最終更新日:2026/2/10
副業として起業するメリットや注意点とは?税金や手続きについて税理士が解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

- 副業と起業の違い
- 会社員が副業で起業するメリットとデメリット
- 勤務先とのトラブルを防ぐための注意点
- 所得税や住民税などの税金のしくみ
- 個人事業主としての開業手続きの流れ
働き方の多様化が進む中、会社員を続けながら副業として起業する人が増えています。
一般的に起業と聞くと、会社の設立とセットで考えがちです。
しかし個人事業主として小さくスタートし、徐々に事業を大きくしていく形が、本業の合間に行う副業としてはコントロールしやすく、おすすめの事業形態です。
しかし個人事業主として起業した場合も、原則として税務署への開業届の提出や確定申告は必要になります。
安易に起業すると、勤務先の就業規則違反や税務上の申告漏れといったトラブルを招く恐れがあるため、事前の準備が不可欠です。
本記事では、副業起業のメリットや注意点、必要な手続きについて税理士が詳しく解説します。
なおこの記事では、副業として起業する際の実務での注意点を中心に解説しています。
副業のアイデア例などをお探しの方は、以下の記事をご確認ください。


目次
副業と起業の違いとは
副業とは、本業以外の収入を得る活動の総称です。
一方で起業とは、自身が主体となって新しく事業を始めることを指します。
会社員が取り組む副業には、アルバイトのように他者に雇用される形態と、自分自身で事業を営む形態の2種類がありますが、後者がいわゆる副業としての起業に該当します。
この場合、自分は労働者ではなく事業主となり、税務署への開業届の提出や毎年の確定申告を行わなければいけません。
副業として起業するメリットとデメリット
会社員の身分を維持したまま起業することには、経済的なリスクを抑えながら事業を成長させられる利点がある一方、自己管理の徹底が求められます。
具体的なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
副業として起業するメリット
- 生活基盤の安定:収入が増え、副業の売上が少ない時期も本業の給与収入があるため、生活が困窮しない
- アイデアを検証できる:副業として小さく始めることで、自分の事業アイデアのニーズを確かめられる
- 信用・人脈・学びを本業側から得られる:本業で培った信用や経験が、商品設計・顧客理解・営業トークに活かせる
副業として起業するデメリット
- 顧客対応のタイムラグ:本業の勤務時間中は電話対応や緊急の修正依頼に応じられない
- 成長速度の物理的限界:自分の事業に費やせる時間がフルタイムの起業家より少ないため、事業の拡大スピードや市場の変化への対応が遅れる
- 肉体的・精神的な負荷:本来は勤務時間外として休息する時間に副業を行うため、疲労やストレスが溜まりやすい
このように、副業として起業する場合は本業の収入や経験をフルに活かし、リスクの少ない形で起業することができます。
しかし副業に関われる時間は少ないため、事業を大きく成長させることが難しいという側面もあります。

しかし本業を持ちながら副業として起業する場合、本業の方で社会保険に加入していれば、国民保険に加入する必要はないため、副業でいくら稼いでも保険料は上がりません。
こうした保険料の効率性も、副業起業のメリットの1つと言えるでしょう。
副業は法人ではなく個人事業主として始めるべきなのか
副業を始める際には、個人事業主として始めるか、法人を設立するかを選ぶ必要があります。
個人事業主と法人のどちらを選択すべきかは、予想される利益額や社会的信用の必要性などによって決まりますが、多くの副業起業家にとっては、コストと事務負担を最小限に抑えられる個人事業主からのスタートが合理的でしょう。
法人の最大のメリットは、節税の幅が個人事業主よりも広いことです。
しかし、法人化による節税メリットが設立・維持コストを上回るのは、弊社のこれまでの経験則からおよそ年500万円を超えたあたりからです。
それより利益が出ていないうちは、法人を設立したとしても得られるメリットは限定的です。
むしろ設立費用や年間の維持費、決算などの手間が発生するため、デメリットのほうが多いと感じられるでしょう。
まずは個人事業主として開業し、事業が軌道に乗ってから法人化する「法人成り」という手順を踏むことで、不必要な固定費の発生を抑え、着実に事業を成長させることが可能です。
会社設立のメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
副業として起業する際の注意点
副業としての起業は、原則として個人の自由な経済活動である一方、本業の勤務先との信頼関係や契約に基づいた制約が存在します。
就業規則で副業が禁止されているのにもかかわらず隠れて起業し、あとになって発覚した場合、築き上げたキャリアを損なうだけでなく、法的な紛争に発展するリスクもあります。
副業を始める前に、まずは法的・事務的な土台を固めましょう。
