この記事でわかること
- 不動産管理会社とはどのような会社のことをいうのかわかる
- 不動産管理会社の役員に対する役員報酬の決め方を知ることができる
- 不動産管理会社の役員報酬を決める際に注意すべきことがわかる
個人で不動産を所有する人の中には、節税のために不動産管理会社を設立している方がいるでしょう。
不動産管理会社を設立すると、その役員に対して役員報酬を支払うケースがあります。
役員報酬の額に上限などの決まりはないため、自由に支払うことができますが、その額はどのように決めるのでしょうか。
また、役員報酬を決める際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
目次
不動産管理会社とは
不動産管理会社とは、個人で所有する不動産の管理業務を行うために設立する会社のことです。
個人で不動産を所有する人が不動産管理会社を設立すると、個人に発生していた所得の一部が不動産管理会社に分散されます。
そのため、不動産管理会社を設立する以前と比較すると、税金の負担を減らすことができるようになります。
不動産管理会社は、管理業務委託型、サブリース型、不動産所有型と大きく3つのタイプに分かれます。
いずれのタイプを選択するかは、業務開始までの手続きの煩雑さ、分散させる所得金額の大きさなどで決定します。
不動産管理会社の役員報酬の決め方
前述したように、不動産管理会社を設立すると、その会社の役員に対して役員報酬を支払うこととなります。
役員報酬の額を決めるのは役員自身ですが、どのように決めたらいいのか迷う方もいるでしょう。
また、役員報酬の額は事業年度の途中で変更することが認められていません。
どのように役員報酬を決めるといいのか、ご紹介します。
一年間の利益を試算して決定する
不動産管理会社で毎月発生する利益の額は、比較的安定しています。
そのため、一年間の利益の額も試算しやすく、利益計画が立てやすいということができます。
まずは、一年間の利益の額から役員報酬の額を計算します。
毎月発生する利益と同程度の役員報酬を毎月支払えば、会社の利益はほぼゼロとなり、法人税の負担を減らすことができます。
資金繰りから決定する
不動産所有型の不動産管理会社の場合、不動産管理会社が借入金や未払金などの債務を抱えることがあります。
この債務は、毎月決められた時期に返済しなければなりません。
この債務の返済額については利益計画の計算に含まれないため、計算上は利益が出ていても、役員報酬を支払えない場合があります。
そこで、役員報酬の額を毎月の資金繰りの状況から決定する方法があります。
不動産管理会社では法人税が発生することもありますが、資金繰りの安定を重視した決定方法です。
役職や業務内容から決定する
複数の人が役員に就任する場合、役員報酬の総額だけでなく、それぞれの支給額も決定する必要があります。
この場合、役職や担当する業務内容から決定しなければなりません。
一般的には、代表取締役となる人が最も高額になり、次いで専務や常務、そして平取締役の順となります。
また、役員報酬の額がゼロとなる人がいても問題ありません。
不動産管理会社の役員報酬を決めるときの注意点
不動産管理会社が役員報酬を決める際には、どのような点に注意するといいのでしょうか。
そのポイントをいくつかご紹介します。
年度の途中で変更することはできない
前述したように、役員報酬の額を事業年度の途中で変更することは、原則としてできません。
役員報酬の支給額を調整して、会社が負担する法人税の額を減らすことができないようになっています。
賞与を支払うこともできる
役員に対して、月々の報酬だけでなく賞与を支払うこともできます。
ただ、賞与を支払う時期や金額については、事前に税務署に届出を出しておかないと会社で費用計上することができません。
役員であっても未成年者は注意すべき
会社の役員に就任する人について、年齢制限はありません。
ただし、未成年者である役員に対して役員報酬を支払うことはお勧めできません。
多くの場合、本来はその親に対する報酬が未成年者である子どもに対して支払われていると考えられるからです。
税務署は、未成年者の役員に対する報酬について、本来誰の所得になるのか確認することがあります。
過大な役員報酬は否認される
役員報酬を多く支払えば、その分会社の利益金額は減少し、法人税の負担を減らすことができます。
しかし、役員としての実態がない人、業務内容に対して報酬が多過ぎる人については、費用計上が否認されます。
役員報酬として計上することが否認されると、会社が負担する法人税の額は大きく増加してしまいます。
まとめ
不動産管理会社を設立する際には、どのような形で不動産管理を行うのか、決定しなければなりません。
また、会社設立後の役員報酬をいくらにするのか、役員自身で決める必要があります。
役員報酬の額をいくらにしたのか、どのように決めたのかは、税務署が必ずチェックするポイントでもあります。
様々な情報を入手して、適正で無理のない報酬額となるようにしましょう。
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