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最終更新日:2023/7/3

【不動産の生前贈与】暦年贈与が節税に効果的な理由やデメリットと注意点を解説

古尾谷 裕昭

この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

ベンチャーサポート相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、横浜、千葉、大宮、名古屋、大阪、神戸など全国の主要都市22拠点にオフィス展開し、年間2,200件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。 業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【ベンチャーサポート相続税理士法人】

【不動産の生前贈与】暦年贈与が節税に効果的な理由やデメリットとは?暦年贈与の注意点も解説

この記事でわかること

  • 生前贈与のメリットを理解できる
  • 暦年贈与のしくみや贈与税がわかる
  • 暦年贈与のデメリットや注意点がわかる
  • 専門家へ依頼するべき理由がわかる

少しずつ財産を承継していく「暦年贈与」には大きな節税効果があり、預貯金などの贈与によく使われています。

暦年贈与は不動産にも使えるため、複数回に分けた贈与は節税対策として効果的であり、場合によっては贈与税をかけずに財産を渡すことも可能でしょう。

しかし回数を分けるとそれだけの手間もかかり、不動産登記や贈与税申告にも回数に応じたコストが発生します。

一度で終わらせる贈与と暦年贈与のどちらが得か、まずは贈与税額から比較してみるとよいでしょう。

不動産を生前贈与するメリット

相続が発生する前の財産承継を「生前贈与」といい、土地や建物などの不動産も生前贈与が可能です。

資産価値の高い不動産には高額な相続税が課せられるため、生きているうちに次世代へ渡しておこうと考える方も多いようです。

一般的には相続で引き継いだ方が得といわれる不動産ですが、生前贈与にはどのようなメリットがあるでしょうか?

贈与と相続では税率が違う

同じ価値の財産を承継する場合でも贈与と相続では税率や控除額が異なります。

基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 3,000万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

引用:一般贈与財産の税率(国税庁)

法定相続分に応ずる取得金額 1,000万円以下 3,000万円以下 5,000万円以下 1億円以下 2億円以下 3億円以下 6億円以下 6億円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 50万円 200万円 700万円 1,700万円 2,700万円 4,200万円 7,200万円

引用:相続税の速算表(国税庁)

税率などは相続の方が優遇されており、相続時に使える特例もあるため「贈与すると税金が高くなる」と誰もが考えてしまいます。

しかし不動産の種類や受贈者(贈与される人)の状況によっては贈与が得になるケースもあるため、税金面だけで損得を決めるのは避けたいところです。

意外と多い生前贈与のメリット

不動産の承継について「贈与か、相続か」で迷っておられる方は、以下のメリットも考慮してみてください。

  • ・贈与する相手を選べる
  • ・贈与の時期を決めることができる
  • ・相続税の節税に繋がる
  • ・贈与税の配偶者控除を適用できる

贈与における最大のメリットは贈与する相手とタイミングを選べることです。

相続の場合、遺言を残さずに死亡した場合は遺産分割協議となり、意図しない人に財産が承継されてしまう可能性もあります。

また夫婦間で自宅を贈与する場合には配偶者控除の特例も使えます。

周辺の開発が進んでいるなど将来の資産価値上昇が明らかであれば、価値が低いうちに贈与した方が得な場合もあるでしょう。

暦年贈与が節税になる理由

まとまった財産を少しずつ、数年に分けて贈与するのが「暦年贈与」です。

暦年贈与は不動産にも使えるので、所有権を毎年少しずつ贈与すれば所有権全ての移転も可能です。

所有権の移転中は贈与者と受贈者の共有状態になり、登記事項証明書には「100分の20」などそれぞれの持ち分比率が記載されます。

暦年贈与は一度で済ませる贈与より得するケースが多いので、いくつかの計算例を挙げて、どれだけの節税効果があるのか検証してみます。

暦年贈与した場合の贈与税を比較

実際に計算するとどれだけ得なのかわかりやすいため、1回贈与と暦年贈与それぞれの税額を算出してみます。

1,000万円の不動産を贈与するケースですが、計算には一般贈与の税率と控除額を適用し、さらに110万円の基礎控除も反映させています。

1,000万円の贈与税を計算

(1)1回で贈与した場合の贈与税
(1,000万円-110万円)×40%-125万円=231万円

(2)5回に分けた場合の贈与税
複数回に分けて贈与する場合、まず1回分の贈与額を計算します。
(1,000万円÷5-110万円)×10%=9万円
1回分の贈与額は9万円なので、次に贈与回数の5を掛けます。
9万円×5=45万円
5回に分けると約1/5まで贈与税を軽減できました。

(3)10回に分けた場合の贈与税
贈与を10回にすると1回あたりの贈与額は100万円になり、基礎控除額に収まるため贈与税はかかりません
贈与税には年間(1月1日~12月31日まで)110万円までの基礎控除があるため、1年間に110万円以内であれば何回贈与しても贈与税は0円です。