本業の「就業規則」などで副業が許可されているかを確認しよう
起業に向けた具体的な準備を始める前に、必ず勤務先の就業規則を詳細に確認してください。
2018年の厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定以降、副業を解禁する企業は増加傾向にありますが、依然として許可制や届出制、あるいは全面禁止としている企業も少なくありません。
参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省(PDF)
副業が制限される4つのケースとは
厚生労働省のモデル就業規則や過去の裁判例に基づくと、会社は原則として副業を禁止することはできません。
しかしその副業の内容によっては、裁判所が副業の禁止を妥当と判断するケースもあります。
2025年のモデル就業規則では、労働者の副業について以下のように記しています。
モデル就業規則
(副業・兼業) 第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
ここであげられている4つの「副業が禁止または制限されるケース」は、単に副業が禁止となるだけでなく、違反した場合に多額の賠償金の支払いなどが発生する可能性もあります。
それぞれのケースの詳しい内容について解説します。
職務専念義務(本業に支障が出るほどの長時間労働)
労働者は、労働契約に基づき、勤務時間中は職務に全力で取り組む義務を負っています。
これを職務専念義務と呼びます。
副業による身体的・精神的な疲労によって、本業の業務遂行能力が著しく低下する場合、この義務に違反したとみなされる可能性があります。
たとえば社員が副業に力を入れすぎて本業に遅刻したり、寝不足によってミスが多発するなどの悪影響がある場合、会社は副業を禁止する措置を取り得ます。
秘密保持義務(本業の機密情報の流用)
労働者は、業務上知り得た会社の機密情報を第三者に漏らしたり、自身の利益のために使用したりしてはなりません。
これを秘密保持義務と言います。
起業する場合、本業と同じ業界や類似した領域で事業を行うと、この義務に抵触するリスクが極めて高くなります。
たとえば本業の顧客情報や社外秘の技術、職務上知り得た独自のノウハウや情報を副業に流用すると、秘密保持義務に違反したとみなされます。
また、意図的な情報漏洩だけでなく、自身の事業に活用するPCやクラウドサービスに本業の資料を保存・同期しているだけでも「管理不十分」として指摘を受ける可能性があります。
本業と副業では、使用するデバイスやメールアカウント、クラウドストレージを完全に分離し、データが混在することがないように注意してください。
競業避止義務(本業のライバルになる事業)
労働者は、在職中に勤務先の利益に反して競合する業務を行わない義務を負っています。
これを競業避止義務と呼びます。
たとえば勤務先が提供しているサービスと直接競合する事業を展開し、本業の顧客に対して同種の契約を提示したり、より安価な条件を提示するなどして会社との契約を打ち切らせた場合などに、この義務に違反したと判断される可能性があります。
このような行為によって会社に実質的な不利益を与えた場合、就業規則違反による懲戒処分を受けるだけでなく、債務不履行や不法行為に基づき損害賠償を請求されるケースもあるため、注意が必要です。
信用毀損(会社の名前を汚す行為)
労働契約を結んでいる以上、本業の時間外であっても、勤務先の社会的評価を低下させる行為は制限されます。
自身の事業内容や発信が「公序良俗に反する」と判断されたり、会社のブランドを傷つけたりした場合、信用毀損として厳格に追求されます。
特にSNSやウェブサイトを通じて個人が特定されやすい現代においては、意図しない形での「炎上」が会社全体の不利益に直結するリスクを孕んでいます。
たとえば違法性が疑われる情報商材や、SNSでの差別的発言などが明るみになり、本業の会社も取引先からコンプライアンス違反を指摘された場合などは、信用毀損として処罰される可能性があります。
これらの賠償額は、損なわれたブランド価値を回復させるための広告宣伝費や、失われた取引による逸失利益に基づき算出され、数百万から数千万円に達するケースもあります。
自身の本名を隠さずに事業を行う場合は、本業の会社名との紐付けが容易になるため、発信内容には細心の注意を払う必要があります。
副業が会社にバレる原因とは
副業の事実が会社に伝わるしくみを理解することは、リスク管理の第一歩です。
特に、公的な税務手続きは個人の意思とは無関係に進行するため、正しい知識に基づいた対策が不可欠です。
住民税の特別徴収
会社員の場合、住民税は給与から天引きされる特別徴収というしくみが原則となっています。
市区町村は、前年の所得(給与所得と副業による所得の合算)に基づいて住民税を計算し、その納税額を会社に通知します。
この際、給与額に対して住民税の額が不自然に高いと、給与計算の担当者に副業の存在を疑われることになります。
このリスクを回避するためには、確定申告時に住民税の徴収方法を普通徴収(自分で納付)にする必要があります。
