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最終更新日:2022/7/12

一体いくらかかる?成年後見人選出までの諸経費と専門家に依頼した場合の費用

本間 剛 (行政書士)

この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/profilehonma/

この記事でわかること

  • 成年後見制度には任意後見制度と法定後見制度がある
  • 任意後見と法定後見の申立に際してかかる費用
  • 後見人の報酬の相場

後見制度を利用する場合、申立に一体どのくらいの費用がかかるのか、また、後見人等に支払う報酬額についても、疑問に思う方は多いでしょう。

もし、身近に認知症の人などがいたとしても、成年後見制度の利用に踏み切れない人のなかには、実際にどのくらいの費用がかかるのか分からないということが障害になっている人もいるのではないでしょうか。

そこで、本稿では、その費用についての大まかな相場をご提示したいと思います。

2つの成年後見制度とその違い

人が法律行為などを行うには、適切に物事を判断するだけの能力(これを「意思能力」といいます。)を有する事が必要とされ、この能力がない状態でなされた行為は無効とされています(民法第3条の2)。

成年後見制度とは、成年者が精神上の障害等によってこの適正な判断能力を欠く状態になった場合に、「後見人」が本人に代わって、本人のための行為を行うとする制度です。

これによって、認知症など、意思能力がない場合でも、必要な療養看護を受けたり、物を購入できたり、財産を適切に管理することが可能となるのです。

なお、成年者とは、現在は20歳以上の人と定義付けされていますが。

令和4年4月1日からは18歳以上になります。

成年後見制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」の2つがあります。

次項でそれぞれの制度について説明していきます。

任意後見制度

任意後見制度とは、本人が、万一、自分が適切な判断能力を失う状態になった場合に、自分に代わって法律行為等を行う後見人、および、後見人にお願いする行為を決めておく制度です。

あらかじめ任意後見契約を締結することが必要となります。

これに基づいて、万一、自分が判断能力を失う状態になった場合には、後見人に自分に代わって法律行為等を行ってもらうこととなります

このように、任意後見制度を利用するためには、事前に任意後見人になってくれる人を探して、その人との間で任意後見契約を締結しておく必要があります。

この手続きについては、「任意後見契約に関する法律」が定めています。

法定後見制度

法定後見制度とは、民法が定める制度で、実際に判断能力を欠く状態になった人がいる場合に、その近親者等からの申立により、家庭裁判所が後見人をつけることの要否を判断して、後見人をつけるという制度です。

あくまでも、本人が事前に何らかの対応を行うというものではなく、実際に判断能力が欠如するという状態になった場合に、その時点で対応をはじめるという制度です。

成年後見人申立にかかる諸経費

以下では、任意後見制度と法定後見制度の場合で発生する諸経費の内訳をご紹介いたします。

任意後見制度の場合

任意後見制度を利用するためには、二段階の手続きが必要となります。

第一段階としては、任意後見契約を締結するという手続きです。

そして、第二段階としては、実際に本人が判断能力を失う状態となった場合に、任意後見契約によって後見人として指定された人が実際に後見人に就任するための手続きです。

任意後見契約締結について

任意後見制度を利用するための任意後見契約は、公正証書によって締結しなければなりません(任意後見契約に関する法律第3条)。

つまり、公証人役場に行って、公正証書を作成してもらう必要があるわけです。

この場合、以下の費用がかかります。

・公証役場の手数料 11,000円。
これに契約書のページ数が4枚を超えるときは、1枚毎に250円が加算されます。

・法務局に納める印紙代 2,600円
任意後見契約を締結した場合、その旨が登記されますので、その登記のための費用です。

・法務局への登記嘱託料 1,400円
上記の任意後見契約を締結した旨の登記を公証人に行ってもらうための手数料となります。

・書留郵便料 540円
登記を嘱託するための郵送費用となります。

・正本謄本の作成手数料 1枚あたり250円
公正証書の場合、本人と受任者がそれぞれ正本を1通ずつ保有し、さらに、登記申請用として謄本1通の合計3通を作成することになります。

その結果、それぞれの契約書のページ数について1ページ当たり250円の費用がかかることになります。

以上が公正証書による任意後見契約締結のための最小限度の費用です。

概ね2万円から3万円程度を見ておいたほうが良いでしょう。

実際には、これ以前に弁護士や司法書士などに任意後見契約の作成を依頼した場合には、それらの専門家への報酬等も必要になります。

また、任意後見契約とは別に、実際に判断能力を失う以前における事務についての委任契約、また、自身の死後の事務についての委任契約などを締結するケースもあり、その場合には別途その費用がかかることになります。

