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最終更新日:2022/10/14

サラリーマンが副業で節税する方法3つ【経費になる支出や注意点とは?】

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること

  • サラリーマンが副業をする際に節税できる方法を知ることができる
  • サラリーマンが副業を行う際に必要経費にできるものがわかる
  • サラリーマンが副業で節税する際に注意すべき点がわかる

サラリーマンの中で、副業を行っている人は増加傾向にあるといわれています。

副業を行って、少しでも収入を増やしたいと考える方にとって、ネックになるのが税負担と確定申告です。

しかし、サラリーマンでも副業についての確定申告を行う際に、節税をすることができます。

ここでは副業を行うサラリーマンが節税を行う方法について、解説していきます。

サラリーマンが副業で節税する方法3つ

サラリーマンが副業を行いながらも節税を行う方法には、どのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、具体的な節税の方法をご紹介していきます。

必要経費を計上する

副業から発生する収入は課税対象となるため、原則として確定申告しなければなりません。

ただ、収入金額(売上金額)に対し税率を乗じて、税額を計算するわけではありません。

収入金額から必要経費を差し引いて所得(利益)金額を計算し、その金額から税金の計算を行います。

そのため、売上金額が大きくても必要経費も多く計上すれば、税負担はそれほど大きくならないでしょう。

副業に関係のある支出についてはすべて必要経費に計上するよう、レシートや領収書を保管し、確定申告の際に集計しましょう。

青色申告を行う

副業から発生する所得金額について、その規模から「雑所得」として確定申告している方が多いでしょう。

しかし、その事業の内容や規模によっては、サラリーマンであっても「事業所得」として申告することができる場合があります。

事業所得として申告する場合には、青色申告を行うことができます。

税務署から青色申告することが認められると、必要経費の他に最大65万円の特別控除が認められます。

そのため、青色申告することでさらに大きな節税が可能となります。

給与所得との損益通算を行う

副業の所得が事業所得や不動産所得となり、その所得金額がマイナスとなってしまった場合には、給与所得と損益通算ができます。

損益通算すれば、合計の所得金額が給与所得の金額より小さな金額になります。

そのため、すでに勤務先で年末調整を受けて所得税の精算が行われている場合でも、さらに所得税の還付が受けられます

なお、雑所得として計算した場合は、給与所得との損益通算ができません

副業から発生する所得が、事業所得になるのか雑所得になるのかで大きな違いがあるため、注意しましょう。

サラリーマンの副業で経費にできる支出例

サラリーマンが副業を行う場合、具体的にどのような支出が必要経費になるのでしょうか。

必要経費になる具体例をご紹介します。

家賃

自宅を作業場や事務所として副業を行っている場合、その作業場や事務所に相当する部分の家賃を経費とすることができます。

一方、生活のために使っているリビングや寝室などは、プライベートな部分であることから、必要経費にすることはできません。

副業のために使っている部分の面積を求め、家賃を按分して必要経費に含めることができます。

水道光熱費

自宅で作業している場合には、水道光熱費の一部も必要経費に含めることができます

ただ、事業のために使った部分とプライベートな部分を分ける際は、慎重に計算しなければなりません。

電気代については、自宅で作業した時間数などで按分することができます。

一方、水道代やガス代については、経費とすることができる金額はごくわずかにとどまると考えられます。

通信費や電話代

自宅のインターネット回線や携帯電話などの通信費、携帯電話代についても、事業のために使った部分を必要経費にできます。

事業専用のスマホやインターネット回線を保有している場合は、その分を必要経費に計上することができます。

一方、1台のスマホやパソコンを事業にも使っている場合は、使用頻度に応じて按分計算を行います。

車に関する支出

事業のために車を使用している場合、その車の取得価額から減価償却費を計算し、必要経費にすることができます。

また、ガソリン代や点検・修理代、車検に係る費用や自動車税、保険料も必要経費になります。

ただし、1台の車を事業・プライベートの両方に使っている場合は、走行距離や使用頻度に応じて事業部分の金額を求めます。

書籍代やセミナー参加費など

事業を始めるために書籍を購入する、あるいはセミナーに参加することがあります。

また、同業者との交流を深めるために、一緒に食事に行くこともあります。

これらの支出は、基本的にすべて必要経費に含まれます。

「交際費」「研修費」など勘定科目は様々ですが、場面に応じて振り分けましょう。

ただし、事業に関係のない書籍代や、事業に無関係な友人との食事代は経費になりません。

事業のための支出と、プライベートの支出が混在しないように注意しましょう。

サラリーマンの副業で節税するときの注意点

サラリーマンが副業についての計算を行う際に、どのような点に注意して節税するといいのでしょうか。

特に注意しなければならないポイントをご紹介します。

事業所得となるようにする

青色申告による特別控除の適用を受け、また損益通算を行うためには、副業が事業所得とならなければなりません。

そこで、事業所得と認められるよう、副業の状況を整えておく必要があります。

副業であっても、事業所得として認められる場合がありますが、無条件というわけではありません。

収入を得るために経費を使っており、事業主として労力を要するものであることが求められます。

また、労力を要した結果、実際に相当の収入を得ていなければなりません。

さらに、その事業が単発ではなく、継続的に行われていることが求められます。

なお、国税庁は2022年分の申告から、副業の売上が300万円以下の場合は雑所得とする方針を示しています。

これまで事業所得として申告していた場合でも、雑所得として申告せざるを得なくなることも考えられます。

事業所得に該当する場合は青色申告を行う

事業所得に該当する場合、単純に収入と必要経費を計算すればそれで節税になるわけではありません。

青色申告を行い、青色申告特別控除の適用を受けることで、大きな節税の効果を受けることができます。

青色申告を行うためには、複式簿記による正規の簿記を行う必要があります。

また、請求書や領収書などの書類を適切に保管しておかなければなりません。

誰でも青色申告できるわけではなく、明確な要件が定められているため、その要件をクリアできるようにしておきましょう。

減価償却の計算を行う

原則として、取得価額が10万円を超える資産を購入した場合、その資産について減価償却の計算を行います

減価償却費の計算を行うと、資産台帳などの帳簿を新たに作成しなければならず、手間がかかります。

その一方で、数年にわたって減価償却費を計上することができ、その分経費が増えることとなります。

ただし、一度に全額を必要経費とすることができないことには注意しましょう。

まとめ

サラリーマンの方であっても、勤務先で副業が認められるようになり、副業の収入を得ている方がいます。

しかし、副業で収入を得るようになると、その所得金額を計算し確定申告が必要になります

確定申告を行う際には、必要経費を適切に計上するなどの節税を行うことが重要です。

事業のために必要な支出と認められるものについては、積極的に経費に計上し、節税を行いましょう。

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