最終更新日:2023/6/29
2019年になってどう変わった?起業の形から資金調達まで解説
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
起業というと自分には関係のない遠いものだと思われるかもしれませんが、起業にもさまざまな形態があります。
副業も含めると、実は意外と身近な存在なのです。
そこで今回は、起業の新しい形や最新の資金調達の方法など、起業に関するさまざまな情報をお届けします。
起業とは何か
起業と言うと会社を起こすことだと思われがちですが、起業にはさまざまな形があります。
起業について簡単に定義すると、何らかの事業を起こすことといえます。
事業を起こすというと難しそうですが、起業自体は意外と簡単に始めることもできます。
例えば、5,000円で入手したものをフリーマーケットに出したら8,000円で売れたので、売れそうな物を調べて積極的に売ることにした、というのも一つの起業の形です。
起業についてあまり難しく考えすぎずに、自分にできることをまず始めてみるのも大切な第一歩です。
起業の形態は個人か法人
起業の形態を考えた場合、個人か法人のどちらかに分かれます。
個人とは株式会社などの法人を設立せずに、文字通り個人として起業する形態です。
開業届を税務署に出すことで、税務上は個人事業主ということになります。
いわゆるフリーランスも個人事業主に含まれます。
個人といっても必ずしも氏名だけで活動する必要はなく、屋号として会社のように名前を付けることもできます。
屋号の例としては〜スタジオ、〜本舗、〜堂、〜研究所、〜事務所、〜企画などさまざまです。
屋号の付け方に厳密な決まりはありませんが、どのような事業を行っているかが名称から把握できるような屋号を付けるのがおすすめです。
複数人で起業する場合などは、会社などの法人を設立して起業する方法があります。
法人といってもさまざまな形態があり、株式会社、合同会社、社団法人、財団法人、NPO法人などがあります。
起業の姿勢について
起業後にどのように事業を遂行していくか等によって、ベンチャー、スタートアップ、スモールビジネスなどに分けて考えることもできます。
ベンチャー企業という言葉は和製英語であり厳密な定義はありませんが、将来的な大規模化のための成長過程にある中小企業、という意味で使われる場合が多くなっています。
あくまで成長過程であるため、事業の安定感はいわゆる大企業には及ばないものの、独自の技術や革新的なサービスなどによって将来的に大きな成長が見込める企業といえます。
スタートアップとは、一般に新しいビジネスモデルを創出して市場を開拓することに主眼をおいた企業を指すことが多い言葉です。
スタートアップの特徴は、革新的なビジネスモデルを開発し、それを短期間で急成長させることで大きな利益を得ようとする点にあります。
ベンチャー企業やスタートアップはその性質上革新的なサービスやシステムの開発を先行して行うことが多く、起業当初から必然的に多額の資金が必要になってきます。
一方、スモールビジネスとは一般的に小規模なビジネスモデルを指す言葉です。
サロン、医院、事務所などがスモールビジネスの例です。
スモールビジネスの立ち上げ方としては、自分でお金を貯蓄してそれを資金として開業する、銀行などの金融機関から融資を受けて開業するなどが一般的です。
起業時の開業資金について
起業する際に開業の資金としてどの程度の金額を用意しておけばよいかは気になるところです。
どれくらい開業の資金を用意する必要があるかについては、起業の内容やランニングコストなどによってさまざまであるため、一概にはいえませんが、幅としては50万円〜2000万円といったところです。
どのようなビジネスモデルで開業するかにもよりますが、2019年現在におけるビジネスとしては、開業時の資金を大量に集めてから開業するという方式はあまりなく、100万円程度の場合が多いようです。
これは、さまざまな要因によって起業時に必要なコストが低下している傾向にあることが背景にあるといえます。
開業にはさまざまなコストが発生しますが、1人で起業した場合などは、自分さえ我慢すれば人件費の支出をかなり抑えることは可能です。
具体的には、食費をできるだけ安くして切り詰めるなどの方法があります。
開業後に長期間収入が得られない可能性などが心配な場合には、起業後の半年分程度の運転資金を用意してから起業にかかるという方法もあります。
起業する際の人数について
起業する際の人数は事業内容によって変わってきますが、1人〜5人程度に絞っておくと、開業からの事業進行をテンポよく進めていくことにつながります。
人数が多いほどマンパワーも多くなると思いがちですが、人数が多くなるとその分マネジメントにも負担がかかってきます。
多数の人をまとめてきた経験がすでにあれば問題は少なくなりますが、そのような経験がない場合は事業以前のマネジメントでつまづいてしまう可能性もあります。