実際に任意後見を開始する場合について

実際に任意後見契約に基づいて任意後見を開始してもらうには、本人が判断能力を失う状態になった後で、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者から家庭裁判所に対して任意後見監督人の選任申立をする必要があります。

この申立に際しては、所定の申立書およびその添付書類を提出します。

また、その際には、以下の費用が必要となります。

  • ・申立手数料 800円を収入印紙で納めます。
  • ・連絡用の郵便切手 各裁判所によって異なりますが、東京家庭裁判所の場合には3,270円分とされています。
  • ・登記手数料 1,400円を収入印紙で納めます。

参考:裁判所ホームページ「任意後見監督人選任」

後見が開始されたことは登記されますので、そのための費用となります。

このほかに、場合によっては、本人の常況について鑑定をする必要が生じます。

その際には申立人がその鑑定費用を負担するケースもあります。

鑑定に費用には、概ね5万円から20万円程度をみておくといいでしょう。

また、申立に際しては、本人の戸籍謄本や登記事項証明書等の各種書類が必要となりますので、それらを取得するための費用も別途必要になります。

法定後見制度の場合

法定後見制度を利用する場合には、任意後見制度のように、事前の任意後見契約の締結は必要ありません。

実際に、判断能力を欠く状態になった人がいる場合、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見人、任意後見監督人、検察官等から、家庭裁判所に対して、所定の後見開始等申立書、および、必要書類を提出して申立を行うことになります。

申立に際して必要となる費用は以下のとおりです。

  • ・申立手数料 800円を収入印紙で納めます。
  • ・連絡用の郵便切手 各裁判所によって異なりますが、東京家庭裁判所の場合には3270円分とされています。
  • ・登記手数料 2,600円を収入印紙で納めます。

参考:裁判所ホームページ「任意後見監督人選任」

後見が開始されたことは登記されますので、そのための費用となります。

このほかに、本人の鑑定が必要となった場合における鑑定費用の負担や、各種の証明書等を取得する費用がかかる点は、任意後見の場合と同様です。

法定後見人を専門家に依頼した場合にかかる費用

後見人は、必ずしも弁護士や司法書士などの専門家がなるとは限りません。

家族や親族が後見人になることもありますし、それでも問題はありません。

そのような場合には、報酬がゼロということも少なくありません。

しかし、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家が後見人となった場合には、被後見人の管理財産から報酬を支払うことになります。

専門家が後見人に選任される場合としては、次のようなケースが考えられます。

弁護士が後見人に選任される場合

弁護士は法律の専門家です。

したがって、以下のようなケースで選任されることが多いです。

  • ・本人の財産が多額である場合
  • ・権利関係が錯綜している財産があるなど財産管理が困難な場合
  • ・本人が相続人になっていてその相続を巡る処理が必要な場合
  • ・本人が債権を持っていてその回収行為を行う必要がある場合

司法書士が後見人に選任される場合

司法書士も、弁護士と同様に法律の専門家です。

ただ、司法書士は不動産などの登記関係業務がメインとなることから、弁護士ほど幅広い事項への対応は期待できない場合があります。

結果、以下のようなケースで選任されることが多いです。

  • ・本人に相応の財産はあるが弁護士に依頼するほどではない場合
  • ・本人の財産として不動産が多くその管理が必要とされる場合

社会福祉士が後見人に選任される場合

社会福祉士は法律の専門家ではありません。

したがって、財産管理が後見業務の中心となる場合は、社会福祉士が後見人に選任される場合は少ないと言えます。

逆に、本人の身上監護が後見業務の中心となる場合には、福祉の専門家である社会福祉士が後見人に選任されることにメリットがあると言えます。

後見人の報酬

基本的に、後見人の報酬は後払いとなります。

後見事務が開始された後一定期間経過後に、後見人の側から家庭裁判所に対して「報酬付与の申立」を行うと、家庭裁判所が決定を行います。

上記では、親族の場合には報酬がゼロの場合があると書きましたが、もちろん、親族が後見人になった場合でも、その後見人がこの報酬付与の申立をすることは可能です。

裁判所が弁護士、司法書士、社会福祉士といった専門家に依頼する場合の基準としては、その管理財産額(被後見人の財産の額)に応じて、以下のとおりとされています。

参考:第二東京弁護士会「後見人等の報酬はどれくらいかかる?」

これを「基本報酬額」といいます。

  • ・管理財産額が1,000万円以下の場合 月額報酬2万円
  • ・管理財産額が1,000万円超5,000万円以下の場合 月額報酬3万円から4万円
  • ・管理財産額が5,000万円超の場合 月額報酬5万円から6万円

