相続が発生したときに、相続税がかかるかどうか分からず、心配されている方は多いでしょう。
この記事では、相続税について無料で相談できる場所を、税理士や税務署などの相談先ごとにメリット・デメリットなどを解説します。相続税について税理士に相談するときのポイントも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 相続税について無料で相談できる場所
- 税理士に相続税の相談をするメリット・デメリット
- 税務署、国税局電話相談センター、税理士会、市区町村役場に相談するメリット・デメリット
- 相続税について税理士に相談するときのポイント
目次
相続税について無料で相談できる場所
税理士 | 税務署 | 国税局 電話相談センター |
税理士会 | 市区町村役場 | |
---|---|---|---|---|---|
事前予約 | 必要 *1 | 必要 | ー | 必要 *1 | 必要 |
面談による相談 | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
電話による相談 | ○ | ○ *2 | ○ | ○ | × |
対応 | 税理士 | 税務署職員 | 国税局職員 | 税理士 | 税理士 |
具体的な相談 | ○ | × *3 | × *3 | × *3 | × *3 |
申告書の作成 | ○ | × | × | × | × |
- *1
- 事前予約が不要なところもある
- *2
- 税務署からの照会やお尋ね、納付に関する相談は可能
- *3
- 相談内容は基本的なものに限られ、一般的な回答に留まる
相続税について無料で相談できる場所は、以下の5カ所があります。
- 税理士(税理士事務所、税理士法人)
- 税務署
- 国税局電話相談センター
- 税理士会
- 市区町村役場
税理士に相続税の相談をするメリット・デメリット
税理士は、税金の専門家であるため、相続税に関することを具体的に相談できます。
相続が発生したあとだけでなく、生前から相談できるため、相続税について疑問や不安があるときは、早めに税理士に相談するとよいでしょう。
税理士に相談できること
税理士には、以下のような相続に関することを相談できます。
- 相続税の申告書の作成
- 税務調査への対応
- 生前対策、節税対策
- 法定相続人の調査
- 相続財産の調査
なお、弁護士や司法書士、行政書士は「相続税」などの税金の専門家ではなく、税務代理や税務書類の作成、税務相談は税理士の独占業務となります。したがって、相続税に関することは税理士に相談しましょう。
相続税の申告書の作成
相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月です。
期限内に相続税の申告書を税務署に提出しないと、遅延利息に相当する延滞税などが課されます。また、申告内容に誤りがあると過少申告加算税などが課されることもあるため、申告期限までに正しく申告できるように税理士に依頼することをおすすめします。
税務調査への対応
税務調査は、遺産の額が多い人だけでなく、申告内容に誤りがあると思われる人に対して、実地調査が行われます。
国税庁の「令和4年分相続税の申告事績の概要」「令和4事務年度における相続税の調査等の状況」によると、相続税申告における税務調査の割合は5.2%となっています。税務調査は、調査官からどのようなことを聞かれるのか分からず、不安は大きいでしょう。
税理士に税務調査への立ち会いを依頼すると、事前に調査官に提出する書類を確認の上、調査当日は調査官とのやり取りなども対応してもらえるため安心です。
生前対策、節税対策
相続税を軽減する方法は、生前贈与だけでなく、被相続人が亡くなったあとでもできることがあります。
税理士に生前対策や節税対策を依頼すると、被相続人の所有する財産や家族構成などから、適用できる特例や税額控除などを判断し、相続税を軽減するための最適な方法をアドバイスしてくれます。特例や税額控除の適用の有無などによって、相続税の負担が大きく変わることもあるため、税理士に相談するとよいでしょう。
法定相続人の調査
相続が発生したときには、原則として被相続人が所有する財産を法定相続人が引き継ぎます。
遺産を分割するためには、被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍謄本を取得し、法定相続人の調査を行って、誰が法定相続人であるかを確定する必要があります。
