この記事でわかること
- 相続手続きの流れをチェックしよう
- 不動産を相続する際に必要な税金や費用の内訳は?
- 相続税を少しでも抑えるため 節税可能な制度も忘れずに
相続は誰の身にも起こる大きな出来事ですし、誰でも相続という言葉を知っていると思います。
しかし、実際に相続する立場になるのは、ほとんどの人にとって長い人生で1回か2回のことですから、実際に相続が発生した時に何をしなければならないのか、詳しく知っているという人はほとんどいません。
そこで、不動産を保有する人が亡くなった場合の手続きの流れや相続税などの税金などの負担、そして相続が始まる前に知っておくべき節税の方法まで、解説していきます。
相続が発生してからでは遅いものもあるので、その内容を事前に確認しておきましょう。
目次
不動産の相続が発生!手続きをチェック
不動産を保有している親が亡くなると、その子供は法定相続人として相続の手続きを行わなければなりません。
相続に関する手続きの中には、期限が決められているものがあるため、亡くなってすぐに動き出さなければ間に合わない場合もあります。
ここでは亡くなってから相続税の納税を行うまでの流れを、その順番に解説していきます。
法定相続人を確定する
法定相続人とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続する権利を持つ人です。
被相続人が作成した遺言書がなければ、法定相続人が話し合いを行って遺産を分割することとなります。
相続人になるのは子供であり、誰が相続人になるのかを確定するのは難しくないと思っているかもしれません。
しかし、前妻との間に子供がいる場合、隠し子がいる場合など、誰が法定相続人になるのかをめぐって争いになることもあります。
被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取得し、誰が相続人になるのかを最初に確認する必要があるのです。
遺言書があるかどうかを確認する
被相続人が遺言書を作成している場合、相続財産の分割は基本的にその遺言書にしたがって行われます。
一方、遺言書が作成されていない場合には、法定相続人で遺産分割協議を行って分割方法を決定します。
遺言書の有無によって、その後の手続きの流れは大きく変わるため、慎重に確認しなければなりません。
自宅や貸金庫だけでなく、公正証書遺言として公証役場に保管されている場合もあるため、確認しておきましょう。
相続財産(債務も含む)を確認する
被相続人の名義となっている預金口座や不動産、有価証券、自動車などの財産が相続財産となります。
また、金融機関からの借入金や税金・医療費の未払金などがある場合、これらの債務も相続財産となります。
まずはどのような財産や債務があるのか、その内容を確認しておきましょう。
相続放棄するかどうかの判断
おおまかに相続財産の内容が確認できた段階で、検討しなければならないことがあります。
それは、相続放棄や限定承認をするかどうかの判断をすることです。
相続放棄や限定承認の詳しい内容については、後に別の項目を設けて説明しています。
いずれの制度も、利用するには相続開始後3か月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。
亡くなってからの3か月はあっという間に過ぎてしまうため、相続放棄の判断を誤らないように気を付けましょう。
準確定申告
被相続人が不動産所得を得ていた場合など、確定申告をして納税をする必要がある場合は、亡くなった年の1月から亡くなった日までの所得金額を計算し、相続開始から4か月以内に申告・納税をしなければなりません。
なお、被相続人が給与所得者や年金所得者で、確定申告をすることで税金が戻ってくるのであれば、必ずしも4か月以内に準確定申告を行う必要はありません。
遺産分割協議
遺言書がない場合は、法定相続人全員による遺産分割協議を行い、財産の分割方法を決定します。
遺産分割を行う際には、法律で決められた分割方法や分割割合があるわけではありません。
どのように分割しても、すべての相続人が合意するのであれば問題はありません。
決定した遺産分割案については、遺産分割協議書を作成し全員が署名・押印を行います。
相続財産の名義変更
遺産分割協議書を作成して、個々の財産を相続する人が決定したのであれば、相続人の名義に変更することができます。
預貯金であれば金融機関、有価証券であれば証券会社、不動産であれば法務局で名義変更の手続きを行うため、間違えないようにしましょう。
なお、実際には名義変更をいつまでにしなければならないという期限はないため、相続税の申告を終えてから名義変更の手続きを行うことも珍しくありません。
相続税の申告・納付
相続税の申告書は、被相続人の住所を管轄する税務署に提出します。
