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合同会社Vol.6 合同会社設立の手順と流れ
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
合同会社の設立手続きは、株式会社の設立手続きよりも簡単です。
具体的には、株式会社とは違って定款認証の手続きが必要ないので設立手続きが大幅に簡略化していると言えます。
合同会社の設立手続きを大まかに説明すると、以下の1〜6のような流れになります。
▼ 目次
- 【1】会社の基本事項を決めよう
- 【2】 基本事項に基づいて、会社設立の準備を行う
- 【3】定款を作成する
- 【4】事業に参加する人が出資金を払いこむ
- 【5】法務局で設立登記申請を行う
- 【6】設立完了後にも各種届出が必要
1 会社の基本事項を決めよう
まずは会社名や事業目的など、会社の基本的な情報(基本事項)を決めます。
会社の基本事項として決めることとしては、以下のようなものがあります。
会社の名称を決定
会社の名称(商号)を決めます。
合同会社の場合は「合同会社」という会社の種類を表す文字列を名称の中に含めなくてはなりません(「合同会社ABC」や「XYZ合同会社」など)。
会社の事業目的を決定
会社がどのような事業を行うのかを決めます。
許認可が必要な事業を行うような場合には、事業内容としてどのようなことを定めるかは非常に重要ですから注意しておきましょう。
会社の本店所在地を決める
会社の本店所在地をおく住所地を決めます。
会社の事業年度を決める
1年以内の期間で事業年度を決めます(通常は1年間です)
事業年度は決算月がいつかを決定するほか、税金の計算にも影響を与えますので注意しておきましょう。
会社の出資金の金額を決める
出資金とは会社の設立時に振り込まれるお金のことです。
1円以上であれば設立の要件を満たすことになりますが、設立後の金融機関とのやりとりや、取引先との兼ね合いもあって300万円程度の金額を設定することが多いです。
なお、資本金の金額が1000万円を超えると消費税の免税事業者となることができませんので注意が必要です。
会社設立時の社員を決定
会社の社員となる人を決めます。
ここでいう社員というのは従業員ではなく、会社に出資してオーナーとなる人のことです。
社員となる人は定款に氏名や住所を明記する必要があります。
会社設立後に経営者となる役員を決める
会社の設立後に経営者として役員に就任する人を決めます。
2 基本事項に基づいて、会社設立の準備を行う
基本事項が決まったら、その情報に基づいて会社設立のための準備段階に入ります。
以下のような準備をしっかりと行えているかによって、設立手続きがスムーズに進むかが決まりますので、やり直しになったりしないよう入念に準備をしておきましょう。
同じ名称の会社がないかチェックする
すでに別の会社が使っている名称であっても、同一の住所で設立を行わない限りはまったく同じ名称で設立することは可能です。
ただし、すでに存在している会社が自社の名称を商標として登録している場合には、会社設立後にあなたの会社の名称を商品ロゴなどとして使用することが差し止められてしまう可能性がありますので、同一名称は避けておくのが賢明です。
会社代表印を作成しておく
会社の名称が問題なければ、会社代表印(法人代表者印)をこのタイミングで作成しておくと良いでしょう。
登記申請を行うときにはこの会社代表印を押印する必要があるためです。
基本的に決まった形式はありませんが、8㎜〜25㎜平方メートルの正方形に収まるものを選ぶ必要があります。
社員となる人の印鑑証明書を取得しておく
登記申請時には社員となる人が印鑑証明されている印鑑で押印する必要があります。
事業目的を再確認
作成した定款の事業目的で、実際に登記が通るかどうか法務局に確認してもらいましょう。
合同会社の場合、会社の事業目的も幅広く定めることが可能ですが、後から修正になるのを避けるためにも事前に確認しておくのが良いです。
3 定款を作成する
基本事項が決定したら、会社の定款を作成します。
会社の定款では最低限以下の6つを定めますが、それ以外にも会社のルールとして決めておきたいことがある場合には定めておくことができます。
- ・商号
- ・会社の事業目的
- ・会社本店の所在地住所
- ・社員(出資者)の氏名や名称と住所
