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合同会社Vol.25 合同会社(LLC)意志決定の原則について教えて
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
全員で話し合い過半数により議決する
LLCにおいて意思決定を行う際には会社の代表者が全員で話し合いを行います。
特に株主総会に相当する形式的な会議の開催は義務付けられていません。
複数の人がLLCに出資して設立した場合には、原則としてその全員が会社の代表になります。
会社の経営に関する意思決定については社員全員で話し合いを行うことになります。
このとき、意見が分かれた場合には、過半数の同意により決議します。
業務執行役員を限定することのできる
原則的には社員の全員が代表者となるのですが、これを定款に定めを置くことにより限定することができます。
業務執行役員として限られた人を代表者とすることができるのです。
この定めを定款において場合には、会社の経営に関する意思決定も業務執行役員で話し合って行います。
このときには、業務執行役員の過半数により議決を行います。
決議要件を自由に変更できるのがLLC
会社法では、LLCにおける意思決定について原則的なルールを定めていますが、これを自ら変更することができます。
たとえば、せっかく機動的な運営を目的として設立したLLCなのにもかかわらず、だんだんと人数が多くなり、なかなか意見がまとまらない状況が生じることがあります。
このようなときに、過半数という条件を少し緩和して単純に多数決とすることも可能です。
反対に、会社にとって特に重要な事項については慎重な議論を行うため、決議に関する要件を重くすることも可能です。
たとえば、社員総数の3分の2以上とするということです。
この場合には、定款において内容を明記することになります。
常務は各社員が単独で行える
ところで、会社にとって重要な行為を法律用語で「業務」といいます。
反対に、少額の消耗品の購入や影響の少ない小さな契約など、日常的に行うことを「常務」と言います。
社員が話し合いにより決定することになるのは、このうち「業務」の部分のみです。
「常務」については各社員が単独で行うことができるとされています。
ただし、その常務が完了する前にほかの社員が異議を唱えた場合は、話し合いをすべき事項となり社員の過半数で決することになります。
この常務を行える社員を定款で定めることも可能です。
その場合は、業務執行役員のみが単独で常務を行うことになります。
この場合も、常務が完了する前にほかの業務執行役員が異議を唱えた場合には、業務執行役員での話し合いの対象となりその過半数で決議されます。