ご家族の方が亡くなり、相続が生じた際にはその方の持つ財産は相続人に承継されることになります。
相続財産としては、現金・預貯金・株式・不動産などが一般的でしょう。
この相続財産を承継する方法としては、名義変更という手続きが必要になります。
これが例えば相続人の近くの不動産であれば、何とか用途を見出すことが出来るでしょうが、遠く離れた地方に所在する不動産を相続してしまった場合には対処に困ってしまうこともあるかと思います。
そこで、今回は遠く離れた地方の不動産を相続してしまった場合の相続及びその対処法について考えていきたいと思います。
目次
遠方の土地で相続登記をするときには?
不動産の相続が行われた場合には、不動産の名義変更として相続登記を申請しなければいけません。
ここでは、その方法及び注意点について確認をしていきたいと思います。
相続登記とは?
不動産の相続登記を申請する場合には、被相続人から相続人へ名義が移ることになります。
ここで、相続人というものは例えば、配偶者・子供、配偶者・直系尊属、配偶者・兄弟姉妹というように複数の者が同時に相続人となることが多いと考えられますので、単独で不動産を所有することになる場合のみならず、共有することも考えられます。
例えば、多くの相続人の話し合いの結果、ある相続人が単独で所有することになった場合や話し合いがどうしてもまとまらず、仕方なく共有で相続することになったという場合もあるでしょう。
もちろん共有にすることも有効な方法の一つではあるのですが、各相続人が後々不動産を思うままに処分することが出来ずに、将来的に争いごとが多く生じることになるのが共有のパターンのデメリットです。
したがって、将来的に不動産を処分するかもしれないと考えている場合には単独名義で相続しておくのが賢明な方法と言えるでしょう。
相続登記をするには?
不動産の相続登記をするためには、その不動産の所在地を管轄する法務局に相続登記申請をしなければいけません。
この場合の提出書類としては、相続登記申請書のほかに、以下のような資料を用意して行わなければいけません。
- (1)被相続人の住民票の除票
- (2)被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
- (3)不動産を相続により取得することになる相続人の住民票
- (4)遺言書
- (5)(遺言書がない場合)遺産分割協議書
- (6)(5の場合)上記遺産分割協議書に押印した実印の印鑑証明書
- (7)固定資産税評価証明書
- (8)(登記簿確認のための)登記事項証明書
(4)の遺言書で処理するか(5)の遺産分割協議書で処理するかは、被相続人が遺言書を残しているかどうかによります。
遺言書が残されていた場合には、その後の相続手続きが非常にスムーズに進みます。
相続登記申請書は、相続のための一般的なひな形が法務省ホームページよりダウンロードすることが出来るようになっています。
また、不動産の登記を申請すると申請のために登録免許税という税金を支払わなければならず、(7)の固定資産税評価証明書はこれを計算するために発行される書類のことを言います。
登録免許税は、「不動産の固定資産税×4/1,000」の計算式で算出することが出来、不動産の価格が高ければ高いほど納める登録免許税は高額になります。
地方の不動産で相続登記をするときの注意点について
すべての必要書類が準備できれば、相続登記を申請することになります。
ここで、不動産登記を申請する方法として、(1)窓口申請、(2)郵送申請、(3)オンライン申請という3種類の申請方法が用意されていますので、わざわざ遠方の法務局まで足を運ぶ必要は必ずしもないということになります。
そこで、郵送で地方の法務局に申請をしたとしましょう。
この場合、送付先に到着ミスが合ってはいけませんので必ず簡易書留以上の方法により送付をするようにしましょう。
郵送で申請することのデメリットとしては、窓口受理の段階で指摘されるミスに対応することが出来ないということ、登記完了日を窓口で確認することが出来ないのでご自身でホームページより完了予定日を調べる必要があるということです。
郵送で申請をしているのでしたら、多くの場合返送も郵便で受領されることになるかと思います。
したがって、送付の封筒に返信用封筒を同封しておくのが良いでしょう。
続いて、オンラインで相続登記を申請した場合についてですが、オンライン申請を行うにはある程度パソコンについて詳しくないと複雑な方法により混乱されることになるかもしれません。
相続登記については、司法書士という登記の専門家に手続きを依頼することもできます。
相続登記は多くの方にとって初めて経験することですので、ミスがないように専門家に相談するということも選択肢の一つとしてご検討されてもよろしいのではないでしょうか。
地方の不動産を有効に活用するためには?
さて、無事に不動産の相続が完了してほっと一息つきたいところですが、その不動産をどのように活用するかということはきっちりとお考えでしょうか?不動産は放っておくだけでも固定資産税がかかりますので、これを有効に活用するための手段を考える必要があります。
相続をした後に、売りに出す
特に不動産を今後活用する予定がないという方は、無難にお金に換えてしまうのが良い方法です。
不動産を売却して現金として手元に持っておくと、それ以降何年も税金のことで悩まされることはありません。
人に賃貸して収益を得る
不動産についてある程度知識をお持ちの場合には、これを人に貸し出して収益を得るという方法もあります。
最近では、民泊など不動産の活用次第でビジネスを展開することも可能といえます。
また、不動産会社に依頼をして、テナントを探すよう相談してみることも検討しましょう。
まとめ
今回は、遠く離れた地方の不動産を相続することになった場合に、どのように対応をすべきかについてまとめていきました。
相続登記を経て名義変更を済ませると、自由に処分をすることが出来ますので、今回ご紹介した以外にも有効に活用する方法を是非一度ご検討頂ければと思います。
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