最終更新日:2025/3/6
代表者事項証明書の記載事項や必要な場面、取得方法を解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
この記事でわかること
- 代表者事項証明書とは何か
- 代表者事項証明書の記載事項
- 代表者事項証明書が必要な場面
- 代表者事項証明書の取得方法と費用
会社の経営や法務に携わる人のほか、会社に関連した訴訟や差押えを検討している人にとって、代表者事項証明書の理解は欠かせません。
一方で、代表者事項証明書が必要になるケースはそれほど多くないため、理解を深める機会が乏しいのも実情です。
とはいえ、代表者事項証明書を理解しないままでは、必要となった場合に何度も手続きをやり直し、費用や労力を無駄に消費してしまうおそれがあります。
本記事では、代表者事項証明書の記載事項や必要な場面、取得方法などについて網羅的に解説します。
必要となった場合に困らないよう、代表者事項証明書について理解を深めておきましょう。
目次
代表者事項証明書とは?
代表者事項証明書(Certificate of Information about Representatives)とは、現に効力を有する、会社の代表者の代表権に関する登記事項の証明書面(登記事項証明書)です。書類のイメージは、下図のようになります。
会社が取引をする際、会社そのものが契約書に署名するなどの行為はできません。そこで会社の代わりに会社としての行為ができる権限(代表権)を行える人が必要です。
代表権のない人の行為は原則として会社の行為ではないため、取引先などは会社の代表者が誰であるかを知る必要があります。
そこで役立つのが、会社の代表者が誰であるかを確認できる代表者事項証明書です。
代表者事項証明書の記載事項
代表者事項証明書の記載事項は、商業登記規則第30条で「会社の代表者の代表権に関する登記事項で現に効力を有するもの」と定められています。
具体的な記載事項は以下のとおりです。
記載事項 | 概要 |
---|---|
会社法人等番号 | 会社などの商人を識別するための12桁の番号 |
商号 | 株式会社◯◯など、会社等の名称 |
本店の所在場所 | 会社の住所 |
代表者の資格 | 代表取締役や代表理事など、会社などを代表する者の法律上の資格 |
代表者の氏名 | - |
代表者の住所 | - |
認証文 | 登記官が代表者事項証明書に付する文言 |
登記官の職氏名 | 登記官の所属と氏名 |
ここからは、上表の代表者事項証明書の記載事項(代表者の氏名・住所は除く)について、それぞれ解説します。
会社法人等番号
会社法人等番号とは、登記簿に記録されている、会社などの商人を識別するための12桁の番号です。登記所ごと、株式会社や合同会社などの商人の種類ごとに、登記記録が作成される順番で番号が付されます。
なお、会社法人等番号(12桁)と国税庁長官が指定する法人番号(13桁)とは、それぞれ異なる制度に基づく番号です。前者は商業登記法、後者は番号法・マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)に基づきます。
もっとも、法人番号は会社法人等番号(基礎番号)の前に1桁の検査用数字(チェックデジット)を付した番号であり、両者は似通っています。
商号
商号とは、会社の場合はその名称、会社でない場合はその商人の氏名その他の名称です。例えば「ベンチャーサポートコンサルティング株式会社」は商号にあたります。
本店の所在場所
本店の所在場所とは、会社の住所のことです。定款では本店所在地を最小行政区画までの記載にとどめていても、代表者事項証明書などの登記事項証明書では、地番(◯町◯番地◯)や住居番号(◯町◯番◯号)まで記載されています。
代表者の資格(代表取締役、代表理事など)
代表者の資格とは、会社などを代表する者の法律上の資格です。
会社そのものが訴訟や契約締結といった行為をすることはできないため、代表者には会社に代わって訴訟で主張をしたり、契約を締結したりなどの行為をする権限(代表権)があります。
代表者の資格の具体例は、以下のとおりです。
法人の区分 | 代表者の資格 |
---|---|
株式会社 | (代表)取締役 |
合名会社 | 業務執行社員(代表社員) |
