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最終更新日:2022/3/21

寄付をすることで相続税が安くなる?相続財産を寄付して税金が減る方法

古尾谷 裕昭

この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

ベンチャーサポート相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、横浜、千葉、大宮、名古屋、大阪、神戸など全国の主要都市22拠点にオフィス展開し、年間2,200件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。 業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【ベンチャーサポート相続税理士法人】

この記事でわかること

  • 相続財産を寄付することで税金を安くする方法がわかる
  • 寄付によって税金がいくら安くなるのかを理解できる
  • 税金を安くするための寄付先を知ることができる

相続が発生すると、相続財産を相続人で分割することになります。

最近は「社会のために役立てたい」「お世話になった組織に恩返しがしたい」ということで相続財産を寄付するケースも増えています。

相続財産を寄付すると、相続税などの税金を減らすことも可能になります。

故人や相続人の意志を活かしながら節税になるので、相続財産の寄付は一石二鳥ということになります。

ただし、相続財産を寄付することで税金を減らすためには、いくつかの決まりがあります。

そこで今回は、相続財産を寄付することで税金を減らすことができる仕組みや計算例、減額の適用を受けるための条件などについて解説します。

相続財産を寄付したら受けられること

相続財産を寄付した場合、どのようなことが適用されるのでしょうか。

相続や遺贈で取得した財産を特定の団体に寄付すると、寄付した財産に相当する金額については相続税を非課税とする特例が定めされています(租税特別措置法第70条)。

ただし、どこに寄付をしても非課税となるわけではありません。

非課税の特例の対象となるのは、国や地方公共団体、特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人などに寄付した場合に限られます。

税金は公益のために使われるものなので、相続財産を公益のために寄付した場合にのみ相続税が減額されるのです。

具体的な減額のイメージは?

