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最終更新日:2021/11/19

【比較】個人事業主と法人での税率の違いとは

自分で何らかの事業を始める場合、個人事業主としてスタートするか法人化するかは重要な選択になります。

どちらも事業を行う主体であることは共通しますが、開業までの手続きや費用、支払うことになる税金や経費の計上などは異なるためです。

今回は、個人事業主と法人の違いについて、主に税金の観点から解説します。

開業時の手続きと費用

個人事業主として開業する場合、開業届を所轄の税務署へ提出します。

不備がなければ手続きは当日で終了し、申請のための費用はかかりません。

法人を設立する場合、株式会社と合同会社で費用が異なります。

株式会社は最低約24万円、合同会社は最低約10万円が設立のためにかかります。

発生する費用は大きく分けて会社のルールである定款の作成にかかる費用と、会社の登記にかかる費用に分かれます。

法人の設立に必要な費用の内訳は、以下の表の通りです。

定款作成にかかる費用法人登記にかかる費用
株式会社の費用(円)合同会社の費用(円)
収入印紙代4万(電子定款の場合は無料)4万(電子定款の場合は無料)
謄本手数料20002000
認証手数料5万
登録免許税15万?(資本金 × 0.7%)6万?(資本金 × 0.7%)
費用合計24万2,000円10万2,000円

株式会社と合同会社の費用の違いは、認証手数料と登録免許税の違いにあります。

電子定款にすると収入印紙代が無料になるので、費用を節約したい場合は有効です。

会社を設立する場合、公証人役場で定款の認証を得る、法務局や税務局で法人登記をするなど、様々な手続きをこなす必要があります。

書類の準備や作成だけでなく移動も多くなるので、実費も考慮する必要があるでしょう。

個人事業主と法人が支払う税金

個人事業主と法人が支払う税金については、共通するものとそうでないものがあります。

個人事業主に課される主な税金は4種類で、法人の場合は6種類です。

税金の種類の数だけを見ると個人事業主の方が負担が少ないように思いますが、最終的な税額の合計で比較するとそうとは限りません。

特に、個人事業主が支払う所得税と法人が支払う法人税については、同じ所得金額で比べると法人税の方が一般に税率が低くなります。

また、従業員がいる法人の場合は、経営者が1人で多くの所得を得るのではなく、数人で分散して所得を小さくすることが可能なため、最終的な税額を低く抑えやすくなっています。

個人事業主が支払う税金の種類

個人事業主が支払う主な税金には、所得税、住民税、消費税、個人事業税の4種類があります。

所得税とは

所得税は1年間に儲けた経済的な利益に対して課される税金です。

具体的には、1月1日から12月31日までの1年間の売上の合計額から、必要経費などを差し引いた金額になります。

所得税には各種の控除制度があり、配偶者がいる場合の配偶者控除や、家族を扶養に入れている場合の扶養控除などです。

控除制度が適用される場合、売上の合計額から控除の金額を差し引くことができます。

所得税に限らず、税金はその基準となる金額が大きければ大きいほど、課される税金も高くなるのが一般的です。

所得税は必要経費として認められる部分が法人の場合と比べて狭いため、所得が大きいと課される税率も上がりやすいのが特徴です。

所得税として課される税率は以下の表の通りです。

課税対象となる所得金額課される税率
195万円以下5%
195万円超~330万円以下10%
330万円超~695万円以下20%
695万円超~900万円以下23%
900万円超~1,800万円以下33%
1,800万円超~4,000万円以下40%
4,000万円超45%

