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最終更新日:2026/2/13

【自分でできる】贈与税を申告する流れを5ステップで解説

古尾谷 裕昭
この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

VSG相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、立川、千葉、埼玉、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡などの全国の主要都市14拠点にオフィス展開し、年間3,500件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】

記事の要約

  • 1年間に110万円以上の贈与を受けたときには、「贈与税の申告」が必要になる
  • 「現金の贈与」などの一般的なケースでは、贈与税の申告はそれほど難易度が高くない
  • 申告書を作成したら、贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署に提出する

贈与税の申告が必要になるみたいだけれど、どのように進めればいいの?」

税金の手続きというと、「難しい」「税理士に頼まないといけない」というイメージがあるかもしれません。

しかし、「現金の贈与」などの一般的なケースであれば、「贈与税の申告」はそれほど難しくなく、ご自身で手続きすることが十分に可能です。

この記事では、はじめての方でも迷わず手続きができるよう、贈与税の申告の流れをわかりやすくお伝えします

なお、VSG相続税理士法人では、相続や贈与に関するご相談を無料で受け付けております。

税金の手続きを進めるうえでわからないことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。

「贈与税の申告」の基礎知識

この記事の全体像1

まずは、贈与税の申告は「誰が・いつ・どこで」手続きをするのかを確認しましょう。

項目 内容
申告が必要な人 1年間に贈与を受けた財産の合計額が「110万円」を超えた人
申告する時期 贈与を受けた年の「翌年2月1日~3月15日」
申告の提出先 贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署

なお、贈与税の概要については、下記の記事でもお伝えしていますので、併せてご確認ください。

申告が必要な人

贈与税の申告が必要になるのは、「1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円を超えた人」です。

贈与税には「基礎控除」という非課税枠があり、その上限額は「年間110万円」です。

「1月1日から12月31日までの1年間」に受けた贈与財産の合計が「110万円」を超えると、その部分に贈与税が課されるため、税務署への申告が必要になります。

贈与税の課税対象のイメージ

ここで間違いやすいのが、贈与額は「贈与者(あげた人)」ではなく、「受贈者(もらった人)」を基準にするという点です。

たとえば、父親から100万円、母親から100万円を贈与された場合、それぞれは110万円以下ですが、合計すると「200万円」になります。

複数からの贈与で合計額が基礎控除を超えるイメージ

この場合は、子どもが1年間に受け取った金額が、基礎控除の110万円を超えているため、申告が必要です。

なお、下記の制度を利用するときは、贈与額が「年間110万円以下」でも申告が必要なことがあるので、忘れずに手続きをしてください。

※1
制度をはじめて選択する年のみ、贈与額が年間110万円以下でも申告が必要になる。その翌年以降は、贈与額が年間110万円を超えた年のみ、申告が必要。

ちなみに、「結婚・子育て資金の一括贈与特例」を利用する際は、資金口座を開設した金融機関を通じて、申告書を提出することになります。このため、贈与を受けた人が直接、税務署とやり取りをする必要はありません。