また、相続税が発生している場合には、税務署に納付しなければなりません。
相続税の申告・納付の期限は、相続が開始してから10か月以内となっています。
申告期限を経過してしまうと、ペナルティとして加算税や延滞税を納付しなければならないため、期限までに申告・納付を確実に終わらせる必要があります。
不動産の相続にかかる税金と費用
不動産を相続する際には、相続税の計算対象になるのはもちろん、それ以外にも税金や費用が発生します。
不動産を相続した場合に必要となる税金や費用とその計算方法についてまとめました。
不動産を相続した場合にかかる相続税
相続財産を相続した場合に発生する相続税は、すべての相続財産の金額を求めたうえで計算するため、例えば5,000万円の土地を相続した場合にはいくらの相続税額が発生するか、というような形で計算することはできません。
そこで、不動産を相続した場合に発生する相続税を知るうえで重要な2つの点について確認しておきましょう。
土地の評価額の計算方法には2種類ある
相続税を計算するうえで重要なのが、土地の相続税評価額を計算することです。
土地の相続税評価額の計算方法には2種類があり、1つは路線価方式、もう1つが倍率方式です。
路線価方式とは、国税庁が毎年公表している土地の路線価(1㎡あたりの価格)を用いて土地の評価額を計算する方法です。
路線価図は国税庁のホームページ(https://www.rosenka.nta.go.jp/)で公表されており、路線価の設定されている地域についてはこの方法で評価額を求めます。
一方、倍率方式とは土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて相続税評価額を求める方法です。
おもに郊外などの路線価が設定されていない地域については、路線価方式を用いて評価額を求めます。
相続しても相続税が発生しない場合がある
被相続人の財産を相続した場合であっても、相続税がかからないケースがあります。
相続財産の合計額(相続した債務をマイナスした金額)から、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除の額を控除した残りの額に対して、相続税の計算を行うこととされているためです。
基礎控除の額の方が大きくなれば、相続税が発生しませんし申告書を提出する必要もないのです。
登録免許税はかかるが不動産取得税はかからない
不動産を購入したり贈与を受けたりするなどして新たな所有者となった場合には、法務局で名義変更の手続きを行う必要があります。
この名義変更を行う際には、登録免許税を支払うこととされています。
また、名義変更を行うとその後、不動産取得税という税金が各都道府県から課されます。
しかし、相続により不動産を取得した場合、登録免許税はかかりますが不動産取得税は課されません。
ちなみに、登録免許税の金額は「固定資産税評価額×0.4%」とされているため、例えば固定資産税評価額1,000万円の土地を相続した場合、4万円ということになります。
相続登記を行う際に発生する費用
不動産の名義変更は法務局で行います。
相続登記は自分で行うこともできますが、初めてのことで不安があること、そして自分で行うだけの時間的余裕がないことなどから、司法書士に依頼することが多いと思います。
この場合、司法書士に対する報酬が発生します。
土地の件数や登記内容の複雑さなどにより報酬の額は変わりますが、一般的に住宅の相続登記を行う場合6~10万円程度といわれます。
相続人が複数人いる場合、不動産をどのように相続すればいい?
不動産を相続する時に問題となるのは、複数人の相続人で不動産をどのように分けて相続するのかということです。
というのも、土地などの不動産は現金のように自由に分割することができないためです。
ここでは、実際に不動産を複数人の相続人で分ける際の方法について確認しておきましょう。
現物相続
現物相続とは?
相続財産の不動産をそのまま1人の相続人が相続することを現物相続といいます。
複数人の相続人がいても、不動産がいくつかある場合や、不動産以外の財産が十分にある場合には、不動産をそのまま相続することができます。
また、不動産以外の財産が十分になくても、遺産分割協議ですべての相続人が合意して成立することもあります。
現物分割
現物分割とは?
1つの土地を2つ以上の土地に分筆し、それぞれを相続人が相続することを現物分割といいます。
土地を分筆してから相続することで、すべての相続人にとって平等な相続を行うことができます。
ただし、分筆した土地は価値が下落することがあるほか、面積を均等に分けてもその価値は均等にはならないケースもあるなど、簡単に利用できる方法とはいえない面もあります。
代償分割
代償分割とは?