3,000万円を暦年贈与した場合

贈与額が高額になるほど、1回贈与よりも暦年贈与が有利となります。

先ほどの例では1,000万円の贈与額でしたが、少し金額を大きくして3,000万円贈与の税額を計算してみました。

計算方法は同じなので省略していますが、結果をみると大きな差額になっています。

  • (1)1回で贈与した場合の贈与税:1,045万円
  • (2)5回に分けた場合の贈与税:410万円
  • (3)10回に分けた場合の贈与税:190万円

1回で贈与すると1,000万円以上の贈与税になりますが、10回に分けた暦年贈与では1/5以下に減額できます。

見方を変えると、3,000万円の不動産を200万円以下で取得できるともいえるため、暦年贈与の節税効果は絶大といえるでしょう。

特例贈与財産ではさらに贈与税が安くなる

先ほどは一般贈与の税率で計算しましたが、「特例贈与財産」の税率ではさらに暦年贈与が得になります。

基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 4,500万円以下 4,500万円超
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

引用:特例贈与財産の税率(国税庁)

特例贈与財産とは、直系尊属となる父母や祖父母から、贈与する年の1月1日時点で20歳以上の子や孫へ贈与する財産をいいます。

一定範囲内で税率や控除額が優遇されているため、直系の親族間で贈与する場合にはぜひ利用したい制度です。

暦年贈与のデメリットと注意点

節税に有利な暦年贈与ですが、いくつかのデメリットもあります。

1回毎に発生する費用や、他の制度を利用していると使えない場合もあるため、暦年贈与を検討している方はデメリットについてもよく理解しておいてください。

毎回、贈与契約しなくてはならない

仮に1,000万円を10回に分けて暦年贈与する場合、その都度贈与契約を結ぶ必要があります。

もし最初の贈与時に「100万円ずつ10回に分けて贈与する」といった契約があれば、もともと1,000万円を贈与する予定だったと判断され高額な贈与税になる可能性があります。

贈与はあくまでもその都度、必要に応じて行ったものにしておかなければなりません。

贈与の中断や中止もあり得る

何らかの事情で贈与者が気変わりすることもあるため、贈与の中断や中止が起きる可能性もあります。

その都度必要に応じた贈与が前提であるため、受贈者も「確約されたものではない」と認識しておくべきでしょう。

相続時精算課税を利用すると暦年贈与に戻せない

2,500万円までの贈与税を非課税とし、相続時に清算するする制度を「相続時精算課税」といいます。

すでに相続時精算課税を選択していた場合は、基礎控除内となる110万円以下の贈与でも相続税の課税対象になってしまいます

相続開始から遡って3年以内の贈与は無効になる

贈与した後3年以内に贈与者が亡くなった場合、贈与財産は相続財産としてカウントされます。

相続の際、相続開始日から遡って3年以内に行われた贈与は「相続財産に持ち戻す」という生前贈与加算のルールがあります。

専門家へ支払う費用も必要

不動産贈与の際には、司法書士や税理士などへ支払う費用も発生します。

暦年贈与によって登記事項証明書の内容が変わる場合、登記内容の変更手続きや付随する書類作成も必要です。

また不動産の評価額(課税価格)を算出する必要もあり、素人には難易度の高い作業となっています。

自分で手続きすることも不可能ではありませんが、書類に不足や不備があれば何度も法務局や税務署に出向くことになります。

法務局などの役所は平日しか開いていないため、仕事を持っておられる方が対応するのはかなり難しいでしょう。

不動産の生前贈与を専門家に相談した場合の費用・報酬

司法書士や税理士へ支払う報酬は不動産の評価額や手続き内容によって変動します。

不動産評価額が1,000万円~3,000万円程度の生前贈与であれば、一般的な費用は次のようになっています。

司法書士へ相談した場合の費用

不動産を生前贈与した場合は登記事項証明書の変更手続きが必要となります。

法務局へ申請する際には登記原因の証明情報や贈与契約書の作成も必要であり、専門知識を必要とするため司法書士への依頼が一般的となっています。

必要書類の作成や申請手続きに係る費用は1回につき5万円~10万円程度が相場であり、10回の暦年贈与であれば最低でも50万円(5万円×10回)の報酬を想定しておけばよいでしょう。

同じ不動産の暦年贈与であれば2回目以降の作業はパターン化されるため、報酬額は徐々に安くなることが多いようです。

税理士へ相談した場合の費用

不動産の評価額算定や確定申告が税理士へ依頼する手続きとなります。

建物の課税価格は役所で発行される固定資産税評価証明書からわかりますが、路線価をもとに計算する土地の評価額算定は税理士の専門分野であり、1回につき5万円~10万円が相場です。

ただし隣地との境界が不明確な場合は土地家屋調査士などへ測量依頼することもあり、さらに数十万円程度の費用が発生する可能性もあります。

また路線価は毎年見直しされるので、評価額の算定は毎年行うことになります。

贈与税の申告は受贈者本人でもできますが、税理士に依頼した場合は5万円程度の報酬が相場です。

暦年贈与に必要な最低費用

1,000万円の不動産を10回に分けて暦年贈与する場合、専門家へ支払う費用の最低額(相場)は以下のようになります。

建物の贈与~合計100万円
【内訳】
不動産登記手続き(司法書士):50万円(5万円×10)
贈与税申告(税理士):50万円(5万円×10)

土地の贈与~合計150万円
【内訳】
不動産登記手続き(司法書士):50万円(5万円×10)
不動産の課税価格算出(税理士):50万円(5万円×10)
贈与税申告(税理士):50万円(5万円×10)

まとめ

暦年贈与の魅力は節税効果の高さです。

しかし不動産の評価額算定や複雑な法律手続きを伴い、併用できない制度もあるため、まず専門家へ相談することをおすすめします。

費用に見合うだけのメリットは十分にあるでしょう。

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