後見監督人については、

  • ・管理財産の額が5,000万円以下の場合 1万円から2万円
  • ・管理財産の額が5,000万円超の場合  2万5千円から3万円

これとは別に、被後見人の身上監護に特別困難な事情があった場合には、基本報酬額の50%の範囲内で、相当額の報酬を付加することがあるとしています。

また、後見人が複数つく場合には、上記の報酬額を、その業務分担に応じて按分する方法がとられることもあります。

以上は基本報酬額ですが、最終的には、その管理財産の額や、実際の後見人の業務内容等を総合的に判断して決定されることになります。

なお、任意後見制度の場合には、任意後見契約において報酬額をあらかじめ定めておくことも可能です。

この場合には、上記のような裁判所による決定等の手続きを減らす必要はありません。

成年後見人の報酬支払いについて

成年後見人について検討していると、気になるのが報酬の支払いだと思います。

「後見人を利用したいけど、報酬は誰が払えばいいのか?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

後見人の報酬は、被後見人が支払います。

たとえば認知症のAさんに後見人をつける場合は、Aさんの財産から報酬を支払います。

後見人の報酬金額は明確に決まっているわけではなく、家庭裁判所へ申立することによって、報酬金額が決まります。

家庭裁判所への申立は年1回行うもので、申立をしなければ、そもそも報酬は発生しません。

親族が後見人をしている場合は、家庭裁判所への申立をせず、報酬を受け取らないケースもあります。

費用が払えないなら支援制度を利用しよう

「成年後見人制度を利用したいけど、費用を払う余裕がない」という人もいるでしょう。

被後見人の財産がないと、後見人の費用支払いができません。

そこで利用してほしいのが、費用助成金の制度です。

「後見人を利用したいけど支払いできない」という人を対象にして、後見人の費用を援助してくれる仕組みがあります。

援助の条件は細かく決まっているため、自分たちが援助を利用できるのか確認しておきましょう。

もし条件を満たしている場合は、援助の利用がおすすめです。

成年後見人を利用するメリット

「成年後見人を利用するメリットはあるのか?」と思うかもしれません。

成年後見人を利用すると、被後見人を守ることができます。

たとえば不必要な契約をしていても、取り消すことができます。

さらに介護施設への入居手続き・生活に必要な契約を代理で行ってくれます。

被相続人の財産・生活を守ってくれるため、後見人をつけると安心してお任せできます。

成年後見人の注意点

成年後見人を利用するうえでの注意点は、費用がかかってしまうことでしょう。

月額2~6万円の報酬が発生するため、長年後見人をつけると、それだけ費用もかかります。

そもそも財産をあまり持っていない被後見人だと、途中で後見人への報酬を支払えなくなるかもしれません。

ただし被後見人が費用を支払えない場合は、支援制度の利用も検討できます。

また親族が後見人になるなら、報酬を受け取らない場合もあるため、年1回の報酬支払いはなくなります。

悩んだら専門家への相談がおすすめ

後見人について悩んだら、専門家への相談がおすすめです。

知識のない状態で悩んでいると、間違った方法を選んでしまうかもしれません。

専門家は初回の相談を無料で受け付けているため、まずは無料相談から利用してみましょう。

まとめ

以上、成年後見制度に必要な費用について見てきました。

選任についての手続き費用自体はそれほど高額とは言えません。

ただ、その認定を受ける際に鑑定などが必要になった場合には、相当の費用がかかることをご理解いただけたと思います。

また、実際に、後見人が選任された後の後見人等への報酬の問題もあります。

そこで、報酬を必要としない親族等を後見人にしようと考える方が多いのですが、後見人には専門的な知識が必要な場合が多いうえ、仕事等で時間がとれないという問題も起こりがちです。

被後見人に相応の財産があり、そこからそれなりの後見人への報酬が捻出できるのであれば、やはり、専門家に依頼するのが合理的という判断もあるのではないかと思われます。

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