不動産を相続した人が、ほかの相続人に現金を渡すことで平等な相続を行う方法を代償分割といいます。
相続財産に十分な現金がない場合、不動産を相続した相続人が自分のお金をほかの相続人に渡すことで、結果的にすべての相続人が納得のいく遺産分割を行うことができるのです。
ただ、不動産を相続した人がそれだけの現金を持っていなければ、選択することのできない方法となります。
換価分割
換価分割とは?
不動産を売却し、そのお金を相続人で分割する方法を換価分割といいます。
最終的にはお金に換えて遺産分割を行うこととなるため、どのような割合にも分けることができますが、一方で不動産は手放す必要があります。
また、不動産を売却した時点で所得税が課されるため、税負担が増えることとなります。
共有相続
共有相続とは?
不動産の形を変えずに、複数人の相続人で1つの不動産を相続することを共有相続といいます。
共有相続した不動産はその後共有財産となり、売却するにしても賃貸するにしてもすべての共有者の同意がなければ利用することができなくなります。
問題を先送りしてしまうだけでなく、より複雑な権利関係を生み出してしまう可能性もあり、共有相続はできるだけ避ける必要があります。
配偶者がいた場合、配偶者居住権も確認しましょう
被相続人の自宅については、配偶者が相続して、引き続きそこで生活することが多いと思います。
相続後の生活を安定したものにするため、2020年4月に新たに設けられた「配偶者居住権」を利用することを検討する必要があります。
配偶者居住権 その内容と制度化された理由
配偶者居住権とは?
被相続人が死亡した時に自宅の土地・建物の所有権を「居住する権利」と「それ以外の権利」に分けて、配偶者が「居住する権利」だけを相続し、「それ以外の権利」を配偶者以外の相続人が相続することができるようにしたものです。
これまでは、配偶者が自宅に住み続けるためには、自宅を相続するしかありませんでした。
しかし、法定相続分どおりに遺産分割を行うと、自宅以外の財産が相続できなくなるなど、配偶者にとって望ましい状態とはなっていませんでした。
そこで、配偶者居住権だけを相続して自宅に住み続けることができるようにする一方で、ほかの財産も相続できるようにしたのです。
配偶者居住権を利用した場合の具体例
相続財産が自宅の土地・建物3,000万円と預金3,000万円の合計6,000万円であり、相続人が配偶者と子供1人であった場合を考えてみます。
配偶者が法定相続分1/2として自宅の土地・建物を相続すると、預金を1円も相続できないこととなってしまい、住む場所は確保できても安心して相続後の生活を送ることはできませんでした。
また、子供が自宅を相続した場合、配偶者は生活費を確保することはできても住む場所がなく、息子との同居を選択したとしても大きな不安を抱えた状態となります。
そこで、自宅を配偶者居住権とそれ以外の権利に分けます。
仮に配偶者居住権が1,500万円、それ以外の権利が1,500万円とした場合、配偶者が配偶者居住権と預金1,500万円を相続し、相続後の住む場所と生活費の両方を確保することができます。
借金などが多い場合 相続放棄・限定承認も確認しましょう
亡くなった人の財産を相続する場合はプラスの財産だけでなくマイナスの財産、つまり借金なども相続人が引き継ぐこととなります。
借金を引き継いだ相続人は、被相続人に代わってその借金を返済しなければなりません。
借金の額が多い場合には、その借金を相続しないで済むように相続放棄や限定承認を行うこともできます。
相続放棄
相続放棄とは?
相続人が相続財産に対するすべての権利を放棄することです。
相続放棄することで、借入金などの債務を引き継がなくてもよくなりますが、不動産などの財産を相続することもできなくなります。
相続財産の内容を確認して、財産より債務の方が明らかに大きく、また絶対に相続したい財産がないのであれば、相続放棄する方が相続人にとってメリットがあります。
相続放棄するためには、通常、被相続人が亡くなってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
相続放棄すべきと判断した人は、単独でも相続放棄することができ、相続放棄した人以外の相続人で遺産分割協議が行われることとなります。
限定承認
限定承認とは?