所得金額に応じて税率が5〜45%まで変化します。

所得金額が高いほど税率は高くなり、最高では所得の半分近くが税金として課されることになります。

住民税とは

住民税とは、住所を有する都道府県と市町村に収める税金で、地方税にあたります。

住民税は都道府県民税と市町村民税に分かれており、2つをあわせて住民税といいます。

住民税はその地域社会のための費用を住民が所得などに応じて負担するもので、都道府県と市町村によって税率は異なるのが特徴です。

住民税には均等割と所得割があり、それぞれを都道府県と市町村に納めます。

均等割は所得に関係なく対象者に一律で課される金額のことで、だいたい5,000円程度です。

所得割は所得に応じて課される金額で、だいたい所得の10%程度が目安になります。

消費税とは

消費税とは、モノやサービスを消費する行為に対して一般に広く課される税金で、間接税にあたります。

消費税の典型例は、まずモノやサービスを売った際に、買った人から消費税分の金額を徴収します。

その後、売った人が支払った消費税分や仕入れにかかった経費などを差し引いたものを、実際の消費税として納税します。

税金を納める義務のある納税者と、税金の支払いを負担する担税者が異なるのが特徴です。

個人事業主は消費税の納税義務者なので、原則として売上などに応じて消費税を納付する必要があります。

もっとも、開業してから2年間は納税が免除され、年間の売上が1,000万円以下の場合は課税されません。

個人事業税とは

事業税は事業に対して課される税金で、個人の事業に対して課されるものを個人事業税、法人の事業に対して課されるものを法人事業税といいます。

個人事業税は全ての個人事業主に対して課されるわけではありません。

事業税の課税対象になるのは法律で規定された70種類の業種のみで、業種に該当しない場合、個人事業税は課税されません。

業種によって具体的な税率は異なりますが、多くの場合は4%程度です。

1年間の事業において一律で290万円が控除されるので、年間の所得がそれ以下の場合、個人事業税は課税されません。

法人が支払う税金の種類

法人が一般に支払う税金の種類としては、法人税、法人住民税、法人事業税、固定資産税、消費税などがあります。

法人税とは

法人税は法人が得た所得に対して課税される税金の種類で、個人事業主の所得税にあたるものです。

法人税と所得税は似ていますが、法人税のほうが所得税よりも税率は低めになっています。

法人税の税率は、課税される所得金額が800万円以下の場合は15%で、所得金額が800万円を超える場合は23.4%です(普通法人の場合)。

法人税の最大税率は23.4%で、所得税の45%の約半分程度になっています。

また、所得が同じ600万円の場合、所得税だと20%なのに対し法人税は15%になります。

法人住民税とは

法人住民税は個人事業主にける住民税に対応するもので、均等割と法人税割によって構成されています。

法人住民税も住民税と同様に、地域によって均等割の金額や法人税割の税率は異なります。

法人住民税については個人事業主よりも多少割高になるのが特徴です。

例えば従業員50名以下の会社の場合、均等割は5万円程度で法人税割が17%程度です。

法人事業税とは

法人事業税とは、法人が事業を遂行する際に利用している道路、警察、消防などの公共サービスについて、経費の一部を負担する目的で都道府県から課される税金です。

都道府県による税金であることから、法人事業税は各都道府県によって税率が異なります。

例えば東京都の場合、課税所得が400万円以下の場合は3.4%、課税所得が400万円を超え800万円以下の場合は5.1%、課税所得が800万円を超える場合は6.7%です。