相続税の非課税の特例を利用するかどうかを考えるとき、気になるのは具体的に相続税がどれくらい安くなるのかということでしょう。

そこで、具体的な計算方法をご説明します。

相続税減額の計算式

相続税の非課税の特例によって相続税がいくら安くなるかは、次の計算式で求めます。

相続税の減額分=寄付した金額×相続税率

それでは、具体例で実際に計算してみましょう。

相続税率10%のケース

課税価格500万円の相続財産を取得した人が、そのうち100万円を寄付したとします。

この場合の相続税率は10%なので、相続税は10万円安くなります。

(計算式)100万円×10%=10万円

寄付をしない場合の相続税の納税額は50万円ですが、100万円を寄付することによって納税額は40万円で済むようになります。

相続税率30%のケース

次に、課税価格6,000万円の相続財産を取得した人が、そのうち1,000万円を寄付したとします。

この場合の相続税率は30%なので、相続税は300万円安くなります。

(計算式)1,000万円×30%=300万円

寄付をしない場合の相続税の納税額は1,100万円ですが、1,000万円を寄付することによって納税額は800万円で済むようになります。

なお、1億円以下の相続税には700万円の控除がありますので、念頭に置いておきましょう。

適用が受けられる条件4つ

相続税の非課税の特例を利用するためには、以下の4つの条件を守る必要があります。

1. 相続開始から10ヶ月以内に手続きすること

非課税の特例の適用を受けるためには、相続税の申告をすることが前提となります。

相続税の申告の中で、非課税の特例も申請することになります。

申告期限内に相続税の申告を行わなければ、非課税の特例の適用を受けることはできなくなります。

申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。

この期限内に寄付を済ませた上で、相続税を申告する必要があります。

遺産分割協議で揉めたりしていると申告期限に間に合わず、非課税にできなくなるのでご注意ください。

2. 寄付するときに遺産を現金化しないこと

相続財産を寄付するときは、現物をそのまま寄付しなければなりません。

土地や建物といった不動産や自動車などの動産、株式などの有価証券などを売却し、お金に変えて寄付してしまうと、特例の適用を受けることはできません。

相続財産をそのままの状態で寄付しないと、非課税にはならないのです。

3. 寄付先として定められている組織に寄付すること

非課税の特例が適用される寄付先は、租税特別措置法や相続税法、政令で定められています。

それ以外の組織に寄付をしても、相続税が非課税となることはありません。

特例の適用を受けることができる寄付先について、次の条件で詳しくご説明します。

4. 遺言書による寄付でないこと

最後の条件は、相続税の非課税の特例の適用が受けられないわけではないものの、所得税や住民税の控除を受けるために「守っておきたい」条件です。

それは、被相続人が作成した遺言に基づく寄付ではなく、相続人からの寄付であることです。

寄付は、被相続人が寄付する財産や寄付先を遺言書で指定する「遺贈」によってもすることができます。

しかし、この方法では所得税や住民税で控除を受けることはできません。

相続人の所得税や住民税も安くするためには、相続人から寄付することが必要です。

気をつけたい寄付先

せっかく寄付をしても、相続税の非課税の特例の適用対象として認められている組織に寄付しなければ、相続税は非課税になりません。

特例の適用対象として認められている組織としては、以下のような組織があります。

国・地方公共団体

非課税の特例の適用対象として最も確実なのは、国や地方公共団体です。

地方公共団体とは、主に都道府県や市区町村といった地方自治体のことです。

地方自治体に寄付すると、住民税の「基本控除」だけでなく「特例控除」も受けられます。

節税対策として相続財産を寄付する方には特におすすめです。

なお、控除を受けるための手続きや条件は少し複雑なので、寄付をする前に地方自治体の窓口などであらかじめ相談するとよいでしょう。

なお、寄付をする際は、控除を受ける条件や手続きなど、県・市役所の窓口に事前に相談することをおすすめします。

ふるさと納税も活用できる

国や地方公共団体へ相続財産を寄付する場合は、ふるさと納税を活用することも可能です。

ふるさと納税とは、自分で選んだ自治体に寄付をすることで所得税と住民税の控除を受けることができる制度です。

その地域の特産物などが返礼品としてもらえるという特典もあります。

ふるさと納税を活用することで、相続税の非課税の特例に加えて特典を受けることもできるのです。

ただし、ふるさと納税によって相続税の非課税の特例の適用を受けるためには、以下の条件があるのでご注意ください。

  • ・相続人からの寄付であること(遺言による寄付は適用外)
  • ・相続税の申告期限内にふるさと納税を行うこと
  • ・遺産分割終了後にふるさと納税を行うこと

また、ふるさと納税で寄付金控除を受けるためには、基本的に確定申告を行うことが必要です。

ただし、事前に「ワンストップ特例」という手続きを申請することによって、確定申告不要で寄付金控除を受けることもできます。

認定NPO法人

NPO法人は営利を目的としない団体ですが、その中でも特に公益性が高い団体として所轄庁から認められたものが「認定NPO法人」です。

相続財産を寄付した場合に寄付金控除が受けられるのは、NPO法人の中でもごく一部に限られるので注意が必要です。

もっとも、寄付したい団体が認定NPO法人であるかどうかは分かりにくいことも多いでしょう。

そのため、寄付をする前に寄付先の団体に問い合わせるか、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

特定公益増進法人

特定公益増進法人とは、さまざまな法人の中でも特に社会貢献度の高いものとして政令で定められている法人のことです。

主なものとしては、日本赤十字社やユニセフ、学校法人などがあります。

学校法人には私立の大学や高校なども含まれます。

寄付先が特定公益増進法人に該当するかどうかについても、事前に寄付先に問い合わせるか、専門家に相談した方がよいでしょう。

【参考】所得税と住民税も減額になる可能性も!