これにより、副業分の住民税通知は自宅に届くようになり、会社の給与天引き額に影響を与えずに済みます。
ただし、自治体によっては普通徴収を認めず、一律で特別徴収を行うケースもあります。
営業する地域の自治体に確認を取り、運用を確かめてください。
社内での会話・SNSの特定など
事務的な手続きを完璧にこなしていても、社内でうっかり口を滑らせたり、SNSで副業について顔写真付きで投稿するなど、自身の不用意な行動によって副業が露見するケースも後を絶ちません。
特に、事業が軌道に乗り始めた時期の心理的な緩みが原因となることが多々あります。
自身で事業を営む以上、情報の公開範囲を厳格に管理するか、特定されても問題ないようにあらかじめ会社側の許可を得ておくことが、長期的な事業継続における唯一の解決策となります。
副業を始めた際に発生する「税金」とは
会社員が副業で起業し、本業以外で収入を得るようになると、給与所得とは別に「事業所得」や「雑所得」が発生します。
日本の税制では、これらの所得に対して所得税(国税)と住民税(地方税)の2種類の税金が課されます。
会社員は年末調整によって税金の計算が完結しますが、副業の利益については自身で計算し、申告を行う義務が生じます。
この申告を怠ると、本来支払うべき税額に加え、無申告加算税や延滞税を課されるリスクがあるため、正確なルールの把握が不可欠です。
所得税の確定申告が必要になるケース
所得税の確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じたすべての所得を計算し、国税庁に申告・納税する手続きです。
会社員の場合、副業による所得(売上から経費を差し引いた利益)が年間で20万円を超える場合に、確定申告を行う義務が発生します。
確定申告の具体的なやり方などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
所得税の確定申告が不要でも「住民税の申告」は1円から必要
多くの副業初心者が誤解してしまう点が、所得税の「年間20万円以下なら確定申告不要」というルールを、住民税にもそのまま当てはめてしまうことです。
所得税は国税庁が管轄する税金ですが、住民税は市区町村が管轄する地方税であり、それぞれ適用される法律が異なります。
所得税には事務負担を考慮した「20万円以下なら確定申告不要」という取扱いがありますが、住民税にはこの規定が存在しません。
そのため、所得税の確定申告をしない場合でも、副業の所得があるなら、住民税の申告が必要になることがあります。
手続きは、居住地の市区町村(市民税課など)で「住民税の申告書」を提出する形が一般的です。

一方、所得税の確定申告をしない場合の取扱いは自治体によって案内が異なることがあるため、必ずお住まいの市区町村の案内を確認してください。
確定申告書の「青色・白色」の違い
確定申告には、青色申告と白色申告があります。
どちらを選ぶかで、税負担や手元に残るお金が変わるため、早い段階で整理しておきましょう。
青色申告は、一定の要件を満たすと青色申告特別控除(10万円・55万円・65万円)を受けられ、課税対象となる所得を圧縮できます。
さらに、事業が赤字になった場合に損失を最長3年間繰り越せることや、一定の条件を満たせば30万円未満の減価償却資産をその年の経費として処理できるなど、実務上のメリットもあります。
ただし、これらの優遇を受けるには、日々の取引を記帳し、帳簿や書類を適切に保存する必要があります。
特に、65万円(または55万円)の控除を狙う場合は、原則として複式簿記による記帳などの要件を満たさなければなりません。
最近はマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、仕訳の下書きを作れるため、複式簿記のハードルは下がっています。
副業を継続して事業として育てていくなら、こうしたツールも活用しながら、青色申告を検討するとよいでしょう。
具体的な青色申告のメリットや始め方については、以下の記事で解説しています。
副業起業家が知っておくべき「経費」とは
税務上の「経費」とは、事業の売上を得るために直接要した費用のことを指します。
副業起業家にとって、経費を正しく計上することは合法的に所得を圧縮し、納税額を最適化する最も効果的な手段です。
個人事業主として起業した場合、経費にできる費用には以下のようなものがあります。
| 勘定科目 | 具体的な支出内容 |
|---|---|
| 地代家賃 | 自宅の家賃、コワーキングスペース利用料、レンタルオフィス代など |
| 通信費 | インターネット回線利用料、事業用スマートフォンの通信費、サーバー・ドメイン代など |
| 消耗品費 | パソコン、周辺機器、文房具、事業用ソフトのサブスクリプション費用など |
| 旅費交通費 | クライアントとの打ち合わせに向かう電車・バス・タクシー代、宿泊費など |
| 新聞図書費 | 業務に関連する専門書、ニュースサイトの購読料、資料用雑誌など |
| 接待交際費 | 取引先との会食代、事業に関連する贈答品代、慶弔見舞金など |