戸籍謄本の取得や、戸籍謄本を読んで法定相続人を調べることは大変な作業ですが、税理士に法定相続人の調査を依頼すると、戸籍謄本の取得から法定相続人の確定まで対応してもらえます。
相続財産の調査
相続税申告や遺産分割を行うためには、被相続人が所有する相続財産の調査が必要となります。
現金や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの財産も相続財産に含まれるため、被相続人が所有するすべての財産を洗い出す必要があります。
税理士に相続財産の調査を依頼すると、手間を省けるだけでなく、相続人が把握していなかった財産が見つかることもあります。また、相続放棄や限定承認をする場合は、相続開始があったことを知ったときから3カ月以内であるため、迅速に相続財産の調査を進めるためにも税理士に依頼することをおすすめします。
相続トラブルなどの相談は弁護士へ
遺産分割などをめぐって相続人同士が揉めているときは、税理士では対応できないため、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士であれば、相続人同士の相続トラブルの解決だけでなく、遺言書検認の申し立てや相続放棄の申し立てなどにも対応することができます。また、相続トラブルが起きそうなときは、事前に弁護士へ相談することで、トラブルを回避できる可能性もあります。
税務署・国税局電話相談センター・税理士会・市区町村役場に相談するメリット・デメリット
税理士以外にも、税務署や国税局電話センター、税理士会、市区町村役場に相続税の相談をすることができます。
税務署
具体的に書類を確認する必要がある場合など、電話での回答が困難な相談内容については、被相続人の住所地を所轄する税務署に電話等で事前予約することで、税務署の担当者に面接で相談できます。
なお、相談者が遠方に住んでいるときなどは、相談者の最寄りの税務署に相談することもできますが、相談内容によっては所轄の税務署でないと分からない場合もあるので注意が必要です。
税務署に相談するメリット・デメリット
税務署に相談するメリットは、必要に応じて書類を確認しながら、面談で相談できることです。
ただし、税務署での相談内容は一般的な申告書の書き方や添付書類の案内などに留まるため、具体的な相続税の計算や節税のアドバイスなどはしてもらえません。
国税局電話相談センター
国税局電話相談センターでは、相続税に関する一般的な相談(制度や法令等の解釈、適用についての相談や手続き案内など)について、国税局の職員等が回答してくれます。
国税局電話相談センターに相談するメリット・デメリット
国税局電話相談センターに相談するメリットは、匿名で何度も相談できることです。
ただし、税務署での対面での相談とは異なり、具体的に書類を確認しながら相談することはできないため、複雑な内容の相談には向いていません。
なお、受付時間は、8時30分~17時00分(土日祝日および12月29日~1月3日を除く)で、全国一律の通話料金がかかります。
税理士会
税理士会は、相続税に関する一般的な内容について、税理士に無料で相談できる場を設けています。
参考:
【東京税理士会】納税者支援センター 相談窓口のご案内
【東京地方税理士会】相続税相談室 ご利用案内
【近畿税理士会】税務相談センター
税理士会に相談するメリット・デメリット
税理士会に相談するメリットは、税理士に無料で相談できることです。
ただし、相談に対する回答は一般的な範囲で行われ、相続税の申告書の作成やチェック、税額の計算などは依頼できません。また、すでに税理士に依頼している人は、相談できないため注意しましょう。
市区町村役場
市区町村役場でも、相続税に関する一般的な内容について、税理士に無料で相談できる場を設けています。
市区町村役場に相談するメリット・デメリット
市区町村役場に相談するメリットは、税理士に無料で相談できることです。
ただし、1回あたりの相談時間は30分程度に制限されており、担当の税理士が相続税専門とも限りません。相談相手となった税理士には、相続税の申告書の作成などを依頼できないため、個別の具体的な相談や相続税の申告書の作成などを依頼したいときは、税理士(税理士事務所・税理士法人)へ直接相談しましょう。
相続税について税理士に相談するときのポイント
相続税について税理士に相談するときは、以下の4つのポイントがあります。これらのポイントを参考に、相談する税理士を選ぶことで、より良い相続税の申告が可能となります。