申告する時期

贈与税を申告する時期は、贈与を受けた年の「翌年2月1日~3月15日」です

申告だけではなく、その後の「納税」までを、3月15日までに済ませなければなりません。

たとえば、「2025年10月1日」に受けた贈与については、「2026年の2月1日から3月15日まで」に申告書を提出し、税金を納めます。

贈与税の申告時期のイメージ

この期限を過ぎてしまうと、本来の税金に加えて、ペナルティとして「延滞税」や「無申告加算税」が課されます。

本来は払わなくてもよかった税金を負担しないためにも、必ず期限内に申告・納税をしましょう。

申告する方法

贈与税の申告書は、「財産をもらった人(受贈者)の住所地を管轄する税務署」に提出します。管轄の税務署は、国税庁のWebサイトで確認できます。

実際に申告するときは、「税務署の窓口に持参する」以外にも「郵送で提出する」ことも可能です。

また、「e-Tax(電子申告)」を利用することもできるので、ご自身の都合の良い方法を選びましょう。

本記事ではここから、「紙の申告書」を作成して、税務署に持参か郵送で提出する流れをお伝えします。

贈与税を申告・納付するときの流れ

この記事の全体像2

ここからは、贈与税を申告して納税するまでの手順を、次の5ステップでお伝えします。

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

ステップ1:税額を計算する

ステップ1

まずは、「贈与税の税額を計算する」ことから始めましょう。

贈与税の税率は、「誰から贈与された財産か」によって、「特例税率」と「一般税率」のどちらを使うかが変わります。

種類 概要
特例税率 18歳以上※1の人が、直系尊属(父母や祖父母)から贈与された財産( = 特例贈与財産)に適用される
一般税率 特例税率の要件に該当しない財産( = 一般贈与財産)に適用される
※1
贈与があった年の「1月1日」時点の年齢で判断する

このうち、「特例税率」のほうが「一般税率」よりも、税率が低く設定されています

ご自身が贈与を受けた財産に、どちらの税率が適用されるか確認できたら、国税庁のWebサイトで公表されている「速算表」を使って、税額を計算します。

▼特例税率を適用する場合の速算表

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

▼一般税率を適用する場合の速算表

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

具体的に、「30歳の人」が「父親」から「500万円の現金」の贈与を受けた、「特例税率を適用できる」ケースで計算してみましょう。

まずは、贈与を受けた金額から「基礎控除110万円」を差し引きます。

計算式

500万円 – 110万円 = 390万円

続いて、ここで算出された金額を速算表に当てはめて、税額を計算します。

今回のケースでは、「特例税率の速算表」の「400万円以下」の欄を見ることになります。

▼特例税率を適用する場合の速算表

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円

計算式

(390万円 × 15%)- 10万円 = 48万5,000円

なお、不動産や株式などの贈与を受けた場合には、「相続税の申告」をする際と同じ方法で価格を評価します。

相続税の申告における財産の評価方法は、下記の記事で詳しくお伝えしているので、必要な方は併せてご確認ください。

ステップ2:必要な書類を集める

ステップ2

続いてのステップは、「贈与税の申告に必要な書類を集める」ことです。

まず、全員が必ず提出しなければならないのが、「本人確認書類の写し」です。

マイナンバーカードをお持ちの場合は、両面をコピーして、下記の台紙に貼り付けます。

本人確認書類(写)添付台紙

本人確認書類(写)添付台紙

引用元 国税庁Webサイト

この台紙は、国税庁の「贈与税の申告」というページから、次のように進むとダウンロードできます。

ダウンロードする方法

  1. 「令和〇年分 贈与税の申告書等の様式一覧」をクリック
  2. 最新の様式が一覧表でまとまっているページに遷移する
  3. 一覧表の中から「本人確認書類(写)添付台紙」を探す
  4. PDFへのリンクをクリックして、ダウンロードする

なお、マイナンバーカードを持っていない場合は、別の書類に代えられます。詳細は添付台紙に記載されているので、確認してみてください。

続いて、「贈与税の税負担が軽くなる制度」を利用する場合には、追加の書類が必要になることがあります

利用する制度ごとの「必要書類」については、下表をご確認ください。

利用する制度 必要書類
特例税率を適用する※1 ■ 受贈者(もらった人)の戸籍謄本※2
相続時精算課税制度を利用する ■ 受贈者の戸籍謄本※2
住宅取得等資金贈与の非課税特例を利用する ■ 受贈者の戸籍謄本※2
■ 所得金額を明らかにする書類
■ 住宅に関連する契約書
■ 家屋の登記事項証明書
■ 住宅の性能の証明書
配偶者控除を利用する ■ 受贈者の戸籍謄本※2
■ 受贈者の戸籍の附票の写し
■ 登記事項証明書(登記簿謄本)
※1
贈与額が300万円を超える場合に限る
※2
受贈者の「氏名・生年月日・贈与者との血縁関係」を確認できる、「戸籍抄本」でも可能