また、人数が多くなればなるほど、人件費の問題も重くのしかかってきます。
起業する際の人数については、資金と人件費のバランスも考慮しつつ、最初はできるだけ少数精鋭で頑張ることが効率的な方法といえます。
少人数に絞ることで経費を削減しつつ、利益を出せるような仕組みを構築していきます。
売上が伸びて資金等に余裕がでてきたら、業務の忙しさに応じて新たな人員を加えることを検討すると良いでしょう。
起業による生活スタイルの変化
起業前と後では生活スタイルに大きな変化がでてくる場合が少なくありません。
やりたいことに時間を注ぎ込めるようになった、好きなことに打ち込むことで仕事の質が向上した、などが変化によるメリットになります。
一方、変化によるデメリットとしては、仕事について考えなければならない時間が増えて家族や趣味の時間がとれない、勤務中という概念が無くなり常に仕事を意識する必要がある、忙しくて睡眠時間を削ることになった、などがあります。
起業してから全てがスムーズに進行することを期待するのは難しいところです。
利益が上がらないことで生活を切り詰める、睡眠時間を削って業務にあてる、などの負担も覚悟しておく必要があります。
安易に起業するのではなく、収益が上がらない、自分の時間が取れないなどの困難や苦労に直面しても、自分はその業務を続けることができるのか、という観点から起業を考えてみることも大切です。
起業に伴って勉強しなければならないこと
起業後は業務の安定や向上を図るために、さまざまなことについて勉強する必要があります。
まずは自分が起業した業務に関連することを勉強することになりますが、それ以外にも勉強すべきことは数多くあります。
起業に伴って勉強することが有効な事柄としては、経営、マーケティング、人材教育、語学などです。
経営やマーケティングは業務の維持と発展に非常に重要な役割を果たすものです。
人材教育は人材をどのように成長させて利益や発展につなげるかに関わるもので、法人化して複数人を雇用する場合などに特に重要になってきます。
語学は海外のクライアントとやりとりをする、海外のサイトや文献を参照する必要が多い、などの場合に力を発揮します。
外部の相談者を持つことも大切
起業して自分の事業を持つと、どうしても自分の周囲のことを基準に判断してしまいがちですが、外部に相談者がいると、客観的な視点からのアドバイスを受けることにつながります。
事業の当事者になると客観的な視点を保つことは難しく、大事な場面で自分の考えにこだわって失敗してしまうこともあります。
外部から多様なアドバイスを受けることができれば、内部だけでは思いつくことが難しい解決策が見つかる可能性が高くなります。
外部の相談者に相談することが有効な事柄としては、新規事業、人材の確保と育成、資金調達、事業戦略、経営者としての在り方、などです。
起業前にしておくべきこと
起業後にさまざまな事柄に取り組んでいるときや、課題やトラブルに遭遇したときなどは、起業前にしておけばよかったと後悔することが見つかる場合が少なくありません。
一般に起業前にしておくと良いことについては、起業に関連することとそれ以外のことに分かれます。
起業に関することとしては、アルバイトも含む豊富な社会経験、コネクションや人材確保などに役立つ人脈づくり、事業に関連する市場の調査、マネジメント経験などがあります。
起業に直接関係しないが重要なものとしては、体力づくりや健康の維持、家族との時間、留学の経験などです。
起業で失敗しがちなこと
起業後に失敗しがちなこととして、まずは資金関係があります。
事業に必要な資金が不足している、キャッシュフローが不健全、経験不足による経理の誤り、消費税の支払いなどが考えられます。
次に、経営者としての失敗があります。
ワンマンになって視野が極端に狭くなる、初心を忘れて傲慢になり人が離れていく、などがあります。
逆に、周囲の意見に振り回されすぎてしまう場合もあります。
また、健康の悪化や事件に巻き込まれる場合もあります。
働きすぎによって心身の健康を損なう、詐欺や持ち逃げ、横領などの被害にあうなどです。
優れた起業家の特徴
起業が上手く行っている場合にどんな特徴があるのかを見ていきます。
経営者自身の能力としては、決断力と行動力に富む、さまざまなシチュエーションに対応する力がある、志が高く努力家で周囲を魅了し、進むべき道のイメージを自ら描くことができる、プレゼンテーションが得意である、などです。
経営者の人柄としては、仲間や顧客とのコミュニケーション能力が高い、人間としての温かみがある、人を巻き込んだり魅了したりするようなカリスマ性がある、他人に仕事を効率よく任せることができる、などがあります。
事業の特徴としては、業務の単価が高くても依頼がある、市場に関する鋭利な感覚がある、情報収集に長けている、経営者の右腕となるようなブレーンがいる、などです。