ただし、自宅を拠点とする場合には家賃や光熱費のすべてを経費にできるわけではなく、事業とプライベートに使用した割合で按分する「家事按分」を行う必要があります。
具体的な家事按分のやり方などについては、以下の記事をご確認ください。
また、経費とする費用は事業との関連性を証明できるものでなければならず、その金額も常識の範囲内でなければいけません。
実際にそうした支出があったことを証明するためのレシートや領収書も必要となるため、こうした証憑の管理は欠かせません。
個人事業主の経費については、以下の記事でより詳しく解説しています。
インボイス制度について知っておこう
2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書保存方式)は、副業であっても避けては通れない極めて重要な税制です。
起業したての個人事業主は、通常は消費税が免除される免税事業者です。
インボイスに登録した場合、消費税の納税義務がある課税事業者となってしまいます。
しかしインボイスに登録しないと、「適格請求書」という書類を発行することができません。
これは取引先が課税事業者の場合に、仕入税額控除という手続きを行うために必要になる書類です。
つまりインボイスを発行できないと、取引先側に不利益が発生するケースがあるのです。
もし取引先が一般消費者や免税事業者のみであれば、インボイスは基本的に不要です。
しかし取引先が課税事業者の場合、インボイスを発行できないと契約の打ち切りや値引きを要求されるリスクがあります。
インボイスに登録するかどうかは、自身の事業形態やビジネスモデルに合わせて慎重に考慮しましょう。
インボイス制度に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。
副業の始め方:個人事業主としての開業手続きのやり方
個人事業主としての起業は、管轄の税務署へ必要書類を提出するだけで完了します。
許認可が必要な特定の業種(飲食業、中古品売買の古物商など)を除き、資本金の準備や複雑な登記手続きは不要です。
しかし、実際に事業を始める前には、事業用口座とプライベートの口座の分離や会計ソフトの準備などが必要になります。
具体的な流れについて解説します。
副業として起業するスケジュール・タイムライン
副業起業の準備から初年度の確定申告までは、以下のタイムラインに沿って進めるのが理想的です。
特に税務署への書類提出期限は厳格に定められているため、自身の開業日を起点に逆算して動く必要があります。
| 時期 | 具体的なアクションと実務ポイント |
|---|---|
| 開業1カ月前まで | 事業用口座の開設と専用クレジットカードを申し込む プライベートの支出と混ざると、後々の帳簿付けに時間がかかる |
| 開業当日 | 開業日は自分で自由に設定可能 思い入れのある日や、最初の売上が発生した日を基準にする |
| 開業から1カ月以内 | 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)を税務署に提出 同時に所得税の青色申告承認申請書も提出する |
| 毎月 | 会計ソフトに銀行口座を連携し、領収書をスキャンして月次で帳簿を作成する |
| 翌年2月16日〜3月15日 | 前年1月1日から12月31日までの利益を計算し、確定申告を行う |
青色申告承認申請書は、青色申告を行うために必ず出さなければいけない書類です。
原則として開業日から2カ月以内、またはその年の3月15日まで(1月16日以降に開業した場合)に提出しなければ、その年は自動的に節税メリットの薄い白色申告となってしまいます。
出し忘れたときのデメリットがとても大きいため、青色申告を行う予定があるのであれば、開業届を出す際に、青色申告承認申請書もあわせて提出することをおすすめします。
実務で気をつけるべきポイント
副業起業家が直面するトラブルは、契約内容の不備や、事務作業の遅延に起因するものが大半を占めます。
これらは正しい知識と事前の準備によって、その発生確率を大幅に下げることが可能です。
トラブルを防ぐフリーランス保護新法や損害賠償などの考え方
個人として仕事を請け負う際には、2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)を含め、自身がどのような法的保護を受け、どのような責任を負うのかを把握しておく必要があります。
フリーランス保護新法とは、フリーランス個人へ仕事を発注する事業者側に対し、さまざまな遵守するべき事項を定めた法律です。
主に以下の項目が、フリーランス法では定められています。
- 発注事業者は契約条件を書面で提供する
- 報酬を60日以内のできるだけ早い日に支払う
- 1カ月以上の業務委託をした場合、報酬の減額や買いたたきなど、フリーランスの不利益となる7つの行為をしてはならない
- 不特定多数への募集を行う際は正確かつ最新の募集情報にする
- 6カ月以上の業務委託をした場合、フリーランスが育児や介護などと業務を両⽴できるよう、フリーランスの申出に応じて必要な配慮をしなければならない
