最終更新日:2024/3/30
会社のロゴを作るときに意識すべきこと・作成方法を紹介
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
この記事でわかること
- 会社のロゴを作成するべき理由
- 会社のロゴを作成するときに意識すべきこと
- 会社のロゴを作成する方法
会社を設立するときは社名を決めますが、ロゴも重要な決定事項です。
ロゴは会社のイメージそのものといえるため、有名企業や有名ブランドのロゴは十分に考え抜かれたデザインになっています。
しかし、いざ自社のロゴを決めるとなると、「どんな色がよいのか?」「ロゴデザインは何を重視すべき?」など、迷ってしまうケースがほとんどです。
ロゴを作成した後は簡単に変更できないので、長期的に使えるデザインを考えておく必要もあるでしょう。
今回は、会社のロゴが必要な理由や作成時の注意点、具体的な作成方法をわかりやすく解説します。
目次
会社のロゴを作成するべき理由
会社のロゴを作成すると、社外や社内に向けて企業理念などをアピールできます。
ロゴには企業風土やブランドイメージを明確にする役割もあるので、顧客や取引先に覚えてもらうと、ライバル企業との差別化も図れるでしょう。
また、ロゴは社章や名刺にも使うため、スタイリッシュなデザインであれば、社員のモチベーションアップにもつながります。
ただし、ロゴ作成に悩んでしまうと、会社のホームページや商品パンフレット、社名入り封筒などの作成が遅れてしまうので、あまり時間はかけられません。
定款や事業計画書の作成など、起業に向けた準備がある程度進んだら、できるだけ早めに会社のロゴを作成しておきましょう。
会社のロゴを作成するときに意識すべきこと
会社のロゴは唯一無二のシンボルになるので、作成するときは以下のポイントを意識することをおすすめします。
安易にロゴデザインを決めると会社やブランドのイメージを損ない、同業他社との差別化もできないので注意しましょう。
会社のブランディング
ロゴは会社のブランディングに影響するので、デザインにはオリジナル性や優位性が必要です。
建築会社の創業であれば堅実性や信頼感、食品加工会社の場合は安心感や清潔感など、展開したいブランドイメージをロゴに反映させましょう。
なお、同業他社を真似してロゴを作成すると、著作権を侵害する可能性があるので注意しなくてはなりません。
自社のロゴを作成した後も、商標登録で権利を守る必要があります。
会社名やブランドの表記
ロゴを作成するときは、会社名とブランド名のどちらにするか決めておきましょう。
会社名やブランド名を文字表記する場合、漢字やかな文字、またはローマ字のいずれかを選択し、フォントタイプ(字体)も決めておく必要があります。
フォントにも著作権が設定されている場合があるので、作成元の利用規約も確認してください。
継続性や普遍性
継続性や普遍性を考えてロゴを作成すると、時代や価値観が変わっても古めかしさを感じません。
有名企業のロゴは創業時からほとんど変わっていないケースがあるので、同じ業種の社名ロゴや、ブランドロゴを参考にしてみましょう。
サイズやデザインの制限
会社のロゴは様々な場所に使用するので、サイズやデザインの制限を意識してください。
たとえば、サイズを大きくして複雑なデザインを盛り込んだ場合、名刺に印刷すると細かな部分が潰れてしまいます。
ホームページに表示するロゴも複雑なデザインだと見づらくなってしまうため、どこでも使える柔軟なロゴを考えておきましょう。
アイキャッチの効果
会社のロゴやブランドロゴを作成するときは、アイキャッチの効果も意識してください。
アイキャッチの効果とはその字の通り、「目を惹きつける」効果を指します。
目を惹きつけて人々の関心を引き寄せ、また事業の内容をイメージしやすくすることが大切です。
実際に使われているロゴを見ると、お皿やフォークをモチーフにした飲食店のロゴデザインなどがあり、ひと目で何の事業を展開しているのかわかります。
会社の事業規模
会社の事業規模が大きくなると、創業時に作成したロゴがマッチしなくなるケースがあります。
ロゴを作成するときは、会社の成長や事業拡大も意識しておきましょう。
ターゲットへの訴求力
会社のロゴを作成する場合、ターゲットの顧客層にアピールできるかどうかが重要です。
ターゲットの年齢や性別、収入や独身・既婚などを考慮し、戦略的にロゴデザインを考える必要もあります。
モノクロ印刷の視認性
会社のロゴはモノクロ印刷する場合があるので、視認性(見やすさ)も意識しておきましょう。
ロゴのラフスケッチが決まったらモノクロで印刷し、会社名が鮮明に見えるかどうかチェックしてください。
会社のロゴを作成する方法
会社のロゴは、以下の方法で作成できます。
- 自分でロゴを作成する
- クラウドソーシングでロゴ作成を依頼する
- プロのデザイナーにロゴ作成を依頼する
それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあるので、予算などに応じた作成方法を選びましょう。
自分でロゴを作成する
有名企業には創業者が自ら作成したロゴもあるので、イメージが明確になっていれば、ロゴ作成にチャレンジしてみましょう。
ただし、自分で会社のロゴを作成するときは、以下のメリット・デメリットを考慮しておく必要があります。
自分で作成するメリット
自分で会社のロゴを作成する場合、一番のメリットはデザイン料がかからないということでしょう。
デザインが苦手な方や、ロゴのイメージが思い浮ばない方は、無料または低コストのロゴ作成サイトもおすすめです。
