著作権は永遠に保護される?種類別の保護期間について

インターネットで個人が簡単に公表できる時代ですが、時に著作権について問題になることがあります。

古典作品などは著作権の問題とはなりませんが、著作権は、どのくらい保護期間があるのでしょうか。

一度発表した著作権は、いつまで保護されるのでしょうか。

著作権が保護される期間について、詳しく解説します。

著作権は永遠に保護されない

著作権というと死後も保護され、永遠に保護されるようなイメージがありますが、期限はあるのでしょうか。

著作権法で定められた期限

著作権や著作隣接権については、著作権法で定められています。

著作権法では、著作物や著作者の権利を保護する期間も定められています。

著作権は永遠というわけではなく、種類によって保護期間が決まっています。

いずれも何十年後と長いものではありますが、著作権がなくなる期限があります。

期限が切れるとどうなるか

著作権の保護期限が切れると、それまで保護されていた著作物や著作権者が保護されなくなります。

期限が切れた著作物は、社会全体の「共有財産」となり、誰でもその著作物を使用することができます。

たとえば、古典文学や明治期の小説などは、現在ではすでに著作権の期限が切れているため、自由に使用することができます。

著作権が問題になる音楽の演奏などでは、モーツアルトやショパンなど古典クラシック曲を演奏する場合であれば、著作権を気にすることなく演奏できます。

【種類別】著作権の保護期間

著作権の保護期間は、種類によって異なっています。

それぞれどのくらいの期間があるのでしょうか。

著作者人格権の保護期間

著作者人格権とは、著作者による作品の扱い方の希望を保護する権利です。

一身専属の権利とされているため、著作者が亡くなったら消滅します。

著作者自身の権利のため、相続や譲渡もできない権利です。

財産権としての著作権の保護期間

財産権としての著作権は、一般的に言われている著作権のことです。

使用する人に対して、使用料を請求する権利で、著作物の財産としての権利です。

著作者が明らかな場合は、本人の死後から70年間です。

保護期間は、著作者が死亡した日の翌年1月1日からカウントされます。

著作者本人が知られていないペンネームや団体で発表した著作については、公表後から70年間です。

著作隣接権(財産権)の保護期間

著作隣接権は、著作物を公衆に伝達する人に与えられる権利です。

たとえば、曲は作曲家、歌詞は作詞家が著作権を持っていますが、それを広める歌手が著作隣接権を持っています。

実演家であれば、実演後70年、レコード製作者は、レコード発効後70年です。

外国の著作物には「戦時加算」が適用される

海外の著作物も保護されますが、保護期間には、例外があります。

海外の著作物の保護期間

「ベルヌ条約」という条約加盟国の著作物の場合は、日本と同じ期間保護されます。

ただし、著作物の国の保護期間が日本より短い場合には、短い方が採用され、その期間がその国の保護期間になります。

戦時加算とは?

第二次世界大戦中、日本は、連合国の著作物の著作権を守っていなかったとされ、戦争中に存在した連合国の著作物について、保護期間を追加する特例措置があります。

戦時加算と呼ばれ、平和条約が発効する前日までの日数が加算されます。

原則保護期間に、最大10年4か月ほど延長されます。

著作権の保護期間の数え方

著作権の保護期間は永遠ではなく、原則的に70年とされています。

いつから70年を数えるのかは、著作権の種類によって異なっています。

著作者本人が知れている場合であれば、本人が亡くなった日の翌年1月1日から70年、ペンネームや団体での発表であれば、公表された日の翌年1月1日から70年です。

戦時中に作られた海外の著作物については、戦時加算といった特殊な加算があります。

著作権の保護期間は70年と長いですが、種類もあり、期間についてもそれぞれ異なっています。