将来的な医療や介護、終活について何も準備していない割合が多い。財産や資産については管理・整理を「これからする予定」が3割以上に
ベンチャーサポート相続税理士法人(東京都中央区 代表税理士 古尾谷裕昭 https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/ )は、「終活の準備状況」に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
<終活の準備状況に関する調査結果トピックス>
- 6割以上が、医療や介護について自分の意思や考えを家族や医師に伝えていない。中でも「相談もしていない」割合は47.4%
- 終活の準備(身辺整理)について、「何もしていない」が38.4%と最多に
- 財産や資産の管理・整理について3割以上の人が「これからする予定」と回答
<調査概要>
- 調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
- 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、現在介護を受けていない70歳以上の男女を対象に実施
- 有効回答数:1,021人
- 調査実施日:2022年12月9日(金)
6割以上が、医療や介護について自分の意思や考えを家族や医師に伝えていない。中でも「相談もしていない」割合は47.4%
現在、介護を受けていない70歳以上の男女1,021人を対象に調査を実施。
今後、医療や介護が必要になった際はどのようなケアを望むか、自分の意思や考えを周囲(家族や医師など)に伝えている人の割合について調査を行った。
結果、「伝えていない(相談もしていない)(47.4%)」「伝えていない(家族に任せている)(17.9%)」と回答した人は6割以上にのぼった。
中でも、「相談もしていない」と回答した人は、47.4%と最多であった。
一方、自分の意思や考えを「しっかりと伝えている」「ある程度伝えている」と回答した人は、どのような内容を周囲に伝えているのか、具体的な内容を聞いたところ、
- 認知症の兆候が出たらグループホームなどの施設へ入居の申し込みをすること(70代/男性/無職/宮城県)
- 「延命治療は不要」と伝えている(70代/男性/自営業/鳥取県)
- 口から食べる事が出来なくなったら胃ろうや点滴はしないで欲しい(70代/女性/専業主婦/千葉県)
- 自分の意思がハッキリ伝えられる間は自宅で過ごしたいが、認知症になってしまったら後は家族に委ねること(70代/女性/専業主婦/大阪府)
などの回答が得られた。
医療や介護について、認知症などで自分の意思や考えを周囲に伝えることができなくなった場合、どのようなケアをしてほしいか、特に延命治療に関して具体的な意思を伝えている人が多かった。
終活の準備(身辺整理)について「何もしていない」が38.4%と最多に
続いて、終活の準備状況についての調査を行った。
「身辺整理はできていますか?」と質問したところ、「何もしていない(予定もない)(38.4%)」と回答した人が最も多く、次いで「これからする予定(37.0%)」となった。
「ほぼ終えている(3.3%)」「まだ整理している途中(21.3%)」と回答した人は2割にとどまり、多くの人が身辺整理をしていないことが明らかになった。
財産や資産の管理・整理について3割以上の人が「これからする予定」と回答
「葬儀やお墓(供養の種類なども含む)の準備はできていますか?」と質問したところ、「何もしていない(予定もない)(39.5%)」と回答した人が最も多く、次いで「これからする予定(23.8%)」となった。
「ほぼ全ての準備が完了している(生前墓など)(15.0%)」「半分程度は済ませている(まだ残っていることがある)(21.7%)」と葬儀やお墓の準備を進めている人は4割近くにのぼった。
また、「財産や資産の管理・整理はできていますか?」と質問したところ、「何もしていない(家族に任せるつもり)(24.4%)」「するつもりがない(相続するような財産がない、相続人がいない)(12.6%)」といった回答に対し、「これからする予定(33.8%)」が最も多い回答結果となった。
財産や資産は相続トラブルに発展することがあるため、財産や資産の管理・整理を予定している人が多いのではないかと推測される。
【まとめ】
将来的な医療や介護、生前に身辺整理などの準備を行っている人は、まだまだ少ない。なお、財産や資産の管理・整理を今後予定している人は3割以上に
医療や介護について意思や考えを「伝えていない(相談もしていない)(47.4%)」、身辺整理について「何もしていない(予定もない)(38.4%)」、葬儀やお墓の準備について「何もしていない(予定もない)(39.5%)」となり、「何もしていない」と回答した人の割合は、いずれも最多となった。
なお、財産や資産については管理・整理を「これからする予定(33.8%)」と回答した人が最多となった。
財産や資産については、生前に相続人と話し合っておかないと相続トラブルに発展する可能性もあるため、今後、準備しておきたいと考えている人が多いと思われる。
専門家からのアドバイス
「財産や資産の整理には財産目録を活用しよう!」
財産や資産を保有したまま亡くなると、その財産や資産は相続税の課税対象となり、遺産分割の手続きも必要となります。
相続手続きをスムーズに行うためにも、財産目録を活用して財産や資産をできるだけ整理しておくといいでしょう。
財産目録はどのように作成するといいのか、解説していきます。
財産目録とは?
財産目録とは、財産の内容を一覧にし、明らかにするための書類です。
一般的に、被相続人となる人が生前、遺言書作成時などにその財産の内容を一覧にまとめます。
財産目録に財産の名称、種類や数量、所在地、金額などを記載することで、財産がどこにどれだけあるのか、誰にでも分かるようになります。
財産目録を確認すれば、被相続人の財産が一目で把握できるので処理が漏れるリスクを減らせるのです。
財産目録の書き方
財産目録の形式は、特に定められたものがあるわけではなく、作成する人が自由に決めることができます。
ただし、自筆証書遺言に添付する場合、署名・捺印が必要となります。
財産目録の作成方法を、財産の種類別にご紹介します。
なお、ここでは裁判所ホームページにある財産目録のひな形を参考にしています。
引用:財産目録の記載例|裁判所
①不動産
不動産の財産目録を作成する時は、登記事項証明書に書かれている通りに記載しましょう。
土地の場合は、所在、地番、地目、地積、持分、固定資産評価額などを記載します。
建物の場合は、所在、家屋番号、種類、構造、床面積、持分、固定資産評価額などを記載します。
不動産の中には、他人に貸している物件、抵当権が付されている物件もあるため、そのことを記載しておくようにしましょう。
②預貯金
預貯金の口座を開設している金融機関名、支店名、種別、口座番号などを記載します。
③株式・有価証券
株式の銘柄や株数、有価証券の種類などを記載します。
また、これらを預けている証券会社や金融機関の会社名、支店名、口座番号などを記載します。
簡易的な財産目録をつくるのもおすすめ
詳細な財産目録を作成するのが難しいと感じた人は、まずは、簡易的なものを作成するのがおすすめです。
特に、不動産や預貯金の種類・数がそれほど多くない場合、細かく記載した財産目録は必要ありません。
財産の種類や所在地、金融機関名や口座番号など、財産の特定に必要な最低限の項目だけ記載しておきます。
財産目録を作成する目的は、どのような財産が、どこにどれだけあるかをはっきりさせておくことになります。
そのため、財産の特定が可能であれば、簡易的な財産目録の作成で構いません。
さいごに
相続サポートセンターでは、財産目録の作成に関する相談やアドバイスなどにも対応しています。
まずは無料相談にお問い合わせいただき、お困りの点についてお聞かせください。