会社設立実績件数 22年:2085件 23年:3006件 最新ご相談件数 2024年10月:429件 | 全国22拠点スタッフ1350名が対応
23年設立実績:3006件 | 前月ご相談 :429件
MENU
close
閉じる

無料
相談

0120-755-878
9~21時/土日祝対応

メール LINE Line

無料相談はこちらから

0120-291-244

【受付】9:00-21:00(年中無休)

無料相談のお申込み

最終更新日:2021/12/16

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の節税を含む4つのメリット

この記事でわかること

  • 中小企業倒産防止共済について理解できる
  • 中小企業倒産防止共済への加入が自分でできる
  • 中小企業倒産防止共済のメリットと注意点がわかる

経営をしていく上で、取引先の倒産は予測しがたいリスクです。

しかし、取引先が倒産したことで自社も連鎖倒産することになりかねません。

このような連鎖倒産のリスクに備えるために、国は中小企業倒産防止共済制度を用意しています。

今回は、中小企業倒産防止共済とはどのような制度なのか、入るとどのようなメリットがあるのか、どのような点に注意すれば良いのかをご紹介します。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは

中小企業倒産防止共済は、連鎖倒産を予防するための共済制度です。

ある会社が倒産したのをきっかけに、取引先の会社も次々と連鎖的に倒産することがあります。

なぜ、ある会社が倒産すると、他の会社の倒産に繋がるのかと言うと、売掛金などの債権の回収ができなくなるためです。

特に中小企業にとって、大口の取引のある企業は良いお客様なので、強い関係を持っていることが多いです。

しかし、その大口の発注をしてくれていた企業がいきなり倒産したらどうなるでしょうか。

大口の発注をしていた企業ですから、売掛金は莫大な金額になるでしょう。

また、ほかの取引先との取引は少ししかないということで、当然売上も減ってしまいます。

売掛金を回収できず、売上も上がらず、経営はかなり厳しくなります。

結果的に、大口の取引があった会社が倒産した後、倒産してしまうことになります。

それで終わりではなく、今度はこの倒産した中小企業をメインのお客様としていた別の会社が、やはり経営に行き詰まって倒産してしまうことがあります。

中小企業倒産防止共済では、連鎖倒産とならないように、取引先の事業者が倒産して売掛金の回収が困難になったときに共済金を貸し付けてもらえます。

中小企業倒産防止共済の運営元は中小機構

中小企業倒産防止共済の運営元は、独立行政法人中小企業基盤整備機構です。

昭和53年に、中小企業の連鎖倒産を防止するために作られた制度です。

昭和40年代後半から、景気が後退したことにより企業の倒産件数が増えました。

中小企業は取引先の数が少ないうえに、財務的な体力もあまりありません。

倒産した企業の影響を受けて、中小企業まで倒産する事例が出てきました。

そこで、中小企業がお互いに助け合えるようにできた制度が中小企業倒産防止共済です。

払い込んだ掛金もしくは被害額に応じて共済金を借り入れることができる

一般的な共済は、保険のような仕組みなので、共済と聞くと万が一の事故があった場合に共済金をもらえると思っている人が多いかもしれません。

中小企業倒産防止共済の場合は、一般的な保険のように、事故があった場合にお金が保険金としてもらえる仕組みはとっていません。

中小企業倒産防止共済では、取引先が倒産した場合に、これまで払い込んだ掛金の10倍か、被害額のいずれか少ない金額を借り入れることができます。

借り入れ金額は50万円から8,000万円までで、5万円単位となります。

なお、借り入れは無利子で、担保や保証人は不要です。

返済期間は借り入れた金額により異なりますが、5年から7年とわりと長期間の設定です。

中小企業倒産防止共済のメリット

中小企業倒産防止共済に加入することのメリットをご紹介します。

中小企業倒産防止共済のメインの役割は、連鎖倒産の防止です。

しかし、それ以外にもさまざまなメリットがあります。

個人事業主でも加入できる

中小企業倒産防止共済は、1年以上事業をしている者で業種や資本金の額などの条件を満たせば個人事業主でも加入できます。

加入資格は以下の図の通りです。

かなり幅広い業種の方が加入することができます。

業種資本金の額または出資の総額常時使用する従業員数
製造業、建設業、運輸業その他の業種3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く。)3億円以下900人以下
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下