合資会社 | 業務執行社員(代表社員) |
合同会社 | 業務執行社員(代表社員) |
一般社団法人 | (代表)理事 |
認証文
認証文とは、代表者事項証明書においては、登記官が代表者事項証明書に付する以下の文言のことです。
- これは上記の者の代表権に関して登記簿に記録されている現に効力を有する事項の全部であることを証明した書面である。
裁判所に証拠文書を提出する際は、原則として、原本や正本のほか、認証のある謄本でなければなりません(民事訴訟規則第143条第1項)。
認証文があることで、代表者事項証明書が単に登記簿(原本)の内容を写した謄本であるだけでなく、登記官(権限のある者)が登記簿(原本)の内容と同一である旨の認証をした認証のある謄本という位置付けになります。
登記官の職氏名
登記官の職氏名とは、以下の規定に基づく記載のことです。
- (職氏名の記載)
第37条 登記事項証明書又は印鑑証明書に登記官が職氏名を記載するには、次のようにするものとする。
- 何法務局(何地方法務局)何支局(何出張所)
登記官 何 某
登記官の職氏名の記載により、どの法務局に所属するどの登記官が代表者事項証明書を作成したのかがわかります。
代表取締役等住所非表示措置について
代表者事項証明書には、原則として代表者の住所が記載されます。代表者事項証明書などの登記事項証明書は誰でも取得できるため、誰でも個人情報である代表取締役等の住所を確認できる状態でした。
2024年10月1日からは、一定の要件を満たすことにより、代表者事項証明書などの登記事項証明書に記載される代表取締役等の住所を、行政区画までにとどめる措置を講じることができるようになりました。
例えば、従来は「東京都千代田区一丁目1番1号」と表示されていたものを、「東京都千代田区」までの記載にとどめられます。
代表取締役等住所非表示措置の要件
代表取締役等住所非表示措置を講じるには、対象となる登記の申請において、必要事項を記載した登記申請書や添付書面を提出しなければなりません。申請のポイントは下表のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
対象となる登記の申請 (株式会社の場合) | ・設立の登記 ・本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記 ・代表取締役等の就任の登記 ・代表取締役の重任登記 ・代表取締役等の住所変更の登記 ・代表清算人の就任の登記 ・代表清算人の住所変更の登記 ・解散の登記 ・有限会社や持分会社から株式会社への組織変更登記 |
登記申請書に記載すべき内容 | ・代表取締役等住所非表示措置を講じるよう申し出る旨 ・対象者の氏名 ・対象者の住所 |
添付書面 | ・株式会社が受取人として記載された、本店の所在場所宛ての配達証明書及び郵便物受領証等 ・住民票の写し等 ・実質的支配者の本人特定事項を証する書面(司法書士等の資格者代理人が作成した関連記録の写し等) |
例えば、株式会社設立の登記申請においては、当該措置を講じるよう申し出る旨と代表者の氏名・住所を記載した登記申請書に配達証明書と郵便物受領証、住民票の写し、司法書士が作成した実質的支配者の本人特定事項に関する記録の写しを添付して申し出ます。
上場会社の添付書面は、上場情報が掲載された金融商品取引所のホームページの写しで足ります。
代表取締役等住所非表示措置のメリット
代表取締役等住所非表示措置を講じることで、代表取締役等のプライバシーが保護されます。プライバシー保護によって生じうる具体的なメリットは以下のとおりです。
- 住所公開への抵抗感なく起業ができる
- ストーカー等の被害を防止できる
- 過度な営業行為を防止できる
代表取締役等住所非表示措置のデメリット
代表取締役等住所非表示措置を講じると、登記事項証明書や登記情報提供サービスでは会社代表者の住所を証明できません。
したがって、不動産取引や金融機関との取引では、取引先において会社の代表者住所の特定が困難となり、別途印鑑証明書などの提出を求められる可能性があります。
また、以下の2点にも注意が必要です。
- 措置を講じていても官公署からの請求があると住所の情報が提供される場合がある
- 利害関係人には住所の情報が提供される場合がある