相続財産を寄付することで、一定の要件を満たせば所得税と住民税も減額することができます。

所得税と住民税の減額については「寄付金控除」と「特例控除」があるので、それぞれについてご説明します。

寄付金控除

寄付金控除とは、基本的な控除を指します。

相続財産を寄付して、確定申告をすれば所得税と住民税から一定の控除を受けることができます。

所得税の寄付金控除

所得税から控除される金額は、次の計算式で求められます。

控除額=(寄付した金額-2,000円)×所得税率×1.021

例えば、所得税率33%が適用される場合に50万円を寄付したとすれば、所得税は16万7,791円も安くなります。

(計算式)(50万円-2,000円)×33%×1.021=16万7,791円

ただし、寄付金控除の対象となるのは総所得額の40%までに限られるので、ご注意ください。

住民税の寄付金控除

住民税の控除のうち、「基本控除額」については、次の計算式で求められます。

基本控除額=(寄付した金額-2,000円)×10%

例えば、50万円を寄付した場合、住民税の基本控除額は4万9,800円となります。

(計算式)(50万円-2,000円)×10%=4万9,800円

ただし、基本控除の対象となるのは総所得額の30%までに限られるので、ご注意ください。

特例控除

特例控除とは、基本控除に加えて控除されるものです。

相続財産を地方公共団体に寄付した場合は、住民税の基本控除に加えて特例控除も適用されます。

住民税の特例控除額は、次の計算式で求められます。

特例控除額=(寄付した金額-2,000円)×(90%-所得税率×1.021)

例えば、所得税率33%が適用される人が50万円を寄付した場合、住民税の特例控除額は28万0,409円となります。

(計算式)(50万円-2,000円)×(90%-33%×1.021)=28万0,409円

ただし、特例控除の対象となるのは住民税所得割額の20%までに限られるので、ご注意ください。

相続税対策の寄付で気をつけておきたいこと

ここからは相続税対策で寄付を考えている人が、気をつけるべきことを紹介します。

  • ・寄付しない方がお得な場合もある
  • ・寄付をしたら相続税の申告が必須
  • ・手続きが難しく期限も決まっている

寄付しない方がお得な場合もある

相続財産を寄付すれば、その分相続税も安くなります。

ただし寄付した分の財産は減ってしまうため、注意が必要です。

そもそも寄付をせずにそのままの財産で相続税を支払った方が、結果的に手元に残る財産が多くなるかもしれません。

「寄付をした方がいいのか?寄付せずに相続税を払った方がいいのか?」と判断することは非常に難しいです。

なぜなら相続税は相続財産の金額によって異なるため、相続財産をすべてチェックしないと判断ができません。

さらに相続税では非課税枠が増えるような仕組みも複数あります。

寄付はあくまで相続税対策の1つの手段でしかないため、他の節税方法を検討したうえで、判断することが重要になります。

寄付をしたら相続税の申告が必須

相続があっても、そもそも相続税がかからないなら、税務署へ申告する必要はありません。

実際に相続があったとしても、非課税枠に収まることも多く「相続税がかからないから申告もしなくていい」というケースもあります。

しかし寄付をした場合には、寄付先・金額などが分かる書類をつけて、税務署への申告が必須になります。

もし寄付をしたことで相続税がかからず申告が不要になった場合でも、必ず申告しなければいけません。

相続財産で寄付をしたら、相続税の申告を忘れずに行いましょう。

手続きが難しく期限も決まっている

相続税対策で寄付をした場合には、手続きが必要になります。

寄付をしただけでは、相続税が軽減されずに、手続きをして初めて相続税が安くなります。

手続きに期限が決められてます。

被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内の手続きが必要です。

さらに寄付先からの領収書・証明書を受け取って、相続税申告書に添付しなければいけません。

手続きが複雑で期限も決まっているので、忘れずに手続きを行いましょう。

相続税対策をするなら専門家に相談した方がいい

相続税で悩んでいるなら、まずは専門家である税理士に相談するのがおすすめです。

なぜなら相続は税務の知識が必要があり、自分だけで判断すると損をする可能性が高いから。

相続の実績がある税理士であれば、相続財産の状況をみて、一番節税できる方法を教えてくれます。

また寄付をする場合にも、税理士に任せれば期限内に間違いのない手続きをしてくれます。

初回の相談を無料で受けつけている税理士も多いので、まずは初回の無料相談から利用してみましょう。

まとめ

節税対策とは関係なく相続財産を寄付したいとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、一定の要件を満たせば相続税や所得税、住民税を安くすることができます。

特に住民税の特例控除が適用されると、非常に節税効果が高くなります。

税金を抑えつつ、相続財産を公益のために役立てたいとお考えの方は、お気軽に税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

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