この記事でわかること
- 海外不動産の税務関連業務を専門家に依頼すべき理由についてわかる
- 海外不動産の税務を依頼すべき税理士の選び方についてわかる
- 税理士報酬の相場や依頼する際の流れについてわかる
海外不動産投資を行っている方は、確定申告をする必要があります。
ただし、通常の税務よりも専門性が高いため、自分で確定申告をしようとすると税務上のリスクが高くなるケースが多いです。
そこで今回は、海外不動産の税務を税理士に依頼すべき理由や税理士の選び方、依頼する際の流れについて詳しく解説していきます。
目次
海外不動産の確定申告や税務が難しい理由
海外不動産の投資を行っている場合、日本での確定申告はもちろんのこと、その不動産の所在地国(海外)での確定申告も必要になります。
そのため、海外不動産の税務関連について、困難に感じている方も少なくないでしょう。
海外不動産に係る確定申告や税務が難しい理由について、具体的には以下の内容が挙げられます。
言語の障壁があるため
海外投資関連で最初に直面するのは言語の壁です。
海外不動産投資では、基本的に売買契約書などは英語表記か現地言語の表記になっています。
また、不動産関連の資料は専門的な用語が多いため、英語が得意な方だとしても理解しにくい部分が多いでしょう。
日本の税理士でも海外不動産投資を専門に扱っている方でなければスムーズに対応することが難しいため、現地の専門家とコミュニケーションを取らなければならなくなる可能性もあります。
国によって法律が異なるため
確定申告や税務を行う上で遵守すべき税法は、国によって異なります。
つまり、不動産投資を行っている現地の税法も学ぶ必要があるということです。
数年前までは、アメリカの中古住宅に係る減価償却費を利用した租税回避スキームが濫用されていました。
築年数が法定耐用年数を超える物件に投資をすることで、減価償却費を多額に計上するといった内容です。
しかし、令和2年度の税制改正によってこのスキームは否認されるようになりました。
海外不動産への投資は節税目的で行う方が多いですが、現地の税法および改正状況など、常にアンテナを張って情報収集することが重要です。
このため、すべて自力でこなそうと思うと困難に感じる方が多いようです。
為替レートを使用するため
海外不動産の確定申告は投資先の海外で行うため、当然現地の通貨で行わなければなりません。
また、日本で確定申告を行う際にも日本円に換算する必要があるため、為替レートを使用して整合性のある金額に修正します。
勘定科目等によって年間の平均為替レートを使用する場合もあれば、取引発生日の為替レートを使用する場合もあります。
このような換算で最も重要なポイントは、日本で申告する金額と海外現地で申告する金額を一致させるということです。
つまり、両国の確定申告書が整合性のある金額によって作成されていなければなりません。
当たり前のことように聞こえますが、使用する為替レートの日がずれるだけで合計金額が一致しなくなってしまいます。
実際に、申告の印額が一致していないために税務調査で指摘されるケースは多いようです。
海外不動産の税務を依頼する税理士の選び方
前述のとおり、海外不動産の税務は通常の税務よりも専門性が高いため、ある程度の実績がある税理士に依頼すべきでしょう。
また、外資系の税理法人ですと、語学力の高い税理士や海外関連業務の経験が豊富な税理士が多く在籍しています。
では、税理士の選び方について具体的に見ていきましょう。
海外不動産税務の実績があるか確認する
一般的に税理士は、クライアントの業種などによって得意分野が形成されていきます。
税理士事務所の方針によっては、資産税のみを扱っているという方もいます。
海外不動産に関する税務は、専門性が高い分野であるため、経験や実績がない税理士に依頼してしまうと、税理士報酬に見合った成果を得られない場合もあります。
そのため、日常的に海外不動産関連の業務に携わっている方や、ある程度の実績がある方であるかどうかを確認することが重要です。
国際税務は、税理士であっても深く勉強している方は少ないので、信用できる方を探しましょう。
知人などで海外不動産投資を行っている方がいる場合には、担当の税理士を紹介してもらうのもよいでしょう。
外資系の税理士法人に依頼する
規模の大きい税理士法人は専門分野の領域も広いので、スムーズに対応してくれるケースが多いです。
また、近年では外資系の税理士法人は数を増やしているので、比較的探しやすいといえます。
所属している税理士の人数が多いことや、国際税務に関するノウハウを熟知していることから、海外不動産関連の税務は外資系の税理士法人に依頼するのが確実です。
経営に関するアドバイスやコンサルティング業務にも対応しているため、心強い味方となるでしょう。
ただし、一般的に規模の大きな税理士法人に業務を依頼する場合には、通常の税理士報酬の相場よりも高くなります。