相続税専門の税理士に相談する
税理士は、法人税や所得税、相続税などすべての税目に精通しているわけではなく、それぞれ得意とする専門分野があります。そのため、相続に関する内容は、相続税専門の税理士に相談しましょう。
相続税専門の税理士であれば、豊富な知識と実務経験を兼ね備えているため、単に相続税の申告書を作成するだけでなく、節税などについても的確にアドバイスしてくれます。
弁護士や司法書士、行政書士などと連携している税理士に相談する
たとえば、被相続人が不動産を所有している場合には、相続登記が必要となりますが、相続登記の手続きは複雑なため、司法書士へ依頼することをおすすめします。また、相続人間で相続トラブルが発生しているときの紛争解決などは弁護士に、預貯金の口座名義や自動車の名義変更などは行政書士に依頼するとよいでしょう。
相続税専門の税理士であれば、弁護士や司法書士、行政書士と連携していることが多く、グループ内に他の士業が在籍している税理士事務所であれば、相続に関する手続きをワンストップで依頼することができます。
税理士報酬の料金体系が明確な税理士に相談する
一般的に、相続税申告の税理士報酬は、被相続人の財産内容や家族構成などによって異なります。
信頼できる税理士であれば、Webサイトなどに相続税申告にかかる税理士報酬の料金体系を明確に記載しています。一方、料金体系を記載していない税理士は、報酬金額の算定が曖昧であったり、高額な報酬額となったりすることもあります。
税理士へ相談するときは、税理士報酬の料金体系を明確に提示している税理士を選ぶとよいでしょう。
相続税の申告実績が豊富な税理士に相談する
税理士登録者数81,428人(令和6年9月末日時点)に対して、相続税の申告件数150,858件(令和4年分)となっており、税理士1人あたりの相続税申告の件数はおよそ1.8件となっています。つまり、相続税の申告書を作成したことがない税理士も多いのです。
一方、ベンチャーサポート相続税理士法人では、年間2,200件を超える相続税申告を扱っており、このような相続税の申告実績が豊富な税理士は、依頼を受けた相続税申告だけでなく、その後に発生する可能性が高い二次相続も考慮した上で相続税対策を行います。
相続税の申告実績が豊富な税理士に相談することで、一次相続と二次相続にかかる相続税を抑えられるため、相続税の申告実績は必ず確認しましょう。
参考:
税理士登録者数|日本税理士会連合会
令和4年分相続税の申告事績の概要|国税庁
よくある質問|相続税の相談について
ここでは、相続税に関する税理士への相談について、よくある質問を解説します。
相続税の相談は無料でできますか?
多くの税理士事務所では、初回の相続税の相談を無料で受け付けています。税金の専門家である税理士に相談することで、それぞれのご家庭ごとの個別具体的な相談内容に対して、的確なアドバイスを受けられます。
なお、相続税に関する基本的な内容であれば、税務署や国税局電話相談センター、税理士会、市区町村役場に無料で相談することもできます。
相続税の申告を税理士に頼むといくらかかりますか?
相続税の申告を税理士に依頼した場合、税理士報酬の相場は遺産総額の0.5~1%となっています。なお、被相続人の所有する財産内容や家族構成などによっては、追加で費用がかかる場合があります。
ベンチャーサポート相続税理士法人の料金体系については、以下の関連記事をご参照ください。
相続税に関する疑問やお悩みはベンチャーサポート相続税理士法人へ
相続税に関する疑問やお悩みは、ベンチャーサポート相続税理士法人へご相談ください。
ベンチャーサポートグループには、税理士、司法書士、弁護士、行政書士、土地家屋調査士が在籍しているため、相続税申告だけでなく、相続登記や相続トラブルの紛争解決、自動車の名義変更、土地の境界線の確定測量など、相続に関するあらゆる手続きをワンストップで依頼することができます。
また、不動産会社や保険販売代理店、金融商品仲介業者もグループ内にあるため、相続した不動産の売却や資産の運用などにも対応しています。
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ご家族の相続は突然起こり、何から手をつけていいか分からない方がほとんどです。相続税についてはとくに複雑で、どう進めればいいのか? 税務署に目をつけられてしまうのか? 疑問や不安が山ほど出てくると思います。
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