- TOP|会社設立
- ›
- 会社設立前に確認したい 48項目徹底検討
- ›
- 取締役の任期について
取締役の任期について
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
▼目次
これまで個人事業主として事業を行ってきた方が法人成りを検討する場合、これまで事業主となっていた人がそのまま法人の経営者として代表取締役に就任することが多いですよね。
株式会社の場合、この代表取締役を含む取締役については「任期」というルールがあるので注意が必要です。
会社のオーナーが経営者となっているオーナー会社では任期といわれてもピンとこないかもしれません。
しかし、法律上の建前としては法人と代表者(取締役や代表取締役)は別人格となっており、法人はその代表者に対して経営に関する仕事を委任すると言う関係になっているのです。
もし取締役の任期が過ぎているのに、なんの手続きもせずに放置していたりすると、ペナルティを課されてしまう可能性がありますので注意が必要です。
ここで法人の取締役の任期のルールについて解説させていただきます。
原則的な取締役の任期についてのルール
株式会社の取締役の任期は原則として2年間です。
この2年間の任期が満了したら、重任(再び取締役として選任されること)あるいは任期満了による退任のいずれかを選択することになります。
企業オーナーが経営者となっていることが多い中小企業では、通常は重任となるのが一般的ですが、重任される場合であっても次で説明する法務局での役員変更登記を行わなくてはなりません。
任期が切れた時の手続き
取締役の任期が切れた場合には、まず定時株主総会を開いて取締役の重任あるいは退任を決議し、議事録を作成します。
経営者や家族だけが株主となっている場合には株主総会といっても形式だけのものであることが多いですから、重要なのは議事録を残しておくことになります。
定時株主総会の議事録を作成したら、その内容(重任または退任)に基づいて法務局で登記手続きを行います。
役員変更の登記(重任登記)は就任を承諾した日から2週間以内に本店所在地を管轄する法務局で行います。
登記手続きでは株主総会議事録が必要になるほか、登録免許税として1万円分の収入印紙購入が必要になります。
任期をニーズに応じて変更する場合
株式会社の取締役の任期は原則として2年間ですが、ニーズに応じて期間を変更することができます。
延長する場合には最長で10年間まで延長することができますから、登録免許税の節約をする場合には10年間の期間を選択すると良いでしょう(定時株主総会でそのように定めた上で役員変更の登記を行うか、設立時の定款で定めておきます)。
ただし、任期を長く設定した場合には、その期間中は特別な理由がない限りはその取締役はずっと会社の経営者としてい続けることになります。
経営者が実質的に1人というような場合には問題はないかもしれませんが、何人かの経営者が集まって経営を行なっている会社の場合には、10年間という期間一人の人が取締役として居座ることが適切ではないことも考えられます。
実際には会社内部のそれぞれの状況に応じて10年間の期間内で取締役の任期を決めることになりますが、上のような長期間の取締役の任期を設定することのメリットとデメリットは理解しておきましょう。
合同会社の場合
会社設立を考える場合、選択できる法人の形式としては株式会社の他に合同会社があります(その他にも合名会社、合資会社というものもありますが、一般的には選択するメリットは少ないです)。
合同会社の場合には株式会社と違って取締役の任期という考え方はありません(登録免許税も支払う必要がありません)。
合同会社は設立や運用のコストが低く抑えられるというメリットがありますから、これから会社設立の手続きを行う事業者の方は選択肢に入れてみても良いかもしれませんね。
▼ 起業前に確認したい48項目徹底検討
- 個人事業と法人はどちらが税金で有利か
- 株式会社か合同会社かどちらにすべきか
- 会社設立は超かんたん!?何も知らないド素人があっさり起業した話【会社設立手続き】
- 合同会社設立って超簡単!合同会社について世界一わかりやすく説明!
- 助成金で取得できるものとは?
- 補助金で取得できるものとは?
- 設立後の創業融資を視野に入れた設立とは?
- 許認可について
- 銀行口座開設を視野に入れた設立スケジュールについて
- 許認可申請を視野に入れた設立スケジュールについて
- 商標権登録されている会社名でないかの調べ方
- 会社名で使える記号や文字とは?
- 会社名で使えない言葉とは?
- 会社名と同じドメインの取得ができるかの確認について
- 同名の会社名の会社がネット検索で上位にでないかは確認しましょう
- レンタルオフィスで設立をするときの注意点
- 商号に英語表記を入れるかどうか?
- 資本金は消費税の免税を考えているか?
- 会社設立に必要な資本金は借入でもよいのか?資金調達方法と注意点を解説
- 資本金を使える時期とは?
- 資本金の振り込み方を詳しく説明
- 現物出資のメリット・デメリット
- 納税時期を考えて何月決算が最適か?
- 消費税の免税期間を考えて何月決算が一番得?
- 消費税の特定期間を考えて何月決算が一番得!?
- 定期的に売上のあがる時期を考えて何月決算かを決めよう
- 事業計画の立てやすさから考えて何月決算が最適か検討しよう
- 本店所在地は銀行通帳が作りやすい場所になっている?
- 本店所在地を自宅にする際のメリット・デメリット
- 部屋番号まで登記する場合のメリット・デメリット
- 定款の本店所在地を市町村で止めるメリット・デメリット
- 役員の構成は節税上有利になるようになっているか確認しましょう
- 役員報酬をいくらにすべきか検討しているか
- 非常勤役員を置くメリットと注意点について
- 安定経営を考えた資本政策とは?
- 他社に過半数出資している株主の確認
- 事業目的は許可申請を取得することを念頭に置けている?
- 事業目的はわかりやすさが重要
- 事業目的には将来予定している内容も盛り込むといいの?
- 公告の方法について
- 発行可能株式総数とは?
- 設立日におすすめの六曜の縁起とは?
- 設立予定日とは?
- 取締役会の設置、非設置について
- 種類株式について
- 株式の譲渡制限について
- 1株当たりの金額は展開を視野に検討しましょう
- 取締役の任期について
- 設立後の社会保険の加入の手続きの流れを詳しく説明
≫ 会社設立は超かんたん!?何も知らないド素人があっさり起業した話【会社設立手続き】 ≫ 合同会社設立って超簡単!合同会社について世界一わかりやすく説明!