上記のような優れた能力や特徴を最初から全て持っている必要はありませんが、時間をかけてでも少しずつ獲得していこうとする意識が大切です。
起業後に大切にすべきこと
起業後に大切にすべきこととして、信頼があります。
およそあらゆるビジネスを底で支えているのが信頼という概念です。
一度信頼を失ってしまうと、事業のさまざまな部分で綻びや支障がでてきます。
信頼を確保し維持するための秘訣はさまざまですが、基本的な姿勢としては納期の厳守、約束事を覆さない、裏切りをしない、問題を先延ばしにしない、犯罪に関わらない、コンプライアンス遵守、などが重要です。
起業に便利なサービスについて
起業するのに便利なサービスとして、コワーキングスペースとクラウドサービスを見ていきます。
コワーキングスペースとは
起業するにあたっては、従来は起業から時間をかけずに事務所として用いる場所をできるだけ早く確保するのが一般的でした。
自宅を事務所にするという方法もありましたが、それも資金に余裕のない開業当初の話であって、いずれは自宅とは別に事務所を得る、という考え方が根底にあります。
その一方で、事務所を確保するには多くの費用がかかります。
事務所用の物件を賃貸するのがオーソドックスな方法ですが、初期費用として敷金や保証金を支払うだけでもかなりの出費になってきます。
加えて、事務所を借りれば月々の家賃の支払いも重くのしかかってきます。
できるだけ失敗せずに経済的な負担を少なくして起業するためには、起業当初の初期費用をおさえるだけでなく、固定費になるようなものをできるだけ持たずに経営を行うことがポイントになります。
そんなときに便利なのがコワーキングスペースです。
コワーキングスペースは複数人で共有する仕事場やオフィスといったもので、ワーキングスペース、Wifi、フリードリンクなどの設備が備わっているのが一般的です。
個室スペース、法人登記や住所にとして利用可能、会議室やセミナールーム、郵便物や電話の転送、キッチンなどの便利な機能を備えたワーキングスペースもあります。
起業家やフリーランスが増加傾向にあることに伴って、コワーキングスペースのサービスも充実してきています。
地元の企業や産業を活性化させたい自治体などが、コワーキングスペースに関連する支援を提供するケースもあります。
コワーキングスペースの魅力はまずはコストの安さです。
具体的な費用は各コワーキングスペースによって異なりますが、概ね月5,000円〜1万円程度で確保することができます。
事務所を借りる場合に最低でも数万円かかることを考えると、かなりのコストを削減することができます。
また、在宅勤務の場合は孤独感を感じることも少なくありませんが、コワーキングスペースを利用すると、他の利用者との適度な繋がりを持つこともできます。
クラウドサービスを起業に活用する
起業にあたって全ての行為を自分一人で行う必要はありません。
起業家やフリーランスの増加に伴って、起業に活用できる多くのクラウドサービスが登場しています。
起業に役立つクラウドサービスとしては、会社設立に必要な書類の作成、給与管理、勤怠管理、会計サービス、請求書発行、連絡手段としてのコミュニケーションツールなどがあります。
また、クラウドサービス以外にも、法人用のメールアドレスやドメインを取得するサービス、初心者でも操作や管理がしやすいホームページのシステム、仕事用のIP電話サービスなども必要に応じて活用することができます。
起業のための新しい資金調達
起業のための資金調達の方法はさまざまですが、その中からファクタリングやクラウドファウンディングについてご紹介します。
ファクタリングとは
資金調達の方法は多様化していますが、中でも特徴的なのが売掛金を買い取ってもらうファクタリングです。
売掛金とは、サービスの提供や物品の納品がすでに完了しており請求書も出しているものの、先方の都合等によりまだ支払われていないキャッシュのことです。
一般的なファクタリングサービスのメリットは、まだ入っていない売上を現金化することができる、最短で即日入金されるなど現金化までの時間が比較的早い、金融機関と異なる審査方法、売掛先に通知せずに利用できる、などです。
また、現時点で金融機関などの融資が得られていない場合でも、ファクタリングサービスを利用してキャッシュフローを改善することで、将来的な融資を獲得できる可能性を高めることにもつながります。
クラウドファンディングとは
新しい資金調達の仕組みとして浸透してきているものとして、クラウドファンディングがあります。
インターネットを利用して、不特定多数の出資者から少しずつ資金を調達する仕組みです。
例えば、事業資金として100万円が必要な場合に、少数の出資者から資金を融資してもらうことは簡単ではありませんが、インターネットで不特定多数の人に1人100円ずつ出してもらう、というような仕組みになります。
