この記事でわかること
- 田舎の土地を相続することのメリットとデメリットがわかる
- 相続した土地を放置することにはリスクがあることがわかる
- 田舎の土地を相続しないあるいは手放す方法を知ることができる
実家で保有していた土地など、普段使用することのない田舎の土地を相続によって引き継ぐことがあります。
田舎の土地を保有することによって、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
また、相続した後の土地を適切に管理せず放置していた場合、どのような問題が起こるのでしょうか。
相続する前に相続すべきかどうかの判断ができる場合は、その判断基準についてもご紹介していきます。
目次
田舎の土地を相続するメリット・デメリット
先祖代々の土地が田舎にある場合のように、田舎の土地を相続することは、意外に多くの人に関係する話です。
そこで、田舎の土地を相続した場合のメリットとデメリットについてご紹介していきます。
田舎の土地を相続するメリット
田舎の土地を相続するメリットとしてまずあげられるのは、土地という財産を手に入れられることです。
田舎にあるとはいえ、土地を購入しようとすれば少なくとも数百万円程度はかかり、その負担は少なくありません。
そのような土地を購入するのではなく相続することができれば、相続税だけで土地という財産を手にすることができます。
相続財産の金額によっては、相続税が発生しない場合も多く、その場合は登記手続きだけで土地を手にすることができます。
田舎に住んでいる人や、将来的に田舎への移住を計画している人は、土地を保有することで直接メリットが受けられます。
一方で、田舎に住んでいない人は、直接的なメリットがないように思われるかもしれません。
しかし、保有する土地を第三者に貸すことで地代収入が得られるのであれば、それも大きなメリットとなります。
あるいは、その土地の上にアパートを建設して、アパート経営を始めることも可能となるでしょう。
田舎の土地の価格は、全体的に見れば下落傾向にあるかもしれません。
しかし、すべての土地がそのように需要が落ちているわけではありません。
道路の拡張、新たな工場の進出など、土地を必要とする事業にその土地が関係する可能性もあります。
この場合、田舎の土地であっても、想定より高く売却できることもあり得ます。
田舎の土地を相続するデメリット
田舎の土地を相続した場合のデメリットとしてあげられるのが、簡単に行けないために管理できないケースがあることです。
田舎の土地が普段の生活圏に所在していないと、土地のある場所に出かけるのも一苦労ということがあります。
中には日帰りで行けない場所や、飛行機などを利用しなければならないような場所もあるでしょう。
そのような遠方にある場合、こまめに行って土地の管理をすることが難しくなってしまいます。
このことから起こるリスクについては、次で詳しく説明します。
田舎の土地を自分で利用しないため、土地を他の人に貸すことを考える方もいらっしゃるでしょう。
ただ、地方の多くの地域では、少子高齢化が進んでおり、土地を借りて何かを始めようとする人はあまりいないかもしれません。
そればかりか、近隣の住民も自身の保有する土地をどのように利用するか、頭を悩ませていることも考えられます。
そのため、田舎の土地を活用することは難しいと言えます。
また、田舎の土地を相続して保有すると、固定資産税を毎年支払わなければなりません。
さらに、前述したように土地を保有していると、その土地を適切に管理する必要がありますが、遠方の土地になると自身で管理することが難しくなります。
そこで、業者に依頼して除草や樹木の剪定を行うこととなります。
結果的に、田舎の土地を保有しているために、その管理費や固定資産税などを負担しなければならないことになります。
相続した田舎の土地を放置するリスク
田舎の土地を相続したものの、そのまま放置してしまうとどのようなことが起こるのでしょうか。
何もせずに放置することには大きなリスクがあるため、その内容をよく理解しておきましょう。
管理コストが発生する
先にご紹介したように、田舎の土地を相続して保有し続ける場合、固定資産税や管理費用などが毎年発生します。
このような負担は、土地を保有している限り必ず発生するものであり、その土地を活用しているかどうかには関係ありません。
土地を保有している限り、管理コストの負担から逃れることはできないと言えるでしょう。
近隣住民とのトラブルが発生する
相続した土地を何もせずに放置していると、草が生え、木の枝は生い茂り、荒れ地になってしまいます。
しかし、そのような土地の周辺にも住民がいると、近隣の人に迷惑をかけてしまいます。
迷惑になるというだけでなく、適切に管理するように直接要請されることもあります。
そのような状態になってもなお放置していると、非常に大きなトラブルになることも考えられます。
次の相続で引き継ぐ人がいない