ステップ3:申告書を作成する

ステップ3

次のステップは、「贈与税の申告書を作成する」ことです。

贈与税の申告書のうち、必ず作成しなければならないのが「第1表」という様式です。

まずは、下記の流れで「第1表」をダウンロードしましょう。

ダウンロードするまでの流れ

  1. 国税庁の「贈与税の申告」のページにアクセス
  2. 「令和〇年分 贈与税の申告書等の様式一覧」をクリック
  3. 最新の様式が一覧表でまとまっているページに遷移する
  4. 一覧表の中から「申告書第1表」を探す
  5. PDFへのリンクをクリックして、ダウンロードする

様式をダウンロードできたら、下記を参考にしながら、必要な項目を書き入れていってください。

贈与税申告書第1表の記入例

記入欄 記入する内容
①冒頭部分 ■ 「提出する税務署」「提出日」「贈与した年」を記入する
②申告する人の情報 ■ 申告をする人(贈与を受けた人)の「住所・氏名・マイナンバー・生年月日・職業」を記入する
③贈与した人の情報 ■ 贈与した人の「住所・氏名・生年月日・申告者との続柄」を記入する
■ 記入する際は、「特例税率の対象」と「一般税率の対象」で欄が異なるため注意
④贈与された財産の情報 ■ 贈与された財産の種類や所在地を記入する
■ 「現金」の贈与の場合は、それぞれ下記のように記載する
 種類:現金、預貯金等
 細目:現金、預貯金等
 利用区分・銘柄等:現金
 所在場所等:贈与した方の住所
⑤贈与された日付と財産の価額 ■ 「贈与が行われた年月日」と「財産額」を記入する
■ 贈与を受けた財産の合計額も書き入れる
⑥税額の計算 ■ 表の案内に従って計算し、金額を書き入れる
■ ⑥には、ステップ1で算出した税額を記入する
■ 一般的な「現金」の贈与の場合、記入が必要なのは④⑥⑦⑩⑬⑭⑳の7箇所

このうち「④贈与された財産の情報」について、「現金以外の贈与」を受けたときの書き方は、国税庁が作成している「贈与税の申告のしかた」というパンフレットで解説されています。

取得した財産の種類、細目、利用区分・銘柄等の記載要領

取得した財産の種類、細目、利用区分・銘柄等の記載要領

引用元 贈与税の申告のしかた(令和7年分用)

