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最終更新日:2022/3/10

相続不動産の売却で譲渡損失がある場合に役立つ2つの特例

古尾谷 裕昭

この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

ベンチャーサポート相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、横浜、千葉、大宮、名古屋、大阪、神戸など全国の主要都市22拠点にオフィス展開し、年間2,200件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。 業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

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この記事でわかること

  • 相続不動産の売却で損失が生じているかどうか自分で計算できる。
  • 不動産の売却で譲渡損失が生じたときに使える2つの特例が分かる。
  • 確定申告に必要な書類がわかる。

相続した不動産の売却で利益があるかないかは、譲渡所得の有無で判断できます。

所得の有無は、売れた価格から、取得や売却にかかった必要経費を差し引いて求めます。

ここで利益が出ていれば、最大3,000万円の空き家控除や、不動産の相続税分を必要経費に含めることができる特例が利用でき、利益を圧縮して節税できます。

一方、売った価格が必要経費よりも低いときは、譲渡損失となるため税金もかかりませんが、損を取り戻す方法はないのでしょうか。

こんな場合に、自宅として利用していた不動産なら、損失をほかの所得と帳消しにする特例を利用して、節税できます。

損失が大きければ、最大4年にわたって節税が可能です。

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相続不動産の売却時にかかる税と仕組み

不動産を売却すると、譲渡所得税がかかります。

相続した不動産も売却すれば、同様にこの税金の対象です。

しかしながら、すべての売却で税金がかかるわけではなく、利益が発生したときに限られます。

利益となるか、あるいは損失となるか、税の仕組みや計算方法が分かれば確かめることができます。

売却時には譲渡所得税がかかる

相続した不動産も、売却して利益が出れば譲渡所得税が課されます。

譲渡所得は分離課税で、給与所得など他の所得とは合算できず、別に計算します。

税率は、所有期間の長短によって異なります。

所有期間に応じて税率が変わる

不動産を取得した時からの所有期間の長短で、2種類の税率があります。

取得日から基準日までが所有期間で、基準日となるのは売却した年の1月1日です。

所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得として高い税率が適用されます。

税率は39.63%で、このうち所得税が30%、住民税が9%、復興特別所得税が0.63%です。

所有期間が5年を超える場合は、長期譲渡所得として20.315%と低い税率が適用されます。

この内訳は、所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%です。

税額の計算方法

譲渡所得税は、売却した利益を意味する「課税譲渡所得」に、所有期間に応じた税率をかけ算して計算します。

式で表すと、下記のようになります。

税額 = 課税譲渡所得 × 税率

利益を意味する「課税譲渡所得」は、収入としての売却価格から、必要経費である取得費と譲渡費用を差し引き、さらに一定の要件に当てはまると特別な控除を差し引いて、所得を圧縮することができます。

式で表すと、下記のように求めることができます。

課税譲渡所得 = 売却価格(収入)- 取得費(必要経費)- 譲渡費用(必要経費)- 特別控除

【計算例】

所有期間が18年の不動産を相続し、7,000万円で売却した例を考えてみます。

不動産の取得費は1,500万円、譲渡費用に200万円がかかったとします。

また、「空き家」に該当して、最大で3,000万円の特別控除が利用できるとします。

この場合の税額は、約467万円です。

税額 = ( 売却価格 -  取得費  - 譲渡費用 - 特別控除 ) × 税率 
= (7,000万円 - 1,500万円 - 200万円 - 3,000万円) × 20.315%
= 2,300万円 × 20.315%
= 約467万円