クラウドファンディング(Crowdfunding)の名称は、群衆を意味するcrowdと資金調達を意味するfundingを組み合わせたもので、不特定多数の群衆から資金調達するシステムを表しています。
クラウドファンディングは複数の形式があるのが特徴です。
大きく分けて寄付型、購入型、融資型、株式型、ファンド型などがあります。
寄付型のクラウドファンディングは文字通り寄付形式のもので、事業の資金調達だけでなく被災地や途上国の支援など、特定の目的のための寄付金集めの方法としても活用されています。
購入型のクラウドファンディングは金銭を出資してもらう見返りとして、モノやサービスなどを提供する方式のものです。
例えば、映画制作のための出資の見返りとして先行上映会に招待するなどです。
融資型クラウドファンディングとは、投資を行いたい投資家と資金を必要とする企業等をマッチングさせるプラットホームサービスを利用して資金調達する仕組みです。
株式型クラウドファンディングは購入型に似ていますが、出資の見返りとしてモノやサービスではなく株式が取得できるのが特徴です。
この仕組みを利用することで、投資家は未上場企業の株式に投資できるようになります。
ファンド型クラウドファンディングは、事業等の資金調達のためにファンド(基金)という形態で募集するものです。
融資型に似ていますが、融資型は出資者に利払いをするのに対し、ファンド型は出資から数年後などのスパンで配当するのが特徴です。
例として、1,000万円が必要な事業にファンド型で出資してもらい、成功すれば2年後に配当を出すなどです。
出資者は2年間は利払いなどの利益はありませんが、2年後に出資額に応じた配当を期待できます。
資金調達を狙いやすい環境とは
景気がどのように変動するかによって資金調達の難易度は変化しますが、事業のための資金調達を狙いやすい環境の特徴として以下のものがあります。
- ・国や地方自治体が起業に関連する支援や補助金などの政策を実施している
- ・大手を中心に既存の企業の資本に余裕がある一方で、新規事業や投資のためのアイデアが不足しており、出資先を探している
- ・マイナス金利の影響などにより金融機関の競争が激化しており、融資先を求めている
起業のさまざまな方法について
社会や価値観の多様化に伴って、起業するための方法も多く登場しています。
そうしたさまざまな方法をご紹介します。
サラリーマンが会社の後継者になる時代
高齢化の進行によって、老舗の中小企業などを中心に多くの企業が後継者が見つからないことに悩んでいます。
ゼロから事業をスタートして短期間で利益を出すことは簡単ではありませんが、すでに存在している会社の事業を引き継いで経営者になれば、起業に必要なコストを大幅に軽減することも不可能ではありません。
経営学をきちんと学んだ経験がなければ事業の後継者になれないと思われるかもしれませんが、例えば自分が給与所得者のサラリーマンであっても、培った経験を経営に活用することは可能です。
起業の形はさまざまですが、既存の企業を未来に存続させること自体にも大きな意味があることから、企業を承継する形での起業は注目すべき形態といえます。
副業として起業してみる
従来は副業を禁止する企業が少なくありませんでしたが、終身雇用制度の崩壊に伴って副業を解禁する大手企業も増えてきました。
また、必要な分野に人材を採用することが難しい小さな会社などを中心に、事業の中核の部分以外は外注することも多くなっています。
雇用されている仕事を辞めて起業することが難しい場合には、リスクの少ない副業から初めてみるのも一つの方法です。
オンラインでスクールやサロンを始める、ショップを経営する、アフィリエイトで稼ぐなど、副業の方法は多くあるので、自分が興味のある分野から始めてみるのがおすすめです。
これまで自分が経験したことのない分野に挑戦するのも一つの手ですが、本業で培った経験を生かしてアドバイザーやコンサルテイングを実施する方法もあります。
副業が解禁された企業で働いている場合など、本業の勤務時間が終了した後に顧問として別の企業をサポートする形での副業も可能になってきます。
SNSを活用して起業する
高度な専門知識やスキルなどがなくても、スマートフォン1台で起業できる時代が到来しています。
ポイントはSNS系のサービスを活用することです。
子供が将来なりたい職業としてyoutuberを挙げるなど、スマートフォンと自分の個性を元手に起業を始めることも不可能ではありません。
SNSを活用して起業するメリットは、元手がほとんどかからないことです。
また、個性次第で大きな利益を獲得できる可能性もあります。
また、従来のマーケティングだけではモノやサービスが売れなくなった企業も、個人の個性や才能に着目したマーケティングやサービスに注目していることから、SNSを用いた起業は大きなチャンスを秘めているといえます。
さまざまな起業家が登場している