代表取締役等住所非表示措置を講じるかどうかは、企業取引において別途書類の提出を求められる可能性があるデメリットも認識しつつ、慎重に検討しなければなりません。
代表者事項証明書と他の証明書との違い
代表者事項証明書と以下の証明書について、違いを解説します。
- 登記事項証明書
- 履歴事項全部証明書
- 現在事項証明書
- 登記簿謄本
- 会社謄本
- 代表者資格証明書
違いを理解すると、状況に応じてどの証明書が必要なのか特定できます。代表者事項証明書をより深く理解するためにも、ぜひ違いを把握しておきましょう。
登記事項証明書との違い
代表者事項証明書は、登記事項証明書の一種という位置付けです。登記事項証明書は、以下の4種類に分けられます。
種類 | 対象事項 |
---|---|
現在事項証明書 | 現に効力を有する登記事項、会社法人等番号、会社成立の年月日、取締役等の就任の年月日、商号など |
履歴事項証明書 | 現在事項証明書の対象事項に加え、交付請求日の3年前の日の属する年の1月1日から請求日までの間に抹消された登記事項 |
閉鎖事項証明書 | 閉鎖した登記記録に記録されている事項 |
代表者事項証明書 | 現に効力を有する会社の代表者の代表権に関する登記事項 |
履歴事項全部証明書との違い
代表者事項証明書と履歴事項全部証明書はどちらも登記事項証明書ではありますが、証明の対象となる事項(登記事項証明書の種類)に違いがあります。
履歴事項全部証明書とは、履歴事項証明書のうち、対象事項の全部についての証明書です。
一部の履歴事項に限った証明書の交付も請求でき、その場合の証明書は履歴事項一部証明書と呼ばれます。履歴事項全部証明書は、この履歴事項一部証明書と対比する呼び方です。
現在事項証明書との違い
代表者事項証明書と現在事項証明書はどちらも登記事項証明書の一種ですが、証明の対象となる事項(登記事項証明書の種類)に違いがあります。
種類 | 対象事項 |
---|---|
現在事項証明書 | 現に効力を有する登記事項、会社法人等番号、会社成立の年月日、取締役等の就任の年月日、商号など |
代表者事項証明書 | 現に効力を有する会社の代表者の代表権に関する登記事項 |
登記簿謄本との違い
代表者事項証明書と登記簿謄本は、登記された事項を証明するものである点は同じですが、登記簿の原本の管理方法と証明書の作成方法が異なります。
登記簿謄本とは、コンピュータ(磁気ディスク)で管理されていない登記簿(紙)の謄本(全部を写したもの)です。現在は、すべての登記所(法務局)においてコンピュータ(磁気ディスク)で登記簿が管理されています。
登記簿謄本は登記簿を写して作成しますが、代表者事項証明書などの登記事項証明書は、登記記録に記録されている事項を記載し、登記官の認証文を付して作成します。
異なる点 | 登記事項証明書 | 登記簿謄本 |
---|---|---|
原本の管理方法 | 紙 (登記用紙) | コンピュータ (磁気ディスク) |
作成方法 | 原本を写す (謄写) | 登記記録に記録されている事項を記載する |
会社謄本との違い
会社謄本とは、登記事項証明書や登記簿謄本の呼び方の1つであり、代表者事項証明書との特別な違いはありません。ただし、会社謄本というと、通常は代表者事項証明書ではなく履歴事項全部証明書を指します。
代表者資格証明書との違い
代表者資格証明書とは、通常は代表者事項証明書を指すものであり、両者に特別な違いはありません。
法人が市区町村に戸籍の証明書の申請をするとき、窓口で手続きを進める人と法人との関係を確認する書類として、代表者資格証明書の提出を求められる場合があります。
また、法人が原告や被告となる訴訟を提起する際なども、資格証明書として代表者事項証明書などの提出が求められます。
印鑑証明書との違い
代表者事項証明書と印鑑証明書は、証明の対象が異なるほか、取得時の手数料も異なります。
異なる点 | 代表者事項証明書 | 印鑑証明書 |
---|---|---|
証明の対象 | 現に効力を有する会社の代表者の代表権に関する登記事項 | 印鑑など |
手数料 (書面請求) | 600円 | 450円 |
印鑑証明書とは、登記所(法務局)に提出し記録された会社実印(代表者印・登記印・丸印)について、登記官が証明した書面です。
