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最終更新日:2022/3/21

【文例紹介つき】遺言の付言事項とは?抑えておきたい作成方法のポイントや具体例で解説

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。

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【文例紹介つき】遺言の付言事項とは?抑えておきたい作成方法のポイントや具体例で解説

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この記事でわかること

  • 遺言書の付言事項について理解できる
  • 付言事項の作成のポイントについて理解できる
  • 付言事項の具体例がわかる

相続で家族がもめないようにするには、遺言書の作成は有効な手段のひとつです。
しかし、その遺言書がもとで、相続のトラブルになることもあります。
自分の死後の家族を案じ、面倒な思いをして、家族に良かれと思い遺言書を作成しても、家族から同意を得られないという心配もあります。
しかし、遺言書の付言事項で自分の思いを伝えることで、相続のトラブルを防ぐことができるかもしれません。
遺言の付言事項について説明し、作成のポイントについて解説します。

遺言書の「付言事項」とは?

遺言書の内容は、法的効力のある法定遺言事項と、法的効力のない付言事項に分けられます。
法定遺言事項は、身分に関すること、財産に関すること、相続に関すること、のおおまかに3つになります。
付言事項に法的効力がないのであれば必要ないように思われるかもしれませんが、とても重要な役割を負っているのです。

付言事項とは、相続人に残したい言葉などを伝えられるものです。
法定遺言事項は、故人の遺志の結果を表しています。
「妻にこれ」「長男にはこれ」「次男にはこれ」など、結果だけを比較したら不公平と思うこともあるかもしれませんが、なぜそのような結果になったのかという過程は、それだけではわかりません。
付言事項は、その過程を表すものです。

遺言書はなくても、相続人は相続して財産を受け取ることはできます。
しかし、自分の死後はこうしてほしいという思いがあるからこそ、遺言書を作成するわけです。
遺言書の内容によっては、相続人の相続する財産が減ることもあります。
それをすべての相続人が承知していれば問題はありませんが、死後に初めて遺言書の存在を知ることがほとんどでしょう。
遺言の内容に承諾できない相続人が遺留分の請求をすることも考えられます。
また、遺留分の請求まで至らなかったとしても、その後の家族の関係が悪化する恐れもあります。
そこで、付言事項を用いて遺言を作成した経緯や思いを伝えると、相続人の理解を得やすくなるのです。

付言事項に入れたほうがいい項目6つ

付言事項は、基本的には何を書いてもかまいません。
ここでは、付言事項に入れたほうがいい項目について、ピックアップしています。

家族への感謝の気持ち

法定遺言事項があれば、遺言書は成立します。
しかし、家族への感謝の気持ちを付言事項に書いておくと、遺言書として家族にとっての特別なものにすることができます。

遺言の動機

なぜ遺言を作成しようと思ったのかという理由を書いておくと、遺言の内容について相続人からの同意が得られやすくなります。
心配なことがあって、看過できないということを、共有することができます。

財産配分の意図や理由

法定相続の持分と異なる配分がされた場合、当然相続人は不思議に思います。
金銭的な価値だけでは、説明できないところがありますので、配分の意図や理由についても書きましょう。

遺品の処分方法

財産として扱われない遺品もあります。
例え金銭的価値がなくても、故人や家族の思いの詰まった遺品は大切にしたいものです。

葬儀方法

葬儀方法については、宗教、寺院、喪主、参列者、会場、お墓、埋葬、法事など、遺族に指示します。

遺された家族への希望や願い

臓器提供や献体については、家族の同意が必要になります。
いくら故人の遺志とはいえ、亡くなってからではどうすることもできません。
また、ただ単に家族の幸せを祈ったり、仲良く暮らしてほしい、母の面倒を頼む、などという願いも含まれます。

付言事項作成のポイント6つ

感謝の気持ち

付言事項で、もっとも大切なのは感謝の気持ちを伝えることです。
感謝の気持ちから遺言を作成したことを具体的に書くと、遺言への理解も得やすくなるでしょう。
何を書いてもいいのですが、ネガティブな内容はできるだけ避けましょう。
否定的な表現で、遺言によって遺族の関係がギクシャクしかねません。

