トヨタ不正車検の疑い、前副店長ら書類送検へ
トヨタ販売店で車検の不正が発覚しました。
「ディーラー車検は安心」と思って依頼した顧客を裏切る行為ですね。
今回の事件では、不正車検を行った販売店や社員が処分されました。
発覚したのは1店舗だけではありませんでした。
車検の不正とは、どのような行為だったのでしょうか。
信頼の高いディーラーが、なぜこのような不正を行ったのでしょうか。
トヨタ販売店で車検不正が発覚
車検不正とは、どのようなものだったのでしょうか。
事件の概要
トヨタ自動車の系列販売会社で、車検の不正が発覚しました。
点検項目の一部を省略したり、法定の保安基準を満たさないのに適合証を作成し、車検を通していたようです。
不正が行われたのは愛知県の販売店で、2018年12月から2021年1月頃に車検を請け負った車が対象でした。
警察によると、不正が行われたのはヘッドライトや速度計に関する検査でした。
該当する店舗は、指定自動車整備事業の指定を取り消されました。
それに加えて、不正に関わった前副店長や元整備士の10名が書類送検されました。
1店舗だけの不正ではなかった
この販売店での不正車検が発覚後、別の販売店でも不正が発覚し、トヨタ自動車は調査を実施しました。
その結果、15社16店舗で不正があったようです。
かなりの数ですね。
2021年9月には、「レクサス高輪」で不正車検があり、指定整備業務取消と整備士が解任されています。
この時の不正車検の対象は、565台にも上ったようです。
整備士1人だけの問題ではないですね。
車検不正問題はなぜ起こった?
多くの販売店で行われた車検の不正。
なぜ不正が、こんなに多く行われたのでしょうか。
車検不正の背景
不正をした整備士などは警察の捜査に対し、「先輩のマネをしていた」、「売り上げのノルマがあった」と話していたようです。
人手不足やノルマ達成などにより時間短縮が求められ、時間がかかる検査を省略するという不正な車検が横行していたようです。
許されることではありませんがその背景には、成果主義などのプレッシャーがあったと考えられます。
顧客の期待
会社に課されたノルマとともに、顧客からの過大な要求も、車検をする現場では負担になっていたようです。
車検は、異常等がなくスムーズに進めば一日で終わるものもあるようですが、不具合が多数出てきた場合には、修理等を含め、検査にも時間がかかります。
それにもかかわず、短時間車検などといった宣伝をするところがあり、車検は早く終わるものといった印象を持つ人もいます。
そのため、顧客が予約時間に遅れてくるなどにより予定がずれて整備士が短時間で作業を行わなければならない状況になります。
顧客側も気を付けるべきところはありますね。
どのような処分が下された?
愛知県の販売店や「レクサス高輪」は行政処分を受けましたが、不正な車検を行っていた他の販売店はどうなったのでしょうか。
取消や交付停止
不正車検を行った店舗のうち1店舗が、指定自動車整備事業の指定取消となりました。
6店舗は車検時の基準適合性を証する「保安基準適合証」の交付停止となりました。
交付停止となると、車検ができなくなります。
指定の取消や交付停止は行政処分です。
不正車検の重大さがよくわかります。
行政処分にならなかった店舗
その他の4店舗は、不正車検の中身が、軽微な違反だったようです。
そのため指定の取消や交付停止などの行政処分はなく、文書警告や口頭注意だけとなりました。
不正の度合いに応じて各店舗の処分が決まったようです。
トヨタの販売店で、車検の不正が発覚しました。
不正を行った販売店は多数あり、不正の度合いに応じで、行政処分という重い処分を受けています。
車検不正の背景には、人手不足やノルマ負荷がありました。
一方で「車検は短時間で可能」といった誤った認識による顧客からの要求も、要因にあるとされています。
安全問題にかかわる車検。
今後は不正がないように店側も客側も、考えていかなければならない問題ですね。