印鑑証明書には、代表者事項証明書には記載されていない代表者の出生年月日が記載されています。
代表者事項証明書が必要となる場面
代表者事項証明書を何に使うのか気になっている人も少なくないでしょう。代表者事項証明書が必要となる場面は、おおむね以下のとおりです。
- 裁判(訴訟)
- 強制執行
- 【従来必要だった場面】抵当権抹消登記の申請
- 【従来必要だった場面】供託
- 各種取引
裁判(訴訟)
代表者事項証明書は、訴訟を提起する際、法人の代表者として訴訟行為を行う資格(地位・権限)があることを証明するために裁判所に提出します。
訴訟能力とは、訴状の提出や主張といった訴訟行為を有効に行うことができる能力(地位)です。法人そのものが訴状を作成して裁判所に提出することはできないため、法人の代わりに訴訟行為を行う人が必要です。
株式会社の場合、会社法第349条第4項のとおり、訴訟行為(裁判上の行為)をするのに必要な資格(地位・権限)は代表取締役となります。
- 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
民事訴訟規則第18条が準用する同規則第15条では、訴訟行為をするのに必要な資格(地位・権限)は書面により証明しなければならないとされているため、その書面として代表者事項証明書などを提出します。
強制執行
差押えなどの強制執行手続きを申し立てる際も、訴訟と同様に資格証明書として代表者事項証明書などが必要です。
- (5) 法人の資格証明書(法務局発行の登記事項証明書)
(債権者、債務者及び第三債務者が法人の場合には、代表者事項証明書を取得してください。ただし、債務名義に記載されている債権者又は債務者の商号や本店所在地から変更がある場合には、新旧の繋がりがつくよう履歴事項証明書等を取得する必要があります。登記事項証明書は最寄りの法務局で入手してください。)
- (発行日から3か月以内のものを提出してください。)
- 引用:大阪地方裁判所
ちなみに、公務員の給与を差し押さえる際、第三債務者の代表者は国家公務員であれば所属官庁の支払権限者の資格、地方公務員であれば知事や市町村長となります。通常、代表者事項証明書は不要です。
【従来必要だった場面】抵当権抹消登記の申請
従来、抵当権抹消登記などにおいては、法人の代表者事項証明書などの登記事項証明書の添付が必要とされていました。
しかし現在では、会社法人等番号を提供することにより、代表者事項証明書などの登記事項証明書を添付する必要はありません。
なお、抵当権抹消登記で金融機関などが作成する委任状の印鑑証明書も、その法人の会社法人等番号を申請書に記載することで添付義務が免除されます。
【従来必要だった場面】供託
供託手続き(供託申請・払渡し請求)では、従来、代表者事項証明書などの資格証明書の添付または提示が必要でした。しかし現在では、登記された法人が供託をする場合には、添付または提示を省略できます。
- 登記された法人の登記情報(以下「登記情報」といいます。)を取得するための登記情報連携の仕組みを構築したことにより、登記された法人が供託手続をする際に添付又は提示を要する代表者の資格を証する登記事項証明書について、その添付又は提示を省略することができるようになりました。
ただし、登記申請中で登記が完了していないときなどは、作成後3カ月以内の代表者の資格を証する登記事項証明書の提示が必要です。
各種取引
金融機関で融資手続きを行う際や、重要な契約を締結する際など、各種取引で代表者事項証明書の提出を求められる場合があります。
代表権がない者が締結した契約は、原則無効です。確実に取引を進め、後の契約トラブルを防ぐためには、代表権のある者と契約交渉を進めていることについて、代表者事項証明書などを通じた確認が欠かせません。
もっとも、代表権がある代表取締役の氏名などは、代表者事項証明書に限らず他の登記事項証明書でも確認できます。
代表事項証明書の取得方法
代表者事項証明書などの登記事項証明書の取得方法は、登記所(法務局)に交付申請書を提出する方法が基本です。
申請書の提出方法にはおおよそ以下の2通りがあるため、それぞれ解説します。
書面 | オンライン | |
---|---|---|
対応時間 | 平日9:00~17:00 | 平日8:30~21:00 |
