納得できない、損をしたと感じる家族がいるからこそ、その感情を荒立てないために、冷静に手続きを進める第三者の存在が重要だと思います。

ちなみに、銀行などの金融機関が遺言執行までしてくれるサービスもあって、熱心に営業してきますが内容と比べてあまりに高額すぎるので依頼は避けましょう。

17 一番新しい遺言書だけが有効

遺言内容の様々な注意点を述べてきましたが、実は、はじめから完璧なものを作る必要はありません。もちろん記載に不備があると困るのですが、最低限の内容で一度自筆証書遺言を完成させてみて、修正点が見つかれば再び作成するという方法でもいいのです。

遺言書は、一番新しい日付のものが有効になりますので、亡くなるまで何度でも書き換えることができます。一度完成したものがあれば、修正して作成する労力はかなり少なくて済みます。

さらに、何度でも書き直せると知ることで、最初の遺言書作成も気楽に進められるのではないでしょうか?

【 公正証書遺言の特徴 】

18 公正証書遺言の一番の特徴は「確実性」

遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言という大きく3つの種類があります。なかでも公正証書遺言をお薦めする一番の理由は、実行の確実性です。

公正証書遺言は作成するのに最低でも約4万円(財産額が1億円の場合。財産額に応じて変動するこの公証人手数料というものが必ずかかります)かかり、専門家に手伝ってもらうとプラス10万円程度の費用がかかります。

この費用が高いために自筆証書遺言を選ぶ人も多いですが、不動産評価もあわせて約3000万円以上の財産をお持ちの方は、多少の費用をかけてでも遺言者の意思が確実に実行される公正証書遺言を残すほうが結局は金銭的にも得をするケースが多いでしょう。

19 公正証書遺言には証人2名の立ち会いが必要

公正証書遺言作成の大きなハードルのひとつに、証人2名の立ち会いがあります。

親族または第三者が証人となりますが、次の人は証人になれないというルールがあります。

  • 未成年の人
  • 相続人と推定される人、受遺者(遺言で財産をもらう人)、これらの配偶者や直径血族
  • 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人

なので上記以外で証人を2名用意することが必要となります。どうしても自分で用意できない場合は、有料で公証役場に依頼することもできます。費用については後述します。

20 公正証書遺言は作成費用がかかる

自筆証書遺言の作成には費用がかからないのに対して、公正証書遺言の作成には大きく分けて次の3つの費用がかかります。このうち絶対に必要なのは一番上の「公証人手数料」だけで、あとの2つは必要に応じて支払うことになります。

・公証人手数料
公証人手数料は、遺言者の財産額や遺言の書き方などによって費用が変動します。日本公証人連合会が作成した料金表を掲載しますので、こちらでご確認ください。

財産の価額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円超200万円以下 7,000円
200万円超500万円以下 1万1,000円
500万円超1,000万円以下 1万7,000円
1,000万円超3,000万円以下 2万3,000円
3,000万円超5,000万円以下 2万9,000円
5,000万円超1億円以下 4万3,000円
1億円超3億円以下 4万3,000円に、5,000万円を超えるごとに1万3,000円を加算した金額
3億円超10億円以下 9万5,000円に、5,000万円を超えるごとに1万1,000円を加算した金額
10億円超 24万9,000円に、5,000万円を超えるごとに8,000円を加算した金額

・証人費用
約16,000円/2人 (1人ならこの半額)
自分たちで証人を用意することができない場合に有料で公証役場に依頼することができます。

・専門家のアドバイス料
約10万円~20万円程度
「どの財産を誰に分けるか」を決めるだけならわざわざ専門家に聞かずとも希望だけを書けばいいのではないか? と思われるかもしれませんが、遺産相続は生前の金銭贈与や介護の負担をどう考えるかなど、当事者同士では気づかない視点がたくさんあります。
公証人が無料でアドバイスしてくれる場合もありますが、金銭的な振れ幅のもっとも大きい税金についてのアドバイスはできないため、必ず税理士を交えてアドバイスを受けるべきでしょう。

21 公正証書遺言は自筆しなくてよい

自筆証書遺言の意外な落とし穴のひとつに「字が汚くて読めない」ということがあります。高齢者にとって字を書くという行為は、若い人が思っている以上にハードルが高いものです。

そのため、法改正で一部パソコン入力が認められるようになった自筆証書遺言ですが、改正後も遺言本文は自筆する必要があります。

その点、公正証書遺言はすべて公証人がパソコンで入力した内容を読んだり聞いたりして、意思と違う点があれば何度も口頭で修正しながら遺言を完成させることができ、自筆する必要がありません。