ロゴの作成サイトはテンプレートが多く、フォントとアイコンの配置や、カラーも自由に選択できます。
作成したロゴをダウンロードする際、ファイル形式を選択できるサイトが多いので、パソコンに対応ソフトがインストールされていれば微調整も可能です。
開業に向けて社員やアルバイトを雇用するときは、ロゴを社内公募してもよいでしょう。
自分で作成するデメリット
自分で会社のロゴを作成する場合、以下のデメリットがあるので注意してください。
- デザインがまったく決まらずに時間がかかる
- 著作権侵害のリスクがある
- ある程度のデザインセンスが必要
会社のロゴには様々な要素を盛り込むので、自分1人で考えるとデザインが決まらず、作成に時間がかかってしまうケースがあります。
ロゴが著作権を侵害すると、使用差し止めの法的措置を取られてしまうリスクもあるので、会社の設立準備に支障をきたすでしょう。
また、ロゴにはデザインセンスも要求されるため、苦手な方が作成すると会社のイメージとはかけ離れたロゴになってしまう可能性があります。
クラウドソーシングでロゴ作成を依頼する
会社のロゴを自分で作成できないときは、クラウドソーシングの利用もおすすめです。
クラウドソーシングサイトには「クラウドワークス」や「ランサーズ」などがあり、ロゴ作成に対応できるワーカーも登録されています。
クラウドソーシングでロゴ作成する場合、以下のメリット・デメリットを理解しておくとよいでしょう。
クラウドソーシングのメリット
クラウドソーシングで会社のロゴを作成すると、以下のメリットがあります。
- 低コストでロゴを作成できる
- 自分で納期を設定できる
- 多数のワーカーに応募してもらえる
- プロのデザイナーも登録している
- ワーカーの実績を確認できる
ロゴ作成の報酬は数千円~5万円程度が相場になっており、一般的なデザイン事務所に比べて低コストです。
ワーカーを募集する際には納期を設定できるので、開業までに会社のロゴを作成してもらえるでしょう。
また、報酬などの条件次第では多数の応募があるため、場合によってはプロのデザイナーが会社のロゴ作成を引き受けてくれます。
なお、クラウドソーシングサイトにはプロのカメラマンも登録しているので、飲食店の開業であれば、メニュー用の料理撮影なども依頼できます。
クラウドソーシングのデメリット
クラウドソーシングには以下のデメリットがあるので、会社のロゴ作成を依頼するときは十分な検討が必要です。
- 優秀なワーカーが集まりにくい
- 細かな指示を出しにくい
- ワーカーとスケジュールが合わない
- 下請けに丸投げするワーカーがいる
優秀なワーカーは他の業務で手一杯になっているケースが多いので、募集をかけても見習い程度のワーカーしか集まらない可能性があります。
また、Zoomなどのツールを使うとオンラインで打ち合わせできますが、お互いのモニター設定が違っていると、「色味」などの細かな指示が伝わりません。
フリーランスのワーカーは夜間のみ活動している場合があるので、最終確認などのスケジュールを合わせにくいでしょう。
ワーカーによっては「下請ワーカー」に丸投げし、ロゴ作成にタッチしていないケースもあります。
プロのデザイナーにロゴ作成を依頼する
会社のロゴ作成に悩んだときは、プロのデザイナーに依頼してみましょう。
ロゴ作成が得意なデザイン事務所などに依頼すると、期待値以上のロゴを作成してもらえます。
ただし、いくつかデメリットもあるので、以下を参考にしてください。
プロに依頼するメリット
プロのデザイナーに会社のロゴを作成してもらうと、以下のメリットがあります。
- ぼんやりとしたイメージでも正確に具現化してくれる
- 訴求力の高いロゴを作成できる
- デザインセンスがハイレベル
- 記憶に残るロゴを作成できる
- 費用対効果が高い
ロゴ専門のデザイナーに企業理念や社風などを伝えると、コーポレートアイデンティティを具現化してくれます。
訴求力のあるブランドロゴを作成したいときは、主力商品の特徴やターゲット、価格などの情報を伝えるとよいでしょう。
また、プロはデザインセンスが高いので、記憶に残りやすい魅力的なロゴを作成してもらえます。
ロゴの作成費用はデザインなどのリクエストによって変わりますが、十分な費用対効果を期待できるでしょう。
プロに依頼するデメリット
会社のロゴをプロに作成してもらう場合、コストが唯一のデメリットといえます。
ただし、前述のとおり費用対効果が高いので、「戦略的な投資」と考えておくべきでしょう。
なお、デザイン会社を選ぶときは、以下のポイントをチェックしてください。
- ロゴの作成実績が豊富
- 有名企業や有名ブランドのロゴを手掛けている
- 相談から納品までの流れがわかりやすい
- デザイナーの考えを押し付けない
- 料金プランが明確
実績豊富な会社は多種多様な依頼を受けているので、ロゴのデザインに偏りがありません。
納品までの流れがわかりやすい会社を選ぶと、名刺や封筒などの発注タイミングを掴めます。
料金プランが明確なデザイン会社であれば、予算を組みやすく、支払いトラブルもないでしょう。
まとめ
会社のロゴは創業の思いなども表現できるので、自社のイメージに合うデザインを考えることが大切です。
ロゴをつくると取引先や顧客の記憶に残りやすく、商品やサービスの訴求力も高くなるため、戦略的にも重要です。
ただし、自分でロゴを考えるとデザインが思い浮ばず、名刺や封筒、商品パンフレットが開業に間に合わない可能性があります。
理想的な会社のロゴを作成したいときは、プロのデザイナーに相談してみるとよいでしょう。