売却価格

売却価格は、相続した不動産を売却した価格を当てはめます。

通常は、売買契約で取り交わす契約書に記載された金額です。

取得費

売った不動産を取得するために要した費用は、必要経費として、収入から差し引きます。

購入代金のほか、不動産業者の仲介手数料や登記費用を含めることができます。

取得費 = 購入代金 + 仲介手数料 + 登記費用

【建物の取得費】

建物は経年劣化していくため、購入代金から劣化分を減価償却費として差し引きます。

建物の減価償却費は、木造や鉄骨造、RC造など、建築構造に応じて定められている償却率と耐用年数に従って計算します。

取得費(建物) = 購入代金(建物)- 減価償却費 + 仲介手数料 + 登記費用

ただし、建物と土地代金の合計額しか分からない場合には、注意が必要です。

減価償却は、建物分だけに限定されるため、土地分と按分しなければいけません。

契約書に別々の価格が記載されていない場合でも、消費税額の記載があれば、建物価格が逆算できます。

消費税は、土地にはかからず、建物だけにかかるからです。

購入代金(建物) = 消費税額 / 消費税率

消費税額の記載もないような場合は、国税庁の「建物の標準的な建築価格表」から建物の価格を求めます。

【取得費が不明な場合】

売買契約書を紛失した場合や契約書を作成しなかった場合など、購入価格が不明なケースもあります。

また、相続した不動産の場合は、故人が取得した時の価格が不明なことも少なくありません。

このような場合は、売却価格の5%を取得費として計上できます。

ただし、この場合は、不動産業者の仲介手数料や登記費用などの経費を加算することができません。

また、取得費として売った価格の5%を使う場合は、売った価格の95%に対して税金がかかることになり、高額な税金になりがちです。

買った金額が不明でも、証拠資料や根拠となる資料に基づく価格、合理的な算出方法によって求めた価格を用意すれば、取得費として認められる可能性があります。

譲渡費用

売却に要した費用は、必要経費として、収入から差し引きます。

仲介手数料や測量費、建物の解体費用などを計上することができます。

特別控除

不動産の売却では、譲渡所得税を節税できる特別な控除が用意されています。

一定の要件に当てはまれば、課税所得を大きく減額できます。

売却で損失が出た場合の特別な控除については、以下で紹介します。

不動産の売却で譲渡損失が生じたときに使える2つの特例

課税対象となる譲渡所得が大きいときは、特別な控除が利用できれば所得額を減額でき、節税できます。

一方、売却価格が低い場合や、取得時の購入価格や費用が多額であった場合には、譲渡所得がマイナスになる損失が生じることがあります。

以下に、自宅を売却して譲渡損失が発生した場合に節税できる、2種類の特例を紹介します。

自宅(マイホーム)に当てはまる条件

主に居住している住宅、または、住まなくなった時から3年目の年末までの住宅が該当します。

なお、建物を取り壊して更地にした場合も、取り壊した日から1年以内であれば、更地として売却契約を結んだ場合は当てはまります。

また、単身赴任で居住していないけれど、家族が居住している自宅も対象になります。

買換えで譲渡損失が発生したときに利用できる特例

今まで住んでいた自宅を売却して、新しく買い替える場合は、買換えで譲渡損失が発生したときに節税できる方法があります。

損失分を、所得税や住民税、事業所得税などから差し引いてもらうことが可能です。

また、差し引いても損失分が残るような場合は、最大で4年間、ほかの所得と相殺できます。

「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が正式名称です。

利用できる要件

売却した不動産や買換え後の不動産、所得などについて、以下のような各種の要件があります。

  • ・所有期間が5年超
  • ・買換え後の不動産が、床面積50平方メートル以上
  • ・買換え後の不動産を、売却の前年から翌年までの3年の間に取得
  • ・買換えた年の年末に、住宅のローンが10年以上残っている
  • ・買い替えた年の年末までに居住の見込み
  • ・売却した年の合計所得が3,000万円以下など

なお、過去の一定期間内に、類似の控除や税率の軽減を受けている場合は対象にならないなど、適用除外となる各種要件が定められています。

詳細は、「国税庁タックスアンサーNo.3370」などでの確認が必要です。

住宅ローンがある自宅の売却で譲渡損失が発生した時に利用できる特例

売却した自宅に住宅ローンが残っている場合は、住宅ローンの残額よりも売却価格が低く、譲渡損失が発生したときは節税できます。

買換えで譲渡損失が発生した場合と同じく、ほかの所得と相殺できる制度です。

買換えの有無には関係なく、売却だけの場合でも利用できます。

「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が正式名称です。

利用できる要件

売却した不動産や買換え後の不動産、所得などについて、以下のような各種の要件があります。

  • ・所有期間が5年超
  • ・居住していた自宅の売却
  • ・売却価格が住宅ローンの残額よりも低い
  • ・売買契約日の前日に、住宅のローンが10年以上残っている
  • ・売却した年の合計所得が3,000万円以下

なお、住宅を取り壊して更地にしてから売却する際は、追加の要件があります。

  • ・敷地の所有期間が5年超
  • ・取り壊しから1年以内の売却契約で、居住しなくなってから3年目の年末までに売却
  • ・取り壊し後売買契約までの間に、宅地以外の用途に使っていない

また、過去の一定期間内に、類似の控除や税率の軽減を受けている場合は対象にならないなど、適用除外となる要件が各種定められています。

詳細は、「国税庁タックスアンサーNo.3390」などでの確認が必要です。

利用するためには必要書類をそろえて確定申告

紹介した特例を利用するには、自動的に適用されるわけではないため、確定申告が必要です。

申告を行うことによって、売却で発生した損失をほかの所得税や住民税から控除できます。

損失額が大きく、控除を繰り越す場合も、その年ごとに申告が必要です。

申告の際は、それぞれの特例ごとに、以下のような各種書類を準備しなければなりません。

買換えで譲渡損失が発生したときの特例

  • ・居住用財産の譲渡損失の金額明細書(確定申告書付表)
  • ・居住用財産の譲渡損失の通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  • ・売却した不動産の登記事項証明書や売買契約書
  • ・売却した不動産の住所地で発行した住民票の除票
  • ・買い替えた不動産の登記事項証明書や売買契約書
  • ・買い替えた不動産の年末時点のローン残高証明書
  • ・買い替えた不動産の住所地を登録した住民票

住宅ローンがある自宅の売却で譲渡損失が発生したときの特例

  • ・特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  • ・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  • ・所有期間が5年を超えていることを証明できる登記事項証明書や売買契約書など
  • ・売買契約締結日の前日の金額が表示されている住宅ローンの残高証明書

まとめ

売却で損失が出れば、譲渡所得は発生しません。

したがって、税金の支払いもありません。

払っていない税金を、節税する方法があるとは思われないかもしれませんが、自宅(マイホーム)に該当する場合は、ほかで支払った税金を取り戻すことができます。

自動的に税金が還付されるわけではありませんので、積極的に確定申告して払いすぎた税金を取り戻し、賢く節税しましょう。

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