9割がエンディングノートを作成していない。一方で、相続対策として、法的効力のある書類を準備している人も
ベンチャーサポート相続税理士法人(東京都中央区 代表税理士 古尾谷裕昭 https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/ )は、「終活の準備状況」に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
<終活の準備状況に関する調査結果トピックス>
- 6割以上が老後資金や住まいの計画を立てているものの、3割は交友関係を整理できていない
- 介護を受けていない70歳以上の男女の91.8%が、「エンディングノートを作成していない」と回答
- 相続の取り決めができていると回答したのは、わずか4割。必要に応じて相続対策の専門家を頼る人も
<調査概要>
- 調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
- 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、現在介護を受けていない70歳以上の男女を対象に実施
- 有効回答数:1,021人
- 調査実施日:2022年12月9日(金)
6割以上が老後資金や住まいの計画を立てているものの、3割は交友関係を整理できていない
現在、介護を受けていない70歳以上の男女1,021人を対象に調査を実施。
まず、「老後の資金・住まいの計画は立てていますか?」と質問したところ、半数以上が「ある程度計画を立てている(53.3%)」と回答し、最多となった。
「しっかりとした計画を立てている(9.5%)」と合わせて、6割以上が老後の資金・住まいの計画を立てていることが明らかになった。
続いて、「交友関係の整理はできていますか?」と質問したところ、3割が「整理できていない(32.0%)」と回答した。
4割は「しっかり整理できている(5.4%)」「ある程度は整理できている(35.2%)」ものの、一方で、3割近くは「整理していない(整理の必要性がない)(27.4%)」と考えていることが分かった。
介護を受けていない70歳以上の男女の91.8%が、「エンディングノートを作成していない」と回答
続いて、エンディングノートの作成状況について調査を実施した。
「エンディングノート(法的効力のある遺言書を除く)」について、91.8%が「作成していない」という結果になった。
6割以上が老後の資金や住まいの計画を立てている一方、「終活」の一つであるエンディングノートの作成をしている人は少ないことが明らかになった。
相続の取り決めができていると回答したのは、わずか4割。必要に応じて相続対策の専門家を頼る人も
「相続について取り決めはできていますか?」と質問したところ、半数以上が「できていない(56.7%)」という結果になった。
相続について取り決めが『しっかりできている』『ある程度できている』と回答した人に、どのような取り決めを行っているのか聞いたところ、
- 遺産(土地と建物)は同居している長男が継ぐことになっている。そのことを知り合いの相続の専門家に相談している(70代/男性/無職/神奈川県)
- FPと相談して、遺産はこうしてほしいといった自分の意思を相続人に伝えた。そのうえで法的効果のある書類の作成を準備している(70代/男性/自営業/東京都)
- 法定相続人ではない者に遺産を分けるために公正証書を作成した(70代/男性/無職/福島県)
- 公証役場に遺言書を預け、毎年娘と孫6人に贈与している。信託銀行と遺産相続整理の契約をしている(70代/女性/パート・アルバイト/愛知県)
- 2人の息子たちに毎年正月に財産目録を作って渡している(70代/女性/専業主婦/兵庫県)
- 遺産相続については妻や子供3人に口頭で伝えてある。我が家は揉めることはないので、エンディングノートに明記する(80代/男性/シルバー人材センター/千葉県)
などの回答が得られた。
相続の取り決めができている人は、必要に応じて公正証書の作成や相続の専門家への相談といった対策を行っていることがわかった。
エンディングノートは、医療や介護などに関する自分の意思を周囲に伝える良い方法である。
ただし、法的効力はないため、相続で揉める可能性がある場合は、生前にしかるべき対策をしておくことが好ましい。
【まとめ】
老後の資金や住まいに関する計画は立てていても、交友関係の整理や相続の取り決めを行っている割合は少ない。具体的に相続を考えた場合は専門家を頼るのも1つの方法か
老後の資金や住まいに関する計画を立てている人は比較的多いものの、「終活」の一つである交友関係の整理を行っている人は、決して多いとはいえない状況である。
特に、エンディングノートを作成している人は1割にも満たない。
相続の取り決めについても、半数以上が「できていない」という結果になった。
一方、相続の取り決めを行っている人は、法的効力のある公正証書の作成や相続の専門家への相談などの対策をしていることがわかった。
専門家からのアドバイス
「エンディングノートを書く3つのメリット」
今回の調査では「エンディングノート」を作成している人は、わずか8.2%で、ほとんどの人が作成していません。
この結果は、エンディングノートの役割やメリットが理解されていないことも影響していると思われます。
そこで、エンディングノートのメリットについて解説していきます。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、自分に関すること、あるいは自分が亡くなった後のことをまとめて記載したノートです。
遺言書とは違い、法的に定められた形式はなく、自由に記載することができます。
エンディングノートに記載する内容は人により異なりますが、延命治療の希望の有無、亡くなった後の葬儀の方法、葬儀に呼んでほしい人のリスト、財産に関することなどを記載するのが一般的です。
エンディングノートの3つのメリット
終活がスムーズになる
一口に終活といってもやるべきことは幅広く、非常に多くのことが関係します。
そのため、終活を始めたばかりの頃は何から始めたらいいか分からず、戸惑うことも多いでしょう。
そこで、エンディングノートを作成して内容を整理することで、終活をスムーズに進めることができます。
例えば、エンディングノートの中で保有している財産の一覧を作成するためには、自分でも財産の内容を確認する必要があります。
預貯金を確認するときに普段使用していない口座があることに気づき、解約することもあるかもしれません。
エンディングノートを作成しながら財産の整理をすることができれば、その後の終活はスムーズに進められます。
医療や介護についての希望を伝えられる
エンディングノートには、亡くなった後のことだけを書くのではなく、亡くなる前のことを書くこともできます。
中でも、医療や介護が必要になった時のことを書いておくのは、非常に有効です。
判断能力が低下した場合、身の回りの世話をするのは、基本的に配偶者や子などの家族・親族です。
ただ、どのような形で介護を行うのか、家族の中でも意見が合わないことがあります。
そこで、将来的に介護が必要になったときに、どのような介護をしてもらいたいかをエンディングノートに書いておくといいでしょう。
そうすれば、家族はエンディングノートに書かれた本人の希望に沿った医療や介護を行うことができるはずです。
相続の手続きをスムーズに進められる
エンディングノートを作成すると、相続が発生した時の手続きがスムーズになります。
例えば、財産の一覧を記載しておくと、家族が財産を把握しやすくなります。
エンディングノートは、遺言書と異なり、法的な効力はありません。
しかし、亡くなる前に意思表示をしておくことで、遺された家族の話し合いはスムーズに進むでしょう。
さいごに
エンディングノートを作成したいと考えていても、どのように作成したらいいか分からないという方も多いでしょう。
相続サポートセンターではエンディングノートの無償提供を行っていますので、ぜひご活用ください。