プラスの財産の範囲内で債務を相続するものであり、財産の額を超える債務については引き継がないこととする制度です。
どうしても相続したい財産があるが借入金などもある場合に、相続したい財産だけを相続することができます。
限定承認は、被相続人が亡くなってから3か月以内に、すべての相続人が共同で家庭裁判所に申し立てる必要があります。
1人でも限定承認に反対する相続人がいると、手続きを進めることができません。
そのため、相続人にとってメリットがある一方で、利用するためのハードルが高い制度ということができます。
借入金がなくても相続放棄が効果的な場合も
不動産を相続することは、必ずしもいいことばかりではありません。
土地や建物を相続して保有することとなれば、毎年固定資産税がかかりますし、実際に利用していない不動産であっても修繕費などの維持費はかかります。
一方で、売却しようにも買い手がつかないような物件もあるため、不動産を相続することがマイナスと考えられるようなケースもあるのです。
借入金などの債務がなくても、相続放棄することはできます。
不動産を相続する場合には、実際にどのような物件なのかを把握したうえで、相続放棄が選択肢となることもあるのです。
不動産にかかわる相続税の節税方法
不動産を相続する場合、土地や建物の評価額は高額になるため、相続税の負担が大きくなります。
一方で、不動産を相続した人は、ほかの相続人とのバランスを考えると現金や預金をそれほど相続できない場合もあるため、相続税の支払いに苦労するケースがあります。
そこで、相続税の計算を行う際に利用できる節税方法について解説していきます。
ここにあげた節税を利用できるよう、遺産分割や遺言書の方法から確認するようにしましょう。
小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは?
相続する土地の評価額を減額することで、相続税の額を減らすことができる制度です。
ただし、どのような土地であっても減額が認められるわけではありませんし、被相続人がその土地をどのように利用していたかによって、減額される割合や面積も変わります。
どのような状態の土地を相続すると減額が認められる割合や面積はどこまで認められるのか、まずは以下の表で確認していきます。
土地の種類 | 限度面積 | 限度割合 |
---|---|---|
被相続人が住んでいた土地(特定居住用宅地等) | 330㎡まで | 80% |
被相続人が営んでいた事業用の土地(特定事業用宅地等) | 400㎡まで | 80% |
被相続人が所有するアパート等の敷地(貸付事業用宅地等) | 200㎡まで | 50% |
それぞれの内容や注意点について見ていきましょう。
特定居住用宅地等の場合
被相続人が住宅として使っていた土地、あるいは被相続人が所有し生計を一にする親族が住宅として使っていた土地が対象となります。
特定居住用宅地等に該当する場合、被相続人の配偶者が相続するのであれば、配偶者がその土地に住んでいなくても適用を受けられます。
一方、被相続人と同居していた親族が相続した場合には、相続後もその土地に住み続けるのであれば適用されます。
また、相続が発生した時点で被相続人と一緒に住んでいなかった親族であっても、自分で所有する家に住んでいない場合には適用を受けられる場合があります。
特定事業用宅地等の場合
被相続人が事業に使っていた土地、あるいは被相続人と生計を一にする親族が事業に使っていた土地が対象となります。
特定事業用宅地等に該当するためには、相続開始3年前より以前からその土地で事業を営んでいること、そして、土地を相続した人が相続税の申告期限までその事業を継続して営んでいることが必要です。
ただし、事業に使用している減価償却資産の価額によっては、相続開始前3年以内に事業を開始した場合であっても適用が認められます。
貸付事業用宅地等の場合
被相続人がアパートなどを建てて不動産貸付業に使っていた土地、あるいは被相続人と生計を一にする親族が不動産貸付業に使っていた土地が対象となります。
アパートなどの建物に限らず、駐車場として利用するために土地の上に構築物がある場合も、対象に含まれます。
貸付事業用宅地等に該当するためには、相続開始3年前より以前からその土地で不動産貸付業を営んでいる必要があります。
また相続人が、相続税の申告期限まで継続して不動産貸付業を営んでいる必要があります。
配偶者控除
配偶者控除とは?