遺言作成の経緯

どういう考えで、遺言を作成したのかを伝えます。
事業の後継、祭祀の承継、財産の相続、財産の遺贈など、決定した理由がわかれば相続人も納得できるというものです。
相続人にとっては遺言書によって持分が減ることもありますので、不平不満は少なからずあるでしょう。
しかし、遺言作成の経緯が明確であれば、故人の遺志を尊重してくれるはずです。

生前贈与、特別受益の存否

相続時精算課税制度ができて、生前贈与が行いやすくなりました。
贈与は生前の意思で行われるものですが、他の相続人からみれば不公平になるのは当たり前です。
生前贈与、特別受益については、相続のトラブルの原因になりかねませんので、クリアにしておかなければなりません。

法定遺言事項との整合性

付言事項は法的効力がありませんので、どのように書いても遺言執行には問題はありません。
しかし、法定遺言事項と付言事項で整合性がなければ、相続人は何を尊重していいのかわからなくなります。
相続を円滑に行うための遺言書ですので、法定遺言事項との整合性は守りましょう。

財産以外のこと

財産以外のこととなると、死後事務があります。
葬儀方法、臓器提供、献体の意思表示、遺品の処分方法などです。
注意しなくてはならないのは、葬儀方法、臓器提供、献体については、死後直ちに執り行うものです。葬儀後に遺言書を開いた、ということも起こり得ます。
そのようなことにならないために、これらについてはあらかじめ遺言の内容を家族に伝えておく必要があります。

付言事項の書き方

付言事項は、遺言書の条項の後に「付言事項」として記載することが多いです。
条項ごとに、その説明として記載する方法もあります。
書きやすいほうを選択してもよいですし、併用することもできます。

令和○○年第○○○号

遺言公正証書

 本職は、遺言者○○○○の嘱託により、後記証人の立会をもって次の遺言の趣旨の口述を筆記し、これを証書に作成する。

第1条 遺言者は、遺言者の所有する下記の不動産を遺言者の妻○○○○(昭和○○年○○月○○日生)に相続させる。

① 土地
所  在  ○○県○○市○○町○丁目
地  番  ○○○○番○
地  目  宅地
地  積  ○○.○○平方メートル
② 家屋
所  在  ○○県○○市○○町○丁目
家屋番号  ○○○○番○
種  類  居宅
構  造  木造日本瓦葺2階建
床 面 積  1階 ○○.○○平方メートル
2階 ○○.○○平方メートル

第2条 遺言者は、前2条の不動産を除く遺言者の有する下記預貯金の元金及び利息金、その他一切の財産を、遺言者の妻○○○○及び長男○○○○に各2分の1の割合により相続させる。

① ○○銀行○○支店 口座番号○○○○○○
② ○○銀行○○支店 口座番号○○○○○○

第3条 遺言者は、遺言者及び祖先の祭祀を主宰すべきものとして、妻○○○○を指定する。
2.妻○○○○には、墓地を含む代々の墓及び仏壇など祭祀に必要な財産の一切を相続させる。
3.万一、遺言者より前に又は遺言者と同時に妻○○○が死亡していたときは、長男○○○○を遺言者及び祖先の祭祀を主宰すべき者とする。
第4条 遺言者は、本遺言の執行者として、妻○○○○を指定する。なお、当該遺言執行者は、第三者に対してその権限を委任することができる。

(付言事項)
妻である○○には最後まで本当に苦労をかけました。長年にわたり連れ添ってくれたことを、大変感謝しています。そこで、○○には現在暮らしている住み慣れた家と土地を譲りたいと思います。長男の○○は、母さんの面倒をよろしく頼みます。家族の思い出がいっぱいに詰まった我が家でいつまでも幸せに暮らしてください。これが父の最後のお願いです。くれぐれも体には気を付けて。父は天国で君たちを見守っています。