固定資産税とは

固定資産税とは、土地、家屋、償却資産などの固定資産の所有者に対して、固定資産の評価額に応じて課税される税金です。

固定資産税は個人だけでなく法人にも課されます。

固定資産税の税率は原則として1.4%で、固定資産の評価額に掛け合わせて税額を求めます。

事業を行う法人の固定資産税の対象となる資産としては、事務所や営業所に用いる土地建物などが代表例です。

法人の消費税とは

法人の消費税は個人事業主の消費税と基本的に同じで、税金を納める納税者と実際に支払いを負担する担税者が異なる点も同様です。

法人の消費税については、出資金が1,000万円以下の法人は創業から2年間の納税が免除されます。

また、期間中の売上高が1,000万円以下の場合は消費税が免除されます。

経費とみなせる出費の種類

個人事業主であっても法人であっても、事業のために支出する様々な費用を経費として計上することができます。

計上できる出費についてはその分だけ税額を低く抑えることにつながります。

もっとも、個人事業主と法人では経費として計上できるものの範囲が異なり、一般に法人のほうが経費として認められる範囲が広くなっています。

個人事業主に認められる経費の種類

経費として認められる出費は事業に関連するものです。

以下に、代表的な項目をご紹介します。

消耗品費

業務で使用する消耗品を経費として計上できます。

文房具、PC用品、コピー用品、営業者のガソリン代などがあります。

目安としては、資産として計上する必要がない10万円未満のもの、または使用可能な期間が1年未満のものです。

そのほか、書籍代、新聞、理容代、電話代、プロバイダー費用、事業に役立つセミナー費用など、事業内容によって様々な出費が経費として認められる場合があります。

接待交際費と交通費

接待交際費とは、業務の打ち合わせの際に支出する飲食代などです。

新年会や忘年会にかかった費用も経費の対象になります。

業務に関連して付き合いのある人脈の冠婚葬祭に支出した費用も含まれます。

交通費とは、顧客や取引先との打ち合わせ場所に出向くのに生じる交通費、通勤費、出張旅費などです。

高速道路の料金、コインパーキング等の駐車代、海外出張に必要な保険なども含まれます。

また、実際の交通の際に発生した費用だけでなく、事業の営業車として用いる車両の自賠責保険や任意保険もこれに該当します。

水道光熱費など

事務所として使用している不動産の水道光熱費は、経費として計上できます。

個人事業主の場合、自宅を事務所や仕事場として使用している場合もありますが、事業用に用いる割合に応じて経費とすることができます。

また、事務所を引っ越すための費用も経費として計上できますが、返還される可能性のある敷金は含まれません。

法人に認められる経費の種類

個人事業主に認められる経費については、原則として法人も経費に計上することができます。

加えて、法人の場合は個人事業主に認められない範囲のものも経費計上の対象になります。

個人事業主でも法人でも、従業員を雇用している場合は給料を支払いますが、法人の場合は自分や家族の従業員に対して支払う給料や退職金も、経費として計上することができます。

また、長距離の移動や宿泊を要する出張については、通常の業務とは異なる疲労をねぎらうために日当を支給する場合がありますが、法人では日当が経費として認められます。

住宅費については、物件を会社名義で購入して社宅として貸し出した場合、物件購入の借入金の利息、物件にかかる税金、修繕費用などを経費として計上できる場合があります。

個人事業主と法人の違い

ここからは、個人事象主と法人の違いについて紹介します。

所得税と法人税の違い

個人事業主と法人の違いとして、所得にかかる税金が変わります。

個人事業主の場合は、所得に対しては所得税がかかります。

所得税の税率は金額によって大きく変動して、5~45%の累進課税になっています。

例えば所得が195万円以下であれば税率は5%、所得が4,000万円を超えれば税率は45%になります。

対して法人の場合は、所得税ではなく法人税がかかります。

法人税は年800万円以下の事業所得だと15%、800万円を超えると23.2%になります。

個人事業主の所得税のように、所得金額によって細かく変動はしません。

収入の金額によって個人・法人のどちらが節税できるかは変わってきます。

給与所得控除が使えるのは法人だけ

法人だと、給与所得控除が使えます。

給与所得控除とは、給与をもらっている人が利用できる控除になります。

法人の場合は、代表取締役だとしても会社から給与(役員報酬)をもらっていることになります。

給与をもらっていれば給与所得控除が利用できるため、法人だと自分が代表だとしても給与所得控除が使えます。

対して個人事業主の場合は、給与所得控除が利用できません。

個人事業主として働いていた人が、法人を作ったら給与所得控除が利用できて、大きな節税効果が期待できます。

給与所得控除が利用できるかどうかは、個人事業主と法人の大きな違いになります。

法人は住民税の均等割支払いがある

法人は、法人住民税の支払いがあります。

法人住民税には、法人税割・均等割の2種類があります。

法人税割は法人税の金額によって、住民税の金額が決まる仕組みです。

均等割は、事務所・事業所がある自治体に払う住民税で、赤字であったとしても支払い義務があります。

個人事業主なら、住民税の均等割は発生せずに、住民税はかかりません。

ただし法人の場合は、赤字であったとしても、住民税の均等割は支払う必要があります。

法人化すると2年間は消費税が免除される

個人事業主で年間の売上が1,000万円を超えると、消費税の支払いが発生します。

そのまま個人事業主を続ければ、消費税の支払いをしなければいけません。

ただし法人化すると、2年間の消費税免除を受けられる可能性があります。

「法人化した際の資本金が1,000万円未満」などの条件はありますが、条件を満たせば、大きな節税に繋がります。

個人事業主か法人か迷っていて、年間売上が1,000万円以上ある場合は、法人にしておいた方が節税できるかもしれません。

「年間売上1,000万円」というのは、個人事業主・法人を決める大きな要素になるため、よく検討しておきましょう。

おわりに

事業を始める場合、個人事業主として行うか法人として始めるかは大きなポイントになってきます。

法人化する場合、個人事業主として開業する場合に比べて手間と費用がかかります。

一方、法人として事業を行うと所得税に比べて、法人税は一般に税率が低くなることが多いほか、経費として計上できる範囲も個人事業主より広くなっています。

それぞれの特徴を押さえつつ、事業にあった最適なものを選びましょう。

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