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初めての相続で不安な方へ

相続税の額を事前にシミュレーションするにはどうしたらいいのでしょうか?

父親が来年90歳を迎えます。
決して財産の額は多くはないと思いますが、不動産や預貯金など、いくらかの財産を保有しています。
父親の年齢を考えると、いつ相続が発生してもおかしくないため、相続税がいくらかかるのか、ある程度の計算をしておきたいと思っています。
そこで、相続税の税額を自分で計算してみようと思ってインターネットで情報を集めていたところ、多くのサイトで相続税額のシミュレーションができることがわかりました。
このようなシミュレーションを利用する際のポイントや注意点はありますか。
ちなみに、父親は現在89歳、母親も健在(87歳)で、子供は私(57歳)のほかに姉(61歳)と妹(55歳)がいます。

専門家の解答

インターネットで相続税のシミュレーションについて検索すると、金融機関や税理法人など多くのサイトで相続税の計算ができるようになっています。
一見複雑に見える相続税の税額の計算方法も、相続財産の総額と配偶者の有無、そして相続人の人数がわかればある程度の計算ができるため、わずかな情報でシミュレーションすることができるのです。

ただし、シミュレーションはあくまでシミュレーションです。
実際にこれらのサイトを利用して計算する場合、あるいは自分で相続税をおおまかに計算する際には、以下のような点に注意しなければなりません。

①相続財産の金額は一定ではない
不動産や有価証券などを保有したまま亡くなった場合、その財産の中身は変わらなくても評価額が変わる可能性はあります。
これは、土地や有価証券などその価値が常に変動するものについては、亡くなった時点での評価額を計算することとされているためです。
例えば土地の相続税評価額は、毎年国税庁から公表される路線価、あるいは市町村から公表される固定資産税評価額をもとに計算します。
シミュレーションを行う際には、できるだけ正確な評価額を用いると同時に、その評価額の変動に応じてシミュレーションを見直す必要があります。

②相続人の人数を間違えない
相続人の人数は基礎控除の計算を行ったり、相続人全員で負担する相続税額を計算する際に必要となります。
もっとも基本的なことですが、相続人の人数を間違えると相続税額は大きく変わってしまいます。
多くの相続では、配偶者と子供が相続人になるということになりますが、前妻との子がいる場合もあるため、必ず戸籍謄本で確認しておく必要があります。

③シミュレーションの結果を鵜呑みにしない
シミュレーションの結果はあくまでシミュレーションであり、実際に計算する際には、そのとおりの金額になるとは限りません。
例えば、未成年者控除、障害者控除といった税額控除についてシミュレーションで正確に計算することは難しいですし、実際の相続が発生した場合に相続放棄する人があらわれる可能性もあります。
また、相続財産に自宅が含まれている場合には、小規模宅地等の特例という相続税の計算に大きく影響する特例が適用できる場合がありますが、その適用の可否を自分で判断することが難しいのです。

このような点に気を付けて、あくまで参考としてシミュレーションを利用するといいと思います。

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