22 公正証書遺言は自宅や病院でも作成できる

公正証書遺言の作成は、公証役場に行くのが一般的ですが、身体に不自由があって自宅や病院から動けないような方でも作成できるように、「公証人の出張サービス」が用意されています。

その場合、作成費用が割高になりますので下記の料金表を確認してください。

公証人手数料 上記の通常手数料の1.5倍
公証人の日当 4時間まで10,000円
1日20,000円
公証人の交通費 実費

【 公正証書遺言の作成手順 】

23 公正証書遺言の原案となるメモを作成

公正証書遺言は手数料を支払って公証人が作ってくれるといっても、何も準備しなくていいわけではありません。自筆証書遺言を作成する場合と同じく、自分や家族、財産状況に関する情報は自分でまとめておく必要があります。次のようなメモをとりましょう。内容さえまとめて確認できるのであれば、どんなメモでも構いません。

【家族関係】

  • 自分の氏名、現住所
  • 配偶者の氏名、生年月日
  • 法定相続人以外で財産を渡したい人の氏名、生年月日、住所
  • 子供全員の氏名、生年月日 ※子供がいる場合はここまでで家族関係は完了
  • 父母・祖父母の氏名、生年月日 ※父母か祖父母がいる場合はここまでで家族関係は完了
  • 兄弟姉妹の氏名、生年月日

【財産関係】

  • 現預金について…すべての金融機関の銀行名、支店名、口座種類、口座番号、(残高)
  • 株などの有価証券…社名/銘柄、数量、単価、(金額)
  • 生命保険、損害保険…保険会社、保険種類、証書番号、被保険者、受取人、(保険金額)
  • その他…車、高価な家財、書画骨とう品など財産価値のあるものは特定できる情報を

※金額は遺言書には直接記載しませんので、正確でなくて構いません

24 公証役場に電話連絡を入れる

次に、遺言書を公証役場に持ち込む段取りをしましょう。住所などは関係なく、行きやすい公証役場の場所をインターネットで調べて、そこに電話連絡を入れるとよいでしょう。

必要書類を持ち込む段取りを確認して、無駄足にならないように準備するものをしっかり聴き取りましょう。

25 立ち会ってくれる証人2名を決める

公正証書遺言の作成に立ち会ってもらえる証人2名を決めます。推定相続人や受遺者(財産をもらう人)は証人になれません。もし自分で用意できない場合は、有料で公証役場に依頼できます。

26 公証役場に必要書類を提出する

必要書類を持ち込む段取りが確認できたら、まずは一人で公証役場を訪問します。

その場で日程調整を進めるために、先に証人となる2人のスケジュールを把握しておく必要があります。(証人を有料で依頼する場合、ここでのスケジュール確認は不要)

この日は、自分の身分証明書を持参することと、証人2名の氏名・職業・住所・生年月日(和暦)もその場で聞かれましたので、事前にメモしておくと万全です。

27 全員の日程を調整し面談日時を決める

公証人とやり取りを進めて意思どおりの遺言内容が文章化できたら、公証役場と証人2名の日程を調整して、面談日時を決定します。

28 面談当日は身分証などの必要書類を各自持参

公証役場へ訪問する当日(出張を依頼した場合は出張してもらう当日)は、証人2名とともに準備しておくものを再確認しましょう。

【当日持参するもの】

● 遺言者本人

  • 公証人手数料等の現金
  • 実印
  • 運転免許証などの身分証

● 証人

  • 運転免許証などの身分証
  • 認め印

29 内容を最終確認して全員が署名押印する

公証人が文章化した遺言内容が、遺言者の意思を十分に反映したものであるかどうか、最終確認を行います。
問題がなければ公証人の指示に従って全員が署名押印を済ませます。これにより「有効な」公正証書遺言の完成です。

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30 手数料を支払って渡された正本を保管する

最後に公証人に手数料を支払って、公正証書遺言(原本・正本・謄本の3種類)が完成です。
原本は公証役場で保管され、正本は通常遺言者に渡されます。正本と謄本を万が一紛失してしまったとしても、公証役場に原本が残っているため遺言は有効なままとなります。

以上が、親にいますぐ公正証書遺言を書いて欲しい方に伝える30の注意点です。これからご家族で遺言書作成を検討されている方に有益な情報ばかりを集めてみました。

公正証書遺言の作成については他にも公正証書遺言の特徴・作成手順・費用を解説【公証人の立会動画あり】というページで詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

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