手数料 | 600円 (郵送なら、別途切手代) | 郵送受取:500円 窓口受取:480円 |
おすすめの方法は、対応時間が長いほか、収入印紙や郵便切手の購入も不要なオンライン交付請求です。
なお、仮に本店が東京にある株式会社であっても、大阪法務局に代表者事項証明書の交付申請をすることは可能です。結局、どの登記所(法務局)に交付を申請しても問題ありません。
書面交付請求
書面交付請求の流れは、以下のとおりです。
- 申請書の様式を取得する
- 申請書に必要事項を記入する
- 収入印紙を申請書に貼り付ける
- 登記所(法務局)に申請書を提出する
1.申請書の様式を取得する
まず、法務局のウェブサイトや窓口で提供されている交付申請書の様式を取得します。
引用:登記事項証明書・登記簿謄抄本・概要記録事項証明書交付申請書(PDF)|法務局
法務局のウェブサイトではPDFとExcel(.xlsx)形式で提供されているため、希望の形式をダウンロードしたファイルをA4用紙に印刷して使用します。
2.申請書に必要事項を記入する
交付申請書に記入する項目は以下のとおりです。特に難しい内容はありません。
項目 | 内容 |
---|---|
申請人の住所、氏名 | 住所と氏名(フリガナを含む)を記入します。 |
商号・名称 | 代表者事項証明書を取得する会社等の商号・名称を記入します。 |
本店・主たる事務所 | 代表者事項証明書を取得する会社等の本店の所在場所を記入します。 |
会社法人等番号 | わかる場合のみ、ハイフン(‐)を付けて記入します。 |
請求事項 | 代表者事項証明書の枠にレ印を付けます。 代表者が2名以上いる場合に一部の者の証明のみを請求するときは、その代表者の氏名をカッコ内に記入します。 |
請求通数 | 必要な代表者事項証明書の通数を記入します。 |
交付通数や交付枚数、手数料、受付・交付年月日の欄は記入不要です。
3.収入印紙を申請書に貼り付ける
記入を終えたら、郵便局などで購入した収入印紙を申請書に貼り付けます。手数料は1通につき600円です。
収入印紙は、郵便局などで購入できます。法務局(証明サービスセンター)で購入できない場合もあるため、提出前に準備しておくのが無難です。
なお、収入印紙に割印や消印をしないように注意してください。
4.登記所(法務局)に申請書を提出する
必要事項を記入し、収入印紙を貼り付けた申請書を、登記所(法務局)に提出します。
提出方法は登記所(法務局)窓口に持参するほか、郵送での提出も可能です。
受付時間(対応時間)は、休日・年末年始を除く平日9時から17時までとされています。
なお、代表者事項証明書の郵送受取を希望する場合、送付用の郵便切手も納付しなければなりません。
代表者事項証明書の交付申請にかかる手数料は600円ですが、郵送提出や郵送受取の場合は別途郵便切手代の負担もあるため注意してください。
オンライン交付請求
オンライン交付請求の流れは、以下のとおりです。
- 申請者情報の登録をする(通常、初回のみ)
- かんたん証明書請求にログインする
- 請求書様式に必要事項を入力する
- 納付情報を入力して請求データを送信する
- 手数料の電子納付をする
なお、申請用総合ソフトと呼ばれる専用ソフトを使う方法もありますが、ここではより簡単に請求できる「かんたん証明書請求」の方法を解説します。
1.申請者情報の登録をする(通常、初回のみ)
まずは、登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)のトップページで「申請者情報登録」をクリックします。
利用規約が表示されるため、内容を確認し「同意する」をクリックしてください。
続いて申請者情報新規入力画面が表示されるため、以下の事項を入力します。
- 申請者ID
- パスワード
- 氏名のフリガナ
- 郵便番号
- 住所
- 連絡先電話番号
- メールアドレス
- 質問/答え
入力を進めるとメールアドレスに認証情報を記載したメールが届くため、記載された認証情報を認証情報入力画面に入力してください。
認証が終わると登録が完了し、登録完了の旨を記載したメールが届きます。
2.かんたん証明書請求にログインする
続いて、「かんたん証明書請求」をクリックし、取得した申請者IDとパスワードを使って登記・供託オンラインシステムにログインします。
