私には3人の子供がおり、それぞれがここ数年で立て続けに結婚・出産をした結果、現在は5人の孫がいます。
全員車で1時間圏内のところに住んでいるため、週末には私たち夫婦の家にみんなが集まって、楽しく過ごしております。
ところで、子供や孫が集まっている風景を見ながら、ふと気になったことがあります。
それは、この先私や夫が死んだ時に、財産を誰が相続していくのだろうか、そしてその時には相続税がかかるのだろうかということです。
実は10年ほど前に私の父が他界した時、父の財産を相続した私や兄、妹は相続税の支払いに悩まされました。
それほど多額の財産があるわけでもないのに、相続税を払うのは大変だったということを覚えています。
子供や孫にはそのような思いをさせたくないと考えていますが、そのような制度はないのでしょうか。
相続税は被相続人が残した財産の総額を計算し、その額から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除を引いた残りの額に、税率をかけて計算されます。
相続税の支払いが大変になるのは、相続財産が多いことと、自宅など金銭ではない財産についても相続税の対象となるため、納税するための現金が足りない場合があるためです。
そこで、相続税の額が少しでも少なくなるように節税を行うことを考えてみましょう。
子供さんやお孫さんのためになる制度を利用して財産を贈与することで、生前贈与を行っても贈与税が発生しないようにすることができ、さらに将来の相続税が非課税となる可能性もあります。
1つ目に紹介するのは住宅取得資金の贈与です。
これは20歳以上の子供や孫に対して、住宅を購入したり建築したりするための資金を贈与した場合に、贈与税が非課税となる制度です。
非課税となる金額は、住宅の取得等に係る契約日や適用される消費税率によって異なり、例えば令和2年4月1日~令和3年3月31日の間に契約して消費税率が10%となった場合は、最大で1,500万円までの贈与が非課税となります。
2つ目は教育資金の一括贈与です。
30歳未満の子供や孫に対して、教育資金に充てるための現金を贈与することができます。
最大で1,500万円までの教育資金が非課税となり、子供や孫が学校に入学する際の入学金や授業料、学用品の購入や通学定期券代などに使うことができます。
また、最大500万円までは学習塾や習い事の月謝の支払にあてることもでき、非常に幅広く利用することが可能です。
3つ目は結婚・子育て資金の一括贈与と呼ばれるものです。
20歳以上50歳未満の子供や孫に対して、結婚・子育てに用いるためのお金を最大1,000万円贈与することができます。
結婚にかかる費用としては、結婚式の会場代や新居の契約・引っ越しに関する費用などが対象となります。
結婚に関する費用としては300万円まで利用することができます。
また、子育て資金とは、妊娠・出産・育児に関する費用をいいます。
分娩、不妊治療、予防接種、幼稚園や保育園の入園料や保育料などに使うことができます。
こういった制度を利用すれば、贈与税が発生せずに贈与を行うことができます。
贈与を行うことで、相続財産を減らして相続税が非課税となる可能性があるのです。
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相続サポートセンター(ベンチャーサポート税理士法人 相続部門) 代表税理士。
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相続サポートセンター(ベンチャーサポート税理士法人 相続部門)税理士。
昭和55年うまれ、大阪府出身。
大卒後、税務署に就職し国税専門官として税務調査に従事。税理士としても10年を超えるキャリアを積み、現在は「相続に精通した税理士としての知識」と「元税務調査官としての経験」を両輪として活かした相続税申告を実践中。
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