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最終更新日:2021/4/9

日本政策金融公庫を利用して自己資金なしで起業する!創業融資の種類や条件


起業には、たくさんのお金が必要です。

必要経費としてかかる分も必要ですが、運転資金として重要なのが自己資金です。

自己資金がないけれども起業したいという方のために、今回は自己資金が無いか少ないときに創業融資を受ける際の注意点をご紹介します。

日本政策金融公庫の創業融資

基本的に、銀行はお金を貸して利息を取ることが収入の一つの柱になっているので、創業時というリスクが高い時期にはなかなか通常の融資をしてくれません。

しかし、政府系列の日本政策金融公庫であれば、創業時に融資をすることに大変積極的です。

日本政府としては、新しいビジネスをする人を応援することで、新しいビジネスが生まれ、社会が活性化することを望んでいるためです。

社会を活性化する一環としての創業支援ともいえます。

日本政策金融公庫の創業融資の種類

日本政策金融公庫は、創業支援メニューという制度があります。

創業支援メニューというのは、いろいろな融資の種類を大まかに分けたものを指します。

創業支援メニューでは、創業前、創業時、創業後で融資の制度が分かれています。

創業前の制度では、創業ホットラインなどの電話相談、ビジネスサポートプラザなどの来店相談があります。

自己資金が無い場合でも、起業をしたい場合はこういった相談制度を利用するといいでしょう。

相談制度を利用すれば、その後の融資でも話が進みやすいです。

創業時の制度では、創業時の融資制度や事業計画書の作り方を指導してもらえます。

創業時の融資制度は、業種、年齢、性別などで違いがあります。

どの融資制度を使ったらいいのか、よく相談することをおすすめします。

創業後の支援としては、事業者をサポートするメールマガジンやセミナー、商談会など主に情報面での支援があります。

日本政策金融公庫の創業融資の注意点

日本政策金融公庫を受けたいという場合、完全に自己資金がゼロであるとさすがに融資を受けられる確率は低いでしょう。

というのも、どのような金融機関であっても計画性がなかったり、うまくいく見込みがなかったりするとお金を貸そうとは思わないためです。

自己資金の代わりに提供できる不動産などの担保があれば、融資を受けることができる見込みはありますが、ローンを組んで現在支払い中の不動産であるとそれも難しいです。

そこで、日本政策金融公庫の創業融資をできるだけ少ない自己資金で受けるためには、中小企業庁の認定支援機関を経由して創業融資を申し込むことをおすすめします。

認定支援機関では、創業融資を受けるための事業計画書の書き方指導や相談などをしてもらえます。

たとえ今は自己資金が無くても、自己資金を貯める見込みがあれば信用力が高まり、創業融資を受けられる確率がアップします。

銀行の創業融資(信用保証協会も利用する)

創業融資に積極的な民間の銀行でも、融資を受けられる可能性はあります。

ただ、その場合でも全くの自己資金ゼロで、今まで銀行との取引がないという場合は、断られてしまう可能性があります。

そこで利用を検討したいのは信用保証協会です。

信用保証協会とは、保証料を払う代わりに万が一創業する人が返済できなくなった時には返済する人に代わって借入金を返済してくれるという機関です。

もちろん、それで借入金がなくなるというわけではありません。

万が一支払えなくなった場合は、保証協会が建て替えをすることで銀行からの請求はなくなりますが、保証協会からの請求が行われます。

銀行側としては、保証協会がバックについているとなれば信用力があると考えます。

というのも、万が一の時は保証協会が返済してくれるので、銀行側としては背負うリスクが少ないというわけです。

保証協会に入会するには

保証協会は、地域によって様々な名前がついています。

各都道府県に1協会ずつ存在する以外にも、横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市には市内だけを対象とする信用保証協会があります。

信用保証協会を利用するには、直接協会に申し込むか、銀行経由で申し込むという方法があります。

信用保証協会を利用することのメリットは、借り入れがしやすくなることのほかに、借り入れの期間を長くとることができるという点が挙げられます。

信用保証協会がつくことによって、信用力が上がるので、銀行としてはそれまで短期間低額融資しかできなかったものが、長期間高額融資をできるようになります。

さらに、銀行の利息は安くなります。

信用保証協会には、利用者が保証料を支払わなければなりませんが、保証料を考慮してもトータルで安く済むという可能性があるわけです。

また、保証料は経費にすることが可能です。

信用保証協会を利用しなくても融資を受けられるのが理想かもしれませんが、自己資金が無いという人の場合は難しいです。

創業までの間にできるだけ自己資金を貯めつつ(全くなければ保証料を支払うこともできません)、最初の融資は信用保証協会の融資を受け、コツコツ返済して銀行との関係を維持していくということが信用構築につながります。