本旨外要件

○○県○○市○○町○丁目
無 職
遺言者  ○○○○
昭和○○年○月○日生
遺言者は、印鑑登録証明書の提出により人違いでないことを証明させた

○○県○○市○○町○丁目-○○○号
会社員
証 人  ○○○○ 昭和○○年○○月○○日生

○○県○○市○○町○丁目
行政書士
証 人  ○○○○ 昭和○○年○○月○○日生

上記各事項を列席者に読み聞かせたところ、各自、筆記の正確なことを承認し、次に署名押印する。

付言事項で気をつけたいこと

ここからは付言事項の作成を検討している人が、知っておくべき・気をつけるべきことを紹介します。

  • 付言事項に法的拘束力はない
  • 付言事項の内容を盛り込みすぎない
  • 遺留分請求の言及は慎重に
  • できれば弁護士に依頼して一緒に作成する

付言事項に法的拘束力はない

そもそも付言事項に、法的な拘束力はありません。

付言事項は遺言書の補助的な役割で、家族への感謝・相続の意図などを説明するものです。

「付言事項をしっかり作成したから、内容に従ってくれるだろう」と思っていても、相続する人たちが付言事項に従う義務もありません。

付言事項に対して、遺言書は法的な拘束力があるため、絶対に従ってほしい相続については遺言書で言及しておきましょう。

遺言書で明確な相続ルールに言及したうえで、付言事項で理由を説明して納得してもらう形式がいいです。

ただし遺言書も正しく作成したもの以外だと、法的拘束力を認められません。

せっかく遺言書を作成したとしても、自分だけで作ってしまうと、意味のない遺言書になる可能性があります。

そのため遺言書・付言事項を作成するなら、プロである弁護士に相談して進めましょう。

付言事項の内容を盛り込みすぎない

付言事項は家族への感謝を伝えたり、相続の意図を説明したりします。

家族への思いが溢れて、書きたいことだらけになってしまうかもしれませんが、内容を盛り込みすぎないように注意しましょう。

家族への思いを伝えること自体は素敵ですが、付言事項の趣旨から離れてしまいます。

付言事項はあくまで遺言書の補助的な役割になるため、できるだけ簡潔に内容をまとめる必要があります。

「家族への思いをしっかり伝えたい」という人は、付言事項ではなくエンディングノートの活用もおすすめです。

エンディングノートとは、亡くなったあとに家族へ思いを伝えるためのノートです。

付言事項とは違い、自分の好きなように内容を決められるため、思いを伝えることが目的ならエンディングノートの方がおすすめです。

遺留分請求の言及は慎重に

相続では「遺留分」という権利があります。

遺留分とは、相続を受ける権利を持った人が「自分は最低限これぐらいの相続をもらえるはずだ!」と請求できるものです。

遺留分を請求されると、亡くなった人が意図していた相続が崩れてしまい、残された家族がトラブルになる可能性が高くなります。

そのため「遺留分は請求しないでほしい」と思い、付言事項にその旨を書きたくなるかもしれません。

しかし付言事項に「遺留分の請求はやめて」と書いたとしても、法的な拘束力はありません。

むしろ相続人としては「遺留分の請求ができて、自分の相続財産が増えるかもしれない」と考える可能性があります。

遺留分について言及するときは、相続人の性格・相続への知識などを考えて、慎重に判断しましょう。

できれば専門家に依頼して一緒に作成する

付言事項の作成を考えているなら、税理士・弁護士といった専門家への依頼がおすすめです。

なぜなら自分だけで付言事項を作成すると、失敗して意味のないものになる可能性があるからです。

プロである専門家に依頼することで、間違いのない付言事項が作成できるでしょう。

また付言事項の作成だけでなく、相続全般の相談もできます。

相続税を節税したり、相続トラブルを回避するための方法を教えてもらえたりします。

初回の相談を無料で受け付けている事務所も多いため、まずは無料相談から利用してみましょう。

付言事項の具体例10

付言事項は、家族に宛てた死後に送る手紙だと思って書いてください。

主たる介護者の長男の嫁に遺贈する場合

法定相続人ではない長男の嫁に対して、遺贈する場合です。

この遺言は、長年にわたり長男の嫁である○○さんの苦労に報いるためにしたものです。わずかではありますが、○○さんには私の気持ちだと思って、受け取ってもらいたいと思います。○○さんには、私の介護をお願いすることになり大変な苦労をかけしました。○○さんがいつもやさしく介護してくれたことには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。他の相続人は不満もあるかと思いますが、私の意を汲んで遺言の内容を遵守してくれることを希望します。決して遺留分の請求をすることのないよう、よろしくお願いします。