場合によっては、相場の倍の報酬を請求されることもありますので、資金に余裕がある方にお勧めします。
海外不動産の税務を依頼した場合の税理士報酬相場
実際に、海外不動産の税務を税理士に依頼した場合の報酬相場はどのくらいなのでしょうか。
ここでは、税理士への依頼形式ごとにおおよその報酬相場を解説します。
税務相談のみを依頼するケース
税理士事務所に出向き、税務相談のみを依頼する場合は、初回無料の事務所が多いでしょう。
2回目以降は1時間で数千円程が相場となっています。
相当な税務知識や確定申告経験がある税理士であれば、税務相談のみで依頼してもよいでしょう。
確定申告のみを依頼するケース
個人が確定申告をスポットで依頼する場合は、年間の記帳代行業務と併せて10万円~30万円程が報酬相場になります。
なお、記帳を自分で行った場合の報酬相場は、5万円~15万円程になります。
また、海外不動産の確定申告も併せて依頼する場合には、追加で5万円~15万円程上乗せされます。
基本的に、個人がどのくらいの事業規模で不動産投資を行っているかによって、税理士報酬が変動する仕組みになっています。
不動産所得に係る確定申告は、貸借対照表や損益計算書、収入の内訳表、減価償却費の計算明細を添付する必要があるため、事業規模が大きくなればなるほど事務的負担も大きくなります。
顧問契約を依頼するケース
個人が税理士に顧問契約を依頼する場合は、月1万円~5万円程、決算料10万円~30万円程が報酬相場になります。
こちらのケースも他のケースと同様に、事業規模の大小によって報酬が変動します。
一般的に税理士が毎月訪問して、記帳業務を行ってくれるため、月々の収支を正確に把握できる上に、不動産投資に有益なアドバイスや情報提供を受けられます。
税務関連の手続きには期限が設けられていることが多いですが、税理士と密接に関わることで適時適切な判断を選択できるでしょう。
また、顧問契約を依頼することで、日々の不安を抱えることなく事業に集中できるというメリットもあります。
海外不動産の税務を税理士に依頼する際の流れ
海外不動産の税務を税理士に依頼する場合、以下の方法で行うのが一般的です。
- インターネットを利用する方法
- セミナー等に参加する方法
- 税理士紹介サイトを活用する方法
それぞれの方法で税理士に業務を依頼する流れについて解説していきます。
インターネットを利用する方法
近年では、ネットが急速に普及したことに伴い、多くの税理士事務所がインターネット上にホームページを掲載しています。
ホームページで、税理士事務所の主な業務内容や実績を確認することができます。
税理士事務所によって報酬設定は様々なので、税理士費用を節約したい方は複数の事務所を比較検討するとよいでしょう。
ホームページには事務所の住所や電話番号、メールアドレスも記載されているので、気になる税理士が見つかった場合はコンタクトしましょう。
セミナー等に参加する方法
税理士法人や各地の税理士会が主催するセミナー等では、不動産関連をテーマにしていることもあります。
このようなセミナーをきっかけに、税理士へ依頼する方も少なくありません。
セミナー等では、実際に税理士の講義を受けることができるので、インターネットで探すよりも得られる情報は多いでしょう。
特に、海外不動産を扱ったセミナー等であれば、講義する税理士は知識や経験が豊富ですので、安心して業務を依頼できます。
また、不動産会社が主催するセミナー等に参加してみるのも有効な手段です。
参加者の投資家から、実際に業務を依頼している担当の税理士を紹介してもらえる可能性もあります。
インターネットのみで税理士を探すことが不安な方は、一度セミナー等に参加してみましょう。
税理士紹介サイトを活用する方法
インターネット上には、税理士紹介サイトがいくつかあります。
依頼者のニーズに合わせて税理士を探すことができるため、効率よく依頼まで進むことができます。
ただし、税理士紹介サイトへの仲介手数料が発生する場合もありますので、慎重に検討しましょう。
日本税理士会連合会のホームページにて、お住まいの地域の税理士を検索することもできます。
セミナー等への参加に比べて手間がかからず、気軽に探せるので一度試してもよいでしょう。
まとめ
今回は、海外不動産の税務を税理士に依頼すべき理由や税理士の選び方、依頼する際の流れについて解説しました。
海外不動産投資に係る確定申告は、日本のみならず投資先の海外でも行わなければならないため、自力で処理するには困難であるケースが多いです。
申告できたとしても、記載の不備やミスがあると税務署から指摘されるため、税務リスクも高くなります。
インターネットやセミナー等を活用して、海外不動産関連の知識や経験が豊富な税理士を探し、依頼することをお勧めします。
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