起業家というと強力なリーダーシップを発揮できる指導者というイメージがありますが、昨今はさまざまな方が起業して活躍しています。
シニアによる起業
シニア起業とは、一般に定年退職または早期退職した給与所得者のシニア層が、新たな働き方として起業することを指します。
シニア起業を決意する理由はさまざまですが、ITなどの技術の急激な発展によるビジネスの形の転換、働き方改革によるビジネスモデルの多様化、定年が近づいたことで今後の自分の人生を改めて見つめた結果、などがあります。
シニア起業として立ち上げるビジネスモデルはさまざまですが、成功しやすい方法としては、前職で培ったノウハウや人脈を活用することです。
銀行員としての経験を生かして経営コンサルタントになる、多数の営業先を生かして前職で取り扱っていた商品の販売代理店になる、海外での駐在経験を生かしてインバウンド事業を行う、記者が独立してフリーのライターになるなどです。
女性による起業
社会のさまざまな場面において従来よりも女性が活躍しているシーンが増えており、女性による起業というケースも少なくありません。
女性による起業の特徴としては、女性視点による斬新な商品やサービス展開、痒いところに手が届くようなサービスの提供、財布を預かる経験を活用した堅実な経営感覚、などが挙げられます。
シニアによる起業と同様に、前職での経験を生かした起業も優良なビジネスモデルになる可能性が高いですが、主婦の方も消費者目線でのマーケティングやSNSの駆使など、起業家として成功するチャンスは多くあります。
また、趣味の延長で起業してみることも良いスタートになります。
学生による起業
学生による起業とは、大学生を中心とした学生が起業する形態です。
スマートフォンでSNSなどのインターネットサービスを活用することで、高校生などが自分の個性を生かして楽しみながら起業する場合もあります。
学生が起業するメリットとしては、一般的な社会人に比べて比較的自由な時間を多く取れることが挙げられます。
豊富な時間をフルに活用することで、少ないマンパワーで驚くような成果を引き出す可能性があります。
また、学生という立場の間に起業することで、資金調達、組織作りとその運営、起業立ち上げ、モノやサービスの営業、マーケティングなど、多くのことを経験することができます。
大学のサークルを足がかりに起業する、起業を見据えた単位取得や勉学を行う、なども可能です。
また、仮に学生としての起業が上手く行かなかったとしても、失敗や挫折から学ぶ、就職活動における人材的価値を高める、人脈を作る、などのさまざまなメリットを得ることにつながります。
地方での起業
地方に移住するモデルとして、進学や就職を機に都市部に移住した人が故郷に戻るUターン、都会に移住した後に故郷に近い地方に移り住むJターン、都市部の出身者が地方に移住するIターンなどがありますが、移住だけでなく起業も行うのが地方での起業の特徴です。
地方で起業することのメリットはさまざまですが、まずは都市部よりも人件費、賃料、テナント料などが安く済むことが挙げられます。
次に、恵まれた環境で起業や事業活動ができることです。
家と職場が近い、豊かな自然環境、浪費する機会が少ない、などのメリットもあります。
また、地域によっては自治体を中心とした補助金やサポート体制なども期待できます。
地方での起業が盛んになることは、起業の土台となった地域社会や地方自治体にとってもメリットがあります。
新たな産業の創出、雇用の受け皿の発見、都市部への人口流出の防止、町興しの起爆剤などです。
また、シニア、女性、学生による起業が地方で行われることで、それぞれのメリットの相乗効果なども期待できます。
社会起業家とは
起業家の形態の一つに社会起業家というものがあります。
社会の課題を事業によって解決することを重視するのが特徴で、社会の変革や社会問題の解決の手段として起業という手法をとるものです。
起業家は何らかの価値を提供するという点でそもそも社会に貢献する存在であると定義できることから、一般的な起業家と社会起業家を厳密に区別することにあまり意味はありませんが、行き過ぎた資本主義や営利主義を改めて、起業家の本来の重要な目的の一つである、社会貢献や価値提供という観点を重視した存在といえます。
社会起業家にとって重要な要素としては、自分らしい個性や才能を発揮できる能力、社会貢献や新しい価値の創造を実現する能力、ビジネスの世界で通用するための能力、のバランスが大切になります。
おわりに
起業とは何らかの新しい事業を起こすことです。
起業の方法は大きく分けて個人事業主として活動する方法と、株式会社などの法人を設立する方法があります。
昨今はさまざまな方が積極的に起業を行っており、シニア、女性、学生などが起業家として活躍しています。
また、豊かな自然環境などを享受する地方起業も注目されています。
副業も含めて、自分に合った起業の方法を見つけてみてはいかがでしょうか。