相続税における配偶者控除とは、相続財産のうち配偶者が相続した財産が、配偶者の法定相続分か1億6,000万円のいずれか大きい方の金額までは相続税が課されない制度です。
相続税の配偶者控除については、特に「配偶者の税額軽減」ということもあります。
相続財産の額が1億6,000万円以下の場合には、配偶者がすべてを相続することで相続税の額をゼロにすることもできます。
そのため、非常に節税効果の大きな制度となっています。
配偶者控除の要件
相続税の配偶者控除の適用を受けるためには、いくつかの要件を満たさなければなりません。
節税の効果が大きい一方で、その要件がいくつも定められているのです。
⑴法律上の婚姻関係がある配偶者が相続すること
実態は法律上の配偶者と変わりがなくても、事実婚、あるいは内縁関係にある場合は配偶者控除の適用を受けることができません。
一方、法律上の配偶者であれば婚姻期間に定めはないため、亡くなる直前に籍を入れた場合でも、配偶者控除を適用することができます。
⑵意図的に財産を隠していないこと
相続財産を隠して相続税の申告を行い、重加算税が課された場合には、その財産について配偶者控除の適用を受けることはできません。
⑶遺産分割が確定していること
遺産分割が確定していなければ、配偶者が相続する財産が確定しないため、配偶者控除は適用されません。
相続税の申告期限である10か月以内に遺産分割が確定しない場合には、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付して税務署に提出します。
⑷相続税申告書を提出していること
配偶者控除を適用することによって、相続税が発生しないことがあります。
しかし、配偶者控除を適用するためには申告書を提出する必要があるため、相続税が発生しなかったとしても相続税の申告書は提出しなければなりません。
配偶者控除を適用する場合の注意点
配偶者控除を適用する場合に、1つ注意しておかなければならないことがあります。
それは、配偶者が相続した財産については、その配偶者が亡くなった際に再び相続財産として相続の対象となることです。
配偶者控除を上限まで適用するために配偶者が大半の財産を相続し、子供が財産をほとんど相続しなかった場合と、配偶者控除を適用しつつ子供も一定の財産を相続した場合とでは、2回の相続で発生する相続税の額が異なり、配偶者控除を上限まで適用しない方がトータルの税負担が少なくなることがあるのです。
2回の相続において発生する相続税の額を、事前にシミュレーションしておくようにしましょう。
おしどり贈与
通称おしどり贈与と呼ばれる制度とは?
婚姻期間が20年以上経過した夫婦間で居住用財産の贈与を行った場合、2,000万円まで贈与税が発生しないこととされる特例です。
暦年贈与の基礎控除110万円とあわせて、2,110万円まで自宅の土地や建物を贈与することができます。
自宅の所有者から配偶者へ生前に贈与しておくことで相続財産の額を減らすことができ、相続税の負担を軽減することができるのです。
空き家特例
空き家特例制度とは?
被相続人が住んでいた自宅を相続しても、その時点で相続人が別に自宅を所有していれば、その建物を利用することはほとんどありません。
そのような場合には、相続した被相続人の自宅を売却することがあります。
被相続人が亡くなるまで1人で住んでいて、今は空き家となった建物やその敷地を売却した場合、要件を満たせば発生した譲渡所得(利益金額)から3,000万円を控除することができます。
建物を売却した場合は、昭和56年5月31日以前に建築されたものであり、マンションなどの区分所有家屋でなく、一定の耐震基準を満たすことが求められます。
また、土地を売却した場合は、建物を取り壊す前及び取り壊した後にその建物や土地を使用していないことが求められます。
このほかにも非常に複雑な要件があるため、適用を考える場合には必ず専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
相続は、ある日突然発生するものです。
しかし、誰の身にも起こることですから、事前に準備できることについては準備をしておきましょう。
特に遺言書を作成しておく、遺産分割についての考えを家族で話し合う、あるいは節税につながる各種制度の適用を受けるために、どのような遺産分割を行うといいのか試算しておくなど、できることはたくさんあります。
相続が発生してから様々な手続きを行うまでの期限が決められているため、慌てないように最善の準備をしておきましょう。
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