パンフレットの閲覧方法

  1. 国税庁の「贈与税の申告」のページにアクセス
  2. 「令和〇年分 贈与税の申告のしかた」をクリック

不動産や株式などの財産を贈与されたときには、このパンフレットを参考に記載してください。

なお、「相続時精算課税制度」と「住宅取得等資金贈与の非課税特例」を利用する場合は、それぞれ下記の様式も必要になります。

必要な様式

  • 相続時精算課税制度:「第2表」と「相続時精算課税選択届出書」
  • 住宅取得等資金贈与の非課税特例:「申告書第1表の2」

ステップ4:税務署に申告する

ステップ4

申告書が完成したら、「受贈者(財産をもらった人)の住所地を管轄する税務署」へ提出します

まずは、提出すべき税務署を国税庁のWebサイトで確認しましょう。

税務署に紙で申告書を提出する方法は、次の2つから選べます。

提出方法

  1. 税務署の窓口へ持参する
  2. 郵送で提出する

「税務署へ持参する」場合は、窓口で「納付書」をもらっておくと、スムーズに納税できます。

また、「郵送で提出する」場合は、次の2つを同封すれば、納付書を自宅に送ってもらえます。

同封するもの

  1. 切手を貼った返信用封筒
  2. 「〇〇税務署の贈与税の納付書を送ってください」と書いたメモ

なお、納付書は、書き損じたときの予備として「2部」もらっておくと安心です。

ステップ5:税金を納付する

ステップ5

最後のステップは、「贈与税の納付」です。

申告書を提出したら、その年の3月15日までに税金を納めなければなりません。

贈与税を納付するため、まずは下記を参考にしながら、税務署からもらった「納付書」の必要項目を書き入れましょう。

贈与税の納付書の記入例

記入欄 記入する内容
①冒頭部分 ■ 贈与を受けた年を記入する
■ 税目番号は、贈与税は「051」
■ 申告書を提出した「税務署名」と、その税務署の「番号」を国税庁のWebサイトで調べて記入する
②税目 ■ 「贈与(税)」と記入する
③納める税の詳細 ■ 「本税」と「合計額」に税額を記入し、「合計額」のほうは頭に「¥」を付ける
■ 「納期等の区分」は、(自)の欄に、贈与を受けた年のみ記入する
■ 「申告区分」は、「4 確定申告」に〇を付ける
④納税する人の情報 ■ 贈与を受けた人の「電話番号・住所・名前」を記入する

納付書が完成したら、「贈与税の申告をした税務署」か「お近くの郵便局・金融機関」に持っていき、税金を納めてください。

なお、ここで紹介した「納付書による納税」以外にも、下記のような納め方があります。

納付方法

  • クレジットカード納付
  • QRコード納付
  • 口座引き落とし
  • インターネットバンキング納付
  • スマホアプリ納付

贈与税の申告に関するよくある質問

この記事の全体像3

最後に、贈与税の申告に関する、次の質問にお答えします。

Q1:税理士に依頼せず、自分で申告しても大丈夫?

「現金の贈与」などのシンプルな内容であれば、ご自身で贈与税の申告をすることは難しくありません

ただし、以下のようなケースでは、「税額の計算」や「申告書の作成」の難易度が上がるため、税理士への相談をおすすめします。

ケース

Q2:申告する税額を間違えてしまったら?

贈与税の申告・納付をした後に、「税金を納めすぎていた」ことに気付いたときは、「更正の請求」という手続きをすることで、納めすぎた税金が戻ってきます。

反対に「納税額が足りなかった」場合には、「修正申告」をして不足分を納めましょう。修正申告をした結果、納税するのが期限の後になると、追加で納めた分に対して「延滞税」もかかります。

それぞれの手続きについては、贈与税の申告をした税務署に問い合わせれば、案内してもらえます。

Q3:贈与を受けたら「確定申告」も必要?

一般的に、単に「確定申告」と言うときには、「所得税の確定申告」を指します。

この確定申告は、「働いて得た給与」や「事業の利益」などに対してかかる「所得税」の手続きです。

一方、個人から財産を無償でもらった場合は、「所得」ではなく「贈与」に該当するため、所得税の対象にはなりません。

「贈与税」と「所得税」が二重にかかることはないので、贈与税の申告を済ませれば、必要な手続きは完了します

Q4:贈与税に時効はあるの?

贈与税の時効は、原則として申告期限の翌日から「6年」、意図的に隠していたような悪質なケースでは「7年」と定められています

ただし、贈与税の申告をせずに「時効まで逃げ切ろう」と考えるのは、絶対にやめましょう。

税務署は、個人の銀行口座の動きを把握できることもあり、将来「相続」が発生した際の調査で、過去の贈与税の無申告がバレる可能性が非常に高いです。

申告を忘れてしまっていた場合は、時効を待つよりも、気づいた時点で早めに申告をしたほうが、延滞税などのペナルティを最小限に抑えられます。

贈与税の申告でわからないことは、専門家に相談しましょう

贈与税の申告は、手順を一つずつ確認しながら進めれば、決して難しい手続きではありません。

申告が必要なときは、ぜひこの記事を参考にしながら、チャレンジしてみてください。

もし、手続きを進めるうえで不安なことが出てきたら、税理士を頼るのも一手です。

当事務所では、相続や贈与に関する専門的なサポートを行っております。初回の相談は無料ですので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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