- フリーランスに対するハラスメント行為に対策するための体制を整備する
- 6カ月以上の業務委託を中途解除したり、更新しない場合は、原則30日前に予告し、解除⽇までにフリーランスから理由の開⽰の請求があった場合にはそれに応じなければならない
参考:2024年公正取引委員会フリーランス法特設サイト|公正取引委員会
このようにフリーランスはさまざまな保護を受けられる一方、フリーランス側も法務やコンプライアンスに関する法律違反のリスクに気をつけなければいけません。
特定の業種で起業する際に必要になる許認可の取得や、顧客の個人情報の保護、オンラインで商品やサービスを販売する際の特定商取引法などは、特に注意すべきルールです。
これらの法律に疑問点がある場合は、早い段階で行政書士や弁護士などの専門家に相談し、ビジネスの進め方を見直すことが、法務・コンプライアンス面のリスクを抑える近道になります。

「だれに相談すればいいのかわからない」という場合は、複数の士業があつまった士業グループへの相談をおすすめします。
ベンチャーサポートグループには税理士・司法書士・行政書士・弁護士・社会保険労務士などあらゆる士業関係者が揃っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
月次帳簿のやり方
本業を持つ副業起業家にとって、時間は貴重なリソースです。
だからこそ、帳簿付けを「忙しいから後で」と先送りにすると、確定申告の時期に取引内容を思い出せず、領収書や明細の紐づけに追われます。
さらに、入出金の状況が見えないまま支払いが重なり、資金繰りが苦しくなるケースもあります。
こうした事態を防ぎ、青色申告のメリットをきちんと受けるためには、短時間でまとめて帳簿を整える運用がおすすめです。
具体的には、マネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使い、毎月の取引を定期的に記帳していきましょう。
最近のクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携すれば入出金明細が自動で取り込まれ、取引内容に応じた仕訳候補を提案してくれます。
領収書などもスマートフォンで撮影して取り込めるため、紙の管理に追われにくく、スキマ時間で処理を進められます。
参考:確定申告ソフト - 個人事業主向け会計ソフト マネーフォワード クラウド|株式会社マネーフォワード
ただし、勘定科目の選択や事業用・私用の区別などは誤りやすいため、月に一度は内容を確認して整えることが大切です。
起業した際の帳簿付けなど、経理に関することについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
この記事のまとめ:副業として起業する始め方
会社員が副業から起業を成功させるためには、単に稼ぐだけでなく、守りの基盤を固めることが極めて重要です。
まず、起業にあたっては本業の就業規則を正しく把握し、職務専念・秘密保持・競業避止・信用保持という4つの法的義務を遵守しなければなりません。
これらを怠ると、懲戒処分や多額の損害賠償といった取り返しのつかないリスクを招く可能性があります。
税務面では、所得税と住民税の違いやルールを把握し、適切に開業届と青色申告承認申請書を提出し、事業用の口座やカードを分離してクラウド会計ソフトを活用することで、節税メリットを最大化できます。
副業での起業は、本業の安定を盾にしながら自身のアイデアを検証できる、会社員だけに許されたリスクの少ない挑戦です。
正しい知識に基づいた準備と月次の正確な管理を習慣化することで、トラブルを未然に防ぎながら、着実に事業を成長させていきましょう。
副業・起業について悩みがあれば税理士に相談しよう
この記事では、会社員が副業から起業を成功させるために必要な「就業規則や法的リスクの確認」「所得税・住民税の正しい申告」「開業届の提出から月次の経理実務」までを網羅的に解説しました。
副業での起業は、本業の安定を維持しながらリスクを最小限に抑えて挑戦できる合理的な選択です。
しかしトラブルを未然に防ぎ、事業を健全に成長させるためには、正しい知識に基づいた準備と管理が不可欠です。
「自分の事業で、インボイス登録は本当に必要か?」「青色申告の記帳方法や会計ソフトの設定は合っているか?」「この費用は経費として認められるのか?」など、さまざまな疑問や不安が浮かんだときは、税理士などの専門家に相談してみてください。
日々の記帳代行や確定申告のサポートはもちろん、あなたの事業内容に合わせた最適な節税対策についてもアドバイスが可能です。
ベンチャーサポート税理士法人では、個人事業主の方へ向けた税務相談や、確定申告のサポートを行っております。
税理士だけでなく行政書士や司法書士、社労士も在籍しているため、さまざまな内容の案件にもワンストップで対応が可能です。
事業をより発展させるための「会社設立」や、創業計画書の作り方、融資を受けるためのサポートなども行っています。
レスポンスの速さにも定評があるため、初めての方もお気軽にご相談ください。