自身の介護という苦労をかけた長男の嫁への感謝を、具体的に書きます。
長男の嫁は法定相続人ではないので、財産を相続することはできません。
ですが、遺言書で遺贈によって財産を与えることができます。
しかし、故人の遺志とはいえ他の相続人は持分が減りますので、不満を抱かず理解してもらうことが大事です。

事業の後継者として長男に相続する場合

事業の後継者として長男に財産を相続させる場合です。

長男の○○は大学を卒業した後、帰省し長年に渡り私とともに家業である農業に従事し、その発展に大きく貢献してくれました。本人も引き続き先祖代々の土地で農業経営を続けていく希望があり、それは私の希望でもあります。これらかの農業を思うと、よく決心してくれたと思います。○○には、本当に感謝しています。私は○○に事業を継いでもらいたいと考え、すべての財産を相続させることにしました。農業経営を考えると事業資金としては、十分とは言えないので、他の相続人は遺留分を請求することのないようお願いします。家族みんなが仲良く暮らしていくことを、心から願っています。

全財産を長男が相続するということは、当然、他の相続人には不満があると思います。
ですので、農業経営の難しさを伝えることで、なぜそうしたのかを理解してもらいます。

家族に負担をかけたくないので葬儀は家族葬にしてもらう場合

家族に負担を掛けたくないので、葬儀は家族葬にしてもらう場合です。

私の葬儀は、家族だけで済ませて下さい。妻の○○には本当に感謝しています。子供たちもそれぞれ立派になって、将来の生活の不安もありません。みんないい子に育ちました。そんな家族に看取られたいものです。ですから、家族に大きな負担は掛けたくないと思っていますので、穏便に家族だけでささやかな葬儀を済ませて欲しいのです。子供たちには、母さんのことを最後までよろしく頼みます。いつまでもみんなの幸せを願っています。

ささやかな葬儀を希望していることを伝えます。
繰り返しになりますが、葬儀についての遺言はあらかじめ家族に内容を伝えておく必要があります。

埋葬の場所を指定する場合

埋葬の場所を指定する場合です。

遺言者は、没後○○県○○市○○町○丁目○番○号○○寺に納骨されることを希望する。葬儀、埋葬、法事については、住職○○僧侶に依頼してあるので住職の指示に従うこと。財産については、遺言のとおりとし、家族がこれからも仲良く暮らすことを願う。

法定相続分によらない相続をさせる場合

法定相続分とは異なる配分で相続をさせる場合です。

私は妻の○○と3人の素直なよい子供たちに恵まれて、幸せな人生を送ることができました。心から感謝しています。春子には住宅の土地と建物を残すことにしました。気兼ねなく老後を過ごしてもらいたいからです。この土地と建物だけで法定相続分を超えると思いますが、3人の子供たちはお母さんに対して遺留分を請求することのないようにしてください。いずれは3人のものになるのです。子供たちには父親としてできるかぎりの援助はしたつもりですが、長女の○○には私の病気のために介護の苦労までさせてしまい、申し訳なく、心から感謝しています。○○に多くの現金を相続したのは、そういう気持ちからです。不満もあるでしょうが、理解してください。

遺言執行者を定めた場合

遺言執行者を定めた場合です。

私亡き後の財産については、その一部を、○○○○に遺贈寄付することにしました。私の気持ちを理解していただき、家族が仲良く暮らしてくれたらと思います。また、相続手続きがスムーズに行くように、遺言執行を○○弁護士に頼みました。子供たちもみな県外で家庭を持ち、妻には相続事務は負担が大きいと心配してのことです。○○弁護士とは旧知の仲で、事情もよく説明していますので、信頼して任せてください。