引用元:小規模企業共済(中小機構)「加入資格|経営セーフティ共済」

掛金を損金にできる

中小企業倒産防止共済に支払う掛金は、全額を損金として処理することができます。

したがって、中小企業倒産防止共済には節税効果があると言われています。

前納の制度があるので、決算前に向こう1年分を支払ってしまうことも可能です。

年240万円、合計800万円までしか損金に算入できませんが、掛金を支払っておけば連鎖倒産に巻き込まれた時に共済金を借り入れることができます。

また、連鎖倒産に巻き込まれなくても、一時的にお金が必要になった時にお金を借りられます。

総合的に考えると、そのまま預貯金や現金としてお金を持っておくよりは、中小企業倒産防止共済に加入しておいたほうが得策です。

40ヶ月以上加入していると解約時に掛金全額が払い戻される

中小企業倒産防止共済に4ヶ月以上加入していると、解約時に掛金が解約手当金と言う名前で全額戻ってきます。

払い込んだお金が将来戻ってくると考えると、払い込んだお金が無駄にならないので、大きなメリットがあると言えます。

加入後11ヶ月までは解約手当金はありません。

無理のない掛金を設定できる

中小企業倒産防止共済の掛け金は、月5,000円から20万円までかなり幅広く選択できます。

合計の積立限度額は800万円です。

それ以上積み立てることはできません。

掛金を途中で変更できる

経営セーフティー共済に加入後でも、掛金は変更できます。

変更を希望する月の5日までに変更書類を受理してもらえれば、掛金の変更ができます。

掛金は増額・減額のどちらでも対応しているため、掛金を増やしたり減らしたり自由に変更ができます。

もし加入時に設定している掛金を支払うのが大変になったら、変更書類を提出して、金額を減らせば問題ありません。

<strong>加入してからでも、掛金を気軽に変更できるのは大きなメリットでしょう。

中小企業倒産防止共済へ加入するには?

中小企業倒産防止共済に加入するには、中小機構のホームページにある様式と、添付書類が必要です。

添付書類について

後ほど説明しますが、中小企業倒産防止共済に加入するための手続きは、中小機構が委託した団体か、金融機関で行います。

加入手続きをする団体の会員ではなかったり、金融機関との取引が初めてである場合には、事業に関する書類などが必要です。

法人企業の場合は、以下の書類が必要です。

・商業登記簿謄本または登記事項証明書 提示書類
法務局発行の日から3か月以内の原本が必要になります。

・法人税の確定申告書(直近の決算書等の添付書類を含む) 提示書類 
所轄税務署の受付印があるものを提出してください。

・法人税を納付したことを証する「納税証明書(その1)」 提示書類
確定申告書に記載された中間、確定の税額を納付したことを証する領収書で代えることもできます。

個人事業主の場合は以下の書類が必要です。

・所得税の確定申告書(直近の決算書・収支内訳書等の添付書類を含む) 提示書類
所轄税務署の受付印があるものを提出してください。

・所得税を納付したことを証する「納税証明書(その1)」 提示書類
確定申告書に記載された予定、確定の税額を納付したことを証する領収書で代えることもできます。

・確定申告書を作成するときに使用した帳簿等(白色申告書の場合) 提示書類

事業によってはこの他の書類を求められることもあります。

これらの書類と、中小機構が用意している様式3つに記入し、契約します。

様式はホームページ上にアップされています。

  • ・契約申込書(様式 中 101)
  • ・掛金預金口座振替申出書(様式 中 104)
  • ・重要事項確認書兼反社会的勢力の排除に関する同意書

申し込みは委託団体または金融機関の窓口で

書類の準備ができたら、委託団体または金融機関の窓口で手続きを行います。

委託団体は、以下の通りです。

  • ・商工会
  • ・商工会議所
  • ・中小企業団体中央会
  • ・中小企業の組合
  • ・損害保険ジャパン日本興亜株式会社

金融機関の本支店では、以下の種類があります。

  • ・都市銀行
  • ・信託銀行
  • ・地方銀行
  • ・第二地方銀行
  • ・信用金庫
  • ・信用組合
  • ・商工組合中央金庫

お近くの委託団体や金融機関で加入手続きをしましょう。

ただし、一部の金融機関については取り扱いしていません。

詳しくはホームページでチェックしてください。

中小企業倒産防止共済を利用する際の注意点

中小企業倒産防止共済は、売掛金債権等が発生した場合の貸付制度です。

一般消費者むけの事業者など、売掛金債権が発生しない業態の場合は、貸付対象にならないことに注意が必要です。

この共済は、連鎖倒産を予防するためのものですから、そもそも連鎖倒産の引き金となる売掛金がないのであれば、加入する必要も無くなってしまいます。

加入する前に、条件や自社の業態についてはよく検討しておくことをおすすめします。

その他の注意点をご紹介します。

節税効果のある掛け金の金額にしておく

節税効果があるのは、営業利益の額が掛け金の額を上回るときです。

つまり、掛金を支払ったけれども節税にならなかったということにならないように、掛金の金額については支払いやすい金額にしておきましょう。

営業利益が出ていないのに、掛け金も払わなければいけないとなると、肝心の自社の経営を圧迫してしまうことになります。

解約手当金は益金になってしまう

払い込んだお金は、解約すると全部一気に解約手当金として払い込まれます。

もし上限まで積み立てていたとしたら、800万円が雑収入となり、益金に計上されます。

解約手当金を一気にもらうと困る場合は、一部解約をしてちょっとずつ返金してもらいましょう。

解約手当金の入ってくるタイミングを退職金の支払いと揃えるなどして、損金と益金で相殺できるようにしておくのも良いでしょう。

共済金借入の条件として掛け金が取り崩される

万が一、取引先が倒産してしまった場合、共済金を借り入れることができます。

共済金の借入れは無利子ですが、共済金の借入額の10分の1に相当する額が払い込んだ掛金から差し引かれます。

例えば、800万円の掛け金が貯まっているところ、取引先が倒産してしまったので800万円の10倍の金額である8,000万円を借り入れるとします。

そうすると、共済金800万円はまるまる差し引かれてしまいます。

そのため、本当に倒産の危機がある場合など、緊急事態の手段と考えると良いでしょう。

返済方法は

「6か月の据置期間の後、返済期間が5年の場合は54か月、6年の場合は66か月、7年の場合は78か月の均等分割により毎月返済していただきます。
なお、返済期日までに共済金の返済がないと、年14.6%の違約金が課せられます。」