田舎に住んでいなければ、その土地を相続することのデメリットが大きくなります。
そのため、以前は田舎に住んでいた人が都会に出てきた後、田舎の土地を相続するのに抵抗があるかもしれません。
さらに、その子どもは田舎に住んでいたこともなく、田舎はほとんど縁のない土地となっています。
その結果、次の相続ではさらに相続する人が決まらないという事態になると予想されます。
田舎の土地を相続すべきかの判断要素
田舎の土地を相続することにはいくつかのリスクがあるため、実際に相続するかどうかの判断をする必要があります。
どのような基準を設けて、相続するかどうかの判断をするといいのでしょうか。
その土地を活用・売却できるか
土地を相続した後、その土地を賃貸や売却することができれば、相続の際にコストがかかっても相続する意味があります。
そこで、相続した土地を相続後に利用できるのか、その可能性を確認しておきましょう。
たとえば、市街化調整区域にある田や畑のように、宅地等への転用が事実上不可能な土地もあります。
このような場合は、法令などの規制により活用や売却ができません。
また、法令の規制がなくても、需要がなければ土地を活用することは非常に難しくなります。
活用や売却の可能性が極めて低い場合には、相続しないことも選択肢に入れるべきでしょう。
土地を自治体に寄付できる可能性があるか
田舎の土地を相続しても利用する方法がない場合に、寄付できる場合があります。
寄付することで管理コストの負担がなくなり、結果的にメリットとなることがあります。
しかし、どのような土地でも寄付できるわけではありません。
あらかじめ自治体に確認して、寄付が受け付けてもらえる可能性を調べておきましょう。
固定資産税の負担がどれくらいになるか
田舎の土地の場合、価格が高くないために固定資産税の金額もそれほど大きくないのではと考えるかもしれません。
確かに、都市近郊の土地に対する固定資産税と比較すれば、その負担は大きいとは言えません。
ただ、固定資産税の額が少ないと言っても、年に数万円の負担となることは考えられます。
そして、それだけの額を毎年払い続けることとなれば、トータルでは大きな負担となってしまいます。
どれだけの固定資産税を支払っているのかは簡単に調べられるため、その額を確認しておくようにしましょう。
田舎の土地を手放す方法
相続した田舎の土地を保有し続けることにメリットがない場合には、最終的に手放すことを考えなければなりません。
田舎の土地を手放すには、どのような方法があるのでしょうか。
また、最初から田舎の土地を保有しないようにする方法もあわせてご紹介します。
売却する
田舎の土地を売却すれば、必要のない土地を保有し続けることはありません。
そればかりか、使わない財産をお金に換えることができ、一石二鳥と言えます。
ただ、もともと使い道のない土地を売却することは簡単ではありません。
まずは隣地の所有者や近隣の住民など、その土地を欲しいと思っている可能性のある人にアプローチしていきましょう。
売却先が見つからない場合も多く、見つかったとしても思っているほど高くは売れないことが多いかもしれません。
ただそれでも、保有し続ける際に発生する管理コストを考えれば、売却するメリットが大きいと言えるでしょう。
寄付する
土地を寄付できれば、管理コストを抑えることができます。
また、売却相手を探し交渉する手間は省くことができ、しかも感謝される結果となります。
土地を寄付する先となるのは、地元の市町村です。
そのため、市町村役場で寄付ができるか、確認した上で手続きを進めることとなります。
ただ、実際に地元の自治体が土地の寄付を受けるケースはほとんどありません。
まれに、地元の自治会や町内会が寄付を受け入れてくれますが、これもごくわずかなケースに限られます。
相続放棄する
相続した土地を手放すのは難しいため、はじめから相続しないのが一番確実な方法です。
相続放棄すれば、田舎の土地を相続することがないため、その後に手放す必要もなくなります。
ただ、相続放棄すると他の財産もすべて相続できなくなることには注意が必要です。
土地以外に預貯金や有価証券などの財産がある場合は、他の財産を相続するメリットの方が大きくなることもあるでしょう。
相続放棄は、相続が発生してから3か月以内にしなければなりません。
その一方で、一度相続放棄したらその撤回はできないため、慎重な決断が求められます。
まとめ
田舎から進学や就職のために都会に出てきた人は、いずれ田舎の土地を相続する可能性があります。
田舎の土地を相続することにはメリットもありますが、それ以上のデメリットが発生する可能性もあるので、注意が必要です。
田舎の土地を活用・売却しようとしても、肝心の利用者が見つからないことも少なくありません。
相続が発生した時は、本当に相続すべきかよく考え、また将来的な利用や売却の可能性についてもよく調べておきましょう。
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