- ・社員の会社債務への責任について(間接有限責任である旨)
- ・社員の出資金や現物出資の内容
4 事業に参加する人が出資金を払いこむ
定款の作成が完了したら、定款に記載した会社の社員となる人が出資金の払い込みを行います。
この場合の「社員」というのは従業員のことではなく、会社の出資者のことです(一般的にいうオーナーのことです)。
合同会社の場合は出資者である社員が幅広い権限を持って経営を行うことになりますから、誰が社員となるかは重要です。
また、出資として払いこまれる財産については会社設立以降は会社固有の財産となりますから、出資者のプライベートな資金との分離をきちんと行うための払込証明書や財産引継書を作成しなくてはなりません。
実際に出資金の払い込みを行う
会社の設立の中心となる人の個人名義の銀行口座に、定款で定めたそれぞれの人が負担する出資金額を振込の形で行います。
預金の形で入金を行えるのは社員が1名の時だけですので注意しておきましょう(必ず振込で行います)。
金銭出資に対して払込証明書を作成する
設立の中心となる社員が払い込みを行なった人に対して払込証明書を作成します。
現物出資がある場合
現物で出資をした人がいる場合には、財産引継書等を作成します。
5 法務局で設立登記申請を行う
定款作成が完了し、出資金(現物出資)の払い込みが済んだら、いよいよ法務局で設立登記の申請を行います。
申請日=設立日
申請先は管轄地域の法務局です。「申請日=会社設立の日」になりますから、いつ法務局に行くかはとても重要です。
月初(1日)を設立日にしてしまうと、法人住民税の均等割(月額にすると約6000円)がその月から発生してしまいますから、通常は設立日は2日以降にすることが多いです。
事業年度は365日間でなくても良い
設立日とした日から1年目の事業年度がスタートすることになりますから、1年目の事業年度は必ずしも365日間にならないことが多いです。
例えば、4月1日を避けて4月2日に申請に行ったとすると、
第一事業年度:4月2日〜翌年3月31日
第二事業年度:4月1日〜翌年3月31日
ということになりますね(事業年度は1年を超える期間とすることはできませんが、1年以内であれば自由に決められます。また、3月決算である必要もありません)。
申請方法は3つ
申請には窓口提出、郵送申請、オンライン申請の3つの方法があります。
法務局は登記申請の内容に問題がなければ申請から7〜10日で設立を認めてくれますが、もし問題がある場合には内容の修正を求められることもあります(登記官が連絡できるように連絡先の電話番号を申請書の余白に記載しておくと良いです)。
なお、設立が無事に行われても法務局は何も連絡をくれませんので注意してください。
6 設立完了後にも各種届出が必要
設立登記が完了すると、無事に会社の設立が完了したことになります。
ただし、この時点ではまだ会社の設立が済んだというにすぎませんから、会社の事業がスタートした後に必要になる各種手続きはまだ残っています。
具体的には税金や社会保険、銀行口座開設に関する手続きを行わなくてはなりません。
登記簿謄本と印鑑証明書を取得
以下の手続きを行う際には会社の登記簿謄本や印鑑証明書が必要になりますので、事前に取得しておきましょう。
税金に関係する各種届出を行う
税金に関する書類は、国(税務署)、都道府県、市区町村の3箇所に対して届出を行います。
社会保険に関する届出を行う
会社代表者や従業員の社会保険(健康保険と厚生年金)の手続きを行います。
事業所を設置した旨の届出と、従業員の資格取得に関する届出が必要です。
法人名義の銀行口座を開設
利用する予定の金融機関の窓口で、法人名義の銀行口座を開設する手続きを行います。
近年は犯罪防止の目的で法人名義の銀行口座の開設はチェックが厳しくなっている傾向がありますから、事業所としての実質がある程度整ってから窓口に行くのがおすすめです。
法人を設立すると消費税が2期免税期間となり消費税を納める必要がない免税事業者となります。
しかし、令和5年10月からスタートする「インボイス制度」により免税事業者は消費税を請求することができなくなるため、課税事業者として設立当初から消費税を納めていかなければなりません。
令和3年10月までに会社設立をすれば「2期(24カ月)」の期間、消費税を納める必要がなくなります。
法人化を検討している方は令和3年中の会社設立をご検討ください。
法人化を検討している方は令和3年中の会社設立をご検討ください。