自己資金がない場合の融資を申し込む際の注意点

では、自己資金がない場合に融資を申し込むにはどのような点に注意すべきでしょうか。

利息が高くなる

基本的に銀行は信用力のない人には貸しません。

しかし、担保がある、信用保証協会がつく、事業内容が魅力的であるなどの理由で、貸してくれることがあります。

自己資金がない人の場合、もし貸してもらえたとしても他の人と比較して利息が高くなることは覚悟しておくべきでしょう。

借り入れ金額が低くなる

希望する額の満額の融資がなされないかもしれないということです。

例えば、1,000万円の融資を希望していたとしても、自己資金に問題がありそうだと判断されてしまうと300万円の融資しかしてもらえないこともあります。

やってはいけない注意点:見せ金を作る

いくら融資をしてもらいたくても、絶対にやってはいけないのは見せ金を作ることです。

クレジットカードなど、一時的にお金を借りて、銀行預金に入れて自己資金があるように見せかけるという方法です。

見せ金を作るというのは、うそをつくことと同じです。

銀行としては、創業者自身の資金力がどれくらいあるかということを判断したいわけですから、他から借りてきたお金は自己資金の目安とはなりません。

自己資金がまったくないからといって、他から借りたお金を見せ金に使うことはやめましょう。

逆に、自己資金がないので親や兄弟から贈与を受け、それを自己資金としたというのは問題ありません。

というのも、もらったお金は自分のものですから、それを自己資金にしても差支えないのです。

自己資金は、返済の必要がないお金にしてください。

自己資金がない場合はどうしたらいいのか

それでは、自己資金がない場合は具体的にどうすればよいのでしょうか。

自己資金ゼロを脱する

本当に自己資金がゼロであるなら、創業を後ろ倒しにしてもいいので働いて貯金を作るべきです。

そもそも、自己資金がゼロであるなら、もちろん自分用の貯蓄もないか少ないわけで、生活していくうえで何かあったら取り返しがつかなくなってしまいます。

一人で会社を作るのであれば、創業者は体が資本です。

健康でなければ会社を維持できません。

そして健康を維持するためにはお金が必要です。

また、健康にいくら気を付けていても、事故に巻き込まれてしまうこともあり、危険はつきものなのです。

自己資金は、最初の投資として必要になる以外に、運転資金として必要なお金です。

目安としては100万円あれば、銀行に創業融資の話に乗ってもらえる可能性があります。

ただし、100万円の自己資金をゼロから貯めるというのは、一般的な収入の範囲では時間のかかることです。

では、その半分の資金ではいかがでしょうか。

50万円を目標に貯金をしましょう。

それと並行して、以下で紹介する方法をとることで自己資金アップを目指してください。

共同経営者に出してもらう

自己資金が無い場合で、他の共同経営者がいるならば資金を提供してもらってはいかがでしょうか。

共同経営者に出資してもらうことで、自己資金を用意できます。

お金ではなくモノで提供(担保)

不動産など、お金ではないが経済価値があるものを持っているのであれば、担保にできます。

例えば、親から引き継いだ土地はあるが、現金預金はないというケースです。

担保にする価値のある土地であれば、自己資金の代わりに担保として提供できる可能性があります。

カンパを集める

友人などからカンパを集めるという方法があります。

少額ずつかもしれませんが、あなたを応援する気持ちのある人は寄付をしてくれるでしょう。

また、昨今はクラウドファンディングという手段もあります。

ネットを通じてカンパを集めるようなイメージです。

あなたのアイディアが魅力的であれば、たとえ今は自己資金ゼロであったとしてもネットでお金が集まるかもしれません。

そうすれば、自己資金ゼロでどうやって借り入れをすればいいのかと悩む必要もなくなります。

購入済みの設備をみなし自己資金として認めてもらう

すでに購入している設備があるのであれば、自己資金として認めてもらう道もあるかもしれません。

まずは融資を申し込む先の銀行に相談してみましょう。

ビジネスプランコンテストなどで優勝する

創業する前のアイディア段階の話になってしまいますが、ビジネスプランコンテストなどで賞金を得て、それを元手にするという方法があります。

ビジネスプランコンテストで得た賞金は返済の必要がないので、それを自己資金としても問題がないでしょう(特別な規約がある場合は除く)。

女性や若者、中高年というテーマでビジネスプランコンテストが各地で行われています。

応募者の資格が地元の人限定であることもありますが、もしお住いの自治体でビジネスプランコンテストをしている場合は、応募してみてもいいでしょう。

まとめ

今回は、自己資金なしで起業する際に、どうしたら融資を受けることができるのかという疑問にお答えしました。

結論としては、融資を受けることができないかもしれないし、できたとしても条件が厳しい可能性があるということです。

融資を受ける際には、創業前の相談制度や信用保証協会を利用するという方法、自己資金ゼロを脱するなどの工夫をしてみることをおすすめします。

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