最終更新日:2023/6/29
起業準備ですべきこと7つ【必要なものや失敗しないコツを解説】
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
この記事でわかること
- 起業準備をする際に何をすべきかわかる
- 起業した直後からどのようなものが必要になるかがわかる
- 起業する際にどのような点に注意すると失敗しないかがわかる
起業をすることは、決して珍しいことではありません。
また、起業の手続き自体も決して難しいものではありません。
ただ、実際には起業しようとして途中で断念してしまう人、あるいは起業直後に失敗してしまう方もいます。
どのような点に注意して起業するとうまくいくのか、その注意点についてご紹介していきます。
目次
起業準備ですべきこと7つ
まずは、起業準備として何をすべきかご紹介していきます。
起業する際に、あるいは起業してすぐに必要になるものばかりですので、あらかじめ準備しておくといいでしょう。
- 開業資金を貯めておく
- セミナーを受講する
- ライバル企業の調査を行う
- SNSを活用する
- 事業用のWebサイトを準備する
- 商工会議所の創業塾などに参加する
- すでに起業した人の話を聞く
それぞれの内容を、詳しく解説していきます。
開業資金を貯めておく
起業にあたって最初に必要になるのは、開業資金です。
開業資金がなければ、会社の設立も、事業用の事務所を借りることもできません。
そのため、まずは資金を貯めることから始める必要があるでしょう。
特に資金の必要性を感じるのは、資金の融資を受ける時です。
開業資金やその後の事業資金は、公的な融資を利用すればいいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、この融資を受けることは、ある程度の手元資金がなければ難しいのが現実です。
コツコツと貯めた資金があれば、その資金が自己資金として認められ、融資を受けやすくなります。
しかし、自己資金がほとんどないと、融資を受ける際の金額に大きな差が出ることとなってしまいます。
コツコツと、毎月少額でも資金を貯めていることがわかれば、金融機関から返済能力が高い人と判断されます。
開業資金を貯めてる口座を開設し、そのお金を毎月預金通帳に入金していくという作業を繰り返していきましょう。
セミナーを受講する
起業後すぐに持ち上がる問題は、売上が思ったほど上がらないということです。
これは、人脈や取引先との関係などの要因によって違いはありますが、多くの人が直面する問題でもあります。
開業してからでは、なかなかマーケティングについての勉強をする余裕はありません。
また、売上が上がらずに苦しい時期は、少しでも短くしたいと考えるのが普通です。
そこで、起業前で時間的・金銭的に余裕のあるうちに、マーケティングセミナーや営業セミナーを受講しておきましょう。
そこで、営業の知識やノウハウを学び、少しでも自信をもって開業できるようにしておくことをおすすめします。
インターネットを通じた集客など、なじみがないとまったくわからない分野の知識も、事前に学習しておくことができます。
ライバル企業の調査を行う
起業しようとしている業種の同業他社の動向は、開業前の時間のある時であれば深く研究することができます。
他社の事業内容を研究するうちに、自社ではどのようなことをするといいのか、知るきっかけになることもあるでしょう。
また、他社の弱点や取り組んでいない内容を見つけ出し、起業後すぐにその内容について集中的に取り組むこともできます。
ライバル企業の情報を精査し、自社の特徴や強みを見つけ出す作業をしておきましょう。
ライバル企業のWebサイトをプリントアウトする、メールマガジンに登録してみるなど、簡単にできることはいくらでもあります。
また、実際にその商品を購入し、あるいはサービスを利用してみることもできます。
その中で、どのような強みと弱みがあるのかを見つけ出せば、起業後の運営に役立てることができるはずです。
SNSを活用する
ライバル企業の動向や情報発信の状況を知るため、SNSでどのような販促活動が行われているのかを確認しましょう。
また、自社ではどのようにSNSを活用することができるのかも、あわせてイメージしておきましょう。
実際に起業する前でも、SNSで情報を発信することや、情報を収集することができます。
業界のニュースやこれから開業する自社のPR情報を発信することで、宣伝にもなります。
また、定期的に情報発信を続ければ、見込客を確保することもできるでしょう。
事業用のWebサイトを準備する
事業用のWebサイトは、いずれ必ず必要になりますが、開業直後すぐに準備できていることは決して多くありません。
しかし、開業直後だからこそ、自社のサイトが一番の広告塔になり、そこから新たな顧客を獲得できる可能性が高いといえます。
できれば、起業前から自社のWebサイトを準備しておき、会社設立と同時にサイトを公開できるようにしておきましょう。
また、Webサイトだけでなく、会社の社名やマークの入ったグッズを準備しておき、広告宣伝に使うのもいいでしょう。
商工会議所の創業塾などに参加する
商工会議所は全国各地にあります。
主に、小規模の会社や商店の経営者などが助け合って、事業を継続していけるような活動を行っています。
商工会議所は、新しく起業しようとする人の支援も積極的に行っています。
