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合同会社Vol.24 合同会社(LLC)の気になる利益配分について
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
起業して1年がたち最初の決算が終了しました。
会社の損益計算書をみると、利益が計算されています。
この利益は出資者への配当や、会社の維持、翌期以降の設備投資などの原資になります。
LLCでの利益の分配はどうしたらいいか考えます。
利益とは?
会社の収入から各種経費を差し引いた残額が配分可能な利益になります。
売上や受取利息、雑収入などの収入から、仕入、給与、家賃、手数料などの経費を差し引いて利益を計算します。
せっかく利益が出たのだから、出資者への還元や設備投資をしようと考えた時に、注意すべきことがあります。
それは、損益計算書上の利益と会社内にある現金残高は必ずしもリンクしていないということです。
今年の利益が100万円と計算された場合でも、取引先への売掛金が50万円ある場合には、手元に50万円しか現金がありません。
これから将来に入金が予定されている金額までも含めて利益が計算されています。
当然ですが、未入金の部分の金額については出資者に配当として還元することはできません。
また、利益の配分を考えるときには法人税等の税金の流出を考える必要があります。
法人税や消費税など、決算が終了してから支払う必要のある税金について、会計処理方法によっては今年の損益計算書に計上されず結果として大きな利益が計算されている可能性があります。
LLCの利益の分配は?
LLCの最大の特徴の一つに、自由な利益の分配があります。
株式会社であれば、基本的に拠出したお金の大きさに比例して株主に利益を分配する必要があります。
ところが、LLCの場合、拠出したお金の量だけでなく人の会社への貢献を評して利益の分配に反映させることができるのです。
この点を生かして、来期のモチベーション向上のため、社員全員でしっかりと話し合い、それぞれの役割に応じた評価と分配について話あうことは非常に重要です。
内部留保の検討を
話し合いの結果によっては、稼いだ利益を全額社員に配分することももちろん可能です。
ここでは、内部留保についても考えてみましょう。
会社の意思決定として、営業拡大のための運転資金や設備投資、社内環境の整備のための費用として社内に留保することも必要です。
せっかく会社組織にしたからには、半永久的に会社が発展することを誰もが願っているはずです。
利益のうちの一部をこのような目的のために留保することもぜひ検討しましょう。
毎年少しずつ社内留保の金額を設定すると、だんだんと会社の財務基盤は強固となります。
少々の業績不振ではびくともしない体制を整えることも会社の運営上必要なことです。