遺言執行者とは、相続人を代表して遺言の内容を実現するために手続きを行う権限を有する者です。

障害者施設に遺贈寄付する場合

長男が入所している障害者施設に遺贈寄付する場合です。

私の遺産は妻と長男に相続させるほか、長男が入所している社会福祉法人○○○○に遺贈寄付します。知的障害を持つ長男のことだけが気掛かりですが、施設で寄付を活用していただけたら幸いです。社会福祉法人○○○○のさらなるご発展を願っています。

生前贈与をしていた場合

長男に生前贈与をしていたので、配分を少なくした場合です。

平成○○年に長男○○が自宅を購入した際に、私は○○○万円を住宅資金として贈与しました。財産の配分については、生前贈与を考慮して、このような配分としました。また、以前から支援している特定NPO 法人○○○○に遺贈寄付することにしました。私の熟慮のうえでの配分ですので、皆さん気持ちよく受け取ってください。

生前贈与については、相続のトラブルになりやすいケースです。
生前に家族の同意が得られていなければ、付言事項で説明する必要があります。

条項を設定して記載する場合

条項を設定して、個別に付言事項を記載する場合です。

1.遺言者(以下「私」と言います)は、妻○○、長男○○、次男○○とその家族が仲良く幸せな人生を過ごしてくれることを切に願い、この遺言書を作成しました。2.妻○○には長い間苦労を掛けましたが、いつも明るく私や家族を支えてくれたことに大変感謝しています。今ある財産は、ひとえに○○の内助の功により築くことができたと思います。私は仕事を優先させ、家事育児にはほとんど協力できませんでした。それでも、○○は子供たちを立派に育て上げ、家庭を守ってくれました。したがって、私の財産はすべて○○に相続させることにしました。
長男○○には、大学を卒業してから、私の右腕として、会社の経営を支えてもらいました。すでに会社の運営は任せてありますが、後継者として、会社と従業員をよろしく頼みます。
次男○○には、住宅資金として生前贈与しています。幸せな家族を持ち、生活にも心配がないことから、この遺言では財産を分けません。
私の財産をすべて妻○○に相続させることにしたのは、二人ともそれぞれ家庭を持ち、私亡き後も、母さんと同居することは難しいと思われることから、母さんが一人ででも平穏な暮らしが送ることができるよう考慮したものであることをご理解ください。また万一、母さんにもしものことがあったら、二人でよく相談してこれからのことを決めてください。これからも、兄弟仲良く助け合っていって下さい。

3.以上のような思いから熟慮に熟慮を重ね、この遺言書を作りました。遺留分を侵害する内容になっているかと思いますが、どうか減殺請求などせずに遺言書のとおり相続していただきたいと願っています。

4.みんな、今までありがとう。これからも仲良く幸せに過ごしてください。

以上

遺留分減殺請求権を行使しないでほしい場合

相続権のない姪に遺贈するため、遺留分減殺請求権を行使しないでほしい場合です。

姪の○○には、身の周りの世話をお願いし、大変感謝しております。子供たちが遠くで生活しているため、近くにいる○○に頼ってしまいました。○○も本当の親のように、とても親切にしてくれました。遺言者がこのように生活できてきたのは、○○のおかげといっても過言ではありません。お世話になった○○に全財産を引き継ぎますので、私の気持ちを理解してください。二人とも安定した生活で、何も心配はありません。どうか誰も争わず、遺留分減殺請求権の行使や遺言者の財産の分配等を請求しないで下さい。

まとめ

もちろんすべての内容が付言事項のとおりに進むわけではありませんが、遺言を作成した経緯や思いを伝えることができます。
付言事項を書くことで、遺言書は相続人に対して強い影響力を持ちます。
ここで挙げた例文を参考に、ポイントを押さえて、自分の言葉で付言事項を書いてください。

実際に遺言書を作成する際には、内容別にたくさんの遺言書文例を掲載している「遺言書の書き方・文例・見本・サンプル集」もぜひご覧ください。

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