商工会議所で開催される創業塾などのセミナーは、起業予定者を対象にしたものです。
セミナー自体の内容ももちろんですが、その場でこれから起業しようとする人同士、交流できる点も大きな力になります。
開催状況などは、最寄りの商工会議所に確認し、機会を見つけてぜひ参加してみましょう。
すでに起業した人の話を聞く
様々な形で起業について勉強することができますが、一番参考になるのは、すでに起業した人の体験談です。
身近に起業した人がいるとは限りませんが、もし機会があればそのような人の話を聞いてみましょう。
有料でコンサルティングを受ける、あるいは動画などでインタビューを見るだけでも参考になるはずです。
起業直後から必要なもの
起業してすぐに必要となるものは、起業する前からある程度準備しておく必要があります。
ここでは、起業後すぐに必要となるものを厳選して紹介します。
また、起業準備で触れた項目については割愛しています。
名刺
起業後、どのような人に会う場合でも、自身は何をしており、どこに所属しているのか明らかにしなければなりません。
そのため、人と会う際に必要になるのが名刺です。
起業する前の段階から、起業予定とした名刺を準備しておき、どのような人にもすぐに渡せるようにしておきましょう。
この時、名刺のデザインや自社のシンボルマークやロゴなども決めておく必要があります。
一度決めたマークやロゴは、その後変更できないため、慎重に決めなければなりません。
会社案内
起業して自身の会社や事業内容を広く知ってもらうために、会社案内を作成しておきましょう。
会社案内に記載する内容は、会社名や会社の住所、連絡先などです。
また、事業内容や代表者の情報も、会社案内には必ず載せなければなりません。
この他、会社のキャッチコピーや社名の由来など、社名を覚えてもらえるような工夫も必要となります。
作成した会社案内は、常に携帯しておき、いつでも渡せる状態にしておきます。
そこから、新たな顧客の獲得につながることも、商談に発展する可能性も大いにあるのです。
営業用資料
会社案内や自社のWebサイトは、会社の存在を知ってもらうために利用するものです。
これに対して、実際に仕事を確保して売上につなげるためには、営業用の資料を作成しておく必要があります。
具体的に取扱いのある商品やサービスはどのようなものなのか、この資料の中で紹介していきます。
また、その商品やサービスの特徴をわかりやすく解説し、料金なども載せておくとよいでしょう。
会社案内とは違い、内容はより具体的で、取引先の購買意欲を高めるような内容でなければなりません。
連絡先を明記しておき、後日の注文となった時にも対応できるようにしておきましょう。
起業を失敗しない方法
起業しても、すぐに失敗してしまうケースには、いくつかのパターンがあります。
そこで、起業を失敗しないように、どのような点に注意すべきか、解説していきます。
資金繰りに注意する
起業後は売上が少ない一方、まとまった支出が続くため、資金不足に陥りやすいと言えます。
そこで、日々の資金管理を徹底し、資金不足に陥らないように注意しましょう。
また、創業時だけ利用できる融資制度が設けられています。
創業融資は、多くの場合担保や保証人が不要とされ、利用しやすい制度となっています。
そこで、このような融資を利用して当面の資金を確保し、開業後の次のステップに進めるようにしましょう。
ベンチャーキャピタルを利用する
投資育成などとも呼ばれるベンチャーキャピタルは、まず投資会社が出資を行います。
その後、投資した会社が成長したところで、その会社の株式を売却するというものです。
出資を受けた会社にとっては、借り入れや上場ではない方法で多額の資金を得られることとなります。
ただ、誰でもベンチャーキャピタルを利用できるわけではありません。
ビジネスモデルとして、成長性や回収可能性があることが重視されます。
事業計画書などで、起業後の取り組みや今後の展望などを説明できるようにすることで、出資を受けられる可能性があります。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングを利用する企業も増えています。
多額の資金を一気に集めることはできませんが、特定の事業について、その資金の一部を不特定多数の人から集めることができます。
また、クラウドファンディングが話題になることもあり、これをきっかけに会社の知名度が上がることも考えられます。
事務所にお金をかけない
事務所にこだわりを持ちすぎると、それだけで多くのお金を使ってしまいます。
しかし、事務所を豪華にしたからといって、売上が増えるわけではありません。
事務所に普段いるのは自分一人だけという状況も考えられるので、事務所にお金のかけすぎはよくないのです。
事務所にお金かけられるのであれば、そのお金は今後の運転資金にとっておくべきです。
あるいは、売上に直結する別の投資に回すべきでしょう。
特に最初は、事務所はできるだけ簡素にしておくくらいでちょうどいいといえるでしょう。
まとめ
これから起業しようとする人の場合、起業すればそれで成功と思ってしまうこともあります。
しかし、起業した後、その事業を軌道に乗せるのは簡単ではなく、黒字化できる前に事業を終了せざるを得ない場合もあります。
特に資金が不足してしまうと、どんなにいいアイデアがあったとしても、事業を続けることはできません。
起業する前から、どのような準備をしておくべきなのか、よく確認しておきましょう。