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最終更新日:2024/9/18

戸籍証明書等の広域交付とは?令和6年3月1日からの新制度概要や申請方法を解説

田中 千尋 (司法書士)
この記事の執筆者 司法書士 田中千尋

ベンチャーサポート司法書士法人 司法書士 昭和62年生まれ、香川県出身。

相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

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この記事でわかること

  • 戸籍証明書等の広域交付制度の概要がわかる
  • 戸籍証明書等の広域交付の請求方法や取得できる戸籍の種類がわかる
  • 広域交付による請求から発行までの流れがわかる
  • 戸籍証明書等の広域交付制度の注意点がわかる
これまで戸籍証明書等を取得する場合は、本籍地の市区町村の窓口に請求する必要がありましたが、令和6年3月1日から戸籍法の一部を改正する法律が施行され、本籍地以外の市区町村の窓口でも取得できるようになりました。これを「広域交付制度」といいます。

この記事では、戸籍証明書等の広域交付制度の概要や申請方法、申請から交付までの流れ、注意点を解説します。

戸籍証明書等の広域交付制度とは

戸籍証明書等の広域交付とは、令和6年3月1日から始まった本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる制度です。これにより、居住地や勤務地の最寄りの市区町村の窓口でも戸籍証明書を取得できるため、本籍地が遠くにある方にとっては大変便利になります。

また、複数の戸籍証明書等を取得する場合、本籍地が異なっていても1カ所の市区町村の窓口でまとめて請求できます

戸籍証明書等の広域交付の請求方法や取得できる戸籍の種類

広域交付制度を利用して戸籍証明書を請求する場合の申請方法や、取得できる戸籍の種類は以下のようになります。特に、広域交付制度の申請ができる人の範囲や取得できる戸籍の種類には注意しましょう。

広域交付の請求方法

請求場所や請求時間

戸籍証明書等の広域交付の請求場所は、最寄りの市区町村の戸籍担当窓口となります。一般的な請求時間は、月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)までの窓口開庁時間で、市区町村ごとに受付時間は異なります。夜間や土日は対応していない市区町村も多いため、広域交付で申請する際は注意しましょう。

申請できる人

広域交付を申請できる人は、戸籍に記載がある本人に加え、配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子ども、孫など)です。兄弟姉妹は、広域交付によって戸籍証明書等を取得できません。また、郵送による請求や委任状による代理人請求もできません。

なお、申請する戸籍の本籍地、筆頭者氏名を正確に把握した上で、マイナンバーカード(個人番号カード)や運転免許証などの顔写真付きの本人確認書類を当日持参する必要があります。

参考:法務省:戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)

広域交付で取得できる戸籍の種類

広域交付で取得できる戸籍の種類は以下のものになります。

広域交付で取得できる戸籍の種類

  • 戸籍全部事項証明書(謄本)
  • 除籍全部事項証明書(謄本)
  • 改製原戸籍謄本

なお、紙戸籍などのコンピューター化されていない一部の戸籍は取得できません。

また、個人事項証明書(抄本)、一部事項証明書も請求はできません。戸籍の附票、独身証明書、身分証明書などは、本籍地の市区町村の窓口に請求する必要があります。

広域交付による請求から発行までの流れ

広域交付の請求から発行までの流れは、以下のようになります。

  • 市区町村の窓口で、請求書を記入する
  • 請求書の内容に問題がなければ、戸籍証明書等が発行される

なお、当面の間、戸籍証明書等を発行するときに、窓口となる市区町村から本籍地の市区町村へ確認が必要とされているため、発行までに時間を要し、即日交付できない場合もあります。後日に交付となる場合は、再度、請求した人が窓口に受け取りに行く必要があります。

広域交付による申請から発行までの流れ

戸籍証明書等の広域交付制度の注意点

たとえば、被相続人が親の場合、相続手続きにおいて、戸籍証明書等の広域交付制度を利用することで、親の出生から死亡までの連続した戸籍を最寄りの市区町村の窓口で取得できます。一方、被相続人が兄弟姉妹の場合は、広域交付制度による戸籍の取得はできないため、本籍地の市区町村の窓口に請求する必要があります。

なお、相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内となるため、余裕を持って戸籍を取得できるように、できるだけ早めに交付申請をしましょう。

相続税申告には令和6年3月1日から新たに始まった戸籍証明書等の広域交付を活用しよう

相続手続きで必要となる戸籍の取得には、戸籍証明書等の広域交付制度が便利です。ただし、最寄りの市区町村の窓口の担当者から、相続手続きに必要な被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍の取得方法のアドバイスは受けられるかもしれませんが、基本的には自分で戸籍に記載されている内容を確認して、出生から死亡までつながるように戸籍を取得することになります。基本的に市区町村の窓口の受付時間は平日であるため、特に仕事や育児、介護などで忙しい場合は、二度手間にならないように専門家に依頼するのも1つの方法です。

なお、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、弁理士、海事代理士は職務上必要な場合、戸籍謄本等の交付の請求ができますが、広域交付制度は代理人請求ができないため、従来通り、本籍地の市区町村の窓口に請求することになります。

ベンチャーサポート相続税理士法人では、親身でわかりやすい説明を心がけ、無料相談を実施しています。また、税理士だけでなく弁護士や司法書士、行政書士も在籍しているためワンストップで相談することが可能です。

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