と、かなり細かく指定されています。

つまり返済に関しての自由度はさほどありません。

返済期間は以下の通りです。

借入額返済期間(6か月の据置期間含む)
5,000万円未満5年
5,000万円以上6,500万円未満6年
6,500万円以上8,000万円以下7年

引用元:小規模企業共済(中小機構)「共済金について|経営セーフティ共済」

夜逃げは保証の対象外

取引先が倒産した場合というのは、ホームページで細かく指定されています。

いわゆる夜逃げは対象外になるので、「気がついたら取引先と連絡が取れなくなっていて、どうやら夜逃げされたらしい」という場合は共済金の借り入れを受けることができません。

取引先は、以下の表にある状態である必要があります。

法的整理破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始、特別清算開始の申立てがされること
倒産日:申立てがされた日
取引停止処分手形交換所に参加する金融機関によって取引停止処分を受けること
倒産日:取引停止処分の日
でんさいネットの取引停止処分でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)に参加する金融機関によって取引停止処分を受けること
倒産日:取引停止処分の日
私的整理債務整理の委託を受けた弁護士または認定司法書士によって、共済契約者に対し支払いを停止する旨の通知がされること
倒産日:通知がされた日
災害による不渡り甚大な災害の発生によって、手形や小切手等が「災害による不渡り」となること
倒産日:当該手形等の手形交換日または呈示日
災害によるでんさいの支払不能甚大な災害の発生によって、でんさいが「災害による支払不能」となること
倒産日:でんさいの支払期日
特定非常災害による支払不能特定非常災害(※1)により代表者が死亡等した場合に、弁護士等によって、共済契約者に対し支払いを停止する旨の通知がされること
倒産日:通知がされた日
※1 政府が「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」に基づき指定する大規模な災害

さらに、倒産日から6ヶ月を経過すると共済金の借り入れ手続きができなくなります。

取引先が倒産したかどうか、早めにチェックする必要があるということです。

ちなみに、売掛金や前渡金返還請求権については被害額に入りますが、貸付金や不動産の賃料は入りません。

したがって、自社のテナントに入っていた業者に夜逃げされたので、賃料分を借り入れたい場合には、中小企業倒産防止共済は使えません。

1年以上の事業継続が必要

経営セーフティ共済は、1年以上の事業継続が必要です。

そのため法人設立・開業して1年未満だと、そもそも加入できないので注意しましょう。

40ヶ月未満だと掛金の全額返金はない

経営セーフティ共済は40ヶ月以上継続していれば、解約時に全額返金されます。

しかし40ヶ月未満の解約だと、契約していた期間に応じての減額返金になるので注意してください。

まず納付した月が12ヶ月未満だと、そもそも返金が受けられません。

12ヶ月以上納付をしておかないと、返金すらされないため、加入するなら必ず12ヶ月以上納付してください。

次に納付した月が、12ヶ月以上40ヶ月未満だと、掛金の80~95%しか返金されません。

例えば2年間納付して解約した場合には、納付月が24ヶ月となり掛金85%が返金されます。

この場合は掛金の15%は返金されないため、かなり損をすることになります。

経営セーフティ共済に加入するのであれば、40ヶ月以上は継続納付しないと、掛金の一部が無駄になるかもしれません。

経営セーフティ共済で悩んだら税理士に相談しよう

経営セーフティ共済の加入で悩んだら、税理士への相談がおすすめです。

なぜなら税理士であれば専門家として、適切なアドバイスをもらえます。

経営セーフティ共済のことだけではなく、会社全体の財務状況も考えながら「加入した方がいいのか?掛金はいくらにするべきなのか?」といったアドバイスがもらえるでしょう。

もし節税のため経営セーフティ共済に加入した場合でも、税理士がいれば漏れなく確定申告作業をやってくれます。

経営セーフティ共済は経費として計上できますが、別途書類が必要になるため、税理士に任せるのが安全でしょう。

会社に顧問税理士がいる場合はその人に相談して、もし顧問税理士がいないなら初回の無料相談を利用しましょう。

多くの税理士は初回の相談を無料で受けてくれるので、気軽に相談できます。

まとめ

今回は、中小企業倒産防止共済についてご紹介しました。

掛金の全額が損金になるなど、税制面でメリットの大きい共済制度ですが、注意点もあります。

いずれにせよ、連鎖倒産を防止するために有力な共済ですので、売掛金の多い業態の方はご検討ください。

ページの先頭へ戻る