3.請求書様式に必要事項を入力する
ログインすると以下のとおり証明書請求メニューが表示されるため、分類「商業・法人」の中の「登記事項証明書(商業・法人)」をクリックしてください。
すると以下のように「会社・法人指定方法の選択」画面が表示されるため、「オンライン会社・法人検索を使う」か「会社法人情報を直接入力する」のどちらかを選択します。
文字コードの差異や入力間違いなどによる請求エラーを避けるためには「オンライン会社・法人検索を使う」の選択がおすすめです。
表示される検索画面では、「商号・名称」や「フリガナ」、「会社法人等番号」の3種類と本支店・事務所の場所で会社・法人を検索できます。
検索をクリックすると結果が表示されるため、対象の会社・法人等の選択ボックスにチェックを入れ、「追加」をクリックしてください。
追加すると画面下部の「選択された会社・法人」欄に表示されます。誤りがないか確認したうえで「確定」をクリックすると、証明書交付請求画面に会社・法人情報が反映されます。
続いて請求事項欄で代表者事項を選択し、通数欄に必要な通数を入力して「次へ」をクリックしてください。
「交付情報の入力」画面が表示されるため、交付方法(「郵送」か「窓口受取」)や交付先(郵便番号、住所、氏名)、登記所などを選択して「次へ」をクリックします。
交付先の氏名・住所などは登録した申請者情報の内容が自動的に反映されているため、必要に応じて修正が必要です。
請求先登記所はすでに管轄登記所が選択されていますが、郵送や受取の便宜を考慮すると、自宅や会社住所に近い登記所の選択をおすすめします。
続いて「入力内容の確認」画面が表示されるため、問題なければ「確定」をクリックしてください。
4.納付情報を入力して請求データを送信する
「納付情報入力」画面が表示されるため、表示されている氏名等に間違いがないか確認し「確定」をクリックします。
続いて「送信確認」画面が表示されるため、「送信実行」をクリックしてください。
5.手数料の電子納付をする
交付請求データの送信後、登記・供託オンライン申請システムの「処理状況照会」をクリックし、続けて「納付」ボタンをクリックします。
「納付」ボタンは、納付情報が歳入金電子納付システムに登録されるまで表示されません。表示されていない場合、時間を空けてください。
「納付」ボタンをクリックすると内容確認(電子納付情報表示)画面が表示されるため、内容を確認し、「電子納付」ボタンをクリックしましょう。
その後、インターネットバンキングをお使いの金融機関を選択し、画面の指示に従って電子納付を進めてください。
インターネットバンキングの契約がなくても、画面に表示されている収納機関番号や納付番号、確認番号を使ってATMで納付することもできます。
代表者事項証明書の取得にかかる費用はいくら?
代表者事項証明書の取得にかかる費用として、請求の方法に応じて以下の登記手数料などを負担しなければなりません。
書面 | オンライン |
---|---|
600円 (郵送は、別途郵便切手代) | 郵送受取:500円 窓口受取:480円 |
受取方法にかかわらず、オンラインで交付請求するほうが負担を抑えられます。
なお、金銭の支払いを求める裁判所の手続きである「支払督促」において代表者事項証明書などの登記事項証明書を取得した際は、上記の費用を手続費用(資格証明手数料)として申立書に記載することで、債務者に負担を求められます。
代表者事項証明書の理解を深めるなら専門家に相談しよう
代表者事項証明書とは、登記されている代表者の資格(代表取締役など)や氏名、住所などが記載された登記事項証明書の一種です。資格証明書と呼ばれることもあります。
代表者事項証明書は訴訟や強制執行などで裁判所に提出するために必要となるほか、金融機関など各種取引先との取引において提出を求められる場合があります。
登記所(法務局)に交付申請書を提出し、手数料を納付することで取得可能です。提出方法は書面の持参や郵送のほか、オンラインでも提出できます。
手数料はオンライン請求の窓口受取では480円、郵送受取では500円です。書面請求では600円分の収入印紙が必要であるほか、申請書を郵送したり証明書を郵送で受け取ったりする場合は別途郵便切手代がかかります。